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773 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [] 投稿日:2010/11/05(金) 21:23:55 ID:a/wMlARIO
「にゃー(ヤバい)」
「なにがです、バカ猫?」
「にゃー(未だ、無職…来月の家賃に色々とそれはもうマジヤバっすよ)」
「ならば、取るべき道は?壱.真面目に働く。弐.強盗を働く?参.内臓を売る。死.死。どれにしますか〜?」
「にゃー(突っ込み所満載です風様、そのローリスク・ハイリターン!は無いんですか?)」
「呂ー利す苦?なんですそれわ?」
「にゃー(ぶっちゃけ楽して儲ける!!!1!)」
ビシッ☆ビシッ★ビシッ☆ビシッ★ビシッ☆ビシッ★ビシッ☆
「あぁ、25桃香なのです。お楽しみください〜」
ビシッ☆ビシッ★ビシッ☆ビシッ★ビシッ☆ビシッ★
・・・
・・
774 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:26:37 ID:a/wMlARIO
そしてその日の議題が『黄巾党の残党が現れて略奪行為を行っている為、討伐する』と云った内容だった。
残党と言っても規模はかなり大きく報告では約二万とのこと。
出せる兵も建業や周辺にいる全ての兵を出す訳にもいかないので、出せて約倍の四万弱。
更に一刀が協力を申し出たので連れた来た劉備軍・呂布軍の混成部隊、約五千も予備兵力として出陣する事になった
◇ ◇ ◇
それから数日後、雪蓮達は黄巾党残党と対峙していた。
「あれ〜?」
「どうした、穏」
「いえね、敵さんの数が報告と合わないんですよ。冥琳さま」
「うぬ、確かに……目算で数えて、多くても一万七千と言ったところか…」
「ですよね、五千弱は誤差の範囲内に入るでしょうか?」
「相手の数が五十万や百万なら誤差の範囲内だが、たかが二・三万では範囲外だ。伏兵の可能性は?」
「調べてますよ、かなり広範囲で斥候を放ってますが見つかってません。調べた範囲外から来たとして…どんなに走って来ても戦闘終了予定までには間に合わない。と、思うんですよ」
「戦闘が長引いて間に合う可能性は?」
「相手は軍隊じゃなく黄巾党です、しかも既に指導者達も無く烏合の衆なんですよ」
775 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:29:35 ID:a/wMlARIO
「それなら、数は約倍しか出せないが我が軍の精鋭で挑めば、戦開は一日もかからないだろう」
「そうですよ冥琳さま。そして今、斥候さんが偵察している場所は身軽な彼等で一日半かかるような所です。なにか見つけたとの連絡も有りませんし提示報告もしっかり届いてます。
 伏兵が居たとしても全員が雪蓮さまか明命ちゃんみたいな、ちょっとおかしい人じゃないと間違い無く間に合いません」
穏にしては絶対の自信が有るのか珍しく力説していたが。
「あら〜穏?」
ビクッ!!
聞き慣れた声の主に驚いたのは力説していた穏。
「な、何でしょうか?雪蓮さま」
「面白い例えを出すのね」
「いえ、これは相手が全員、超人的でないと間に合わないと言っただけで」
恐る恐る振り返る、するとそこには雪蓮と別にもう一人、涙目の明命も立っていた。
「つまり『私達は尋常じゃない』と、言いたいんだ〜?」
「そのような言い方も確かに有りますが、決してそういう意味でわ……」
「明命、これはお仕置きが必要かな?」
「…はい」
いつものシャキとした明るい返事は何処へやら。
低い低い声の返事が聞こえて、そして無言で取り出したのは筆と墨入れ、直ぐに穏の軽い悲鳴が聞こえのだった。
776 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:33:43 ID:a/wMlARIO
気絶した穏のその胸には『走るのが遅いのはこの無駄な胸が原因だろ、それだけじゃないけど』とアートが刻まれていた。
目を覚まし、すすり泣いている穏に無慈悲な言葉で冥琳が話し掛ける。
「穏“遊んでないでさっさと始めるぞ”」
