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186 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [] 投稿日:2011/04/13(水) 09:46:50 ID:nk7DInHsO
「にゃー(どんどんやりますよ)」
「殺る?ですか。それより仕事探したらどうなんです」
「にゃー(そんなもん無いですよ。では15桃香します)」
187 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 09:48:47 ID:nk7DInHsO
荊州の劉表に使いの者を出して、朱里の予想通りに通行許可が通る。
雛里の予想通りに曹操軍の襲撃も無く、荊州と益州の州境に差し掛かった時、一つの事件が起きた。
斥候が、きらびやかな姿と裏腹に行き倒れ寸前の三人組を見つけたとのこと。
自分たちも流浪の身だけど、助けられるなら助けたいと行き倒れてる者たちを救援する準備をする。
「行き倒れなんでしょ?おそらく空腹だろうから食事の用意して…あっ!粥ね、猪料理じゃないよ!お粥だよ!」
豊臣秀吉の兵糧責めの話を思い出した一刀はお粥を作るように指示を出す。
「調理完了したら持って来て!自分たちは先に行って様子を見るから!後はお願いね」
◇ ◇ ◇
「い…いしぇ…さん…ょくりょうはど…なって…すの」
「・・・」
「いいしぇさん…」
「ひめ、むりだっ…て、さすがに…六日…を水だけ……とし…いき…か」
「・・・」
「とし…」
「・・・」
「斗詩!」
「ぶん…ちゃん、まだなん…か平気だよ?」
「よかった…いきてた」
「けど…のまま…と、本当に…やバいですよ、ひめ」
「せめ…人がとおれば」
「むりだよ、人目さける…ために…こうどうした…だから」
「…オーイ…」
188 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 09:51:02 ID:nk7DInHsO
「とうと…げんちょ…が…だめか」
「オーイ…」
「あれ?げん…ょう…にしては…いぶんはっき…と?」
「オ〜イ!生きてるか〜?」
「幻聴じゃないよ、ひめ…文ちゃん」
「おーい!って、あっ!袁紹じゃないか!」
「どちら…かた?」「袁紹!」
予想外の相手にみんなに衝撃が走る、それを誤魔化す為に早急に指示を出す。
「みんなは念のために、捜索と斥候を同時にお願い」
「「「はい…」」」
「その…かがやく服、世間で天…みつかいとし…うわさのなった…しか、北ごうさん?」
「うん、名前は合ってるよ、天の御遣いは名前負けしてるけどね…今、食事を作ってこっちに持って来させてるから。もうしばらく待って」
「ご飯!」
「うぅ〜北ごうさ…ほんとうに…んとうに…ありが…うござい…す〜」
「ほら、無駄な体力使うから喋らない。お礼は助かってから」
「うぅ〜…ぅ〜」
「泣くのも禁止、喋る以上に体力使うから」
「北ごうさん…」
この間一言話さなかった袁紹、単にお腹が空き過ぎてるのが原因だと思っていた一刀。
しばらくすると人の気配がして誰かが食事のお粥を持って来たらしい。
「おーい、北郷。頼まれてたお粥持って来たぞーって…麗羽!」
ここに衝撃的に四人が再会した。
189 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 09:53:03 ID:nk7DInHsO
「ぱ、白蓮、落ち着け、とりあえず落ち着いて、な」
反応が無く、塞ぎ込むような白蓮。
「・・・北郷」
「なんだ、白蓮」
「大丈夫だよ北郷…そりゃ本当のこと言えば多少は辛いし、忘れられない怨みも有るさ…けど今までどんだけ一緒にいたと思ってるんだ?北郷と桃香たちの進む道に復讐は必要無いだろ」
「白蓮…凄いな」
「誉めたってなんも出ないぞ。ほら麗羽、腹減ってんだろ喰えよ」
「えっと、文醜さんと顔良さんだっけ?お粥しか無いけど食べてくれ」
「え〜オイラ…肉が食い…いのに〜」
「北ごうさ…ほんとうにあり…とうござい…す」
「まずは食事だよ、顔良さん。それと文醜さん、いきなり肉なんか喰ったら胃がびっくりして最悪ショク死するよ」
