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341 名前:桂花の風邪(後編)[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 20:50:17 ID:mUlwVGt30
 「桂花の風邪」の後編を桃香します。
 14+1分割です。
 問題なければ十分後に。

 関係ないですが、このスレで張三姉妹の出番ってまだないんですよね。
 男の華佗すら登場したというのに……。
345 名前:桂花の風邪(後編)1/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:00:12 ID:mUlwVGt30
 しばらく、桂花の部屋には、桂花の咳以外に響く音は無かった。しかし、数分後。

「……曹操様。用が無いのならお戻りください。ごほ」

「はっ!? おい桂花! 華琳さまに向かってなんと言う口を利くのだ!? 熱で頭がやられたか!?」

 我に返った春蘭が、怒りよりも困惑や驚きを露にしまくしたてる。
 しかし、桂花は嫌そうに、

「夏侯惇、アンタには言っていないの。って言うかアンタも今すぐ出て行って頂戴。あと唾を飛ばすな」

「い、一体これはどういうことなの、桂花! あなたが私たちにこんな言い方をするなんて……?」

「はっ、げほ」

 桂花は華琳の言葉に嘲笑を返した。咳もしたので様にはならなかったが。

「曹操様。いつから曹魏の王は暇な職となったのですか? 私、自分が人を見る目がげほっ、無かったとは思いたくありませんので。あまり失望させないで欲しいのですが」

「………」

 華琳は、無礼な事をのたまう桂花に対する怒りよりも、疑問が先にたった。

(この事態はどういうこと? 桂花は自惚れでなく私を慕っていたはず。急な心変わりと理由をつけるのも不自然。何か別の原因……ってアレしかないわよね)

 何も言わない華琳に、桂花は苛立たしげに咳をし、
347 名前:桂花の風邪(後編)2/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:05:17 ID:mUlwVGt30
「大体、見舞われたくらいで風邪が治れば苦労はしません。好かぬとはいえ、私以外にも軍師はいます。ごほ、五胡は健在とはいえ問題はないでしょう。
 ……ってこんなこと言わずともお分かりでしょうに。けほ、曹操様こそ、お風邪をお召しになられたのでは? 今日は色事はお控えになって、ゆっくりとお休みになられてはいかがでしょう」

 言葉に棘と嫌味を含ませ、慇懃無礼に言った。

 そのとき、廊下からどたどたと足音が近づいてくる。そして、部屋の扉が勢いよく開け放たれた。

「夏侯惇っ!!」

「華佗!」

「曹操達もいたのか。すぐにこっちに来てくれ。荀ケ、騒がせてすまなかった」

 華佗の言葉に、華琳らはそそくさと後に続いた。



「……他者への好悪が反転する薬?」

「ああ。以前仕留めた龍の髭から作った秘薬だ」

「だが華佗よ。私は確かに『変』と書かれた壷を選んだぞ。ほら」

「……姉者。違うではないか」

「え? って違わないじゃないか。確かに『変』と」

「そうじゃない。おれは『全』と書かれた壷、って言ったんだ」

「春蘭…。あなたね……」
349 名前:桂花の風邪(後編)3/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:10:10 ID:mUlwVGt30
「ええっ!? か、華佗! お前が聞き取りにくく言ったのが悪いんだぞっ!」

「私はちゃんと聞こえたのだが」

「しゅうらん〜! 姉を裏切るのか〜!?」

「…………はぁ」

 秋蘭は溜息と共に頭を抑えた。

「ともあれ、これで全ては解決するじゃない」

「どういうことですか?」

「桂花は男嫌いでしょう? だったら、今なら華佗の鍼治療を喜んで受けてくれる筈。華佗、その鍼であの薬の効果は消せるの?」

「ん? あれは病気じゃないから鍼は効かない。だが、反転薬(今名付けた)の効果を消せる薬なら問題なく調合できるけど」

「だったら全ては解決ね。どうなることかと思ったけど、これは春蘭の勇み足のおかげと言うべきかしら」

「みろ秋蘭! なんだかよくわからんが華琳さまが褒めてくれたぞ!」

 鼻高々の春蘭に、秋蘭はふっ、と笑みを浮かべた。

「……そうだな。姉者には敵わんよ」

「そうだろうそうだろう!」

 呵呵と笑う春蘭に、華佗も笑う。

「いい部下を持ってるな、曹操」
350 名前:桂花の風邪(後編)4/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:15:40 ID:mUlwVGt30
「あげないわよ?」