「・・・うう〜、このやり場の無い悲しみを……皆さん、相手は陣形もまともに組めない烏合の衆です、ですが油断はしないで確実に敵の数を減らしますよ。弓隊のみなさんかまえてください、
 前衛のみなさん突撃準備お願いします。攻撃の命令後、同時に行動してケチョンケチョンにしてください。では雪蓮さま、号令をお願いします」
そう言われて南海覇王を抜いた雪蓮が号令を発する、号令と同時に数千の矢が飛び、幾千の兵士が前進を開始し戦が始まった。
・・・
・・

◇ ◇ ◇
昼から始まった戦も夕刻に入り一旦、停戦した。
無理に戦を続ける理由もなく陣に戻る両陣営。
一日もかからない筈の戦も、兵を失うには馬鹿馬鹿しすぎるとカウンター狙いの防戦に徹したところ、とうとう日が暮れてしまった。
実際、同じ規模の戦いで普通に戦ったとしての被害を比べたら、今日の被害は皆無に等しかった。
777 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:36:55 ID:a/wMlARIO
「しっかし、時間がかかるわよね〜」
「仕方ありません、基本的にはこちらからは仕掛けてないんですから」
今は胸に刻まれた恥ずかしいモノを隠しながら喋る穏。
「でも、いいんじゃない。実際に被害はかなり少ないんだろ?」
「そうなんだけど、私としてはズバッ!と行きたい訳よ、分かるでしょ!一刀」
「そんなのは却下だ。おまえは大将なのだぞ、そこら辺はもう少し自覚を持ってくれ雪蓮」
「突撃するとしても、なにも雪蓮姉様が出る必要は有りません、私で充分です。ですが、劉備の所の将兵は“討って出ない事を良しとする”のだな、臆病者にはお似合いな戦い方だ」
「蓮華…」
声で一応釘を差したつもりの雪蓮だったが孫権の口は止まらなかった。
「そして、今お前が考えることは分かるぞ。大方『今日はお前達だって、前に出て戦わなかったじゃないか』と思っているんでしょう!今日の戦い方は作戦であって、
 孫呉の将兵は出るべき時は命を惜しまず前に出る!!おまえとは決して違う!?」
「蓮華…」
再度、しかも声のトーンがかなり低くなった雪蓮の声が天幕の中に浸透する。
「失礼する」
それだけ言うと天幕から出て行く孫権、そして一礼だけすると無言で孫権の後を追いかけて行った思春。
778 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:39:29 ID:a/wMlARIO
普段、あまり見たことの無い孫権の横暴な態度にみんなが戸惑っている。
「悪いわね、妹の無礼を詫びるわ」
「気にしなくていいよ、むしろ孫権の方が心配だよ」
「本当に女の子には優しいのね……一刀のスケベ」
「違う、そんなんじゃないって」
「ハイハイ、ちゃんと分かってますよ、ちょっと一刀をからかっただけよ。じゃあ今日はもう遅いからみんなも早く寝るように、明日は少し大変よ」
こうして雪蓮の解散命令で強制的に解散した、そして自分の天幕に戻ったみんなが各々眠りについた。
◇ ◇ ◇
戦、二日目。
その日、一番最初の主な活動は軍師達同士の会議から始まった。と、当初記録班は書き込んでいた。
「穏、斥候は?」
「引き続き出してますよ。今は斥候さんが本気で移動して半日はかかる距離に配置してます。そして今日は強めに攻める予定ですから常識的にかんがえればやはり伏兵が居たとしても間に合いません」
昨日の経験から余計なことは一切言わない穏。
「よし!ならば銅鑼を鳴らせ。出陣するぞ」
「冥琳さま、その…」
「どうした亞莎?なにか報告か?」
「その、蓮華さまがいらっしゃいません」
「なんだと!?それは本当か!」
779 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:41:43 ID:a/wMlARIO
「はい、出陣が近いのに全く姿を表さないので心配になって天幕に迎えに行きましたら……もぬけの殻でした、それと大半の配下の兵士達も」
「雪蓮……」
ことがことだけに指示を仰ごうと雪蓮に振った冥琳。
「蓮華のことは……放っておきましょう」
だが雪蓮はそれをスッパリと捨て置く。
「孫策様!それはあまりに…」