「肉くえ…なら死んでもい…かも」
「元気なってから好きなだけ喰えば良いじゃないか」
「あっ!そう…あたまいいなみつかい様だっけ?とりあえずいただきま〜…」
二人はお粥の入ったお椀を受け取り、いざ食べようとした瞬間。
「お待ちなさい!二人とも!それを食べてはいけません!!」
「は?」
「ひめ?」
「なんでさ?ひめ」
「麗羽?」
「公孫賛…ん、あなた私の真名を…く呼べますね?」
190 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 09:55:22 ID:nk7DInHsO
「は、なんでだよ?仮にも真名は交換した仲じゃないか。真名に関してとやかく言われる筋合いは無いはずだぞ」
「そんな…だから、あなた…影が薄いのです…よ」
「影は関係無いだろ、影は」
「公孫賛さん、…なたは将とし…の誇りは無いんですの?負かさ…た相手の食事を運ぶ…んて正気ですの?」
「姫、それは…さすがに」
「なあ袁紹、今ここでお前を倒したら殺された部下たちは帰ってくるか?帰ってこないだろ…ならそんなことに意味は無い」
「白蓮」
「大丈夫だって言ってるだろ北郷。実際に一度だけ、感情に駆られて袁術の部隊に八つ当たりをしちまったてさ」
「(美羽さんとも戦を?)」
「それで一瞬は晴れたのかな…怨みってやつが?それも夢中で暴れてたから忘れてただけかもしれないけど…結局、殺されたからって復讐しても虚しいだけなんだよ袁紹。
 戦いなんて無いほうが良い、みんなと楽しく過ごした方がよっぽど面白いさ。ほら“麗羽”飯」
突き出されたお椀を無視し、依然そっぽを向いている袁紹。
「そう言えば聞いているよ、官渡の戦いのこと」
袁紹に取って聞きたくない固有名詞が出てきた、この放浪生活の原因なった戦い。
191 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 09:57:24 ID:nk7DInHsO
なによりも袁紹にとってあの曹操に負けた戦い。
「かなり有利に戦っていたよね。それをそこの二人が戦死したって誤報を聞いたら有利だった戦を捨てて行方をくらましたって話じゃないか。いいのかな?今度は本当に死んじゃうよ」
「姫〜」
「麗羽さま〜」
「もう二人とも!袁家に仕える者が情けない声を出すんじゃありません」
捨てられた子犬のような瞳で自分たちの主を見つめる文醜と顔良。
「・・・・・もう、分かりましたわ。好きに食べなさい」
「「姫〜」」
二人とも嬉しそうにお粥を食べ出す、そこへ一刀は袁紹にもお粥が入ったお椀を差し出した。
「ほら袁紹さんもお腹、空いてるだろ」
「・・・・」
しばらくお椀と一刀の顔を交互に見詰めたのち引ったくるようにお椀を奪い、そして袁紹も食事を食べ出す。
ひとまずお腹に食料が満たされた満足からか、袁紹から一刀に話かけた。
「ひとまず食事を、私たち三人を助けてくださったことには感謝して上げます」
食後も袁紹に態度の変化は見られなかった。
「麗羽、相変わらずの態度だな」
助けてもらったにも関わらずいつもの強気な態度に呆れかえり、感心もする白蓮。
192 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 09:59:32 ID:nk7DInHsO
「けれど御遣いさん」
「ん?」
「なぜわたくしの部下二人を懐柔しようと…誑かそうとしてますの」
「「は?」」
予想してなかった言葉に一刀と白蓮は間抜けな声を上げる。
「そんなことしてないし!そんなことしない」
「いや〜、後ろの方の台詞は信用無いぞ北郷」
「ぱ〜い〜れ〜ん〜」
白蓮の追い討ちに涙を流しながら抗議する。
「そんなことより、三人ともどっか行く当てとかあるの」
「「「・・・」」」
黙り込んだ三人、まあ行き倒れてたぐらいだから当たり前といえば当たり前な反応だ。
本来なら頼れる最大のあて、袁術は一刀が雪蓮と協力して軍を打ち破り領土は雪蓮が取り戻してしまった。
「・・・あ、当たり前ですわ。名門袁家にかかれば頼れる所など、そこらじゅうに溢れてますわ。おっ〜ほっほっほっ」
お粥を食べながらジト目の二人、白蓮は滲み出る苦労を感じ取って涙を流している。
