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682 名前:新山 ◆oB.MaXrQTY [sage] 投稿日:2010/12/25(土) 13:26:58 ID:kkorfRyk0
私の本能ゆめをみる。
ロリ華琳クリスマス。

注意
華琳様がチートです。年齢的な意味で。
一刀君が適当です。でたらめ的な意味で。

URL:http://koihime.x0.com/bbs/ecobbs.cgi?dl=0602

本当は昨日の夜に投下したかったのですが……書き始めが遅かったので。
さて本格的な冬ですね。ポドールイの季節です、ええ。
私もめっさ寒いです。体も心も財布も。ではでは



「もう年の瀬かぁ」
 小っちゃい子は体温が高いなぁと膝の上の華琳の体温を味わいながらぽつりとつぶやく。
「かじゅとの世界ではしょうがちゅどんなことをしゅるの?」
 やっぱり一刀の膝の上は最高ねと思いながら訪ねる。
「普段会っていない親戚に会って、この先一年の英気を養うためにゆっくり休むんだよ。
まぁ俺らの年代は正月の前にあるクリスマスって行事のほうが好きなんだけどね」
「くりしゅましゅ?」
「そう。昔ね聖人が貧しくて結婚できない女の子の家にお金を投げ込んで結婚の援助をしたって話が元になっているんだけど、
俺らは大切な人と過ごす日って考えてたな」
「へぇ、その聖人はどこでお金を用意ちたのかちら?」
 クリスマスの話をしているのになんか現実的な話だな。
しかし確かに資金源はなんだったんだっけ?甦れ、俺の記憶!あぁ思い出してきた。確か……。
「不当に金を稼いでいる商人とか、横領をしている役人から盗んでいたんだよ」
「へぇ、聖人というか義賊ね」
「そう、その男の名前は!」
「にゃ、にゃまえは!?」
 ゴクリと唾を飲む華琳。
「ネズミ小僧!」
 ……なんか違うな。

# # #

「因みにクリスマスって良い子のところに夜サンタさんが来て欲しいものをくれるんだよ」
 正しいクリスマスの話をして最後に付け加える。結局聖人の名前分かんなかったなぁ。
「ほ、ほんと?」
 目をキラキラ輝かせながら聞いていた華琳の目が一際大きくなる。
「ホントだよ。さてさて華琳のところにはくるかな?」
 純粋な心に触れてホッとなる。華琳へのプレゼントは何にしようかと考える。
「しょしょしょしょ、しょんなこと興味にゃいわ。ち、因みにそのくりしゅましゅっていちゅなのかちら?」
 めっさ興味満々じゃないですか。うーん赤い服ってあったかな?あ、あと付け髭もか。
「12月の……」
「今日ね!」
「いや、だから、12月の……」
「今日ね!」
「……今日のような気がする」
「しょう、偶然ね。かじゅと、わたち用がありゅから今日は適当なところで終わりなしゃい」
 ぴょんと膝から飛び降りて、とたたたたっと出口に向かう。
「あ、華琳!枕元に靴下がないとダメだからな〜」
 ぐっとサムズアップをして出てゆく華琳だった。

# # #

「どうした北郷。今日は集中していないな」
 いつもの秋蘭との勉強の時間。しかし頭の中は華琳へのプレゼントでいっぱいだった。
「ごめん秋蘭!今日はここまでで終わりにしてくれないか。どうしても街に行きたいんだ」
「北郷。秋蘭がわざわざお前のために時間を作っているのに一体何様のつもりだ!」
 秋蘭のとなりで退屈そうにしていた春蘭に咎められる。しかしここだけは譲れない。
「実は――かくかくじかじかあっちょんぶりけ――なわけだ」
「なるほど、しかしそれと北郷が街に行く理由が繋が……」
「秋蘭!私のところにもそのサンタなるものは来ると思うか?」
 目の前に夢見る大人の少女がいる……。一応夢を壊すのも悪いかと秋蘭だけに耳打ちをする。
「実はサンタって親の役目なんだ。良い子にしているんだよ。って約束して夜中にこっそり枕元に物を置いておくんだ」
「なるほど。つまり北郷はサンタ役として華琳様の贈り物を買いに行きたいわけか」
「理解が早くて助かる」
「うむ。姉者、北郷に聞いたところ姉者の元にもサンタは来そうだぞ。それに私のところにも」
 そう言って目を細め笑う秋蘭。……ずるいなぁ。
「そ、そうか。秋蘭すまんが今から沙和のところに行ってくる」
 シュタっと手を挙げて部屋から出て行った。もしかして沙和のところで靴下を調達するつもりなのか。
できればこれ以上話を広げたくないんだが、大丈夫か?
「北郷、今日はここまでで良い。余った時間は好きに使ってくれ。ふふっ、期待しているぞ」
 ポンと肩をたたいて秋蘭も部屋から出ていく。さてさて皆さんのお眼鏡にかなうものを探すとしますか。

