- 535 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 23:00:47 ID:0XgVNmb50
-
さて、花粉症 ver.魏です。
3レスです。勢いまかせで書いてるんでクオリティは保証しませんよ。
- 536 名前:花粉症:魏(1/3)[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 23:02:16 ID:0XgVNmb50
-
街の様子を見て、今後の参考にしたいという風に付き添って昼の街を見て回った俺は最後の通りを歩いていた。
隣を歩く風を見ると、鼻の近くに光り輝くモノが……。
「おいおい……ハナ出てるぞ、風」
「おおっ、これはこれは……ずびばぜん」
ぼおっとしたまま垂れてしまっているハナを拭き取る。
「あちゃあ、眼も真っ赤だし……こりゃ花粉症だな」
「花粉症でずか……ずず」
「止まらないな……こりゃ」
「ずびばぜんねぇ。お兄ざん」
何度拭ってもでてくるハナに悪戦苦闘しながら城へと戻った俺たちは華琳とばったり出くわした。
「あら? 何をしているのかしら?」
「え?」
「風に随分とべったりなようだけど」
そう言って、面白くないといわんばかりの視線をハナを拭くために風の肩に手を回している俺に向けられる。
「こ、これは、ちょっと風が大変だったりするわけで……」
「ふぅん……ほどほどにしておきなさい」
「ちょ、何か勘違いしてないか?」
「そんなことは……へっくちょん」
「…………え?」
立ち去ろうとするのを引き留めたところで華琳の口から可愛らしいくしゃみが出た。
自分でも恥ずかしかったのだろう、わずかに頬が朱色に染まっている。
「な、なんでもないわ――くちゅん」
「おいおい……マジかよ」
まさかのことにため息を吐かずにはいられない。
「ちょっと、いいか?」
「え? な、なにを……ちょ、ちょっと」
華琳の眼が充血していないか覗こうとするのに顔を動かすせいでなかなか見れない。じれったい……非常にじれったい。
「いいから、じっとしてくれ」
「……わ、わかったわよ」
そう言うと華琳は瞼を下ろし静かになった……何故だろう、心なしか背伸びをしているような、しかも顎を突き出すようにしてこちらを仰いでいる。
- 537 名前:花粉症:魏(2/3)[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 23:05:34 ID:0XgVNmb50
-
「え、えぇと……」
「早く済ましなさい。私はまだ仕事があるんだから」
「そうじゃなくて……」
「もう、ハッキリしないわね。いいわ!」
「いや、ちょ――ん」
訂正の言葉を述べる前に華琳の手によって顔が引き寄せられ、強引に唇を奪われた。
「……ん、ん」
「んっ、ん……」
そっと俺は華琳の首筋と腰へと腕を回していく――。
「おおっ、こんな白昼堂々、過激でずねぇ」
風の鼻声が聞こえて慌てて華琳の体を離す。
「あら? もう満足できたのかしら?」
「だから、そうじゃないんだって」
「…………?」
意味が分からないと首を傾げて示す華琳。その姿を見て少し言いにくくなるが、それでも真実を告げる。
「俺は、ただ華琳の目をのぞき込もうとしただけ……なんだけど」
「…………? …………っ!?」
華琳は、俺の言葉を一拍おいて理解したらしく顔を真っ赤にして口をつぐんだ。
「だから、って、お、おい!」
「一刀……良い度胸ね。この私を嵌めようだなんて」
「え? ち、違う! ってか、華琳が勝手に勘ちが――」
「問答無用よ――っちゅん」
圧倒的なプレッシャーもどこへやらと思える程に華琳の可愛らしいくしゃみが出る。
「はぁ、だから……華琳も風と一緒なんだよ」
「ど、どういう――くちゅん、ことなのかしら――くしゅん」
「花粉症っていってな――」
一先ず説明を軽く済まし先程からずるずると音をさせている華琳と風の鼻を拭う。
「ほら、二人ともチーン!」
「チーン」
風の方は簡単に従う……問題なのは、
「い、いいわよ。自分で――」
華琳の方だ。もう鼻に押し当てている状態だというのに躊躇している。
- 538 名前:花粉症:魏(2/3)[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 23:08:56 ID:0XgVNmb50
-
「ほらほら、いいからいいから」
「か、一刀! あなたねぇ」
「ほら、そのまま垂れちゃってもいいのか?」
「…………わかったよ」
諦めたように首を竦めると、華琳が息を吸う。
「チーン!」
「あい、これでよし。後は定期的にハナを拭えばいいだろ」
そう言って一人頷く俺を華琳が少し赤くなった鼻をさすりながら見てくる。
「つまりは、一刀……あなたが私たちの傍に付き従うということかしら?」
「え? いや、まぁ……別に構わないけど」
華琳の発言に頭を掻きながら答える俺の背後から誰かが近づいてくる。
振り返ると、稟がいつもの引き締まった表情でこちらへと歩いてくる。
「おや、華琳さまに風ではありませんか。あと、一刀殿」
「人をおまけみたいに言わないで」
「これは失礼。言葉の綾です」
そう言ってこちらを一瞥すると、稟は風と華琳の方を見る。
「それで、一体何を?」
「実は、お兄さんが、先程まで……というか、しばらくの間、風と華琳さまの抑えきれない熱いものをぬぐっているのです」
「な、なんと! こんな真っ昼間から……か、華琳さまや風の穴から垂れる粘液を拭う一刀殿……ブフッ!」
綺麗な……それはもう見事な放物線を描きながら稟が倒れた。
「うわっ、鼻血が出た! 紛らわしいことを言うな、風ー!」
「ずず……かずど、はにゃ拭いて」
充血して潤む瞳で華琳がこちらを見上げる。可愛らしいが違和感が……。
「……もしかして、頭がぼおっとしてないか?」
「してるかも――チーン! しれないわ」
普段の華琳らしくない様子に花粉症の更なる症状が出ているのだと俺は気がついた。
「ど、どうすっかな……」
先程の華琳の発言「まだ仕事がある」というのを思いだし、俺は二人の鼻を拭いながら稟の鼻に詰め物をしなつつ、頭をかけるという器用な動作をするのだった。
- 539 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2010/04/09(金) 23:13:47 ID:0XgVNmb50
-
以上です。ま、ざっとこんな感じになりました。
>>538は(3/3)ですね間違えました;ごめんなさいね。
それにしても、いろいろと素晴らしく妄想を掻き立てる発想をお持ちの方が多いようで。
どうでしょう?SS化してみては!きっとこんなのより素晴らしいものが書けますよ。
「あなたの素敵な発想をSSにしてみませんか?」
提供:投下率向上委員会