「そうなの、なら自分たちも放浪生活だから無理強いはしないけど。急がないならしばらく一緒に行動しない?ご飯ぐらいなら出せるよ」
途端に文醜と顔良の顔が明るくなる。
「…北郷…」
「…いや、官渡の戦いで余計な事しちゃった感と、こうして会話した相手をほっとくのもさ…」
193 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 10:01:29 ID:nk7DInHsO
「…お人好しだな、後で苦労するぞ。まあ、この後に風の便りにでも死んだなんて聞いたら目覚めも悪いのは確かだけどな…」
「…それもあるかな、それに苦労は・・・もう沢山してるさ…」
「…確かに…」
クスッと笑う白蓮。
「北郷さん?」
ヒソヒソと話す二人に袁紹は、一刀の方に話し掛けた。
「はい」
「いえ、不甲斐ない部下二人の為に当ての所に行くのに難航してますの。少々疲れましたから、しばらく本当にしばらくの間ならあなたの所に厄介になってもよろしくてよ」
「斗詩〜」
「文ちゃん〜」
「「助かった〜」」
悪く言われるも、ようやくサバイバルな生活から解放されると分かった二人は歓喜の涙を流していた。
「分かった、よろしくな袁紹」
「・・・・・」
「え、袁紹さん?どうしました…」
突如無言の対応に恐る恐る話し掛ける言葉は敬語になっていた。
「名門と名高い袁家の者が助けられ、また厄介になろうとしている者に感謝を示さない訳にはまいりません」
「いや別にそんな…」
「まいりませんの!」
「はい」
袁紹の迫力に負け、頷く一刀。
「ですから、わたくしの真名、麗羽を北郷さんあなたに授けて上げましょう」
194 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 10:03:18 ID:nk7DInHsO
「うわ〜真名を呼ぶ許可なのに、超上からの物言い。相変わらず麗羽らしい」
「やっぱ、そう思います。公孫賛、さま?」
「なんだよその言い方、気持ち悪いぞ文醜」
「いや〜やっぱ後から入った身としちゃ〜先輩の公孫賛、さん?に敬語使わないと駄目かな〜なんて」
「まあ北郷の所にお世話になってる事に関して先輩なのは否めないが、かしこまったりする必要は無いさ。麗羽には必要無いが二人にはまだだったな私の真名は白蓮だ、二人とも今後はよろしく」
「分っかりました!白蓮さま」
「白蓮、さま?…まあいいか、それで」
「それとアンちゃん?」
「待って文ちゃん、なんで御遣い様をアンちゃん呼ばわり?」
「いや〜白蓮さまがかしこまる必要無いって言うから、御遣い様は堅すぎかな〜なんて。だから砕いてアンちゃん?」
「砕き過ぎだよ〜」
「・・・なら、アニキ!なあアニキなら良いよな」
「文ちゃん〜」
「構わないよ、文醜さん」
「おっとアニキ!アタイのことはこれからは真名で呼んでもらうぜ!白蓮さま、アニキ。アタイの真名は猪々子、今後ともよろしくな」
「よろしくな、猪々子」
「応!アニキ」
本人的には格好が決まったと思っている猪々子、次に顔良が挨拶をする。
195 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 10:04:52 ID:nk7DInHsO
「御遣い様…」
「おっと斗詩さん、せっかく猪々子が堅苦しい雰囲気を壊したのに逆戻りさせる気ですか?」
「…分かりました。では一刀さん、白蓮さま、私の真名は斗詩と言います。以後よろしくお願いしますね」
「よろしくな、斗詩」
「はい」
「おっとアニキ、斗詩はアタイの嫁だから手を出したら容赦しないからな」
「分かったよ猪々子、気をつけるよ」
「よしっ!」
満足の猪々子、照れる斗詩。
「ちょっとわたくしを無視しないでくれます!」
とお冠の麗羽をなだめるが大変で、捜索から帰ってきたみんなと陣に残っていたみんなに経緯を話し麗羽たち三人が仲間?になったことへの説得に更に大変苦労した一刀であった。
最後には一番許せない筈の白蓮が説得に参加してどうにか事なきを得たのが真相であった。
◇ ◇ ◇
一つの出会いに巡り会っただけで無事に荊州を抜けた桃香たち。
いざ、益州と荊州の国境沿いにある城の一つ、諷陵に入城しようとした時、北から接近する一つの騎馬隊に劉備軍は緊張が走る。
