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731 名前:曹魏†学園四時間目0/14[sage] 投稿日:2009/02/21(土) 23:03:16 ID:JABglBjR0
6+5+3レスで3本投下します
三時間目訂正箇所
×「いやぁ、お兄さんが女だけでは飽き足らずついにその手を男にまで手を伸ばしていたとは。種馬と呼ばれようともせめて倫理観だけは守ってもらいたいものです」
○「いやぁ、お兄さんが女だけでは飽き足らずついにその触手を男にまで伸ばしていたとは。種馬と呼ばれようともせめて倫理観だけは守ってもらいたいものです」

5分後から開始
733 名前:曹魏†学園四時間目1/6[sage] 投稿日:2009/02/21(土) 23:08:36 ID:JABglBjR0
久しぶりに食べたような気がする流琉の手料理に舌鼓を打ちつつ、酒はどんどん進んでいく。
IHのキッチン設備とこちらの時代の食材に大分苦労したようだが、味のほうは些かも落ちていなかった。
「慣れない食材をだいぶ使ったんですが、上手くいって良かったです」
「いやいや。これすごく美味しくできてるよ。さすが流琉だな」
「もうっ、兄様ったら」
「ねー、季衣。ボクおかわりー」
「あ、流琉。俺もおかわりいいかな?」
「はい、まだ材料余ってますから大丈夫ですよ」
そう言って立ち上がりキッチンのほうへ歩いていく流琉を見送ることしかできない。
かと言って料理の腕で流琉を超えるのは春蘭に鍛錬で勝つのと同じくらい難しいし、何か俺にやれることはないのかなと悩む俺の背中をポンッと叩かれて振り返ると
ずいぶん酔いが回った顔をした霞が日本酒の瓶を片手に身を寄せてきた。
「なーに難しい顔してんねん、一刀」
「そう言う霞こそ。約束破ってしまって悪かったな、ずいぶん落ち込んでたんだって?」
「なぁに。気にせんといてええで。ウチは今一刀と一緒におられるからそれで十分や」
霞は心底嬉しそうに笑いながら俺の杯にとくとくと酒を注ぎ、俺が霞の杯に注ぎ返す。
"ほな再会を祝して乾杯や"
一気に杯を傾けると、勢いよく熱いものが喉を駆け巡る。酒屋であれこれ悩んだ末に選んだ日本酒はどうやら気に入ってもらえたらしい。
「こっちの世界では結構簡単に羅馬に行けるからさ、霞さえよければ二人で羅馬へ旅行に行こうか」
「えっ!ホンマに!?そっかー。一刀と二人で羅馬行けるんかー。それめっちゃええな」
飛行機で羅馬までどれくらい時間がかかるのか分からないが、霞の顔が明るくなるのを見てそんなことはどうでもよくなった。
でも飛行機であっさり飛んで行ったら霞はきっと旅の趣がないとか言い出すんだろうなぁと思っていると、目敏く聞きつけた輩が一斉に押しかけてきた。
736 名前:曹魏†学園四時間目2/6[sage] 投稿日:2009/02/21(土) 23:13:18 ID:JABglBjR0
「えーっ!?隊長またウチら置いて行くん?そりゃないでー」
「隊長ヒドイのー。私たちにあんな想いさせておいて置いて行くなんて許せないのー」
「私も、その…隊長と離れたくありません」
「おーおー。一刀はええ部下に恵まれとるなぁ。よっしゃ!、そんじゃみんなで一緒に羅馬に行こうや」
「賛成なのー。ねー隊長、沙和、羅馬の可愛い服見に行きたいのー」
「そうやっ!隊長、昼間ウチらの横をすごい勢いで動いとった"くるま"っちゅーの今度乗せてえな」
「真桜、俺は車なんて持ってないぞ。第一免許がないと乗れないしな」
教習所って確か実習の他にもペーパー試験があるんじゃなかったっけ。
いくら真桜が機械に強いと言っても今まで見たこともやったこともないテストをやったらボロボロの結果になるだろうなあ。
「なー、一刀。車輪の上に馬みたいに跨っとったアレも"くるま"なんか?」
「バイクか。うーん…」
あれも簡単なペーパーテストがあるはずだ。どちらにせよ今の彼女たちには荷が重いだろうから先の長い話になりそうだ。
「真桜ちーももっと飲め飲め。一刀の国の酒や。めっちゃ美味いで。ほれ、一刀も」
空になった杯に次から次へと注がれる酒。酒豪とは言い難い俺はペースを抑えてちびちびと飲みながら話に加わる。
「いやぁ、姐さんに酌されると断れへんなあ」
「真桜、あんまり飲みすぎると…」
「凪ぃ、今日は堅いこと言いっこなしやで。大将もハメ外してええって言うとったし」
「こっちのお菓子すごく辛くて凪ちゃん好きそうなのー」
「これは…!!」
普段より早めのペースで飲み続ける霞と真桜。沙和と凪はおつまみに用意したお菓子を次から次へと夢中で試食している。
まぁ、霞なら飲ませすぎるということもないだろうし、ここは放っておいても大丈夫かな。
そう思い込んで放置したのがまずかった。

