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282 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:33:31 ID:BYOFz1UJ0
曹魏†学園三時間目投下予告
全7/7予定

前回の訂正
×どうやら11人いるが部屋の空き数から6部屋しか使えないらしい。
○どうやら12人いるが部屋の空き数から7部屋しか使えないらしい。

部屋の配置→拠点フェイズ通り
華琳、[春蘭、秋蘭]、霞、桂花、[稟、風]、[真桜、沙和、凪]、[季衣、流琉] 12人 7部屋

ホウケイ→宝言慧→宝慧置換
284 名前:曹魏†学園三時間目1/7[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:38:21 ID:BYOFz1UJ0
13人禁煙席で、と言うとウェイトレスさんは少し店内を見回して空席状況を確認したあと一番奥のテーブルへ案内してくれた。
店内は昼過ぎということだが疎らに人がおり、13人が一緒に座れるようなまとまった席は無かったため、奥の一角で4人掛けのテーブルを3台寄せ合って座ることになった。
華琳たちに先に席についてもらい自分は空いた隅に座ればいいかと思っていると先に座った華琳が自分の隣に座るよう命令してきた。

「何をしているの?早く座りなさいな」
いつもなら春蘭と桂花が先を争って奪い合っているのだが、俺がいなくなった間に何かあったのか。
「俺が座ってもいいのか?」
「ふん。別に華琳様のお隣の椅子が一つしかないというわけではないわ。それにこんな狭い机で下手にアンタと隣同士になるほうが苦痛よ」
「北郷、華琳様のご命令だ。我らは気にせず座るといい」
「それでいいなら座るけど…秋蘭、俺の居ない間に何かあったの?」
「特に変わったこと…はなかったとは言い切れないな。だが問題ない」
秋蘭は微笑むように、華琳と俺を見比べて答える。まぁ、華琳も戦争ばかりの日々から開放されてもっと女の子らしくなっていればいいんだが、相変わらず隣に並ぶと緊張する。
やはり覇者の風格は戦乱が終わっても変わっていないんだな。
「では風はお兄さんの隣に座ることにしましょう」
「うはぁ〜、隊長モテモテやな」
「両手に華とは男冥利に尽きるじゃねぇかよ」

真桜と風(の頭に載った宝慧)に冷やかされつつ緊張気味に俺が席に着き、他の面々も華琳を囲むように座に着いた。
ご注文がお決まりになったらお呼びくださいと言って案内をしてくれたウェイトレスさんは忙しそうに次のテーブルの注文を聞きに向かっていった。

「春蘭様ぁ〜、早く注文しましょうよぉ〜」
「そう焦るな季衣。おい、北郷。ここではどういう料理が出るのだ?」
「天の国の料理と言っても霞を食うようなことはないだろう。北郷、菜譜くらいないのか?」
「ああ、それならこれだよ」

