- 783 名前:桂花の風邪の人…改めK-999[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:22:35 ID:f9TaDHwt0
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どうもこんにちは。外史まとめサイト出の名前は「桂花の風邪の人」です。
「桂花の風邪」の続編を桃香したいと思いますが……大丈夫ですかね?
1年以上前の話ですんで誰も憶えてないとは思いますが。
- 788 名前:桂花の風邪の人…改めK-999[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:35:57 ID:f9TaDHwt0
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注意・以下の条件に当てはまる方は不快に感じる描写があるかもしれません。
魏√が嫌いな人。
デレる桂花なんて桂花じゃない! という人。
また、超展開有り。
それでもいいなら、どうぞ。
- 789 名前:覇王の憂鬱1/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:37:24 ID:f9TaDHwt0
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「これは一体どういうことかしら?」
華琳はバン、と長机の上の紙を叩き、一刀に氷点下の声を浴びせた。
一刀は華琳の冷たすぎる声と強烈な覇気に体を竦ませ、ぎこちなく首を振った。わかりません、という意思表示だ。
華琳のこめかみがピクリと動く。
「……解らない? そう。だったらもう一度読み上げるわよ。よく聴きなさい。
春蘭、5回。
秋蘭、12回。
桂花、2回。
季衣、4回。
流琉、10回。
稟、5回。
風、9回。
凪、15回。
真桜、14回。
沙和、14回。
霞、9回。
張姉妹、それぞれ11回ずつ。…………解るかしら?」
「い、いや……」
「なにやら剣呑な雰囲気ですねー」
「そうね。私たちの名前も出てきたけど、一刀殿はいったい何をしたのやら」
穏やかでない雰囲気に、朝議の時間もそろそろ迫ってきたというのに外の稟と風は、中に入れずにいた。
- 791 名前:覇王の憂鬱(前編)2/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:40:18 ID:f9TaDHwt0
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「ん? 風と稟ではないか」
「何をしている。入らないのか?」
そこに春蘭と秋蘭もやってきた。
「それがですねー。どうやらお兄さんが華琳さまに怒られているようで。入るに入れないんですよー」
風は今までの内容をかいつまんで説明する。
「北郷が? ふむ・・・・・・。最近目立つ失敗はしていなかったようだが」
「なんにせよ間抜けな奴だな。それにしても私が5回? いったいなんのことだ?」
春蘭は首を捻った。
質問の答えが解らない一刀に、華琳はふっと顔を伏せた。こめかみどころか全身が細かく震えている。決して寒いわけではない。
「へぇ、そう。解らないのね……。なら、教えてあげるわ」
華琳は幽鬼のようにゆらりと顔を上げ、大きく息を吸った。
「この4ヶ月で一刀が私以外の女と閨を共にした回数よッ!! わ・た・し・以外の!」
そう。華琳が示した紙は、義務付けられている一刀と主要な武将との『関係』の報告をまとめたものである。
華琳の発した今日一番の怒号に、一刀は萎縮する前に凍りついた。
真実にかすりもしない出鱈目だから、ではない。
- 792 名前:覇王の憂鬱(前編)3/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:41:42 ID:f9TaDHwt0
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(心当たりが……有り過ぎるっ!!)
一刀の顔に、汗が一筋流れた。
「その顔、心当たりが有るって顔ね……?」
ぎくり。
「ほ、北郷、お前まさかこれほどまでのことを……」
外では驚きすぎて目が点になっている春蘭。
「うむ。まさかこれ程とは……」
呆れを通り越して戦慄を覚える秋蘭。
「こ、これが全部一刀殿が、その、した、回数? 一刀殿が……ぶふーーーーーーっ!!」
あまりの事実に鼻血を噴出させる稟。
「ああ、稟ちゃんが大変なことにー。とんとんしますよー。とんとんー」
いつも通りの風。それらを余所に、中では華琳が更なる追求を行なっていた。
「春蘭の5回はいいとして、秋蘭の12回は何?
