- 552 名前:エロ本[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 23:30:24 ID:pthKO3vS0
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という訳で、妄想伝にはわざわざ新作を書き下ろして、しかも、本当のPNで投稿したっけ……と回想しながら短編投下。
終わりには、:了:を付けますので。
なお、今回も馬鹿ネタです。あと、朱里が黒いです。
皆様は「2度ある事は3度ある」という言葉はご存じだろうか?私的意見を述べれば、この行為は人の愚かさを示していると考えられる。
だが、同時に愚かになってまで為し得ようとする人の心意気の存在を裏付けているのだろう。
そして……。
「今度こそ……」
そのような意志を持つ黒き衣装を纏った二人の少女が、しっかりと白く彩られた石造りの歩道を踏みしめている。
轟音とともにその剣幕に飲み込まれてしまいそうなビル風。だが、そのような風でさえも、彼女達の髪を少し揺らす程度の妨害でしかない。
そう、何事も成し遂げたいことがある。何事にも変えられない意思がそこに存在する。
だからこそ、彼女達はそこに立っているのだろう。
彼女達‐朱里と月は向かうのだ。もはや、彼女たちを止める者は存在しない。何故ならば、最大の障害であった者は、東京湾の底や学校の屋上へと消えたはずなのだから。
だから、彼女達は迷わず足を向ける。
- 553 名前:エロ本[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 23:38:26 ID:pthKO3vS0
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その、『books明宝』のエロ本コーナーへと。
『朱里と月の艶本ゲット作戦』
『THE F I N A L』
今回のことの始まりはまたある噂であった。
『公孫賛 伯珪が冥琳達に借金を作り、返済できずに東京湾に沈(チン)されたらしい』
この噂を聞いた華琳達は、
「まぁ、公孫賛だから……」
と、日常茶飯事のことという事で流していたが、朱里だけは違っていた。
- 554 名前:朱里と月の艶本ゲット作戦The Final[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 23:44:45 ID:pthKO3vS0
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今までの失敗の原因はいずれも伯珪や恋、霞などの友人の介入が第一の障害となっていた。だが今回の事で、バイトを転々としているイレギュラー‐伯珪の可能性が消えたのだ。
その後の朱里の計算は速かった。
どうすれば、最も邪魔な友人が消えるか、その策を練りに練って、彼女はそれを恐ろしくも実行していたのだ。
まず、翠を始めとするバカレンジャーに接触しないように、テスト後の補修時期を開始日に選んだ。
また、愛紗、華琳、蓮華の3人には偽の呼び出し状を用いて一刀の部屋まで呼び出している。
ここから彼の部屋まではかなり距離があるし、同時にあの三人が会えば口論になるのは必至だろう。それを見た小蓮や穏、星なども同時に興味本位でそこに釘付けになるのは間違いない。
さらには、屋上にメロンパンや点心を餌にした罠を仕掛けたり、桂花の元に空箱を送ったりもした。つまり、武将全員に対して何らかの手段を打ったのだ。
時には、強敵の詠が路上で放送禁止用語を連発し、警察送りになるなどの幸運もあり、彼女達はここに立っている。
もはや、彼女達を遮る物は何もないはずなのだ。
「3回目になると……緊張します」
相変わらずの某エージェントスミス風の衣装に身を包月が緊張しながら口を開く。
「大丈夫です、月ちゃん。今度こそ私達で勝利を手にします」
自信たっぷりに言う諸葛亮こと朱里。それを見ると、月にも自信がわいてくる。
「私……頑張ります……頑張って、ご主人さまの為に」
何をがんばるのかはあえて聞かないとしよう。
そして、目的の地点に到達する2人。
目の前には、彼女達が勉強に使えそうな本が大量に積まれている。
「これで……ご主人さまと……」
月はこの後にどのような事が起こるかを想像しながら少しだけ赤くなった。
「はい、月ちゃん。一緒にご主人さまと……」