秋蘭にテーブルの端に置いてある三組のメニュー表のうちの一組を渡し、もう一組を反対側へ回す。それからもう一組を華琳に渡した。
285 名前:曹魏†学園三時間目2/7[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:45:32 ID:BYOFz1UJ0
「うわぁー、絵入りなんですね春蘭様ぁ。流琉、どれがいいと思う?」
「あ、この黒いのって以前お兄様に教えていただいた"はんばーぐ"というのに似てますね」
「"しゃしん"にはこんな使い方もあったんやなぁ。しかもウチの作った"かめら"より性能ええでコレ」
「なぁ、一刀ぉ。お酒はないん?ウチ今めっちゃ酒飲みたいねん」
「あー!沙和この甘そうなのがいいのー。ねー隊長これって果物だよねー?」
「おい沙和、甘いものはあとでいいだろ。それより隊長、これは一人分ということなのでしょうか?」
全部一品料理だからみんな好きなのを頼むといいよと口では言ったが、正直こちらの財布的にあまり大量に注文されると厳しい。
ここに来る途中、念のためへそくりのお金を全部持ち出してきたが、あくまで対季衣を想定して用意したお金であって他の面々までモリモリと食べ始めると足りなくなるかもしれないぞ…。
「ねぇ、一刀、ところでこれはあなたの国の文字なのかしら?」
「え?」
華琳の指差すメニューの部分を見たがどう見ても日本語だ。別にアラビア語だの象形文字というわけではないが…ん?俺ってそういえばあちらの世界で初めから文字が読めていたっけ?
「もしかして読めない…?」
「ええ、部分的に私たちの言葉と似た文字も使っているようだけれど。そういえばあなたも最初うちの文官たちから言葉を習っていたわね」
「だが絵があるから問題ないぞ、北郷。おい秋蘭、私はこれにするぞ」
「ふむ、姉者がそれなら私はこちらにしてみるとしよう」
「あら、春蘭に秋蘭も決まったの?では先に注文しましょうか。一刀はもう決めたの?」
「いや、それより言葉が分からないのに見た目だけで決めていいのか?」
「問題ないでしょう。そもそも土地が違うのだから使う食材も違うでしょうし、言葉で説明されるより実物を見たほうが早いわ」
言葉が分からないのにそれを全く意に介さない彼女たちには驚く。さすが豪胆というか…。
まぁ日本語はそんなに難しいわけではないし…いや、簡単なのは発音のほうか。読み書きを教えるとなると日本語ってどうなんだろう…相当難しい部類なんじゃなかろうか。
だが多少は漢字も分かるし、それに明晰な彼女たちのことだからそんなに難しいことではないのかもしれないな。…春蘭や季衣は怪しいが。
289 名前:曹魏†学園三時間目3/7[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:50:43 ID:BYOFz1UJ0
食事をしながら改めてどうしてここに来たのか、どうやって来たのか聞いてみたが誰もわからないと言う。
「じゃあ、みんな何で日本…天の国へ来たか分からないというわけなのか」
「分かっているのは酒盛りをしていたら一刀殿の部屋で寝ていたと、そういうことのようです」
「でも何でよりによってアンタの部屋なのよ。あっ、そういえば私たちが寝ている間に何かしなかったでしょうね!?
 アンタのことだから私たちが知らない間に襲っているということも…華琳様!やはり今すぐ首を刎ねるべきかと」
「そうね、私たちが寝ている間に何をしたのかというのには興味はあるけれど、桂花、今私たちは見ず知らずの土地にいるのよ。
 ここで無闇に一刀の首を刎ねるということは自らの首を刎ねることに等しいわ。まぁ、そのことに関してはあとでじっくり聞かせてもらいましょう」
「だから何もしてないってば」
料理に夢中になっている季衣や春蘭たちは置いておいて、華琳と軍師たちで今後について相談しているんだがそもそもどうやって、なぜ来れたのかわからなければやるべきことも分からないのだ。
そういえば俺も初めあっちの世界では何をすればいいのか分からなかったな。あの時、刺史の権限で住む場所や仕事をくれた上に処世術まで教えてくれた華琳。
本当ならここでその恩を返すべきなんだが、今はただの一学生である俺にはあの時華琳がくれた恩を返す術が見当たるわけが無い。
「そもそも生活資金すらないのにどうしたらいいんだ」
「あらん、そのことなら大丈夫だわよん♪」
「え?」
290 名前:曹魏†学園三時間目4/7[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 13:55:34 ID:BYOFz1UJ0
声のするほうを見ると、裸で頭に三つ編みを付けた筋骨隆々の大男?が立っていた。
「久しぶりねん、ご主人様。どこにいるのかずいぶん探し回ったじゃない。でもわたしとご主人様は赤い糸で結ばれているからどこにいようとも探し出して見せるわ♪」
「ヒッ…」
短い悲鳴を上げて華琳がぐったりと倒れた。他の面々も箸を止め呆然と男を見上げ言葉を失った。
「ぐふふ、あまりの美しさに気を失ってしまうなんて、わたしってば罪なお・ん・な☆」
「だ、誰だ、お前は!?」
「華琳様!?傷は深くありません!お気を確かに!」
「なぁ秋蘭。これもお前たちの知り合いか?」
警戒態勢に入った春蘭と華琳の介抱をしている桂花の横で今一番冷静そうにこの男を見上げている秋蘭に尋ねてみた。
「いや、北郷も我々と一緒にいたのだから分かるだろう。こんな化け物、華琳様の魏にはいないぞ」
「だぁれが井戸から沸いて出てくる化け物ですってぇ?」
「春蘭も無闇に喧嘩沙汰にはしないでくれ。それであんたは一体誰なんだ?」
秋蘭は知り合いではないと言っているが、俺のほうも初対面だ。少なくとも俺の知り合いにこんな奴はいないし、いたとしても忘れることはできないだろう…悪い意味で。
「そういえば初対面ってことなのかしらん。あたしは貂蝉。都の…っと、ここだとフランチェスカ学園の理事長をやっているわん。よろしくね♪」
「り、理事長!?」
そんな人なら式典で間違いなく一度は目にしたことがあるはずだが…。
もう一度貂蝉と名乗るこの男のような人物に目を向けて、考えを改めることにした。
この風貌は脳が記憶を拒むっていう場合もあるもんな!
「それで理事長がどういったご用件でここへ来たんですか?」
理事長直々に来るということは何か事件でも起こったのか。確かにここに事件は存在するんだが。