北からの騎馬隊は曹操軍の可能性を捨てきれず、すぐに迎撃の準備に入った。
隊を約一万と二万、二つに分けて桃香と一刀を筆頭に約一万の隊を諷陵に非難させた。
196 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 10:07:46 ID:nk7DInHsO
もう一つの隊は約二万で愛紗を筆頭とし鈴々と白蓮が補佐、軍師として雛里が追従する。
残りの者は主君二人の護衛、または共に非難をしていた。
そして愛紗たちは謎の騎馬隊に接触する為、部隊を展開させていた。
「雛里、部隊の展開は?」
「完了しました。でも…一体どこの部隊なんでしょうか…?」
騎馬隊の数はそれなりに存在するも身なりと統率力はしっかりしていた為に盗賊の線は破棄された。
「分からん。もしかすると曹操の部隊かもしれん。……斥候は放っているのか?」
「部隊の移動と同時に放ちました。おっつけ情報が届くとは思うのですが…」
だが遠目にも酷く疲れ果てている上に戦場からそのまま来たような出で立ち、汚れていない者はいない状態の彼らに曹操軍の可能性も低いと判断し対話を申し入れてみようと考えた。
「関羽様!前方の部隊の旗標を確認しました!」
「うむ!で、旗標は?」
「旗標は馬!」
「馬?馬というと――」
「涼州を根拠地とする馬一族の可能性が高いですね。……そう言えば涼州は私たちと同じ曹操さんに攻められて西涼の象徴と言われてる馬騰さんが降伏して戦いは終わったと聞きました。
 なら今あそこにいる方々は降伏をよしとしないと落ち延びた兵士達でしょうか?」
197 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 10:09:47 ID:nk7DInHsO
対話の為に軽い接触を試みる、対話が可能だと返事が来たために愛紗と雛里が対話の為に前に出る。
相手の将も前に出て来る、よく見れば相手の将も愛紗たちと同じ女性だった。
「あんたがあの部隊の代表者?」
「そうだ。おまえは何者だ?」
「わたしの名前は馬超。字は孟起。西涼太守馬騰の娘!」
「馬超……馬超……もしかしてあの錦馬超か!」
「おっ。あたしって結構有名なんだな」
「ああ。旅人が噂しているのを耳にしたことがある。見目麗しく、義に篤い西涼の姫。その槍捌きは白銀の流星と謳われ、一騎当千の強さを誇る……と」
「う、そ、それは言い過ぎだと思うな。……背中が痒くなってくる」
「民が謳うということは、それだけの力を持っているということだ。……錦馬超。あなたに逢えて嬉しく思う。……しかし馬超殿はどうしたのだ?西涼に居るはずの貴女が、兵を引き連れて益州に居るとは」
「色々と事情があってね。それよりあたしのことは良いから、あんたの名前、教えてくれよ」
「我が名は関羽。字は雲長。徐州州牧劉備が一の家臣にして、彭城の青龍刀」
「関羽っ!?あんたがあの有名な、美髪公、関雲長かっ!」
198 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 10:11:56 ID:nk7DInHsO
「び、美髪公?なんだそれは。……そんな呼び名は初めてきいたのだが」
「西涼ではすでに伝説扱いだぞ?艶やかな黒髪をなびかせ、悪を討つ正義の武将。その刃は悪を討ち、その槍は闇を切り裂く。……って」
「ううむ……私の知らないところでそのようなことが言われていたとは……」
「有名人には良くあることさ。……それにしても、徐州に居るはずのあんたが、どうしてこんなところに居るんだ?そっちも軍隊を引き連れて」
「……こっちも色々と事情があってな………やはり私には相手の腹を探るような交渉は出来ん。素直に状況を説明しよう」
「それはあたしもかな。……こっちも素直に状況を説明するよ」
「うむ。まず私たちの状況だが……徐州を曹操に奪われてしまった」
「なにっ!?曹操っ!?」
「ああ。大軍団に国境を突破されてな。……劉備様と共に、この益州へと落ち延びてきたという訳だ。益州は、横暴な太守により民は苦しみ、国内が乱れに乱れていると聞いていた。だから……」
「ぶんどっちまおうって訳か」