流石に抗議の声を上げた思春の言葉を途中で遮り。
「あの子はもう子供じゃないの、自分の取った行動の責任はちゃんと自分で取らないと、万が一な事態になったとしても。いずれ頂点に立つ予定が有る者なら尚更よ……で、他に誰か居なくなってるかしら?」
「それでしたら、蓮華さまが居ないと知って同時に調べました。そしたら明命も同じく居なくなってました」
「それなら明命が付いてるでしょうし、大丈夫でしょ」
それを聞いた一人の男が内心、不安が走った。
「亞莎」
「はい?なんでしょう一刀さま」
「見当たらないのが明命なんだね?」
「そのとおりですが、それがなにか?」
「雪蓮」
「どうしたの一刀?」
「ちょっと思うところが有ってさ、別行動を取って構わないかな?」
雪蓮の視線が冥琳に向く、それに答えるように質問をする冥琳。
780 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:44:38 ID:a/wMlARIO
「軍勢もか?北郷」
「そう、悪いんだけど」
「どう思う、穏」
「そうですね〜?残党の数も報告よりも少なかったですし、此度の消えた蓮華さまの配下も約三千。以前こちらが倍近い兵力ですから……問題は無いかと思いますよ」
「うぬ…だ、そうだ。北郷」
「ありがとう。じゃあ、ちょっと失礼して……恋、ねね付いて来て」
「・・・(コクッ)」
「しかたないのです、言うこと聞いてやるのですよ」
悪態を吐くねねに対し。
「悪いな、ねね」
「フンッ!なのです」
「アハハ、はぁ…で、恋」
「・・・んっ?」
「今、溜め息吐きやがったのです!しかも話し相手をさり気なく恋殿に変えているのです!!」
ねねの本気じゃない緩い抗議を無視しつつ恋に言葉を続けた……。
・・・
・・

◇ ◇ ◇
一刀達が行動を開始してから、ほどなくして雪蓮たちも戦の為の配置に着く。
一方、黄巾党達は倍の兵力で自分たちとは違い、訓練された軍勢と戦っているのにもかかわらず逃げ出さなかった。
近い距離にいる為に逃げ出せなかったのも事実だが、孫呉側の被害最小の為の超消極的な戦闘を“自分たちは強いから敵は攻め倦んでいる”と勘違いし強気だったからだ。
781 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:47:05 ID:a/wMlARIO
そんな自信からか?元から陣を組める頭も人も足らないのか?相変わらず陣形を組む様子も無く、ただ平べったく横隊もどきで集まっているだけだ。
それに対し孫呉は右陣を祭と穏、左陣を思春と亞莎、中央本陣に雪蓮と冥琳を配置した鶴翼の陣で挑む、どうやら三方から囲み一気に敵を殲滅するつもりらしい。
『右陣の配置がやや遅れ気味か…』などと、思いながら軍全体を眺めてる冥琳の視界に、その遅れ気味の右陣からかなり突出した部隊を見つける。
「あの部隊は何をしている!ただでさえ遅れ気味の右陣からあれだけ突出したら、場合によっては囲まれるぞ!あの部隊は誰だ!!」
「んっ、どれどれ?何処の誰かな〜♪」
怒鳴る冥琳の脇からひょこり現れたのは雪蓮が部隊を眺める。
「……!ありゃ〜」
「どうした雪蓮……!まさか!?」
「そう、そのまさかよ。あれ蓮華よ」
「なぜ蓮華様があのような……」
『所に?』と言い掛けて黙り込み、直ぐに“ハッ!”とした顔をして。
「昨晩のアレか!」
「おそらくはそうでしょうね、孫呉の勇敢さを示す為に…本人は“後方攪乱”のつもりなんでしょね」
「一部隊が単独で、連携も無しに勝手に動いたところで……あれでは後方攪乱には手勢が少なすぎる、場合によっては……」
782 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:49:07 ID:a/wMlARIO
「場合によっては『各個撃破の餌食』でしょうね」
「仕方ない、誰かある!」
「はっ!」
「お前は五千を連れて……」
「冥琳!止めなさい」
「だが、雪蓮……」
「私は、さっき言ったわよね?『自分の取った行動の責任はちゃんと自分で取らないと、万が一な事態になったとしても』って」
そう言い放った雪蓮は一刀が見ていれば『野生の獅子のようだった』と例えてたろう。
そんな時!!