こんな容姿でも一応理事長ということで念のため敬語で聞いてみた。
295 名前:曹魏†学園三時間目5/7 1レス増加予定[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:06:37 ID:BYOFz1UJ0
「もちろんご主人様へあたしの愛の告白を届けに来たのよん。この日が来るのを待ちわびたわ!これだけわたしを焦らしておいて…ご主人様ってばイ・ケ・ズ☆」
「北郷…お前にそういう趣味があったとは…」
「むぅ、ご主人様と呼ばせているのか…やはりお前、趣味が悪いな」
「隊長、それくらいで自分は隊長を見捨てたりはしませんので…。でも出来ればそういうことはもっと隠れてやるべきだと思います」
「そーやで、一刀。うちは心が広いさかいそのくらいなら別に構わへんでー」
「いやぁ、お兄さんが女だけでは飽き足らずついにその手を男にまで手を伸ばしていたとは。種馬と呼ばれようともせめて倫理観だけは守ってもらいたいものです」
「隊長なんてケツ掘られてヒーヒー言ってればいいのー。二度とその汚い口を沙和に向けるな、なのー」
「流琉、この人お兄ちゃんの知り合い?」
「え、ええっと、仲がいいのは確かなんだけど…季衣にはまだ早いからいいの!」
「一刀殿がド変態だと言うのは前々から理解していましたが、よもやこちらも守備範囲だったとは…さすがに予想外です、ブフッ!」
「しっかりしろ稟!それにそんな趣味はないから勘違いしないでくれ。そもそもこれが初対面だから!」
「やっぱり変態は変態同士乳繰り合っていればいいんだわ、汚らわしい」
「隊長、よければウチの改良型お菊ちゃん三号を貸したげるで。今度は新機能で先端が回転するだけやのうてな――」
297 名前:曹魏†学園三時間目6/7 1レス増加予定[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:13:45 ID:BYOFz1UJ0
春蘭たちだけじゃなく流琉や凪たちまで、その冷めた目でこっちを見るのはやめてくれ。そもそも華琳とそういう関係な奴はどうなんだ!?
女の同性愛はよくて男の同性愛は駄目なのか?いや、俺はそもそもそういう気はないんだが。って何で俺はこんなに焦っているんだ。俺は悪くないぞ。そうだ何一つ悪くない。
「悪いが貂蝉さん、俺にはその気はないから。他の人を当たったほうがいいよ」
「いやん、またフラれちゃったわ。わたしのガラスの心にヒビが!でも漢女道に諦めの二文字はないのよん。いつの日か必ずご主人様を振り向かせてあげるわ♪」
「いやいやいや、もう諦めたほうがいいですよ。というか諦めてください。お願いします」
「ぐふふ、またそういうプレイでわたしを困らせる気なんでしょ。でも残念ながら今回の用件はこれを届けることなの。今頃困っているだろうと思ってつい張り切っちゃったわよ♪」
「その身なりで冗談はやめてくれ。…ってこれ通帳?」
ほぼ全裸のはずの貂蝉がどこからともなく何冊もの預金通帳を取り出しテーブルに並べた。どこから取り出したかはあえて問わない。
299 名前:曹魏†学園三時間目7/7 1レス増加予定[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:19:18 ID:BYOFz1UJ0
「そうよん♪そこにこの子たちの生活費が入っているわ。わたしがこの子たちの保護者ってわけだからフランチェスカにも入れたの」
「え?保護者って華琳たちの保護者なのか?」
驚いた。ということはこの人は華琳たちの出身を知っているのだろうか。
「まさかこんな奴が我々の保護者とは…」
秋蘭、その気持ちはよくわかるぞ。俺がもしあの世界にやってきたばかりの時にこんな奴に保護されたらと思うと逃げ出していただろう。
「ありえないわ!天中殺よ!この世の終わりよ!何でよりによってこんな化け物に保護されなきゃいけないわけ!?それくらいなら死んだほうがマシよ!」
