[戻る] [次頁→] []

433 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 03:34:58 ID:xjrMxDtj0
と言う訳で、空気読まずに前編のみ投下。(後編は今必死に書いています)

諸注意
・作者はど素人です。文章力、構成力の無さは大目に見てください。
・恋姫本編に出てきていないキャラがいます。
・キャラが少し違うな、と思った場合は言ってくださると幸いです。(主に孫権とか)
434 名前:史実的?外史・愛紗刑州編[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 03:38:27 ID:xjrMxDtj0
 その報告が来たのは、一刀達が魏領の平定に乗り出そうとしているときであった。

『呉の内部に不穏な動き有り。注意されたし』

 間者の持ち帰った報告はただそれだけだ。しかし、それには多大な意味が含まれている。
「まさか、あの孫権が……」
 一刀は未だに信じ切れていないようだ。
「しかし、この報告は事実です」
 一方で、愛紗はあくまで蓮華が裏切ったという事を信じて疑わない。元々敵であるのに変わりがないからだ。
「でも……やっぱり少しおかしいと思います」
「確かに。少なくても、呉には美周郎がいる。奴の仕業という可能性もある」
 しかし、北郷軍の軍師で朱里や智将である星は、蓮華ではなく、呉内部の問題であるとの考えのようだ。
 だが、そんな事はどうでも良かった。問題は……。
「どうやって、呉の脅威を取り除くかよねぇ……」
その紫苑の言葉の通りであった。現在、魏領内の平定は始まっていないため、そこから兵を出す事はできない。また、未だに混乱が収まっていないため、兵を全て戦場に出すわけにも行かないのである。
「で、何か良い案があるか?」
 一刀は少なくてもこのような戦略についての知識はない。だから、彼は隣にいる朱里に話を振った。
「えっと……少なくても、私たちは呉に睨みを効かせれば良いと思うんです」
「睨み?」
「はい。例えば呉が私たちの所に攻め込んできたとしましょう。でも、魏の領土は私たちの手の内にあるんです。そうすると幽州と魏領からの2面作戦になるんですから、兵の少数なものにならざる負えません」
「ふむ」
「そこで、私たちは呉を軍隊が幽州を攻め込んだときに横、又は背後から攻撃できる場所に兵を置いておくんです。そして、同時に魏領も防衛できる場所があるんです」
「で、その場所は?」
「それは……」
 そして、朱里は爪先立ちになりながらも、精一杯手を伸ばして、地図のある場所を指差した。
「ここ、刑州です」
435 名前:史実的?外史・愛紗刑州編[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 03:44:29 ID:xjrMxDtj0
 一方、呉の首都、南陽では、異例の空気が漂っていた。
「公謹!どういう事だ!」
 蓮華の怒声が王宮内に響き渡る。
「現在、北郷軍は魏との合戦により疲労困憊しております。また、広大な魏領の平定にも時間がかかるでしょう。すなわち、叩くならば今という事です」
 対照的に冷静な声で事を運ぼうとしているのは、呉の柱石‐冥琳だ。
 この事態が起こったのは、数日前に冥琳が蓮華の許可なしに兵を刑州付近に動かした事に始まる。
「しかし、それで同盟を破るなど……」
「先代であれば、このような事態を逃すはずはありません。今こそ、孫呉は天下に名を轟かせるときなのです」
 あくまで、天下という名を求める冥琳と、呉の未来を案ずる蓮華が意見を共にするということは無かった。しかし、その時は蓮華が呉の王という事により彼女が決定権を持っていたのだ。
 だが、今回だけは違っていた。
「いや、駄目だ。それでは我等、孫呉の誇りに泥を塗る事になる。公謹、軍を下げろ!」
 あくまでも平定を願う蓮華はむやみに火種を起こす事を好まない。それゆえの判断だ。だが、そこで公謹は切り札を出した。
「これは、先代、先々代、そして孫呉の望むものです。あなたは、その意を無駄にし、天下統一という大儀をお捨てになるのですか?」
「くっ……」
「公謹!貴様!」
 隣から甘寧の声が上がるが、そんな事は彼女には関係ない。
 姉‐孫策の願った天下統一。そして、その意思を告いだ冥琳。この2人が彼女に重く圧し掛かる。
(やはり、私は間違っているのか?姉さん)
 苦渋の選択。今、彼女に求められているのは正にそれだ。
 ゆっくりと時間が過ぎていく。
(もし、ここで私が反対したとしても、冥琳は決して諦めない。冥琳の全ては姉さんなんだから)
 恐らく、ここで強引に軍を下げさせたら、謀反を起こしてでも冥琳は天下を呉のものにしようとするだろう。
 そして、彼女は決断をしていた。
436 名前:史実的?外史・愛紗刑州編[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 03:49:18 ID:xjrMxDtj0
「…………好きにしろ」
「孫権様!!」
「もういいの、思春。私には姉さんの跡を継ぐことは出来ない」
 孫策と蓮華の考えは常に対照的である。そして、それを彼女は理解していた。だからこそ、彼女はこの謡から降りる決意をしたのだ。
「だが、公謹。相手は北郷だ。上手く行くとは限らん」
「既に、伯言に指示を出しております。呂蒙の軍を刑州に向かわせるようにと……」