凪たちが多いのは解るのよ。同じ職場だから予定とか合わせ易いんでしょうし」
- 795 名前:覇王の憂鬱(前編)4/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:46:29 ID:f9TaDHwt0
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「そ、そんなにしたっけ・・・・・・? いや、そう言えば確かに多かった気が・・・・・・?」
「ほ、本当だ! 秋蘭、お前私の倍以上だと!? 持ち場が全然違うのにこの回数! 一体どういうことだ!?」
驚きのあまり風の言葉を遮って妹に食って掛かる春蘭。
秋蘭は姉の言葉のも動じず、思い出を反芻するかのように目を閉じ、僅かに頬を染める。
「ふふ……私も一刀を愛しているのでな」
「答えになってないぞっ!!」
「しかも何気に下の名前まで使って!」
うがーと春蘭が叫び、鼻血が止まったのか稟は斜め上方向の反応をする。
「……まぁいいわ。良くないけど。次は季衣と流琉よ。季衣は4回ね。桂花の2回は私が命じた時だけだから実質一番少ないわね。
まだまだ子どもだからこの回数を多いと見るか少ないと見るか…。
でも問題は流琉の回数よ! 10回? 二桁じゃないの!!」
「「10回〜〜〜!?」」
春蘭と稟が、驚愕の声を(ただし音量は控えめに)あげた。
「流琉のような小さい子(※登場人物は皆18才以上です)に他をこなしつつ、4ヶ月に……10回!?」
- 798 名前:覇王の憂鬱(前編)5/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:48:32 ID:f9TaDHwt0
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鼻血を全力で我慢しつつ、あまりの事実に本気で頭が痛い稟だった。
「ふふ……流琉も一刀を愛していたのでな。私と一緒に愛してもらった」
「 ま た お 前 か ! ! ! 」
春蘭は思わず妹に突っ込みを入れてしまった。
「ああ、愛する姉者に激しい言葉を浴びせかけられると、なんと言うか、心の奥がなん
だかざわめくな……」
「………………」
春蘭はもう突っ込む言葉もなかった。
「今日の秋蘭ちゃんはかっとばしてますねー」
流石の風も呆れている。
「小さい季衣や流琉、それに風ともあんなに……ぶふぅーーーっ!!」
「ああ、稟ちゃんやっぱり我慢できませんでしたか。これまた大量ですねー。とんとん
ー。とんとんとんー」
「ねぇ、一刀? 以前あなた言わなかったかしら?」
「う……」
いくら一刀でも、今この状況で華琳の言わんとしている事はわかる。
- 800 名前:覇王の憂鬱(前編)6/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:51:08 ID:f9TaDHwt0
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「俺は……その、華琳のものだってことか……?」
「あら。解ってるんじゃないの」
半ば本気で驚いたように華琳は言ったが、直ぐにまた不機嫌な顔になる。
「それが解っていながらこれはどういうことなのよ!? 驚いたわよ。ええ、本当に。
まさか一刀に私を蔑ろにする勇気……いえ、蛮勇があったなんてねぇ?」
「べ、別に蔑ろにするつもりは……」
「その気があろうがなかろうが、現に報告書にはその事実が記されているじゃないの!」
華琳は机の上の報告書をバン、と叩く。
「確かに命令通り手を出したことやその内容をきっちり報告しているのは感心よ。
でもね、一刀。命令したとはいえ、あなたが他の子との情事を克明に記した報告書に全部目を通してる私の身にもなってみなさい!!」
華琳の言葉に、春蘭らは想像してみた。
40枚や50枚ならまだしも(あくまで華琳の感覚で、だが)、わずか4ヶ月でそれ
が計132枚ともなると話しは別だ。
愛しているとは口には出さないが、間違いなくそうであろう男の他の女との情事の記
録。それを4ヶ月に132枚である。
(((((うわ……………)))))
想像した春蘭らの頬が引きつった。稟はまたも鼻血を噴出して倒れた。
- 802 名前:覇王の憂鬱(前編)7/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:56:15 ID:f9TaDHwt0
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「華琳!」
「……なによ」
一刀の表情に、俄かに強いものが混じる。
「今更何を言っても言い訳だ。でもこれだけは言わせてくれ」
一刀は息を吸い、そして言った。
「俺は華琳が好きだ。愛している。許されるなら、今夜……いや、今すぐにだって華琳を抱きたい」
飾りのない言葉。華琳は一瞬照れそうになるが必死にそれを隠す。
「ふ、ふん。でも他の子たちも好きで愛しているんでしょう?」
「ああ。愛しているさ。でも、それは華琳だってそうだ。それ以上だ。少なくとも今は、華琳しか見えない」
「バカ……。あなた、どれほど勝手で無礼なことを言ってるのかわかっているの?」
「ごめん。俺は華琳に比べたら馬鹿で無能だから。でもこれが俺の本当の気持ち」
「……ばか」
華琳は、拗ねた様に顔をそらす。でもその顔の赤さは鈍い一刀にだって丸分かりである。
「天の政治や経済、農耕技術の知識やそれを実用に耐える案を作成したり現場で指揮したり出来るあなたを無能呼ばわりなんて。
そんなこと言っちゃあ、他の文官の立つ瀬がないと言うものよ」
- 804 名前:覇王の憂鬱(前編)8/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 22:59:50 ID:f9TaDHwt0