「うん……」
朱里の方もノリノリである。そう、このまま2人は目的を達成するはずであった。
- 555 名前:朱里と月の艶本ゲット作戦The Final[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 23:49:01 ID:pthKO3vS0
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「ん?そこにいるのは……董卓?」
目の前にその人物が現れなければ。
「か、華雄さん!」
そこにいたのは、元董卓軍の勇将である華雄であった。
「ど、どうして?」
「はわわ、すっかり忘れてました」
どうやら朱里も、唯でさえ三国志時代には接点がなく伯珪のように親しくもなかったため、存在をすっかり忘れており、対策を施していなかったらしい。
(でも……)
ここまで来て計画の失敗は許されない。そう思い立った朱里は、
「あっ!向こうでタイ焼きが海に飛び込みました!」
「何!」
「今です!えいっ!」
「(ドスッ)がはっ!」
六法全書を投げつけて華雄を沈めていた。命中した華雄はというと、打ち所が悪かったらしく、床に倒れ伏し、泡を吹きながら血を流していたりする。
「へぅ!か、華雄さん……」
「大丈夫ですよ、月ちゃん。死なないと思いますから……多分」
もはや、止める者はいない。もし、この後にだれかきたとしても逃れてみせる。例え店員だろうと言いくるめてみせる。そう決意していた。
「『口先の魔術師』の力、とくと見てください」
「えっと……朱里ちゃん、それ別のゲーム」
もうだれにも止められない。そう思った時である。
「あれ?何やってるんだ?2人とも」
現れたのは、彼女達にとって最大のイレギュラー
「ご、ご主人さま……」
「は……」
そう、彼女たちの主人である北郷 一刀であった
「は…は…はわわわわわわわわわわわわわわわわわ!」
その瞬間、かの諸葛孔明の策は一気に無に化したのである。
- 556 名前:朱里と月の艶本ゲット作戦The Final[sage] 投稿日:2007/07/25(水) 23:54:27 ID:pthKO3vS0
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「で、要するにエロ本を買おうとしてたと……」
「へぅ……」
すべての事情を一刀に話した月は、そのまま下を俯いてしまう。
朱里も同様に下にうつむいたまま何もしゃべっていない。
「で、その為に皆を嵌めたと……」
「はい……」
もう消え入りそうな声で月が答える。
「でも……私たちは……その……ご主人さまのために」
「でもさ、人を騙すのは良くないだろ?」
理由がどうであれ、皆をだましたことには変わりはない。その事は月達も分かっており、何も言い返せなくなっていた。
「だから、今度からは止めろよ?」
「「はい」」
2人は素直だった。もう、こんな馬鹿な真似は止めるのだろう。少なくても、愛紗達を騙すことはもう無いはずだ。
「んじゃ、問題も解決したところで……少しさ、話したい事があるんだけど」
「「ふぇ?」」
そうすると、彼は二人の手を引いて本屋を出ると、そのまま寮へと向かっていく。
「へ、へぅ?ご主人さま?」
「な、何ですか?」
そう言うと、彼はゆっくりと言い放った。
「別に買う必要ないしな……ちょうど、当てと借りもあるし」
翌日、及川の部屋から悲鳴が上がった。原因は窃盗事件が起きたからである。
なお、その前の日に及川が一刀にちょっかいを出して、一刀の忍耐力が限界に達していた事が関係あるかは定かではない。
:了:
- 557 名前:エロ本[sage] 投稿日:2007/07/26(木) 00:02:55 ID:tIaYckU80
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おまけ
彼らが出て行った後には、ただ一人の将が残されていた。
「……誰か……救急車……」
華雄は血を流しながら懇願する。しかし、店員の対応は次の通りであった。
「お客さん、こんな所で寝ないでください。警察呼びますよ」
「NOOOOOOOO!!」
華雄の扱いが酷いのは仕様ですw。
しかし、本当に朱里が黒くなっています。……4コマの影響か?
とりあえず、一言。
本スレで話題に上がっている時にこんな黒朱里の外史が書き終わったのは運命なのだろうか?……orz