――――――――――――――――――――――――
737 名前:曹魏†学園四時間目3/6[sage] 投稿日:2009/02/21(土) 23:19:24 ID:JABglBjR0
季衣と流琉が疲れ果て眠り、平穏無事に進んだ宴もたけなわになった頃、顔を真っ赤にした真桜がよりにもよって最悪の爆弾を会場に持ち出した。
「じゃじゃーん!見てっ!隊長の赤裸々な女性遍歴暴露本やで!」
「そうですっ!一刀殿っ!やはりあなたも…巨乳派だったのですね!」
「風はお兄さんのことを甘く見ていました。よもや私たちに貧乳が好きと言いながら実際は巨乳が好きだったとは」
「さすがは魏の種馬だな。だが抱き過ぎだろこの数は」
「沙和ね、ここのこの服買ってほしいの!この裏切りの代償は高く付くから覚悟しやがれなのー」
いい塩梅に酔った俺の目に映るのは隠しておいたエロ本を高々と掲げる真桜の姿だった。
ああ、そのエロ本か…よく見つけたなぁ……――――――――――――はい!?

杯のほうへ目を落としかけて一瞬ギョッとした目で振り返ったが確かにそこには俺の秘蔵のエロ本を持つ真桜の姿が。
慌てて真桜を取り押さえ証拠抹消を計ろうとしたが肩を誰かに掴まれて立ち上がることさえできない。
背中にどす黒いオーラを感じつつおずおずと振り返ると、すごく良い笑顔の華琳さんがいたのだった。
「一刀」
「はい…」
「せめて私の手で首を刎ねてあげるわ。安心なさい、これまでこの曹孟徳に仕えた功績から痛みは感じさせないであげるから」
「あの…言い訳は…」
「そうね、私としたことがつい感情に任せてしまったわ。申し開きがあるなら聞いてあげるわよ…結論はほとんど変わらないでしょうけれど」
「北郷っ!何だこの本は!?全部お前の抱いた女なのかっ!?」
「むぅ、我らの倍以上いるのか。なるほど…確かに魏の種馬と呼ばれるだけのことはあるようだな」
「あっ、この女の子可愛ええがな。一刀ぉ、今度ウチにも紹介してや」
ああ、春蘭…それ以上誤解と煽りを入れないでくれ。
既に酔いが回った秋蘭と霞にも冷静な判断が期待できそうにない今、凪お前だけが頼りだ。
「その本に我々は写っているのでしょうか?その…あまり人に裸を見られるのは慣れていないので…」
駄目だ。
伏目気味にチラチラと本のページが気になっている凪に、怒り心頭の桂花は言うまでもない。
741 名前:曹魏†学園四時間目4/6+1[sage] 投稿日:2009/02/21(土) 23:28:52 ID:JABglBjR0
「なんとですね、風が数えてみたところ30人の女性がこの本に写っているのですよ。つまり我々は31番目の女、というわけです」
「おい北郷!我々ならともかく、いや、よくないが、いやそれより華琳様が31番目とはどういうことだ!そこになおれっ、今日こそその首叩き落してくれる」
「北郷…悪いが今回ばかりは」
「そうよ、華琳様を蔑ろにし他の女に通ずるなんて…!あぁ、華琳様には一番の忠臣である桂花がいつまでもお供いたしますのであんな山猿など捨て置きましょう」
「一刀、いくら心の広いウチでも31番っつーのはなぁ…なぁ凪」
「わ、私は別に何番目でも…隊長と一緒にいられるならば…」
「いや、だからそれは誤解だって!」
人の視線がこれほど痛いと思ったことはない。これなら目だけで人を殺せるというのも満更嘘でもないのかもしれない。
「何が誤解なんです?この本に写っている女性は全員巨乳ですが、これを見ればあなたの性癖が偏っているということは一目瞭然です」
「いや、確かに巨乳特集だから巨乳ばかりなんだけど、そうじゃなくて、稟もとにかく落ち着けって!」
「胸の大きさにはこだわらないというあなたの言葉は何だったのですか…」
稟は今にも泣きそうな目で俺を睨んでくるが、これじゃまるで俺が悪者じゃないか。
そもそもエロ本はあと1冊あるはずなんだ。そちらを見てもらえれば俺の性癖が巨乳に偏っていないことは理解してもらえるはずだ。
いや、これ以上墓穴を掘るのはまずい。まずは…そう!エロ本の説明から…