 同時刻、南陽の郊外にある訓練場に、穏はゆっくりと向かっていた。
 そして、目的の人物を見つけると、手を振りながら大声で呼んだ。
「もーちゃ〜ん♪♪」
「?……あっ!りっちゃんだ〜♪」
 呼ばれたのに気付き、ゆっくりと振り向く外見年齢的に10歳ぐらいの少女。彼女の性は呂、名は蒙、字は子明、れっきとした呉の猛将である。
「どうしたの?」
 嬉しそうな笑顔で、呂蒙はとてとてと穏に駆け寄っていく。
「えっとね。冥琳様からの命令で、もーちゃんに攻めて欲しいところがあるんだけど、いいかな〜?」
「りっちゃん!もう、もーちゃんは子供じゃないんだもん!だから、どんなめーれーだってこなしてみせるんだもん!」
 どうやら、子供扱いされるのが嫌いなようで、頬っぺたを膨らませながら穏をぽかぽかの殴っている。
「いたた……もーちゃん、ごめんね〜」
「分かればいいんだもん。もーちゃんは大人だからゆるしてあげる」
 そういうと、未熟な胸を誇らしげに張った。周りから見れば、先生とそのクラスの生徒がじゃれあっているようにしか見えない。
「それで、りっちゃん。今度、もーちゃんはどこに行けばいいの?」
「う〜んとね。刑州って所なんだけど。分かるかな〜?」
「知ってる〜!じゃあ、そこの敵さんをやっつけてくればいいの?」
「うん」
 無邪気な声。ほんわかとした雰囲気。あまりにも戦という場所からかけ離れた光景で、彼女達はその戦の話を進めていた。
 ゆっくりと出陣の時が来るまで。
437 名前:史実的?外史・愛紗刑州編[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 03:53:39 ID:xjrMxDtj0
 場所は変わり、幽州の軍議へと移る。
「後は、誰が刑州へ行くかだけですけど……」
 防備の状況、兵力、そして、防衛拠点の詳細を決めた後に出てきた話題が、将を誰にするかである。
「やっぱり、ここはどちらかと言えば、我が軍の中でも名が通っている人が良いんですが……」
「ならば、ここにいる誰かという事になるな」
 星がゆっくりと席を見渡す。ここにいるのは、愛紗、鈴々、朱里、星、翠、そして、紫苑である。ちなみに、一刀は既に数に入っていない。
「でも、魏領の平定もありますから、紫苑さんと私は無理です」
 確かに、魏領の平定には内政が出来る朱里、兵站管理をしている紫苑が必要だ。
「翠にも無理だな」
「何だと!」
 星の唐突の意見に翠が怒りながら立ち上がる。
「だって、そうであろう。これには、ただ戦に勝てばよい、という訳ではあるまい」
「くっ……」
 確かに、翠は模擬戦の時に攻める事に集中しすぎる事が多々あった。
「なら、愛紗か鈴々、そして星が行かなきゃいけないわけか」
「でも、幽州、魏領にも兵を置かなきゃいけませんから、行くのは1人だけです」
 しかし、それは孤立した場合、1人で立ち向かう事を意味している。
 少しの沈黙。そして、最初にそれを破ったのは、
「私が行こう」
愛紗だった。
「愛紗!」
「私ならば、シ水関の時に呉軍に対しては名が知れ渡っていますから、恐らくは相手を萎縮させる事が出来るでしょう」
 しかし、一刀はそれでも納得が出来ない
「でも、危険だ!」
「だが、これは誰かがこの役をしなければならないのです」
「でも……」
 それでも、戸惑う一刀。そんな彼に愛紗は、
「ご主人様、私は大丈夫ですから。」
彼女の愛しい人への笑顔を送っていた。
438 名前:史実的?外史・愛紗刑州編[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 04:00:26 ID:xjrMxDtj0
 そして、時は来る。
「気を付けてくださいね、愛紗さん」
「ああ……朱里、魏の事は任せた」
「はい……」
 そして、ゆっくりと馬に乗ると、愛紗は号令を発した。
「全軍、進め!目的地は刑州!今こそ、我等が正義を見せる時なり!」
「応!」
 北郷軍5000の兵士の声と共に、彼女の号令は、この戦の地へと先駆けとなった

「じゃあ、りっちゃん。よういはいい?」
「はい〜」
「うん、じゃあ……ぜんいん、もーちゃんにつづけー!」
「応!」
 呉からも、その先駆けは放たれる事になる。
このお互いの先駆けがぶつかるのは、刑州。これからの戦への舞台である。
 
                        (続く……多分)
439 名前:史実的?外史・愛紗刑州編[sage] 投稿日:2007/02/11(日) 04:05:53 ID:xjrMxDtj0
 と言う訳で……はい、中編になるか後編になるかは不明ですが、時間が空いている限り必死に書いております。
 というか……何でこんなに文章量が多いのでしょう……いや、私が下手だからですけど……orz

 ちなみに、呂蒙は、まぁ、私の趣……じゃなくて想像です。あと、真名も不明。設定ないし……。
 だれか、公式がどっかにあったり、良い真名を思いついたとか居たら、一報を……。

 最後に……馬鹿でスマン。

 [戻る] [次頁→] [上へ]