[戻る] [←前頁] [次頁→] []

794 名前:一刀十三号 ◆MdZ3m.jCpw [] 投稿日:2010/02/03(水) 22:52:46 ID:qUZ683TYO
「そろそろよろしいでしょうか?」
ドスッ!
「あぁ、いまだお怒りが収まらないのですね、それでは仕方がありません。不肖ながら私、明命が引き続き司会をやらさせていただきます(ドキドキ)では五つ桃香です」
795 名前:三教一致拠点風イベント豆まき1/5[] 投稿日:2010/02/03(水) 22:55:46 ID:qUZ683TYO
「「・・・」」
パラパラ…
「「福は〜内!」」
パラパラパラ☆
「「・・・」」
パラパラ…
「「福は〜内!」」
パラパラパラ☆
一刀から聞いた新しい催し物豆まきを鈴々と翠が二人で実践中である。
しかし不思議な事に掛け声は一つ、間に無言である方角に豆をまく。
そして無言の豆まきをまいたその時、またまた通りすがりの愛紗が顔を覗かせた。
「何をしているんだ、お前達は」
「出たのだ!」
「……なにが出たのだ鈴々」
「…バカ…いやぁ福が来たって意味だよ愛紗」
咄嗟に誤魔化す翠。
「ご主人様に教えてもらって、これは豆まきって言うらしいぞ。『福は内』と言いながら豆をまくと縁起が良いらしい」
「そうか、処で朱里を知らないか。用が有るのだが…」
「朱里は見てないな〜」
「それなら鈴々が見たのだ!さっきなら書庫に居たよ」
「そうかありがとう鈴々」
振り向き部屋から出ようとする愛紗に豆をまく二人。
「ん?」
「愛紗にも福をね」
「そうかすまんな」
そうして部屋を出ていく愛紗を見送ると。
「…やったのだ翠、見事鬼を追い払ったのだ…」
「…だな鈴々…」
いたずらっ子の顔で笑う二人。
797 名前:豆まき2/5[] 投稿日:2010/02/03(水) 23:00:10 ID:qUZ683TYO
普段怒る愛紗を鬼に見立てて豆まきをしていたらしい。
怒られる原因は自分たちなのだが…
途中、一刀に出くわした愛紗がここぞばかりに世間話でつなぎ止める、そして何気に先程の豆まきを思い出した。
「ご主人様、鈴々と翠が豆まきをやってまして」
「ああ、早速やってるのか」
「それがあの二人、私に豆をぶつけて私に福が来るように祝ってくれました。正直少し恥ずかしかったのですが…」
「・・・」
喜んでいる愛紗を見て複雑な心境の一刀、イタズラ好きな二人だから軽い気持ちのイタズラなのだろうと判るのだが…
一方、愛紗も一刀と長い付き合いである。
一刀の表情一つで何を考えてたり、思っているのか大体判る様になった。
そして今の表情は……
両肩をガッチリ掴み万力の様な力で放さず、ニッコリと氷の笑顔で言い放つ。
「ご主人様、豆まきとやらの全貌を包み隠さず話してもらいますよ」
「……はい」
その微笑みの脅迫を拒否する勇気は一刀にはなかった。
◇ ◇ ◇
愛紗にはしては珍しく荒々しく廊下で音を立てながら歩き、ある人物を探している。
799 名前:豆まき3/5[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 23:04:22 ID:qUZ683TYO
「私は鬼か!確かに普段からよくあやつらを怒るが、それは怒る様な事をするか、あやつらの事を思ってのことでだな…」
いない相手に対して愛紗は怒っていた、怒るのはある意味いつもの事だが、珍しく愛紗にとってイタズラ心も芽吹いていた。
「私がどれだけ優しいか、身をもって分からせてやる」
しかし普段やりなれない事をするのは危険であると身をもって経験する、もしこれがタンポポだったらしなかっただろう。
『そんなのイタズラじゃないよ!』とか言って…
◇ ◇ ◇
廊下を歩く愛紗が自分の肩幅ぐらいの木箱を持って人を探していた、その人物が見つかり声をかける。
「おぉ、紫苑探したぞ」
「あら愛紗ちゃん、どうかして?」
「うぬ、鈴々と翠に使いを頼まれてな。豆まきについて聞いているか?」
「ええ、璃々が興味を持ったから詳しくご主人様に。それとお使いに何の関係が?」
ここで木箱を差し出し、
「私は詳しくは分からないのだが『これは紫苑の分だと』鈴々が」
「……な・んですって」
言葉と空気が凍った、そこをすっとぼけて台詞を続ける。
「そして翠が『紫苑ならこのぐらいないと足りないよな』と」
800 名前:豆まき4/5[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 23:07:57 ID:qUZ683TYO
顔を上げると“目を瞑った状態でにこやかに天女の微笑み”な紫苑。
「愛紗ちゃん、ちょっと用事を思い出したの…部屋には璃々が居るから豆を『40粒だけ』残して後は厨房にでも返してちょうだい」
声も清みきって天女の様、決して凄味などない…それがまた逆に怖いが。
すると突然に消えた、愛紗の前から瞬きしてた次の瞬間には紫苑の姿が見えなくなっていた。
そして二種類の悲鳴が上がってやがて消えていった。
・・・
・・

