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335 名前:玉葱 ◆3qlAoMb44E [sage] 投稿日:2009/12/31(木) 23:42:46 ID:GAMeTo/20
19@793こと玉葱です。トリップとやら初めてで正常に出るのか激シック不安。
今年最後の呉アフター番外編桃香します。
オリキャラ?として一刀の娘たちを動かしますので、イラネな方にはご容赦願いたく
336 名前:一刀とずっと:孫尚香編(1/3)[sage] 投稿日:2009/12/31(木) 23:46:47 ID:GAMeTo/20
「ごちそうさまー、見て見て一刀ー、妊娠二ケ月ー♪」
今年最後の晩餐、と言っても特別なご馳走が用意されているわけでもなく、いつもの妻たちの食事。
まぁ俺にとっては毎食がご馳走と言って全く差支えが無いわけなのだが。

「小蓮!明日には新年を迎えると言うのに、何を破廉恥な!」
ふくれたお腹をさすって見せる小蓮をピシャリとたしなめる姉蓮華。
「えー、おめでたいことの何が破廉恥なわけー?」
叱責の言葉などどこ吹く風か、シャオが口をとがらせて抗議する。
本当ならば確かにおめでたいことなのだが、これは小蓮のいつもの強がり。
周りは皆愛しい人の子を授かり、妻として母としての立場を確かなものにしているのに、
自分一人だけが、未だに愛の結晶を抱くことがない。
337 名前:一刀とずっと:孫尚香編(2/3)[sage] 投稿日:2009/12/31(木) 23:47:52 ID:GAMeTo/20
もしかしたら、自分は子を成せない身体なのかもしれない。

閨で涙をこぼしながらそんな苦悩を漏らしたことは、一度や二度ではない。
姉を、将を、臣下を、民を、そして姪たちを底抜けに明るく照らす笑顔の影で、
嫉妬、羨望、焦燥、不安、様々な感情が混ぜこぜになった暗い気持ちを秘めねばならない。
腕の中で嗚咽を抑えながら吐露する想いに、俺は言葉もなく大切な妻を抱きしめるしかなかった。

そんなことが幾夜か続いたある日、股間の快感で目覚めると
憑き物が取れたような晴れやかな笑顔のシャオが、俺の逸物を可愛がってくれていた。
『子供が産めなくても平気!一刀は変わらずシャオを愛してくれるから』
強がりなのはわかっている。
『だからシャオが一刀の妻で娘で姉で妹で居てあげる♪』
本当は我が子を産みたくて抱きたくて愛したくて狂おしいことも。

だから俺は、妻で娘で姉で妹な彼女を、俺に出来る全力で愛することを改めて覚悟した。

その朝、政務への参加が遅れに遅れた為に、蓮華には散々叱られ、思春にはネチネチと皮肉を吐かれ、
祭には尻を叩かれ、穏には笑顔で太股をつねられ、明命には例の墨で顔に『無節操』と書かれ、
亞莎には涙目でずっと見つめられた。

覚悟とは、まこと苦痛を伴うものであることを思い知った一日になった。
339 名前:一刀とずっと:孫尚香編(3/3)[sage] 投稿日:2009/12/31(木) 23:49:23 ID:GAMeTo/20
「そういう問題では…と、聞いているのか小蓮!」
蓮華の叱責を逃れ俺の席へと駆け寄ると、慣れた動きで俺の膝の上に納まる小蓮。
「一刀ー♪身重のシャオを大切に抱きしめて♪」
と、あからさまな挑発と共に口づけてくる小蓮。
これには蓮華のみならず、娘たちも色めきたった。

「叔母さまずるい!」と孫登。
「尚香さま、父上の膝が辛いことになっておりますゆえ…お降り願います」と甘述。
「ととさまー、延はごほんを読んでほしいですー」と陸延。
「のぅおやじどの、しょうこうどのばかりというのは、ふこうへいというものではないかの?」と黄柄。
「ちちうえっ!しゅうしょうもだっこしてほしいのですっ!」と周戟B
「おとしゃんー、おとしゃんー」と呂j(涙目)。

駆け寄りすがりつく娘たちからは心を射抜かれるような視線を受け、
妻たちからは身体が射抜かれるような視線に晒されながら、すりすりと胸に頭を寄せる小蓮にそっと洩らす。

「…来年はきっと、本当のことにしような?」
「…やぁん♪する!」
満面の笑みと満場の不満顔とともに、孫呉は新しい年を迎えようとしていた。
340 名前:玉葱 ◆3qlAoMb44E [sage] 投稿日:2009/12/31(木) 23:52:06 ID:GAMeTo/20
桃香完了。
皆さま、良いお年を。

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