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初投稿です。
一刀が三国志の世界から現代の世界に魏、呉、蜀のみんなと一緒に飛ばされたという設定です。
中の人は三国志の知識はほとんどないので、それは違う!ということが多いかもしれない・・・。
お金等は聖フランチェスカ学園の理事長である某怪物が援助しています。
続きや、呉や魏の話は要望があれば書くかもしれないです。
文才などなく文法も色々とおかしいですがよろしくお願いします。



 ─恋姫学園・蜀ルート?─

 ──とある学園の男子寮
 普段静かな廊下が、今日は騒がしい。
 それはある一室から聞こえる声によるものだった。
 男子寮から聞こえるには相応しくない女性の声──





「──ほほう・・・」
 と、一人ごちる女性──趙雲、もとい星。
「すると私が桃香様のお子を救いに行った・・・と。」
「そういうことだね。」
 何故こんな話になっているのかというと・・・
 今日は日曜日。一人暇を持て余した俺の部屋に彼女達が遊びに来たのが事の始まりだ。
 ちなみに今俺の部屋にいるのは・・・星、翠、愛沙、朱里、そして俺を含めた5人だ。
 その5人で部屋のテーブルを囲って座っている。
 そしてテーブルに積まれた本を読みながら
「それでこの世界じゃ凄い有名な人物・・・だね。」
「なるほど・・・」
 星は俺が言った事、本に書いてある事が信じられないという表情をしている。
 ・・・まぁ、無理もない。実際に俺が飛ばされた世界の三国志──桃香達のいる
 世界では長坂で曹操とは戦ってはいないからな。それに桃香だって母親という
 には違和感を感じる風貌だ。
「桃香様のお子・・・即ち主と桃香様の愛の結晶ですな」
「えっ・・・!」
「なっ・・・!?」
 俺と愛沙が同時に驚きの声を上げる。
 愛沙がすぐさま星に食って掛かる。
「ご主人様が桃香様とそんな破廉恥な事は──」
 ああ・・また始まった。
 愛沙は否定的な意見をこれでもかと星に言い、星はそんな状況を楽しみ、
 愛沙を軽くいなしている。
 そんな騒ぎが俺の隣で行われている中、俺の左正面にいる翠が
 質問をかけてくる
「なぁご主人様、あたしは?」
 翠が次はあたしの番と言わんばかりに聞いてきた。
 何を聞いているのかというと、先ほど星に話した事と関連した事だ。
 つまり、俺の世界の歴史の三国志についてだ。
 俺が飛ばされた世界の三国志は皆女性であって、乱世が平定するまでの
 仮定も違ったものであった。
 彼女達が俺のいる世界、現代に来てからはこういった歴史や料理、技術などに
 興味深々で、歴史や軽い技術なら俺でも教える事はできるので
 連日引っ張りだこであった。
「ん、翠はー・・・」
 本をめくり、翠こと、馬超について探してみる。
「曹操軍が治めている長安の城を攻め落としてるな」
 俺が書いてある事を噛み砕いて説明する。
「・・・なんかパッとしないなぁ」
「いやー、そうでもないぞ?」
「その後、潼関で曹操軍を討ち破って更に曹操を後一歩のところで・・・」
 討ち取っていた、なんてとてもいえないな・・・。
 翠と華琳の仲が悪くなっても困るし・・・、何より
 現代に来てまでこんな物騒な事を言ってもしょうがないしな。
「後一歩で・・?」
「あ、いやその・・・」
「なんだよー、もったいぶらないでくれよ!」
 翠が身を乗り出す。
 しかし言うわけには・・・何か良い言い回しはないか!
「あの、ご主人様私は・・・」
 状況を見かねたのか、朱里が助け舟をよこしてくれた・・のか?
「おお、朱里はだな・・・」
「ご主人様!」
 翠からブーイングがくるが、無視した。
 すまん翠、後でパフェを奢ってやるから
「んー、そうだなぁ」
 諸葛亮といえば天下の伏竜と言われた人だ。
