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515 名前:午前三本19/21[sage] 投稿日:2008/11/12(水) 08:18:00 ID:v0dZH9ZpO
「そうですわね。一刀の言う通りですわ♪」
するりと麗羽が一刀の腕に縋り付く。豊満な双乳が肘を包み不覚にも一刀の鼻の下が伸びてしまった。
 「かずと……?」
 ぴくりと蓮華の眉が動き、華琳の眉間が険しくなる。
「はぁ?なんで貴女が馴れ馴れしく呼んでる訳?一刀、まさか貴方、そのカナブンを抱いたんじゃないでしょうね、、、」
 華琳の疑惑に全員の視線が鋭く集中した。
「い、いや、ちょっと待て、みなさん落ち着け!袁紹とはまだ何もしてないぞ!」
 「…まだ?」
 「今、まだって言った!」
 「つまり、主は、いずれは、ヤル気満々なのですな。」
 「ご、ご主人様〜っ!」
 「蓮華様の前で不潔な……」
 「むぅ……」
 「姉者、落ち着け。」
 一刀の言葉尻を捕まえブーイングが轟々と上がる。
 「いや、そーいう意味じゃなくて!みんな聞いて!お願い!」
 慌て取り乱す一刀を横目に、麗羽は威風堂々と言い放つ。
 「お静かになさい。ダンナ様の前で騒々しいですわ、愛妾のみなさま方♪」
 「なっ!」
 「だ、ダンナさ、ま、、、」
 「あ、愛妾って……」
 唖然と静まる愛紗たちを尻目に猪々子と斗詩がコソコソ隅に逃げる。
「斗詩ぃ、アタイすっごいイヤな予感がするんだけど……」
「うん、私もだよぅ、文ちゃん。」
頭を抱える二人を余所に麗羽は高らかに宣言する。
516 名前:20/21[sage] 投稿日:2008/11/12(水) 08:19:05 ID:v0dZH9ZpO
「あら、当然でしょう。ダンナ様は、併呑した国の王を次々に愛妾にしてるのですから…2番の曹操しかり3番の孫権しかり、それならば……」
 「な!袁紹ちょっと待…」
 麗羽が言わんとする意味を悟った一刀は止めようとしたが、遅かった。

「……最初に併呑された、この優雅で!華麗で!美しい!このワタクシが!三公を成した名門袁家の黄金の薔薇、袁本初こそ1番!つまりは本妻となるのは自明の理でしょう。オーホホホッ♪」

シーンと場が静まり返る中を麗羽の高笑いが響く。
「(み、見える、みんなの、魂魄が…燃え上がるのがぁ!)」
後ずさる一刀の背中に誰かが当たる。
「? れ、蓮華!」
「ふふ、かずと、、私、3番なんだ、、、3ばん……」
 「蓮華さま、ご佩剣はこちらです。」
「こら、思春、おま…」
「北郷一刀!貴様、華琳様に何と言う屈辱を…赦さぬ!」
「お、落ち着け春蘭っ!秋蘭、その冷たい笑顔止めて!
華琳!そんな大鎌、置きなさいって!」
517 名前:21/21完了[sage] 投稿日:2008/11/12(水) 08:21:12 ID:v0dZH9ZpO
 「ふふ、一刀、頭痛が痛いわ。ホント愉快過ぎて…頭が割れそう、くくくっ」
 「ひぃ!(華琳、眼がヤバイぞ、おい!)」
「主殿、ということは我らは4番以下となるのかの?」
 「星!お前、面白がってるな!」
 そんな一刀の肩を細い指がガシッと万力のごとき力で掴む。
「ご、ご、ご、ご主人さま――――――――――っ!」
「わーい、愛紗がキレたのだ♪」
・・・
・・

 「はぁ〜、なあ斗詩ぃ、麗羽さま一体どうしちゃったんだ?どー見てもあの大将が麗羽さまの好みとは思えないんだけど。」
 「ん〜多分あれじゃないかな。ほら、洛陽で曹操や孫権が元気にやってるって聞いてキレてたじゃない。」
 「あ〜そーいやぁ、そーだった。」
 「多分あれでムカついたんだと思うよぅ。自分は埃塗れで野宿してるのになんで!って。」
 「あ〜なるほど、姫らしいねぇ〜」
 隅っこでひざ小僧を抱えて座った二人は、楽しげに華琳たちをからかう麗羽を見て溜息を漏らす。
「ねぇ、文ちゃん、やっぱ私たちも洛陽に行くのかなぁ?」
「んー、そーなるかなぁ、麗羽さまが北郷に飽きるまで。」
ギャースカ騒ぐ一刀たちを眺めて二人はまた溜息をついた。

「「はあぁ〜〜〜〜」」

 ……………………〈続 劇〉

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