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538 名前:史実的?外史・愛紗荊州編[sage] 投稿日:2007/02/13(火) 01:09:16 ID:hScOUOB40
>>537
君がその電波を外史にまで発展させるんだww


と言う訳で、再び空気を読まずに『史実的?愛紗荊州編』の続きを投下。

……の前に『刑州』じゃなくて『荊州』でしたね……いや、マジでごめんなさい……orz
あと、死亡フラグ云々については……特に何も語りません。
ただし、覚悟だけは持っていた方が良いかもしれません。

と言う訳で、今度こそ投下。
539 名前:史実的?外史・愛紗荊州編[sage] 投稿日:2007/02/13(火) 01:14:24 ID:hScOUOB40
 決戦には相応しくなく、どちらかといえば旅行等が相応しい青空の下、荊州城から南5里地点には、呉の軍勢が陣を張っていた。
 兵士達は、これから起こる戦に不安を憶える者も居れば、そうでない者もいる。
 しかし、そんな中に、1人の暢気な声が響き渡っていた。
「もーちゃ〜ん、どこ〜?」
 言わずも知れた呉の軍師、穏である。相変わらず、大きすぎる胸を揺らしながら、暢気な声を響かせている。
 すると、1人の兵士が敬礼をする。
「申し上げます!呂蒙将軍より陸遜軍師へ伝言であります」
「へっ?伝言?」
 こんな時期に伝言とは珍しい。唯でさえ、今は攻城戦のための用意で忙しいのだ。
「なんなんですか〜?」
「はっ!『ぽんぽんがいたいので、少し休むから……』だそうです!」
「……え〜っと……」
 さすがの穏も驚きを隠せないでいる。つまり、これは病気ととるべきなのか?それとも……。
「……とりあえず、もーちゃんの所に案内してくれます〜?」
 現状で、その決断を下せるはずもなく、彼女の結論は、呂蒙に直接会って話をする事であった。
「はっ!」
540 名前:史実的?外史・愛紗荊州編[sage] 投稿日:2007/02/13(火) 01:20:29 ID:hScOUOB40
 数分後、穏が連れて行かれたのは一つの天幕であった。
 なにやら、可愛い絵が書かれており、入り口には『もーちゃんのおへや』と書かれている。
「もーちゃん、自分の天幕にいるのかな?」
「はい!呂蒙将軍はここでお休みになられています!」
 兵士の説明を聞くと、穏はゆっくりとその入り口へと足を踏み入れた。
「もーちゃん……どうしたの?」
「ぽんぽんがいたいの」
 穏の問いかけに、膨らんだクマ柄の布団から声が聞こえている。どうやら布団に包まっているらしい。
「こんな時に?」
「うん……」
 しかし、彼女はその態度に疑問を憶える。
「どうして、とかは分かるかな?」
「かんうってお姉ちゃんが、おしろの近くにのろし台をつくってたから」
「あっ、なるほど〜」
 その言葉で、やっと彼女は理解した。どうやら、斥候の報告を聞いたのだろう。
 もし、城から烽火が上がれば、魏領、幽州国境の兵が駆けつけるだろう。そして、この少数兵力では、攻城には時間がかかる。すなわち、攻めている時に背後や側面を突かれる可能性があるんだ。
 また、全力で烽火台を攻めれば、後ろから城に残った兵が殺到するだろう。そして、呂蒙はそれに気付き、攻める事を懸念しているらしい。いや、攻めない理由を作ったのだろう。
「う〜ん、それはやっかいだよね〜」
 穏も頭をフル回転させながら、打開策を打ち出そうとするが、どうにも上手くいかない。
「もーちゃんも色々かんがえたんだもん。でも、どうしてもうしろからやられちゃうの」
 呂蒙も打開策が浮かばなかったらしい。いや、だからこそこんな態度をとっているのだが。
「もーちゃんがのろし台をせめるときに、おしろの敵さんがこなければいいんだもん。でも、きちゃうんだもん」
541 名前:史実的?外史・愛紗荊州編[sage] 投稿日:2007/02/13(火) 01:26:35 ID:hScOUOB40
 しかし、その言葉を聞いた瞬間、穏の頭に一つの策が浮かんだ。
「あっ……!そうだ〜♪」
「えっ?りっちゃん、なにかおもいついたの?」
「うん……昔に本で読んだ事があるんだけど〜……」
 すると、そのまま呂蒙の耳元、とは言っても呂蒙自身は布団に包まっているため良く分からないが、そっとその策を小声で言う。
 そして、それを聴いた瞬間、
「りっちゃんってやっぱりすごーい♪」
呂蒙は布団から飛び上がっていた。
「うん。じゃあ、もーちゃん、頑張って戦ってくれる?」
「うん、じゃあ、朱ちんや潘ちゃん達にも伝えてくるから!」
 すると、先ほどの弱気な声を感じさせない元気ぶりで天幕から飛び出て行った。