呉軍の右側の丘から突如として姿を表した部隊が一つ。
それは全員が馬に跨り、全員が身なりの悪い上に整ってなく、そして“全員が黄色い布を身に着けていた”
次々と現れ勢いだけで丘を下る黄巾残党、目下にいる部隊に気付くと勢いは益々増すばかりだった。
◇ ◇ ◇
「なっ!あれでは蓮華様が」
逸速く事態に気付いた思春、普段は冷静沈着だがこの時ばかりは流石に焦っていた。
「あぁ、思春さん。どうするつもりですか?既に、戦は直前ですし戦列も組まれてます。今、思春さんに戦列を離脱されますと戦線が崩壊してしまう可能性が!」
「ならば、亞莎は蓮華様の危機を!黙って見てろと申すのか!!」
珍しい思春の怒鳴り声を全身に受け、一瞬怯むも直ぐに持ち直し。
783 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:50:56 ID:a/wMlARIO
「思春さまは!蓮華様が“あの程度の出来事”で、どうにかなるとお思いですか?私達の今の役目は与えられた戦線を維持することです」
亞莎の指摘に我に返る。
「……そうだな、すまなかった亞莎。蓮華様があの程度でどうにかなろう筈もないな。・・・皆の者、今日の戦!さっさと終わらせるぞ!!」
「「「応っ!!」」」
将の暴走で一旦は前線が崩壊の可能性が出たが、亞莎の助言で。孫呉・左軍は持ち直した。
◇ ◇ ◇
「見誤ったものだ……このご時世に賊如きが分隊とは云え、全てが馬で駆けつけて来るとわ。こんなことなら北郷に許可など出すのではなかったな」
後悔している冥琳に雪蓮が話しかける。
「あら?仮に、今ここに一刀達がいたとして“とてもじゃないけど間に合わない”と、思うけど」
「それはそうだが……しかし、何も手を打てないというのは、正直歯痒い……戦列を崩すわけにもいかないし」
困る冥琳をよそに遠くを眺めていて、何かを見つけた雪蓮が上機嫌に喋り出した。
「冥琳♪」
「なんだ。今、考え事の最中なのだが」
「失敗したと思っていた事が実は正しかったとしたらどうする?」
「なにを言っているのだ雪蓮?」
784 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:53:10 ID:a/wMlARIO
「とにかく、今は前の獣共を屠殺する事が先決でしょ……呉の同胞たちよ、よく聞け!黄巾党が壊滅し更正の機会が有ったにも関わらず、人に戻らなかったモノ共だ!素より遠慮はいらない、一人残らず殲滅せよ!?全軍突撃!!」
「「「ワワワアアァァァ――――!!」」」
どこか余裕が感じられた雪蓮の戦闘開始の号令が発せられた。
◇ ◇ ◇
「うぬ?我らのかなり前を行く部隊は……あれは蓮華様ではないか!どういう事じゃ、これは?」
祭の言葉を聞いた穏がすぐさま“ピンッ☆”と着て。
「祭さま、昨夜の出来事が関係しているかと?」
そう言われて祭も気付く。
「なるほど……蓮華様も普段はあれほど策殿に、勇敢と蛮勇は違うと仰っている割には……いやはや、血は争えぬと言ったところか?」
「そんな〜、感心している場合じゃあないですよ?祭さま」
「分かっておる、皆の者!少し急ぐぞ。蓮華様との距離少しでも縮める為にな」
孫権のやろうとしている事を見抜いている穏は、慌てて祭に提案を出す。
「祭さま、蓮華様は後方攪乱を狙っての進軍かと思います。ですがあのまま進軍を続ければ各個撃破の可能性が、今すぐに進軍停止・こちら側への後退を指示する伝令を出すべきかと」
785 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:54:58 ID:a/wMlARIO
「うぬ、そうかもな。誰か!」
「はっ!」
「今の話聞いておったろう、今直ぐ蓮華様に伝令じゃ!進軍を停止、直ちに後退を指示するように」
「了解しました!」
脇にいた一人が返事をすると直ぐ様に駈けだしていた。
そんな直後!右側の丘から馬に乗ったモノ達が姿を表し丘を駈け下りて行く。
「穏、あれはなんじゃ?公謹からは“伏兵は居らぬ”と聞いてたんじゃがのう」
「いえいえ、通常では間に合わないと言っただけで〜」
「なにを呑気に話しておる」