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照れ隠しに言った言葉だが、実際、華琳は驚いている。
一刀は天に戻ってまた帰ってくるまでに相当知識を深めたようで、以前とは比べ物にならない働きを見せている。
あの桂花さえ文句どころか褒めざるを得ないほどなのだ。これ程の知識をモノにするとは、天に戻った一刀はまたここに来る予感でもあったのだろうか。
ともあれ、華琳はこほんと咳払いをした。
「……ま、今更あの子達との回数を減らせ、なんて言わないわ。
でも、もうちょっと主人に対する誠意を見せなさい。………一刀は、私のものなんだから、ね」
「光栄です。華琳様」
芝居がかった礼を返す一刀。華琳は笑いながら「ばか」と言った。
まあ何のことはない。つまり華琳はこう言いたかっただけなのだろう。
『寂しいよー! 構ってよー! いくら忙しいって言っても一刀は私のモノなのにー!』
なんとも微笑ましい事である。
「…………ふ」
固唾を呑んで息を潜めていた春蘭の頬が緩んだ。
「まったく北郷のやつめ。どうなることかと思ったぞ」
「うむ。丸く収まりそうで一安心だな。それにしても一刀め。聞いているこちらまで照れくさくなったぞ」
「はいー。流石は曹魏の種馬ですね」
- 808 名前:覇王の憂鬱(前編)9/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 23:03:38 ID:f9TaDHwt0
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「……………」
「……………」
そして二人で沈黙する。だが長くは続かず、一刀は言った。
「なあ、華琳。俺は華琳を愛しているけど、華琳は俺のこと、どうなの?」
「え!? ど、どうって……」
めずらしく華琳がどもる。
「華琳って、「私のもの」とかそういうことは言うけど、「愛してる」とか殆ど言ってくれないだろ?」
「そんなの、言う必要ないでしょう」
華琳はきっぱりと言いきるが、きっぱり言い過ぎたのが不安になったのか、言い難そうに呟いた。
「・・・・・・見れば解るでしょう。察しなさい」
「えー。でも俺馬鹿だからさ。はっきり言ってもらわないと、なんか寂しいなー。なんて」
「あ、あなたね……」
と、言うことは何か。この男、他の女とヤリまくったのは私の所為だとでも言うつもりか。
華琳は再び怒りに火が付きそうになった。だが。
「もし「愛してる」って言ってくれたら、俺、一ヶ月間華琳以外の女の子を抱かない」
「……なんですって」
- 809 名前:覇王の憂鬱(前編)10/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 23:07:27 ID:f9TaDHwt0
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北郷一刀が。曹魏の種馬が。いま、何と言った?
「ああ、勿論本気で言ってもらえないと約束できないからな」
「………」
元より一刀は最低一ヶ月は華琳以外の女の子とはしないつもりでいた。
だが、その前にどうしても華琳から愛の言葉を聞きたかったのだ。何故か普段はオブラートに包んだり婉曲な表現をされているし。
一刀だって最近華琳と出来ないのはとても残念に思っていたのだ。
「北郷のやつ、華琳さまに言葉を強いるつもりか!」
「でもなかなかの妙手ですねー。華琳さまは王とはいえお兄さんの前では女の子。
お兄さんが要求したから仕方なく、といういい訳も使えますし。
言うまでもなく華琳さまの気持ちくらいお兄さんは承知の上でしょうが、敢えて言わせることで、
心のときめきは倍率ドン。ドキがムネムネハートはきゅんきゅん☆ って感じでしょうかー」
「は、覇亜斗?」
「風……私にはお前の言っていることはまったくわからんが…。
何はともあれ、ようやく朝議を始めることが出来そうだな」
秋蘭がそう呟いた時、遠方から誰かが駆けて来る音が聞こえた。
ふとそちらを見ると、ネコ耳頭巾を片手に全力疾走してくる桂花が。
そう。今朝の朝議は華琳と夏侯姉妹と一刀。そして軍師「全員」は招集をかけられていたのだ。
「ああーーーーーっ! 遅刻だわ!!」
- 812 名前:覇王の憂鬱(前編)11/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 23:13:07 ID:f9TaDHwt0
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ある意味、デレないツンデレの開祖とも言える女の子の台詞を言いながら駆けて来るのは、最後の一人、荀文若。
一同の顔から、血の気が引いた。
「……………………………」
華琳は、長い、長い沈黙の末、言った。
「し、仕方ないわね。一刀がそこまで言うのなら、言ってあげる」
「ああ。頼むよ」
「ふ、ふん……。じゃあ…言うわよ。か、一刀。あ「申し訳ありません華琳さま遅刻しましたーーーーーっ!!」
ばん、と勢いよく扉が開いたとき、時間が、止まった。
華琳と一刀は凍り付いている。桂花は膝に手をつき肩で息をしている。外の四人は桂花を止めようとした姿勢のまま固まっている。
華琳は、「あ」とか「う」とか音を発するだけだった。完全に出鼻を挫かれた形だ。
いち早く我に返った一刀は、必死に華琳に目で訴えかける。
- 815 名前:覇王の憂鬱(前編)12/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 23:17:42 ID:f9TaDHwt0
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(やばい……いや大丈夫。所詮は口約束、今ここで愛していると言われなくても、元より華琳以外とはしばらくする気はない!
