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669 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/01/22(木) 02:32:21 ID:16reoKAZ0
さて、後編が書けるまでまだまだかかりそうなので、

北郷新勢力ルート:Interlude2
               ─星─

2レス程度ですが自己満足気に投下してもよいだろうか。
2レスなのできっと今日はさるさんは食らわない!
675 名前:真√:Interlude2 1/2[sage] 投稿日:2009/01/22(木) 02:37:02 ID:16reoKAZ0
幽州──北平近郊。

 後ろで束ねた長い髪を風になびかせ、踊るように白い衣が舞う。
「ぎゃああああぁぁぁ!!」
 一度、二度と槍が閃き、その度に断末魔を上げ、黄色の頭巾が血に染まり崩れ落ちる。
「さぁ!次ぃ!!…………おや?」
 気合一閃、次の獲物を求めたところでようやく手が止まった。
 気が付けば、動く黄巾は既になし。どうやら今のが最後の一人だったようだ。
「この辺りの敵は片付け終わったか。……さてはて、伯珪殿の方は…っと」
 布で槍の穂先をぬぐい、まるで今しがた戦っていたとも思えない様子で、
飄々とその場を後にしようと、きびすを返した所で、

「……星!」
 と、声を掛けられた。
「おや、伯珪殿。今しがたこちらは片付きましてな。
そちらの様子を見に行こうと思っていたのですが……うむ残念。伯珪殿の方が早かったようで」
「……私の隊のゆうに倍近くの敵を倒しておいてよく言うよ」
 半ばあきれたように言う公孫賛に、はははっと軽く笑って返す星。
「それにしても……これでこのあたりも少しは静かになるかな?」

 幽州黄巾党殲滅作戦……
 冀州〜中原地方で決戦が迫っているのを、諸侯も黄巾党も何となく悟っているのか……
最近、幽州地方からは黄巾党の数が減っているのを見て、決戦に先駆けて行われた、
なんとも普通なネーミングの大規模殲滅戦だ。

「うむ。……まぁ、黄巾党も勢力を本隊に集めている様ですしな。……と言う訳で伯珪殿。一つ相談が」
「ん、何だ?改まって」
「うむ。掃討作戦も一段落しましたのでな、私はそろそろまた旅に出ようかと」
「……そうか」
 『客将』と言う立場で有る以上、そろそろではないか……と予想はしていた。
少しは、もしかしたらこのまま居てくれるのではないか……なんて期待も持ってみたりはしていたが。
 何だかんだ言って、公孫賛は趙雲のことが好きだった。
678 名前:真√:Interlude2 2/2[sage] 投稿日:2009/01/22(木) 02:40:19 ID:16reoKAZ0
「それで、旅にとは言うが……実際はもう大まかなアタリはつけてるんだろ?誰のところへ行くつもりなんだ?」
「さて……伯珪殿はどこだと思われますかな?参考までにお聞かせ願いたい」
 星にそう言われ、公孫賛は「う〜ん」と唸り…
「そうだなぁ……有力と言われる諸侯で言えば、この辺りだと冀州の袁紹、陳留の曹操、
桃香達も最近頑張ってるみたいだな。後は……涼州の馬騰に袁術の所の孫策か?」
 スラスラと出てくる英傑達の名前に、うんうんと相槌を打つ星。
 劉備の名前の辺りでピクッと来たようだが、どうもいまいち星の反応にピンとこない。
そこでふと、最近聞いた噂を思い出したので上げてみる。
「そういえば、荊州北部で『天の御遣い』とかって言うのが活躍してるらしいな。何て名前だったか……」

「北郷一刀。
 ……そうか、あの少年がもうここまで噂されるようになりましたか」
 と、意外にも今までと違う反応が返ってきた。
「知ってるのか?」
「ええ、少し。伯珪殿の所へ来る前に知り合いましてな」
「ふむ……こんな反応が返って来るとは……脈有りかな?」
 ニヤリと笑って言う公孫賛に、星もまたニヤリと笑って返し、
「さてはて……あとは心の行方次第。……と答えておきましょう。
 もしかしたら、やはり伯珪殿の下へ戻ってくるやもしれませんぞ?」
「ははは、よく言うよ。……それで、出立はいつにするんだ?」
「そうですな。事後処理もありますので、まぁ三日後と言ったところですかな」
「三日後か……」
 そうつぶやく公孫賛は、やはりどこか寂しそうだ。
「じゃあ、少し早いが……色々助かった。ありがとう、星」
 そう言って、右手を差し出す公孫賛に、
「なに、それはお互い様というもの」
 と、しっかりと握り返した。

 公孫賛の少し後ろを歩きながら、星はふと空を見上げる。
「さて、我が主よ。共にこの乱世を平定へと導きましょうぞ──」

 天は今日も蒼く、高い。
679 名前:真√:Interlude2[sage] 投稿日:2009/01/22(木) 02:42:59 ID:16reoKAZ0
以上、お目汚し失礼しました。

さてさて、星ちゃんはどこへ流れゆくやら。


支援ありがとうなのでしたー

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