「夷陵というところで呉軍と戦いがあってね」
 俺は朱里に夷陵で起こった戦いの事を話した。
 勿論関羽や張飛が死亡することは伝えずに。
「──そこで諸葛亮が作った石兵八陣のおかげで、
呉軍の追撃を食い止める事ができたってわけさ。」
「なるほど・・・」
「なんだそりゃ?」
 朱里が半分納得したような顔をして呟いたあとに、
 翠がすぐに疑問を発した。
「んー・・、俺も詳しくは知らないんだけど、
味方を通して敵を通さない仕掛けになっているとか。」
 一種の罠だな。
「へぇ・・・、天の国の罠って凄いんだな」
 翠が感嘆の声を上げているが・・・
「や、これ翠達の時代の罠だから」
 すぐさま突っ込みをいれる。
「その戦いは・・・」
「ん?」
 朱里が何やら言おうとしていた。
「確か・・・赤壁の戦いで呉の方達とは友好関係だったのでは?」
「うっ・・・」
 痛いところを突いてくる。
 さすがは軍師様だ。皆とは着目点が違うな・・・。
 まさか兄弟の弔い合戦だとは言えるわけがなく──
「そこは、まぁなんだろうな!」
 朱里相手に下手な小細工が通じるとも思えず、
 半分ヤケになり本を閉じた。
「ご主人様、あとでその本を貸して頂けませんか?」
「えっ!?」
 朱里の思わぬ答えにびっくりしたが
 すぐに切り返す
「いや、これ1冊しかないからなぁ・・・」
 良い反面、悪い内容も沢山載っているから
 できれば彼女達には見せたくない本である。
「読み終わってからでも構いませんので」
 そう笑顔で言うと朱里はすぐさま
 質問をしてくる。
「愛沙さんはご主人様の歴史ではどのような
活躍をしたんですか?」
 むぅ、図ったな孔明!と内心悪態をつく。
 しかし隣でまだ続いてる口論の中、愛沙だけが
 まだ俺の世界での歴史の話をしていない。
「関羽か・・・」
 と呟き、本をパラ読みすると、星が気づいたのか
 こちらをチラ見した。しかし愛沙の相手をしながらなので
 こちらに完全に意識を傾けるというわけにはいかず。
「官渡の戦いとかが有名だね」
 顔良と文醜には悪いが・・・まぁ撃退したという事にしておけばいいか。
 一時的に曹操の配下になったことや、官渡での活躍、
 いわゆる関羽千里行の話を簡潔に説明した。
「さすがは愛沙だな」
 黙って説明を聞いていた翠が言った。
「天の世界でも義に厚かったんですね。」
 ほわーっとした感じで朱里が呟いた。
 そして・・・
「なるほど、劉備殿の奥方・・・、つまり主を警護したのですな」
 星が普通に星らしい事を言った。
 しかし流石は星というべきか。事態をあらぬ方向へと
 導いてくれる。
「しかし今の愛沙では役不足でしょう。
精々主殿の閨へとほいほい足を運ぶのが関の山かと」
「なっ・・・何を!」
 きっとまだまだ続くのであろうこの争いは。
 俺はそんな争いを笑顔で見つつ
「そろそろ昼時だし、飯でも食いに行くか!」
「おっ、いいねぇ!」
「私もお供しますー」
 口論をしてる二人を静かに見送り・・・
 俺達は静かに部屋を後にした。
 翠は普通に5人前は食うから俺と翠で割り勘にし、朱里は俺の奢りだ。
 朱里にはお子様ランチは禁句であり、口にしたら
 通学路に色々な策を仕掛けられるという噂である。
 それも華琳や音々音と結託して。
 俺が思うにお子様ランチはバラエティが豊富で安上がりなので
 是非とも注文してほしいものだが・・・。
 そして俺らがレストランに着いて程なくして愛沙と星が到着した。
 愛沙は俺の財布を気にしてか控えめに、星はいつも別で
 メンマを持ってくるので、おかずはいらないそうだ。
 席につき、食事をとっていると鈴々と出会った。
 勿論俺の奢りで物凄い量を食べていった。
 さらば、俺の今月のお小遣い・・・。

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