あまりに呑気な喋り方に思わず祭は穏に小言を洩らす。
「ですが祭さま、せいぜいかき集めた100か200の騎馬隊にも成らな…」
と、穏の言葉が中断される。
丘から現れる騎馬は既に千を越し、尚も増え続けるからだ。
「全軍駆け足!権殿の部隊と合流するぞ!!」
慌てて走り出しながら穏が泣き言を言い出した。
「そんな〜、見当たらない敵が全員、馬が揃うまで略奪してて戦場に遅れるなんて〜。ましてやこんなご時世の在野で調達可能なんて予測出来ませんよ〜」
「ええい〜穏よ、泣き言など言うとる暇が有ったら走らぬか!………!?、北郷とか云ったな?あの男、中々やりおるようじゃのう」
何かを見つけた祭が一人で喋る。
786 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:57:20 ID:a/wMlARIO
「全軍停止!」
「えっ!祭さま?」
突然の停止命令に疑問の口調で祭の名前を呼ぶ。
「敵が予測不能な動きをする事が有るように、その逆もまた然りじゃ。我が隊はこれより敵騎馬隊先頭に斉射三回!それ以降は当初の予定通り、敵本隊を包囲殲滅するぞ」
状況を把握出来ずに少々狼狽する穏に反して、しっかりした口調で指示を出す宿将黄蓋。
呉軍右翼もまた健在で有った。
◇ ◇ ◇
「しかし、良かったのですか?蓮華様」
「なにがだ、明命」
「その……命令を聞かずに独断な行動がです」
「・・・・・・明命」
長い沈黙の後、ようやく口を開きかけた時!
ドドドドドドッ!!
丘の上から姿を表した黄巾残党は馬に跨っていた。
「なっ、敵の伏兵?でも伏兵はいないと冥琳たちが…」
「蓮華様。冥琳様達が申していたのは伏兵がいたとしても間に合わないと仰ってた訳で、それは敵が徒歩に因る推測でした。今、向かって来る敵は馬ですからせいぜい数十、多くても数百かと…」
ここでも言いかけた言葉が中断される。
「そんな」
見える敵は優に千を超えて尚も増え続けている。
「皆の者!方形陣を敷くぞ!!」
「蓮華さま。ここはまず一度、駆け抜けてしまっては如何でしょう?」
787 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 21:59:50 ID:a/wMlARIO
「それでは敵に追い付かれてしまい陣形も組めぬ、ここで迎撃した方が良い」
「了解しました、皆さん方形陣を敷いてください」
将の指示に方形陣を組み出す兵士達。
挟撃されることを恐れて進軍を提案した明命、端から挟撃されることを計算に入れて行動する孫権。
どちらが正しかったかなどは今は分からない、だたハッキリ分かる事は敵騎馬隊の先頭が目前まで迫って来てることだった。
◇ ◇ ◇
「ぬう、分かってはいたが、本当に策も案も無い奴らじゃ」
祭が愚痴るのは、騎馬隊との挟撃でただ組みし易そうだからと黄巾党本隊から無造作に孫権の部隊に向かうモノが多数現れたからだ。
「仕方がない、我らはもう少し前進し孫権様と賊の間に割って入るぞ」
◆ ◆ ◆

・・
・・・
「孫権の居場所分かる?」
「・・・孫権?」
「雪蓮の…いや孫策の妹でこう頭に矢印みたいなのかぶってた娘」
言いながら手を頭の上に運び矢印の形をかたどってみせる。
「・・・・・んっ、孫権。分かった」
「よかった、なら今の居場所も分かる?」
「・・・ん?」
言われて少し考えるような仕草の後。
「・・・(クンクン)」
左右を向きながら匂いを嗅ぐような仕草に移る、そして一方を向くと指を指しながらおもむろに。
788 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 22:02:26 ID:a/wMlARIO
「・・・あっち」
恋の野生の力と勘がどれだけ凄いか、セキトと一緒に崖から落ちた時に存分教えられてる一刀は。
「分かったんだ、なら案内できる?」
「・・・(コクッ)」
「なら、みんな。恋の後に続くよ。それと、急に戦になるかもしれないから油断しないで」
と、兵士達に声をかける一刀。
「この中で油断しそうで一番危ないのはお前なのです」
