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435 名前:エロ本の人[sage] 投稿日:2007/03/08(木) 18:26:17 ID:QTGziDYs0
 と言う訳で、ハルヒやリリカル予告の反省も無く、流れも読まずに短編投下。
 今回は、小ネタが多いが勘弁してください。

 終わりには〜完〜をつけるんで……。
436 名前:朱里と月の艶本ゲット作戦2@エロ本[sage] 投稿日:2007/03/08(木) 18:28:55 ID:QTGziDYs0
 人は、時に成しえなければならないものと言うものが必ず存在しているという。
 しかし、それを決めるのは本人ではない為、いくら本人がそう思っても、周りから見れば、唯の無駄にしか見えないのだ。
 そして、彼女達‐朱里と月が正にその状態だった。

 事の始まりは、先日のある噂であった。
『公孫賛 珀珪が、またバイトをクビになったらしい』
 つまり、かなり飛躍をすれば『books 明宝』に彼女達の知り合いが居なくなったことと同義である。
「これは好機です。いきましょう、月ちゃん!」
 先日、エロ本の獲得に失敗した原因の伏兵はもはやいないのだ。そして、今回も対策をばっちりと練ってある。
「はい……」
 どうやら、月もノリノリのようである。
 そして、彼女達は、再びサングラスにだぶだぶの黒い背広、そして、黒いネクタイを締め、戦場へと赴くのであった。
 なお、途中の道程では警官に怪しい目で見られたが、警官はその直後にある学生に向かって『ち●こ』を連呼していた眼鏡の少女を猥褻行為ということで補導しに行った為、無視されたようなので今回はこれには触れない事とする。
437 名前:朱里と月の艶本ゲット作戦2@エロ本[sage] 投稿日:2007/03/08(木) 18:34:40 ID:QTGziDYs0
 そして、場所は『books 明宝』の成年指定雑誌コーナーに移る。
「えっと、これが良いのかな?」
 手にしたのは、『TINQ先生の100の房中術〜子犬と戯れる少女の巻〜』『世にうたわれし神速の房中術』という本であった。
「はい……これ、絵柄も可愛いですし……」
 段々、本来の目的から外れていってるような気がするのは、気のせいであろうか?
「じゃあ、月ちゃん。今日はこれでお勉強して、明日の夜に2人でご主人様に実践しましょうか」
 どうやら、忘れていないようであった。
 そして、彼女達は本を片手に、最後の難関へと立ち向かっていく。レジにいるのは、彼女の知らないバイトの少年。公孫賛ではない為、前回の失敗はもうありえない。
 しかし、彼女は実年齢はどうであれ、見た目は完全に●学生な2人である。つまり、普通なら買うことが出来ない。
 そこで、今回は綿密な作戦が2つ用意されていた。
「じゃあ、月ちゃんは、こっちの計でいってください。私はこっちで行きますから」
 そして、ミッションは開始された。


 まず、先手は月だ。
「いらっしゃいませー」
「あの……これください」
 月は、恐るおそる手に持っている艶本をカウンターに差し出す。しかし、そこで店員は予想通りの反応を見せていた。
「お客様、こちらは成年指定ですので、お客様にはお売りできないのですが……」
438 名前:朱里と月の艶本ゲット作戦2@エロ本[sage] 投稿日:2007/03/08(木) 18:40:03 ID:QTGziDYs0
「あの……駄目ですか?」
「はい?」
 予想外の反応を見せた月に対して、店員はあからさまに間抜けた声を出してしまった。
「あの……私……これ買って来いって友達に言われて……買ってこないと酷い目にあわされるんです」
 彼女に与えられた作戦は泣き落としである。
 ゆっくりと涙目で上を見上げるように店員の顔を見る月。その顔は捨てられた子犬のようで、放っておけばすぐに壊れてしまいそうな脆さで。
「……」
 どこぞやのCМの如く、心に揺り動かす月の眼差し。そして、それは……、
「えっと……」
確実に店員の心を掴んでいた。
(そのままです!月ちゃん!)
 本棚から顔だけ覗かせている朱里は、もはや成功を確信していた。しかし……。
「あの……悪いですが、やっぱり売れません」
「そ……そんな……」
「でも、もし苛められそうになったら、ここに来てください。そうしたら、お兄ちゃん達が守ってあげますから」
「え…えっと……」
「それに、まずは……」
と、なにやら諭すような会話が始まっていた。
 そして、約30分後……
「あの……勇気を出せって言われました」
「月ちゃん?」
「苛められても、それに立ち向かう勇気が必要だって……」
「月ちゃん……それじゃ駄目ですよ〜」
 月は店員に説得され、そのまま艶本を買うことは出来なかったのだった。ちなみに、後に判明したことによると、その店員は元カウンセラーだったとか。
439 名前:朱里と月の艶本ゲット作戦2@エロ本[sage] 投稿日:2007/03/08(木) 18:45:16 ID:QTGziDYs0
 どうやら、先の作戦は月の押しの弱さに敗因があったようだ。
(しかし、私はそうは行きませんよ!)
 そして、意気揚々と出陣する朱里。その勇姿は北郷軍の軍師として足るものであった。これが艶本を買うためだと知ったら、愛紗達はどう思うだろうか?
(今までは人が少ない時だから、店員に考える暇を与えてしまいました。兵法は疾風怒濤のごときを以て、これを第一とす。つまり、今回は……)
 そして、彼女はカウンターへと向かう。しかし、そのカウンターには既に数人が並んでいた。
 つまり、彼女は他のお客のドサクサに紛れて艶本を購入する作戦であった。そして、しばらく経つと、自分の後ろにも数人のお客が並ぶ。これならば、店員に考える暇等無いだろう。
 そして、自分の番へと着々と近付いていく。もはや、野望は達成されるも同然。一部の店員側への対策はばっちりであった。そう、店員側だけの配慮は。


「……エロ本」
「お〜、ホンマやな」
「へっ?」
 唐突に後ろから聞こえた声。それは彼女の聞いた事のあるものであった。そして、朱里は自分の気持ちに逆らいながらも、恐るおそる振り向く。そこには……
440 名前:朱里と月の艶本ゲット作戦2@エロ本[sage] 投稿日:2007/03/08(木) 18:50:19 ID:f9N9QJqT0
「……朱里……買う?」
「いや〜、朱里ちゃんも、なかなか油断出来へんな〜」
 董卓軍の2大武将がそこにいた。
「れ、恋さん、霞さん……どうしてここに……」
「探した、見つけた、買いに来た」
「つまり、呂布ちんが欲しい写真集がある〜ゆうから、買いにきたんや
 確かに、手には『わくわく動物写真集』という写真集が握られている。
 よくよく考えれば分かるはずのこと。他の客が友人である可能性も高くなるのだ。
「ところで、そないな本持って、どないしたん?もしかして、ご主人様に……」
「はわわわわわわわわわわわわわ……わーーーーーわーーーー」
「……エッチな子?」
 その一騎当千の武将の言葉が止めであった。
「し……し……失礼しましゅ!」
「へぅ……朱里ちゃん、こっち来たら……はぅ!」
 正にこれこそ疾風怒涛。彼女は棚に隠れていた月の手を取ると、そのまま本を置いて店から立ち去ったのだった。


 こうして、朱里と月の艶本ゲット作戦は、元董卓軍の2大武将によって、再び失敗してしまった。だが、彼女達は諦めたどうかは、また別の話。
                                〜完〜

 最後に……ハム派を敵にまわしてごめんね……orz

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