 時は流れ、日がとっぷりと沈んだ頃、愛紗は荊州城で間者の報告を聞いていた。
「敵兵は約5000。将旗は呂と陸、さらに朱と藩が上がっております。おそらく、将は呂蒙、軍師は陸遜であると思われます。また、後続隊は南70里地点に約10000。将旗は丁」
「ご苦労。引き続き警戒を強めろ」
「はっ!」
 そして、一通り報告を聞いた愛紗は、ゆっくりと息を吐いた。
「朱里の言ったとおり、ここに来たか」
 少し前に朱里からの手紙では、呉軍が動き出した報告とその対策について書かれていた。
(荊州城と国境との間に烽火台を建設、及び、その警備に1000を回した。これなら、全力で烽火台が攻められてもは3時間は持つ……か)
 朱里の計略は、荊州城が攻められた際に烽火を上げ、国境の兵が駆けつけるまで待つことであった。そうすれば、相手も迂闊にここを攻めることは出来ないからだ。
542 名前:史実的?外史・愛紗荊州編[sage] 投稿日:2007/02/13(火) 01:31:50 ID:hScOUOB40
「ご主人様は何をしておられるだろうか?」
 しかし、そんな状況でも彼女の頭に思い浮かぶのは、彼女の主の顔。先ほどに至っては、一刀に食べてもらうための炒飯の練習をしていたくらいだ。
「……鈴々達にももう少しきつく言っておくべきだったか?」
 この隙に鈴々や星達、最近では華琳まで一刀に手を出そうとしている。
「くっ……何を考えているんだ。今は荊州の防衛に集中しなければ!」
 頭によぎった邪な思考を打ち消そうと、頭を振ったその時であった。
「関羽将軍!」
 突然の扉の開く音と共に兵士が入ってくる。
「何事か!」
「はっ!城門に敵襲、数は恐らく5000程かと」
「何?総攻撃か!」
 まだ、後続隊は到着していないので、ほぼ全兵力を敵が投入したとしか考えられない。
(つまり、早期決戦を挑んだという事か……)
「分かった。全員配置に付かせろ!あと、烽火台へ連絡、すぐに烽火を上げるように言え」
「はっ!」
 戦火の火蓋は切って落とされた。あとは、戦い勝利するか、敗北するだけだ。
(ご主人様、私は必ずや勝利し、あなたの元へ帰りましょう)
 そして、愛紗は再び胸に誓うと、青龍偃月刀を手に取り、戦場へと向かった。
543 名前:史実的?外史・愛紗荊州編[sage] 投稿日:2007/02/13(火) 01:36:42 ID:hScOUOB40
 城門付近の城壁は既に、弓兵による迎撃が始まっていた。壁に隠れつつ、隙間から弓を撃つ。しかし、敵も大量の火矢を降らし、兵士達を焼き払おうとする。
「状況は?」
 愛紗が到着すると、部隊長に状況の確認をする。
「はっ!敵は我が城門を突き破らんと押しかけております。敵は松明の数からすると、約5000であると考えられます」
 城外を見れば、確かに大量の松明の明かりがあり、その下から火矢が次々と放たれていく。さらに、銅鑼や雄叫びが次々と沸き、今にも城壁を登ってきそうな勢いである。
「どうしますか?」
 敵が全力で攻めているのならば、もはや遠慮をすることは無いだろう。
「打って出る!門を開けよ!」
 このまま篭城を続けたとしても、状況は変わらない。ならば、一当てした後に、再び城に後退すれば、相手の士気を挫くことが出来るはずだ。この戦はどれだけ相手の士気を挫くかによって勝敗が決まるといっても過言ではない。
「勇敢なる兵士たちよ。今こそ我が青龍偃月刀に続け!」
 そして、門が開かれた。


 その後の戦況は一変していた。押し気味であった呉軍は塵尻になり、7時間後には撤退を始めていた。愛紗達の猛攻は凄まじく、天に昇らんとする勢いだ。
「続け!はっ!」
 彼女が刃を振るえば、また1人、呉の兵士が屍をさらす。その勇猛果敢な姿に味方の士気は最高潮になる。
「進め!」
 しかし、その時であった。
「伝令!」
 息を切らせた血まみれの兵士が愛紗に駆け寄ってくる。
「何だ!」
 もはや、勝利も同然のはずの戦。ここで烽火を上げ、再び城に篭もれば、相手は決して侵略など考えまい。そう思っている最中であった。
544 名前:史実的?外史・愛紗荊州編[sage] 投稿日:2007/02/13(火) 01:38:58 ID:hScOUOB40
「烽火台が……敵3000の襲撃を受け、たった今、占領されました!」
「何だと!あそこにはまだ兵が居たはずだ!」
「しかし、荊州城と烽火台の間の道が全て呉軍に封鎖され、また城と同時に襲撃を受けたため、情報が混乱したためと考えられます」
「馬鹿な!敵の主戦力はここに居るはずだ!」
 確かに、敵兵は全てここに居るはすであった。烽火台に裂くような戦力が残っているはずが無い。
「くっ!少し早いが城に退却を……」
 そして、退却する合図を出そうとしたときであった。

ジャーンジャーン

 後方、城のすぐ横から聞こえる銅鑼の音。そして、そこから現れたのは……
「すすめ〜!もーちゃんに続け〜〜〜〜!」
兵士を引き連れた、三叉槍を振り回す少女‐呂蒙 子明であった。

      (続く……よね?)


 と言う訳で、中編はここまでで終わり、後編へと続きます……どこまで長くなるんだろう……orz
 最後に……アホでごめんね
545 名前:名無しさん@初回限定[] 投稿日:2007/02/13(火) 16:28:14 ID:mOGqaMIn0
恋姫昨日終わりました。
やっててED後になにかおまけが欲しかったなーと思い
妄想してみました。
初めてで拙い文章ではありますが、折角できたので思い切って載せてみます〜

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