するとその一刀に対して手厳しい意見が出た、ねねの鋭いツッコミに笑いももれる。が、直ぐにみんなの顔が戦場のそれに変わる。
「北郷隊、前進」
一刀の静かな号令の元、北郷の部隊は先頭を行く飛将軍の後に付いて何処かに向かって行った。

・・
・・・
◆ ◆ ◆
早い者順の如く、無様に延びきった黄巾党騎馬隊の先頭が孫権の部隊に噛みついた頃、その黄巾党騎馬隊に先駆けて一騎駈けする者がいた。
「・・・ごめん」
一言謝る恋。無論、黄巾党に対してではなく馬に対してである。
『ヒュン!』
方天画戟を一振りすると首が三つ、半分だけ飛ぶ。
馬を切らない為の処置なのだろうが、バランスを崩した二頭が転んで後続を派手に巻き込んだ。
そこを起点に更に切り進む、なるべく馬は傷つけずに…だが派手に転べば後続がそこに突っ込みとてもじゃないが無傷ではすまない。
789 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 22:04:52 ID:a/wMlARIO
だからだろう恋は謝る。
一旦、駆け抜けると黄巾党騎馬隊は前衛約五百と後衛約四千に分散していた。
前衛はそのまま孫権の部隊に突っ込んで行く。
その頃ようやく一刀達の騎馬隊が到着して、足止めを喰らった後続の騎馬隊に吶喊していく。
その時、ねねは馬を止めて旗の準備をしだす、準備が済むと直ぐにでも高々と深紅の呂旗に掲げた。
しかし馬の上は思いの外バランスが悪く強めの突風が吹いた時、思わずねねが落馬し掛けた。
パシッ!!
脇に居た一刀が旗棒とねねの身体をしっかりと支えた。
「・・・!何をするのですか!」
『一刀に抱き抱えられてる』と、理解するとねねが理不尽な抗議の声を上げる。
「おいおい、まあ無事なら良いか」
「まあ、おまえにしては良くやった方なのです。おかげで恋殿の旗が無事だったのですから」
「いや、確かに恋の旗も大事だよ、武人の誇りの一つだし。その旗を預かっているねねにも意地と誇りが有るだろう。でも、それを抜きにしてもねねが落馬して、
 万が一にも大怪我なんかしたら旗以上に恋が悲しむから。まあ俺もなんだけど…」
「・・・・」
一刀の発言に暫し呆けるも直ぐに回復して、
「そうやって!恋殿も誑かしているのですね!このち●こ人間が!?」
怒鳴ったので有る。
「それだけ元気が有れば大丈夫だな」
790 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 22:07:35 ID:a/wMlARIO
「仕方ないのです!おぬしの旗をここに、ねねの旗の反対側に並べてやるから有り難く思うのです」
「ふぅ…仮にもだけど、今の俺っておまえの主だぞ?」
「恋殿の旗に関しては全権、ねねが握ってるのです!そこの旗持ち!さっさとここに着くのです」
『握ってねえ!』と内心で突っ込みながらも。
「もう……好きにしてあげて」
無茶苦茶な理論に困っている旗持ちに指示が出され呂旗の横に着く、流石に後ろに着くわけにはいかないと判断した旗持ちはピッタリと呂旗の真横に着いた。
これがこの世界に於いて『深紅の呂旗、常に十文字が牙門旗の傍らに有り』と謳たれるようになる、初の出来事であった。
「ぬぬぬ、ピッタリとは…まあ良いのです。北郷、ねねと恋殿の旗、しっかりと支えるのですぞ」
言うや否や、器用に馬の背に立ったねね、支える位置が急に上がったので慌てて体勢を直す一刀。
それを見て少し笑った後、黄巾党に向かって声高らかに叫ぶ。
「遠からん者は音にも聞け!近くば寄って目にも見よーっ!蒼天に翻るは、血で染め抜いた深紅の呂旗!天下にその名を響かせる…」
一瞬、再度一刀を見ると、再度一瞬だけ笑い、
「“北郷軍が一番槍!”悪鬼ひれ伏し、鬼神も逃げる、飛将軍呂奉先が旗なり!天に唾する悪党どもよ!その目でとくと仰ぎ見るが良いのです!」
791 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 22:10:33 ID:a/wMlARIO
「(あー、愛紗…じゃなくても、聞かれたら確実に喧嘩になるな)」
なんて考えながらもねねに認められた気がして、後の喧嘩の仲裁も決して悪くないと考える。