「言葉は乱暴だが……飾っても意味はなしか。……お主の言う通りだな」
「……そうだったのか」
199 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 10:14:07 ID:nk7DInHsO
「ところで、そっちの事情は?西涼太守馬騰殿の娘のあなたがこんなところで」
「こっちも西涼まで手を伸ばしてきた曹操に対抗するため、軍を率いて戦い……負けちまってな。おそらく馬騰は見せしめの為に殺されちまったよ」
「あ、あの…そんなことはありません。馬騰さんは生きてます」
「えっ!?関羽殿、その子は?」
「ああ我らが軍師の一人、鳳統だ」
「で、鳳統殿!さっきの話、本当なのか!!」
「あぅ……」
馬超の言葉にビクリと身体を震わせた雛里が、ヨロヨロと愛紗の背中に隠れる。
「馬超殿、すまないが雛里が驚いている」
「あぁ!……すまない」
一回深呼吸をしたのち、再度雛里に問い掛けた馬超。
「馬騰が、私の母様が生きているって本当なのか?」
「はい、馬騰さんは生きてます。徐州の時の情報ですが、出所は雪蓮さん…江東の孫策さんのところの…周泰さんの情報ですから大変信用度の高い情報です。引き続き涼州の太守をしていると聞きました」
「母様が生きている……母様が生きている!!うわわああぁぁ」
身体を倒し四つん這いの姿で号泣する馬超、しばらく号泣した後にピタリと泣き止むと、素早く立ち上がり愛紗に頼み事を打ち明ける。
200 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 10:15:45 ID:nk7DInHsO
「いきなりですまないが関羽殿。少しで良いんだ……糧食を何とか都合してくれないか?」
「…それは無理だ。我らも流浪の身。この先どうなるか分からん」
「そっか……はは、やっぱりそうだよなぁ。ならしょうがない」
「どうする気だ、馬超殿?」
「糧食が無いなら奴らを連れて涼州に戻れない、だからあたし一人で母様を取り戻しに行くだけさ。そうだ後ろに居る奴らの面倒を見てくれないか?」
「待ってください馬超さん、何故戻ろうと?」
「そんなの曹操が無理矢理、母様を従わせてるに決まってるからだ!」
「…私が聞いている馬騰さんの評判に『間違っている者や納得のいかない相手には決して従わない』とあります。その馬騰さんが曹操さんの言うことを聞いて太守を継続なさっているということは、
 それなりの理由も有ると思っています」
「なっ!?・・・」
「ですから早まらずに、先ずは馬騰さんに接触して本人の意志を確認してから。それから涼州を取り戻すなり、馬騰さんを救出するなりと行動の判断しても遅くないかと」
「私も馬騰殿の噂は常々伺っている、その馬騰殿が脅されて従う方とは到底考えられない。まずは雛里の言う通り確認してからでどうだろう?」
201 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/04/13(水) 10:17:50 ID:nk7DInHsO
二人の説得にしばらく考えた馬超は、
「……分かった、……そしてありがとう二人とも。少し熱くなって冷静じゃなかったみたいだ」
「いや誰だって自分の親のことになれば、あまり冷静でいられないだろう。・・・なあ馬超殿、よかったら我らの主に会ってみないか?……」
・・・
・・

こうして愛紗の勧めで、馬超は馬岱を連れて一刀と桃香たちと出会う。
二人の主、それと臣下ではなく仲間だというみんなの真心に触れたことで、自分もその仲間に入ることを承諾し、そして真名を交換したのであった。
新たに翠と蒲公英を仲間に加え、諷陵にも無事入城出来た桃香たちはここを拠点に益州を平定する為に動き出したのであった。
202 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [] 投稿日:2011/04/13(水) 10:19:17 ID:nk7DInHsO
「にゃー(ご静聴ありがとうございました、ではまた〜。次だ次!)」
「でわ〜でわ〜・・・まあ好きになさい」

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