「んなもん説明できるかーっ!」
743 名前:曹魏†学園四時間目5/6+1[sage] 投稿日:2009/02/21(土) 23:33:14 ID:JABglBjR0
「まぁ、風には分かっていましたけどね。皆さん、これはお兄さんの女性遍歴を記した本ではありませんよー」
「えぇ!?風ちゃん、これって隊長が抱いた女の子を一人一人絵にして並べた本じゃないのー?」
お前ら本当にそれを信じていたのか…。風の言葉にそれまで食い入るようにエロ本を覗き込んでいた面々が面を上げる。
「はいー。恐らくこれはお兄さんが夜のお供に利用していた春本の一種なんでしょうねぇ。私たちの世界の知識では計り知れない緻密な絵に驚きましたが」
「ふむ、ではやはり一刀殿の女性の嗜好が詰まっているというわけですね」
稟が俺を一睨みしてくる。稟は巨乳というわけではないが貧乳というわけでもない。何をそんなにムキになっているのだろうか。
だが俺は忘れていた。究極の恐怖というものを。
745 名前:曹魏†学園四時間目6/6+1[sage] 投稿日:2009/02/21(土) 23:38:20 ID:JABglBjR0
「そう。夜のお供にしているということは分かったわ…で、私は一体何番目なのかしら?」
エロ本に関して華琳はどうやら理解してくれたようだが、鬼の形相で問いただしてくる。
華琳の言葉になぜか他の面々まで真剣な顔でこちらを睨んでいるのだが、これは一体どういう罰ゲームなのだろうか?
「も、もちろん華琳が一番だよ」
「今、目が泳いでいたわよ」
「華琳が一番ですっ!」
「ふんっ、それなら別にいいのよ」
不敵の笑みを浮かべ華琳は何やら自分で納得したようでホッとしたのも束の間だった。
「じゃあ隊長、コレも春本なんー?」
「ちょっ!?真桜、それは!」
真桜が取り出してきたのは秘蔵のエロDVD。あいつらまさかこの部屋を家捜ししたんじゃあるまいな…。
「こちらは流石の風にも分かりませんでしたー。表紙の絵から春本の一種だとは思いますが」
「ちょっと見せなさい真桜。」
俺が手を伸ばすより素早く、真桜からDVDを受け取った華琳が表面の過激なヌード絵に目を奪われている。
「一刀、これは何?」
こちらを振り向いた華琳の背後に禍々しいオーラが再び拡がるのを感じ取った。
747 名前:曹魏†学園四時間目7/6+1[sage] 投稿日:2009/02/21(土) 23:43:43 ID:JABglBjR0
…………
………

「そう。つまりこれも春本の一種ということよね?」
「はい…そうです…」
「ふむ…男女の秘め事を再現するとは…」
「ほ、ほ、北郷!まさかお前私たちとの…その…そこに入っているのではなかろうなっ!?」
「それはないでしょう。第一我々の世界でそんな道具が作れるとしたら真桜くらいのものですし、まず初めに華琳様がお楽しみになられるはずですから…
 華琳様が私の痴態をご覧になる…?そんな、ああ、でもそれはいい考えかもしれません。それなら華琳様に触れられずとも愛でていただくことが…ぶっ」
「やっぱり稟ちゃんはもう少し訓練が必要なようですねー。はい、頭を起こしますよー」
もう俺のプライドはズタズタだ。これほどの非道がこの世にあろうか。
エロビデオが何たるかを一から全部説明した俺は疲労困憊していた。
そして今トドメの一撃が頭上に下りてきた。
「でもさっきから口で説明されてもいまいち実感できないのよね。せっかくだから皆で見てみましょうか」
「え…?華琳さん…?」
反論の隙を与えることなく華琳が言葉を続ける。
「さぁ、早くその"でぃーぶいでぃー"とやらを見せなさい。これは命令よ」
「本当にいいんだな?」
「くどい!それとも私の命令に逆らうつもり、一刀?」
「後悔するなよ」
酒の勢いもあったのだろうが、華琳の強い言葉に断りきれなくなった俺は半ばヤケクソ気味にDVDの再生ボタンを押したのであった。

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