言ってくれなかったのは残念だけど、要求云々は言わば華琳の背中を押し気分を高める小道具!
言わなくても解るよな!? 解ってくださいお願いします!)
だがそんな視線にも華琳は気付かない。驚きに目を見開いたまま、口の端をひくつかせている。
そして、照れと羞恥の紅潮が、怒りのものに摩り替わっていく。
「はぁ、はぁ…………華琳さま、申し訳ございません、体調が優れず寝過ごしてしまい……お叱りは如何様にも、…あら?」
桂花は周囲を見渡す。
「北郷だけ? 他の皆は?」
「…………さ、さぁ」
一刀は生返事を返しながら、華琳に再び目で訴える。
そして、華琳はようやく口を開いた。
「桂花。あなた、あなたね……」
「え?」
華琳の低い声に桂花は戸惑いの声を上げた。
もう見ていられない、と一刀は一歩前に出た。
「落ち着け華琳! さっきの俺の言葉なんて言葉の飾りだ! 言わなくてもしたいに決まってるだろう!!」
「…! 一刀」
華琳は我に返り、その顔に急速に理解の色が広がる。ここでテンションに身を任せても碌な結果にはならないと気付いたのだろう。
- 817 名前:覇王の憂鬱(前編)13/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 23:21:00 ID:f9TaDHwt0
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しかし。
「北郷! 何どさくさにまぎれて訳のわからないこと言ってるのよ!
華琳さまとしたい!? 何をよ!? させるか! こうなったらそんな馬鹿なこと出来ないように四六時中見張ってやるわ!」
ぴしり。
「ばっ!?」
ばか、言おうとした一刀は、何かが壊れる音が華琳の脳内から聞こえた気がした。
(最近忙しくて閨を共にするどころか顔を合わせる時間だってそう取れなくて、やっと一緒にいられると思ったら出鼻を挫いて、
出鼻を挫くだけならまだしも「そんなことさせない」!? しかも四六時中見張るって、私を差し置いてずっと傍に居ようって言うの!?)
胸中にどす黒い感情が湧く。その渦巻く負の想いは、華琳自身に吐き気さえ催させた。
そして、ずきり、と華琳は頭痛を感じた。元々頭痛持ちの華琳ではあったが、一刀と出会ってからは鳴りを潜めていたのだが。
「桂花。あなた、お叱りは如何様にも、って言ったわよね」
「は、はい……」
桂花は縮こまった。ようやく桂花にも異様な雰囲気を感じ始めたようだが、具体的には解らないので困惑が先に立っている。
「あなた、一刀に抱かれなさい」
「「えええええっ!?」」
一刀と桂花は思わず叫ぶ。
「華琳さま! なぜ私が北郷と!? 何故ですか!?」
- 821 名前:覇王の憂鬱(前編)14/14[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 23:24:11 ID:f9TaDHwt0
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「それが一番桂花が嫌がりそうだからよ!」
「えええええーーーーーっ!」
「これは命令よ。桂花。わかったら一刀の部屋に行きなさい!!」
「そ、そんなぁ……華琳さまぁ……」
訳も解らずうな垂れる桂花を余所に、華琳は肩をいからせて立ち去った。一刀すら目に入らないようだ。
勿論、部屋の外で固まっていた4人など言うまでもない。
「こ、これは……」
「華琳さま、一刀殿との逢瀬の邪魔をされた腹いせが、これ、ですか……」
稟は心底気の毒そうに溜息をついた。
「ところで、朝議はどうなったのだろう……」
「あ」
春蘭の、珍しくまともな疑問だった。
結局、華琳は頭に血が上ったことで、自分が一刀との逢瀬を逃しただけでなくそれを桂花に譲った形になった。
曹孟徳、壮絶な自爆であった。
- 825 名前:K-999[sage] 投稿日:2010/05/22(土) 23:30:17 ID:f9TaDHwt0
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前編終了です。途中改行ミス少々。修正してぇー!
一刀がヤった回数、実は結構悩みました。当初はもうちょっと多かったです。
中編と後編はとっくに出来てますが……。いつ桃香しよう。
- 832 名前:K-999[sage] 投稿日:2010/05/23(日) 00:28:06 ID:V/SSADcM0
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中編は23日(つまり今日)の22時に決めました。
どうでもいい補足。
・華琳さまの回数は三回です。その内二回は桂花と一緒なので、タイマンでは一回だけ。
・報告をまとめた「紙」とありますが、羊皮紙です。なお、普通の「報告」は木簡、竹簡です。