そして上がった深紅の呂旗を見た黄巾党の中から悲鳴が上がる。
「かつて洛陽に向かった親衛隊!三万を壊滅に追いやった!」
「深紅の―!?」
「―呂旗!!」
面前に翻る『深紅の呂旗』は黄巾党に取って恐怖の象徴を通り越した死そのものとして語られていた。
パニックになった騎馬隊は蜘蛛の子を蹴散らしたかのようにデタラメに逃げ出す。
正にデタラメである、あるモノは北郷軍に突っ込み、あるモノは孫権の隊に突っ込み、あるモノは来た道を戻り、あるモノは倒れてモノ達を踏み潰して進み、中にはその倒れてるモノ達の仲間入りをするモノも。
また、運良く恋の対処から外れて両脇をすり抜けれたモノ達の一部が本隊にたどり着く。
ここで彼のモノ達がしたことは恐怖をバラまいただけであった。
こうなっては本隊もデタラメに逃げるただの肉の固まりと化し、そして翼を閉じた猛禽類の餌食になるだけであった。
◇ ◇ ◇
「恋!無事だドンッ!!」
「恋殿!ご無事で」
一刀を突き飛ばし恋に駆け寄るねね。
792 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 22:12:42 ID:a/wMlARIO
迎えられた恋は全身が返り血である。
「とりあえず、これで顔と手のまわりだけでも、お拭きください」
「・・・(コクッ)」
受け取った手拭いで顔と手、腕の血を拭うとねねに返す。
「慣れてるんだね」
「当たり前なのです、準備はバッチリなのですぞ!」
ねねぐらいの娘が返り血の世話を慣れてるという事実にちょっと悲しく感じながらも、次の行動に移る一刀。
「恋、まだ平気?」
「・・・(コクッ)」
「なら悪い、もう少し付き合って」
「・・・(コクッ)」
恋は快く返事をするも一人、口を挟んだ者がいた。
「あらかた勝敗は決してますぞ、今さらどうするのですか?」
「んっ、ちょっと無事を確認したくて」
「何をです?」
「孫権」
すると、あからさまに呆れた顔をして。
「あれほどまでに嫌われていて、なにを心配するのですか?」
「嫌われてたって心配なのは仕方がないだろ」
一刀の顔をじろじろ見た後に、
「やはり、油断も隙もないです。こやつは」
「・・・ねね」
「は、はい恋殿!」
「・・・ご主人様の言うことには従う」
「ぬ〜、了解です」
そして、北郷隊は孫権の陣に向かう。
いまだに残っていた残党を挟撃にて全滅させると真っ先に孫権の安否の確認に向かった一刀がいた。
793 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 22:15:17 ID:a/wMlARIO
「孫権は無事!?」
響く一刀の声に反応したのは、
「一刀さま!」
「あぁ、明命!孫権は無事?」
「はい、怪我も無くご無事です」
元気いっぱいに孫権の無事の報告をする明命の腕に包帯が巻かれてることに気付く。
「明命!その腕」
「これはちょっと……雪崩れ込んだ敵から孫権様をお守りする際に掠り傷を、手当ては済ましているので平気ですよ一刀さま、ご心配ありがとうございます」
自分の怪我の報告も、変わらず元気いっぱいでする明命。
すると、今度は逆に一刀に質問をぶつけてきた。
「ところで一刀さま」
「なに?」
「他の皆さんが普通に行動し、丘から騎馬隊が現れると多少ながら動揺の色が伺えました。ですが北郷さまの部隊だけは、予測していたかのように騎馬隊が現れると同時に部隊単位で姿を現しました。
 まるでこの出来事を予知でもしてたかのように……」
「『騎馬隊が奇襲でやってくる』みたいな具体的な予知はしてないし、出来ないよ。ただ今回、思春を連れてかないで明命を連れてっただろ?」
「はい、そうでしたが。それがなにか?」
「いや、天の知識として孫権と周泰が一緒だと、窮地に陥ったことが有った気がしてね、念のためにね…保険みたいなもんだよ」
794 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 22:17:52 ID:a/wMlARIO
「はわっ!そんな…私が孫権様とご一緒ですと、孫権様を窮地に追い詰めるのですか?」
体がぶつかるような勢いで一刀に詰め寄る明命。