「で、紫苑……なぜここにいる?しかもその微笑みで…」
夜、私室に戻ると待ち構えてた紫苑に取り押さえられた愛紗。
「あら〜それは愛紗ちゃんが一番よく分かっているんではなくて…」
「さあ…」
すっとぼけてみるが冷や汗を流しながらでは説得力に欠ける。
「そう?変ねえ…鈴々ちゃんと翠ちゃん、愛紗ちゃんが言ったこと何も知らないって言うんだけど」
「それは罪を逃れる為の嘘ではないのか」
「ならご主人様に聞いたら、豆まきの事を全て愛紗ちゃんに話したっておっしゃってましたは」
「ご主人様はもうボケられたのか先が思いやられる、私は豆まきに関しては詳しく知らん」
801 名前:豆まき5/5[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 23:11:05 ID:qUZ683TYO
必死に食い下がる愛紗、頭の中の危険を知らせる銅鑼が最大限の音を発しているからだ。
「そう言えば先程の豆なんだけど璃々と合わせても二粒多いのよね…」
「さすがにそれは無理があるだろ・・・・・・しまった!」
「あっら〜〜愛紗ちゃん不思議ね〜、何故その答えが出せたのかお姉さんとちょっとお話しましょうか」
昼間愛紗が一刀にした様に、今度は紫苑が愛紗に両肩を万力の力で掴む。
「待て紫苑、話せば判る」
「なにをかしら?」
「その…鈴々と翠が私を鬼に見立てたので…私などまだかわいい方だと思わせたくてだな…」
気が動転している愛紗は更に地雷を踏んだことに気がつかない。
「つ・ま・り、私は怖い鬼と……さあ愛紗ちゃん、ちょ〜〜〜っと話会いましょう」
「悪かった紫苑、許してくれ。手っ取り早くてつい……つぃ」
さすがは歴戦の名武将、自分の置かれている立場を明確に理解したらしく観念した。
その夜もう一つ悲鳴があがり消えていった……
次の日の朝、魂が抜けたような三人の姿が大広間に晒されていた。
三人が頑なに喋らないので犯人は未だに不明である。
803 名前:一刀十三号 ◆MdZ3m.jCpw [sage] 投稿日:2010/02/03(水) 23:20:38 ID:qUZ683TYO
「・・・・・あぁ!お猫さまが寸分の隙間無く矢だらけに。全てが紫苑さんの矢に…おや?こんなところに竹簡が」
クルクルッ☆
「『仕方無いやん!思い付きで、5時間で、豆まきで、豆まき関連ネタ落ちつったら、落ち担当決まっちゃうじゃん!』って?」
ドスッ!
ドスッ!
ドスッ!
ドスッ!
ドスッ!
ドスッ!
ドスッ!
「ああ、死者に…?死お猫さまに鞭を!もう止めてください紫苑さん!」
ドスッ!
ドスッ!
ドスッ!
「こんな若干変わったお猫さまですが、実は最低でも三日に一回は」
ドスッ!
ドスッ!
ドスッ!
「無印の恋姫†無双の紫苑さんの拠点、六番目と九番目をやって癒しを貰い、心の安定を保っている少々ひねくれお猫さまなのです!」
ピタッ☆
「最近では真の心の母親順位表一位の秋子さんをも脅かしてもいるそうなのです!」
シ〜ン
「あぁ、攻撃が止みました、良かったのです。それでは改めましてご鑑賞ありがとうございました、次の予定はバレンタインらしいのです。それでは失礼するのです」
シュタ、ミ☆

 [戻る] [←前頁] [次頁→] [上へ]