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クロスオーバーものでこういうものを書きたいなと・・・。

舞台は三国志9の英雄集結。魏ルート後の一刀が呂布軍に飛ばされた・・・という設定です。
そこに、時空を超え追いかけてきた華琳たちや、他の外史からのキャラも多少混入・・・と。

プレイ動画を最初は考えていたんですけど、いかんせん紙芝居を作る能力がなく(苦笑)
実際のプレイを元に、書いていければなと考えています。

外史的にはOKなものなのでしょうか。



「ご主人様、ねね・・・恋が時間を稼ぐ。逃げて」
恋が真紅の馬を駆る男を鋭い眼差しで見上げながら、後ろの一刀や音々音に掠れた声で呼びかける。
恋の身体に緊張が走っているのが、一刀にも感じられる。
それほど・・・馬上の男の威圧感は、逃げるにも身体が震えて動かない程の恐怖となって、一刀や音々音を襲っていた。
「うちも相手になるで・・・! 正直、二人がかりでも勝てる気がせんけどな・・・!」
霞も恋の隣に並び立つ。額には、冷や汗。発した言葉は本音だった。
「・・・二人がかりであれば、俺を止められるとでも思っているのか? 女とはいえ、かなりの使い手のようだが・・・腕の一本や二本、覚悟してもらうぞ」
「脅し・・・じゃないわな。当然のことにしか聞こえへんで・・・
恋は男から目線を外さず、かすかに頷いて応えるのみ。得物を握る手にいま一度力を込める。隙を見せれば、一瞬でやられる。一騎当千・・・そう呼ばれる『恋』自身が、勝てる気がしなかった。

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「貂蝉・・・下がっていろ」
「いえ、奉先様。大丈夫です。異様な出で立ちをしておられますが、この方に敵意や悪意は感じられませんから」
「それはそうだが・・・このような面妖な者の前にお前を立たせるわけには」
「あらん、ひどい言われようね〜。でも、確かにワタシはそこの女性と話がしたいだけよん♪ ・・・あとは託したい物もあるかしら」
海パン一丁の筋肉隆々のマッチョが身体をくねくねさせながら、妙なおねえ言葉を使うのは、確かに異様、面妖以外の何者でもなかった。
「ほら、こう仰っておられますし。大丈夫です、奉先様」
貂蝉が大丈夫と口に出す時、今までそれは外れたことが無い。不思議なものだが、呂布は今までの経験で十分に理解していた。

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「ほぅ・・・お前は別世界の曹孟徳と申すのか! はっはっはっ! これは痛快だな。では、左右にいるのは元譲と妙才というわけか」
「・・・その通りよ。理解が早くて助かるわね」
視線の先にいる小柄な少女。発する言葉は気が狂ったしか思えぬもの。だが、虚言には聞こえない。そう思わせる有無を言わさぬ力を、覇者たる曹操は感じ取っていた。
「殿! 何を仰っておられるのです! この女の発する言葉は虚偽そのもの! むしろ、すぐに詰問にかけ、正体を暴くべきです! もしくは、殿の名を騙る時点で刑に処してもおかしくはありませぬ」
主の言葉を聞き、荀ケが思わず制止に入る。少女の言葉を本気にするなどと正気の沙汰ではない。曹操の名を語る少女と二人の従者。怪しい以外の何者でもない。
「・・・貴様ぁ! 華琳様を侮辱するか!」
荀ケの言葉に春蘭が怒号を上げた。難しい言葉は良く判らなくとも、華琳が馬鹿にされたことは直感でわかる。
「やめぃ、荀ケ。」
「やめなさい、春蘭」
二人の覇王の声に、それぞれの部下が瞬時に顔を下げる。その様子のそっくりさに二人の覇王は顔を見合わせて、豪快に笑うのだった。

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「ねぇ、思春」
「はっ、蓮華様」
「・・・性が違っても、やっぱり姉様は姉様ね」
孫堅の支配都市・廬江。近くを流れる長江のほとりで、静かに流れる大河を見つめながら、蓮華が思春だけに聞こえるような声で呟く。
「あの快活さ・・・勘の鋭さ・・・勝手気ままなのに、何故か引き付けられるあの雰囲気。まるで、姉様が蘇ったようだわ・・・」
「蓮華様・・・」
「冥琳・・・いえ、公瑾も健在。ううん、それだけじゃない。お母様・・・この世界では、お父様ね、皆元気でいる」
いつしか蓮華の声は震えていた。性は違えど、死んだはずの皆がこの世界では、元気に生きている。蓮華の思う所は、思春とて同じ思い。
「・・・はい」
声の震えを隠すように、思春は短い言葉でしか、返す方法が思いつかない。言葉を紡げば、自分とて、涙を止められなくなる。そう知っていたから。

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