「はははは、そいつは残念!
 さて、早速薬の調合をするとしよう。そうさな、六刻…いや、五刻(二時間半)で完成させる」

「解ったわ。春蘭、秋蘭」

「はっ」
「はっ」

「これより治療完了まで女の主要な武将は桂花の部屋に近付けないように。特に季衣と流琉はね。
 今の桂花に会わせたら泣いてしまうかもしれないもの」

 ――――――――――

 二時間半後、華琳らは桂花の部屋の近くに集合していた。

「曹操、薬は無事完成した」

「わかったわ。なら早速・・・」

 華琳がそう言いかけた時、桂花の部屋から人が出てくるのが見えた。

「あれは、北郷?」

 曹魏屈指の視力を誇る秋蘭が、真っ先に人物の判別を行った。

「北郷だと? あいつめ、さては桂花の部屋に忘れ物をしたな? まったく、間抜けな奴だ」

「・・・・・・今は一刀のことはいいわ。華佗、やって頂戴」

「わかった。じゃあ行って来る」
352 名前:桂花の風邪(後編)5/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:20:13 ID:mUlwVGt30
 華佗はノックし、桂花の部屋に入った。


「荀ケ、ちょっといいかい」

「あら、あなた華佗ね。お久しぶり……と言うかさっきぶり」

 桂花は咳き込みつつも、にこやかに華佗を迎える。なんかさっきより部屋が散らかっているように見えたが、気にしないことにした。

「ああ。さっきぶり。早速だけど、今日は曹操に頼まれてね。荀ケを治療しに来た」

「ええ、曹操さまが頼んだ、と言うのは気に入らないけど、音に聞こえし名医の医術、見せてもらうわ」

 桂花の言葉に外で聞き耳を立てている華琳の頬が引きつった。が、それは余談である。

「ええと、もしかして私、裸にならないといけないのかしら。げほげほ、ちょっと恥ずかしいわね…」

「おれは医者だからな。気にすることは無い。……と、言いたいところだが、今回は大丈夫。もう病魔は見えてるさ」

「…? そういうものなの」

 桂花は首を傾げた。実際、桂花の風邪はさほど重いと言うわけではない。

「よし。じゃあ準備はいいか?」

「ええ。いいわよ」

 桂花がそういうと、華佗は鍼を取り出し、気合を入れ始めた。

「我が身、我が鍼と一つとなり! 一鍼同体! 全力全快! 必察必治癒……病魔覆滅!

 げ・ん・き・に・なれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
354 名前:桂花の風邪(後編)5/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:23:09 ID:mUlwVGt30
「終わったの?」

 桂花の部屋から出てきた華佗に、華琳は話しかけた。

「ああ。病魔は退散した。薬も飲ませたから反転薬の効果ももう切れてるだろう。最後に効果を見がてら見舞ったらどうだい?」

「そうさせてもらうわ」

 華琳は頷き、桂花の部屋に入った。

「まぁ、華琳さま!」

 華琳たちを、笑顔の桂花が迎える。自分たちに冷たい視線を向けた桂花の雰囲気は微塵も感じられない。華琳は心の中で安堵の息を吐いた。

「調子はどう?」

「はい。私が眠っている間に華佗が来たようです。寝ている間に男に近寄られたなんて虫唾の走る話しですが、あの医者、音に聞こえるだけあって腕だけは確かなようですね」

「眠っている間?」

「・・・? はい。それが何か」

「いえ、なんでもないわ」

 どうやら、桂花は性格反転中のことは記憶にないらしい。

「桂花。念のため今日と明日一杯はゆっくり休養をとりなさい」

「いいえ華琳さま。もうすっかり完治していますので、今すぐにでも片付いていない懸案を・・・」
358 名前:桂花の風邪(後編)7/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:30:12 ID:mUlwVGt30
「駄目よ。思えば、戦の事後処理から五胡の対策までちょっと負担が大きかったかもしれないわね。
 その証拠に、桂花は自己管理も出来ない無能ではない、ということを私は知っているから」

「……わかりました」

「いい子ね。大人しくしていたら、明日の夜はたっぷり可愛がってあげる」

「ああ、華琳さま……」

 桂花の顔が熱に浮かされたように恍惚としたものになる。
 いつもどおりの桂花に安心した華琳は、数分話した後、桂花の部屋を後にした。


「華琳、桂花はもういいのか?」

「え?」

 次の日の朝。一刀に話しかけられた華琳はらしくもなく彼女にしては間の抜けた声を上げてしまった。

「ああ、一刀には言ってなかったかしら。桂花なら昨日華佗の鍼で全快したわよ」

「鍼? あの情緒不安定な状態でよく出来たもんだなぁ」

「……。ああ」

 そうだった。と華琳は心中でつぶやく。一刀は反転薬のことを聞いていないのだろう。

「そうだ、北郷! 昨日鍼治療の前に桂花の性懲りも無く桂花の部屋に行っていただろう? どんな反応をされたのだ!?」

「は? 何言ってんだ!?」

 一刀は春蘭に詰め寄られて後ずさる。
360 名前:桂花の風邪(後編)8/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:35:13 ID:mUlwVGt30
「うむ。私も興味があるな。華佗があれほど好意的に受け入れられたのだ。北郷はどうだったのだ?」