# # #

 街をぶらぶら。あっちをぶらぶら。こっちをぶらぶら。
やはりこちらにはクリスマスの習慣がないから普段と同じ品揃えである。まぁ、俺がここに初めて来たときよりはかなり豊富になっているのだが。
 ふらりと服屋に入る。店主に向こうの意匠を話したから、種類も充実している。
「ゴスロリにスク水、セーラーか……」
 まったく誰の趣味なんだか。右へ左へ視線を巡らせているとふとあるものが目に入る。
「おやじ!これをくれ!」

# # #

 あのあと春蘭と秋蘭のプレゼントを買って城へ戻ってきた。
幸いなことに沙和は春蘭語が理解できなかったようで三人にしか話は回っていない。えらいぞ、春蘭!
 さてさて我らが華琳様はと言いますと、
「早く夜にならないかちら?」やら「目印はあったほうがいいかちら?」
などと忙しない。
 そして待望の夜。華琳はさっさと寝台に入り俺を呼ぶ。
「ほりゃ、かじゅとも早くきなしゃい。早寝早起きは基本よ」
 何の基本なんだか……良い子のか!
「はいはい。そんなに張り切って寝ようとしても寝れなくなるぞ」
 まるで遠足の前日の子供みたいだ。
「大丈夫よ、今日は昼寝をちてないもの」
 華琳の本気っぷりに苦笑いをしながら俺も寝台に入る。
「ところで華琳はサンタに何を頼んだんだ?」
 枕元にちゃっかり靴下を置いている時点で言い逃れはできない。
「ないちょよ」
 暖かい笑顔で答える。

# # #

 寝台に入ってからの華琳は早かった。
いつもの様に掛け布団の上からお腹を一定のリズムで叩いてると、くーと可愛らしい寝息が聞こえてくる。
しばらく続け、眠りが深くなったことを確認して寝台から降りる。そして華琳にばれないように隠していたプレゼントの元へ。
 俺が服屋で見つけた華琳へのプレゼント。それは、馬のぬいぐるみ。
 裁断して余った布や綿を使って作ったものなのだろう。安かったのだが、品質はいい。
店主曰く、御使い様のお話になられる意匠は難しいものばかりで、作っているうちに私たちの技量も上がったようで、一石二鳥とはまさにこのことでしょう。とのこと。
 まさしく一目ぼれ。うん、そういえば華琳の周りにはかわいいもの少ないし。と自分に言い訳。
 さてさて、まずはあちらの二人かな、と春蘭と秋蘭へのプレゼントを手に部屋を出る。
 因みにサンタの衣装は諦めた。それっぽいのがないのと、着替えてどうするんだという根本的な問題にたどり着いたから。
バタン。扉が閉まる。

# # #

 実は華琳は起きていた。だから一刀が寝台から降りていくのも分かったし、部屋から出て行ったのも分かった。
 そしてこっそり靴下を確認したがまだ何も入っていない。
それはそうだ。王という職業柄現実を見る華琳は気が付いている。サンタの正体は身近な人物であることを。
華琳にとってのサンタはただ一人。
――コッコッ
 隠しているようで全然隠れていない足音が近づいてくる。また寝たふりをする。
「ただいま」
 すぐ近くに体温を感じる。そして軽く撫でられる前髪。
 思わず抱きしめたくなる。が、抱きしめない。なぜなら、目の前にいるであろう青年が今一番欲しいのは寝ている華琳のはずだから。
だから華琳は寝ているふりを続ける。青年のサンタになるために。
 耳元で物音がする。きっと律儀に靴下へ入れようとしているのだろう。幾許か続き、そしてまた静寂。ギッと青年の重みで寝台が軋む。
「お休み、華琳」
 最後にまた前髪を一撫でされ横からは規則正しい寝息が聞こえる。それを確認して目を開ける華琳。
「わたちが一番ほちいのはもう貰っていりゅわよ、かじゅと。ありがと、わたちのしゃんたしゃん」