「誰がバラ色の背景を背負って年中無休どこからともなく現れる筋肉達磨ですってぇ!」
「ヒィィィイイイイイ」
あー、ついに桂花も気絶したな。華琳は相変わらず青い顔で気絶したままだし、この場をまとめれる人間がいないぞ。
「おーい、華琳。起きてくれ」
軽く頬を叩いたり体を揺さぶって何とか起こしたが、目の前の貂蝉を見て再び硬直し言葉を失う華琳。
「か、一刀。アレは一体何なのよ!?」
「何って言われてもなぁ。フランチェスカの理事長らしい」
「あー、華琳様。目が覚めましたか。華琳様が気絶した間の話を掻い摘んでご説明すると、この人が私たちの保護者になるということです」
「そういうこと。よろしくねん。曹操ちゃん♪」
貂蝉が卒倒しそうなほど気持ち悪いウインクを華琳に送っている。よかった。俺、あの時曹操に保護されて本当によかった。
「何でこの私があんなのに保護されなきゃならないのよ!」
ハッと我に返った華琳が憤慨しその憤りを俺にぶつけてくるが、俺にはどうしようもない。
「まぁそうは言っても俺一人だと華琳たちの生活費も出せないし、まとめて面倒見てくれるっていうのなら、ここはありがたく引き受けてもらったほうがいいんじゃないのか」
「く、この曹孟徳最大の屈辱だわ…」
300 名前:曹魏†学園三時間目8/7 1レス増加予定[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:23:16 ID:BYOFz1UJ0
「一刀殿、ところでこれがお金になるのでしょうか」
稟が先ほどテーブルに並べられた通帳の一枚を手に取り繁々とページを繰りながら尋ねてきた。
「いや、それはお金を引き出すのに使うんだよ。さっき俺がお金下ろしてきただろ。それを証明書に預けたお金を引き出したり残高を確認したりするんだよ。」
って、そういえば言葉が分からないんだったな。
「貂蝉って理事長なんだろ?華琳…曹操たちは文字が分からないんだがこのまま学園へ行って問題ないのか?」
この貂蝉という男、もしかしたら俺のいた三国志の世界を知っていて華琳たちがこちらに来た原因も知っているんじゃなかろうか。
さっきから核心となることを上手いことはぐらかされているのでそう簡単に教えてくれそうもないが、理事長ならまた聞ける機会もあるだろう。
この貂蝉が彼女たちをこちらに呼んだのか、それとも貂蝉も巻き込まれた人間の一人なのか、それは分からないが今直面している問題は彼女たちの非識字だ。
もし字が読めないとなれば学園を退学させられるかもしれない。
「あらん。そういうことならせっかく明日から登校してもらおうと思っていたけれど、その前にお勉強してきてもらわなきゃね。
 それじゃ明日はご主人様にみんなのことは任せようかしらん」
「え?でも俺も明日は普通の授業を受けなきゃならないんだけど」
「それなら特別に理事長権限で出席ってことにしてあ・げ・る☆ そうと決まればさっそく手続きをしてくるわ。頑張ってねご主人様」
言うことだけ言った貂蝉は腰をクネクネと振りながら店を出て行ったが、あれは本来ファッションショーでモデルの"女性"がやるものではなかろうか…。
「一刀、ご主人様って一体どういうこと?」
「またそのツッコミか!」

その後、食欲が無くなったため箸が進まなくなった面々は早々に遅い昼食を終えたのであった。
後に華琳に初めて食べたこちらの料理はどうだったかと尋ねたが、味はおろか何を食べたのかすら覚えていなかったという。
304 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/02/08(日) 14:41:48 ID:BYOFz1UJ0
一度に全員登場させたことを後悔している
どうやればいいのか想像もできないけど順次に出したほうがよかった
10人会話させるだけで全然話が進まない…

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