「んん? いや、どんなって言われてもなぁ。俺が怒って出て行ったの見てたろ? あの時と同じだよ。
 …いや、二回目のほうがちょっとキツかったかな? それはもうギャンギャンと。物は投げてくるし」

「・・・ふぅん」
「なに?」
「ほう……」

 三人はは驚きに目を見開く。

 普段の桂花の一刀に対する態度は周知の通り酷い物である。
 華琳以外の女性にも物腰柔らかとはとても言えないものの、一刀他、男に対する態度に比べれば遥かにマシである。

 しかし、一刀が言うには好悪反転中においても一刀に対する態度は普段通りかそれ以上であったという。
 実際に薬の効果を目の当たりにした華琳らにとっては信じがたいことであった。

「それは、つまり・・・・・・そういうことなのか、北郷?」

「だから何の話だよ」

 イマイチ状況が分からない一刀は頭の周りに?が飛び交っている。

「ああ、そう。そういうことなのね桂花……。薄々と、と言うか多分そうだろうとは思っていたけど……」

「はい、同感です」

 華琳と秋蘭はニヤニヤクスクスと含み笑い。

「??? なんだってんだ、華琳と秋蘭まで?」

「いいえ、なんでもないのよ? ふふふ……」
363 名前:桂花の風邪(後編)9/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:40:14 ID:mUlwVGt30
 一刀にとって丸っきり訳が分からない展開に困惑していると、廊下の向こうより、桂花の叫び声が聞こえた。

「北郷!」

「桂花?」

 一刀はちょうど廊下の曲がり角に立っており、桂花の位置からは華琳らの姿が見えないためか、いる事に気づいてないようだ。

「一刀。桂花は私に気付いてないみたいだから、気付かれないように振舞ってね」

「なんでだよ」

「なんでもよ」

 華琳の言葉にまたも疑問符を浮かべる一刀だが、深く考える前に桂花がどすどすと足音を響かせながらやってきた。

「ああもう、人が呼んでるのに何を突っ立ってるのよ! 犬だって呼べば近寄ってくるわよ!?」

「ああ、悪い。考え事してたから」

「はん。その足りない頭で何を考えるって言うの?」

「・・・・・・いや。うん」

 一刀は相変わらずな桂花に微かに安堵した。キツイのは相変わらずだが、昨日よりよっぽどましに感じる。

 桂花はまぁいいわ、と呟き、

「昨日はね、その、風邪から来る頭痛でちょっと気が立ってたのよ!」

「はい?」
364 名前:桂花の風邪(後編)10/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:45:13 ID:mUlwVGt30
「鈍い男ね! 昨日私の言葉にあんた怒ったでしょ!? だから」

「ああ、悪いと思ってくれたってことか」

「誰がよ! ただ、華琳さまが幾らなんでもあの態度はいただけないとおっしゃられるから仕方なく・・・」


 その桂花のいい様に、華琳は忍び笑いを漏らした。

「聞いた秋蘭? あの子、私をダシにしたわよ?」

「はい。しかと聞きました」


「華琳がねぇ・・・」

「解った? じゃなけりゃ誰がわざわざこんな事言いにくるもんですか」

 桂花はぷんすか怒りながら「理解が遅い」だの「頭に脳の代わりに精液が」等とぶつぶつ呟いている。

「ん? 桂花。さっきから顔が赤いけど、まだ風邪がちょっと残ってるのか?」

「あんたの頭の血の巡りが悪いからいらいらしてんのよ!」

「いやいや、風邪ってのは案外馬鹿に出来ない代物でなぁ」

 一刀は桂花の額に手の平を当てた。

「〜〜〜〜〜っ!?」

 桂花の頬は更に紅潮し、すぐに手を振り払った。
368 名前:桂花の風邪(後編)11/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:50:16 ID:mUlwVGt30
「ば、ばばば、ばかっ! この馬鹿っ! 触んないでよ近付かないでよ! 妊娠するでしょ!」

「相変わらず無茶苦茶な事を・・・・・・。病み上がりなんだから、いくら俺だって心配の一つはするって」

「〜〜〜ッ! も、もういいわよ!」

「おい、何処に行くんだ?」

「どこだっていいでしょ!」

「いや、買い物に行くんなら付いて行こうと思って。
 俺、見舞いの時になんか言う事聞くっていっただろ? だったら荷物持ち位なら、ってな」

「・・・・・・・・・・・・」

 一刀を半眼で睨んでいた桂花は、にやりと邪笑を浮かべた。

「あ、そう。なかなか殊勝な心がけね。だったら本屋に行きましょう。ちょうど暇潰しの本がなくなっちゃったところだもの。
 ふふふ、図体ばかりでかいんだから、今日くらいは私が役立ててあげる」