# # #

「ぎゃああああぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁああ」
 朝、誰かの叫び声で目が覚める。ふと横を見る。華琳はまだ眠っているようだ。髪の毛を一撫で。さてさて俺のお姫様は喜んでくれるかな?
「んぅ」
 少しずつ瞼が開いて可愛らしい瞳に光が宿る。
「おはよう、華琳は良い子だったかな?」


後日談
 華琳は馬のぬいぐるみを気に入ってくれたようだ。片時も離さず持ち歩いている。
因みにぬいぐるみは絶影と名づけられた。


後日談その二
 あの朝の悲鳴は春蘭だったらしい。秋蘭曰く想像を絶するものが入っていたらしい。秋蘭も詳しく聞いてないそうだ。
 そんなに杏仁豆腐っておかしいものかな?春蘭の好物だと思っていたから、入れたんだが。





編集後記
メリークリスマス。ただ勢いで書いた。……あ、このシリーズいつもそうでしたね。
今回はクリスマス。本当はほかの皆も出したかったけど、書き始めたのが遅かったから時間がないため断念。
一応おまけで魏軍のクリスマスを妄想してみた。って風と三羽烏だけだけどね。
ではでは。よいお年を。
王という職業柄――と書いてて思いましたが、職業:王。王は職業なのか?


おまけ
夜。ごそごそという物音で目が覚めた。
「……は?」
なんぞ?物音のしたほうを向くと一つの影。そしてなぜか俺の腰から下が赤と白のストライプの布で巻かれていた。なんか縁起がよさそうだ、じゃなくて。
「風?」
「おぉー」
何とも間延びしたこの声は間違いなく風だ。
「なにして「あや?これはサンタさんからの贈り物でしょうか?」」
今起きて、気が付きました、のような雰囲気ではしっと俺の両足を抱きかかえる。
「んーよく見るとお兄さんではないですか。なるほどーサンタさんとは中々のやり手のようですね」
なんだか嫌な予感がする。この布、もしかして。
「つまり、これからお兄さんは風のものということでいいのでしょうかー」
やっぱり!風、恐ろしい子!確信犯だろ、こんちくしょー。
「ま、まて風。よく見てみろ。ちゃんと靴下に入りきっていないだろ、な。つまりこれは無効だ」
「お兄さんのその考え方でいくと、入っている場所は有効ってことでしょうか?」
包まっているところを確認する。
「下半身だけですかー。まぁお兄さんの存在意義の大半は手に入れられましたねー」
……俺って一体……


おまけ2
「二人ともーサンタさんて知ってるの?」
「ああ、あれやろ。良い子にしとったら一番欲しいモンをくれるっちゅう」
「サンタさん。良い子にしてたら……」
「それー。けど、良い子ってなんなのって感じなのー」
「せやな。結局現実味があらへんちゅーか」
「私は貰えるのだろうか。いや、私ごときが良い子なわけがない。くっ。もっと努力をしなければ!」
……なんだろう。凪にだけプレゼントをあげたくなったな。
「だよねー。そのサンタさんもきっと隊長なの」
「せやせや。そんなんで乗せられるほどウチ等も甘くないっちゅーねん」
「た、隊長が嘘を言うわけないだろう!」
「な、凪ちゃん。その氣弾は人を殺せるものなのー!」
……やっぱ凪だけにあげよう。


おまけ3(まったくもってクリスマスに関係なし)
ふらりと服屋に入る。店主に向こうの意匠を話したから、種類も充実している。
「ゴスロリにスク水、セーラーか……」
まったく誰の趣味なんだか。右へ左へ視線を巡らせているとふとあるものが目に入る。
「こ、これは!」
俺の目の前には一体の馬のぬいぐるみ。白い布を使って作られている。それはまさしく葦毛。そして力強い四肢。つぶらな瞳。
「も、もしかしてオグリキャップ!」
葦毛の怪物にこんなところで会えるなんて!感動していた俺の横から声がかかる。
「御使い様。そちらのぬいぐるみは、他の馬に影をも踏ませない馬を想像して作ったものです」
声をかけてきたのは作ったのであろう店主。しかしそんなことはどうでもいい。
「サイレンススズカは葦毛じゃない!」
落ちなし。
絶影の話を聞くたびにサイレンススズカを思い出してしまう今日この頃。
まぁ絶影は影も留めない速さなのでちょいと違いますが。

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