「はいはい」

 一刀は、にやにやしている華琳らをちらりと見る。
 華琳は、無言で手をひらひらと振る。許可しているらしい。

「早くしなさいよ愚図ね! あ、でもあまり近付きすぎないでよ!
 位置は私の三歩後ろ! あと触れるの厳禁!」

「はいはい」

「はいは1回でしょう!」
371 名前:桂花の風邪(後編)12/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 21:55:13 ID:mUlwVGt30
「はいはいはい」

「なんで増やすのよ!」

 怒鳴り声を一刀は適当に受け流しつつ歩き、桂花はそんな一刀に大声であらん限りの罵声を浴びせかけていた。
 隣り合って歩く桂花は、三歩後ろを歩けと言った自分の言葉はもう忘れているようだ。


 そんな二人を、華琳ら三人は無言で見送っていた。そして十数秒後、春蘭がポツリと呟いた。

「なんだあの可愛い生き物……」

 その声音には戦慄の色さえ含まれていた。

「……正に。知らぬは北郷ばかりなり、か……」

 秋蘭は姉の言葉に深く頷き、重々しく言った。しかし口の端に浮かぶ笑みは隠しようがなかった。

「ふう……。最初から可愛い子だったけど、まさかああまで可愛くするなんて。
 これも一刀の手腕ゆえ、かしら。曹魏の種馬の力、些かの衰えも無い様ね」

「……そういえば華琳さま。なんで桂花のやつは見舞いに来た北郷に冷たく当たったんでしょうか」

「大方、風邪をうつしたくないとでも思ったんでしょう」

「桂花はわざと北郷を怒らせたということですか?」

「多分ね。無意識だったかもしれないけど。
 それに気付いていた? あの子、反転薬を飲むまでは私や一刀の前では殆ど咳をしなかったのよ」

「……はぁ。無意識だとしてもそこまで素直になれないとは。桂花も難儀なやつですね」
374 名前:桂花の風邪(後編)13/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 22:01:22 ID:mUlwVGt30
 春蘭は腕を組んで天井を仰いだ。彼女的には桂花の行動はイマイチぴんと来ないのだろう。

「何を言う。姉者も北郷に対してはまったく素直になれぬではないか。
 ………閨以外では」

「しゅしゅ秋蘭!! な、なななななな何を」

 あたふたとする春蘭を微笑ましく横目で見ながら、華琳は言う。

「あの子の言葉を思い返すと、私にも一刀にも、最初から最後まで「風邪がうつるから帰れ」と言い続けてたのね」

「では、桂花は華琳さまと北郷を同じくらい愛していた、と?」

「さあ? なんにしろ、これ以上語るのは無粋に過ぎると言うものね」

 華琳は一刀らが去った方向を見て目を細めた。



「さて、慌しかったけれどとても楽しい騒動だったわ。だから、そんな時間をくれた二人に褒美をあげようかしら」

「褒美、ですか」

「ええ。今日桂花を閨に招くと約束していたけど、一刀も呼ぼうと思うの」

 その言葉に、春蘭と秋蘭は驚き、そして直ぐににやりと笑った。



「桂花にとって最高の褒美になると思わない?
 ……いろいろな意味で、ね」
376 名前:桂花の風邪(後編)14/14[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 22:05:57 ID:mUlwVGt30
 そう言って、華琳は笑顔で片目を閉じた。


 終わり
377 名前:桂花の風邪 おまけ[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 22:06:44 ID:mUlwVGt30
 おまけ@

「春蘭様ー。今日頼まれごとで桂花の部屋に行ったら、黄色い猫の人形抱いてニヤニヤしてたんですよ!
 凄い焦ってたけど、別に隠すほどのものでもないと思うんですけど」

「…………なに、その可愛い生き物」

 おまけA

 晩年の曹孟徳が記した自叙伝には、以下の記述がある。

 人生で一番激怒したとき。
 ―――――天に帰った一刀が、再び自分の前に締りのない笑顔で現れたとき。

 人生で一番嬉しかったとき。
 ―――――華佗に「これは……おめでただな」と言われたとき。



 人生で一番驚愕したとき。
 ―――――桂花に、まるで虫を見るような目で見据えられつつ毒舌を吐かれたとき。



 ちなみに余談だが、このとき華琳に得体の知れない快感にも似た感覚が、背にゾクゾクと走ったという。


 本当に終わり。
378 名前:桂花の風邪 後書き[sage] 投稿日:2009/03/04(水) 22:08:59 ID:mUlwVGt30
 以上です。
 支援本当にありがとうございました!

 それにしても桂花可愛いよ桂花。
 でも私が魏の好きなキャラトップ3は 1沙和、2春蘭、3華琳の順だったりします。
 みんな好きなんですけどね〜。

 では。

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