「違う!断じて違う!明命が孫権を窮地に追いやるんじゃなくて、孫権が窮地の時に近くに明命がいて、それこそ命懸けで救うんだよ」
「ふうっ…そうなんですか?」
誤解が解けて安堵の溜め息を吐いた明命、続けて質問に入る。
「それとどうして私達の居場所が的確に…」
その問には手のひらを上にした状態のポーズで恋を指す。
「こちらにいらっしゃる飛将軍様が、野生の勘で見事に捜し出してくださいました」
「勘ですか?勘だけで私達を滞りなく捜し出せたのですか?……もはや雪蓮さまと同じように神憑ってるような方なのですね」
「ほぼ同格?まあ、二人じゃ甲乙つけがたいな〜」
「・・・今回は匂いも少し辿った」
「だ、そうだよ」
と、すっかり会話に夢中に成っていると、明命の後ろから姿を現したのは孫権だった。
「……なにしに来た北郷。フッ、あざ笑いにでも来たのか」
「違います、蓮華さま。一刀さまは蓮華さまの安否を確認しにいらした訳で!」
「私の安否を?」
「はい」
次の瞬間、一刀を睨み付けながら。
795 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 22:20:38 ID:a/wMlARIO
「口では何とでも言える、おまえは私がいなくなった方が良いのではないか?」
「そんな訳ないだろ!雪蓮も大事だし、まだ日も浅いけどシャオも冥琳も祭さんも穏も明命も亞莎、思春や孫権だって大事だ。むろん桃香達に恋やねねも、だからこうして心配しち来てるんだよ」
本心をぶちまける一刀。
「そうやって、誰彼構わず誑かすのね。明命戦いは決したわ、撤収の準備よ」
「蓮華さま、一刀さまは決してそのようなお気持ちで……」
明命の言葉を無視して陣内に姿を消した孫権。
「大丈夫だよ、明命。直ぐに仲良くなれるなんて思ってなかったから、直ぐに仲良くなるにこしたことはないけどね」
「一刀さま……」
苦笑いする一刀に対して名前を小さく呟くしか出来なかった明命だった。
そうこうするうちに雪蓮率いる本隊が撤収の準備を済ませ合流・回収の為に近づいて来る、戦後処理をする部隊を残して本隊は建業に向けて出発するのだった。
また、蓮華は勝手に行動したことについて、今回に限り厳重注意に留まるのだった。
◇ ◇ ◇
その夜。
相変わらず戦が有ったその日の夜はなかなか寝付けない一刀、こればっかりはどうしても慣れないからだ。
796 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 22:23:20 ID:a/wMlARIO
夜風にあたる為に天幕から出て適当な草むらを見つけると寝っ転がっていた。
ジャリ…
乾いた砂を踏む音に誰かが近づいたのは分かった。
ここは孫呉の陣内である、曲者への不安は皆無だった。それだけ思春と明命、その部下達への警備に絶対の信頼を寄せていたからだ。
だがそれでは近づいた人物が誰だが分からないので率直な疑問をぶつけてみた。
「誰?」
「一刀…」
「孫権!」
予想外の人物に驚き思わず顔を上げる。
「どうしたの孫権?」
反応が無い為、再度名前を呼んでみる。
気が付くと一刀は孫権と並んで立っていた。その後は暫く沈黙が支配し、ようやく孫権の口がゆったりと開かれた。
「今夜はあなたを受け入れに来たのよ……いいえ自分を偽るのはもう止そうって決めたのだったわ。私はとっくの昔にあなたを受け入れていた、それこそ初めて会ったあの日から……不思議な気持ちに支配されていた。
 けれどあなたの事を思うと、とてつもない恐怖が襲って来るの」
「とてつもない恐怖?」
「そう、あなたに好意を抱けば抱くほど強くなる恐怖。あなたの事を受け入れしまうと、とても大事な……掛け替えのない人を二人も失ってしまうと云う恐怖に!
 そして、態度だけでも拒絶すれば薄らぐそれに縋ってしまった。そこまでしてその恐怖から逃れたかった」
797 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 22:25:27 ID:a/wMlARIO
「……(二人?一人は雪蓮としても、もう一人は……祭?)」
「それなのに今日の戦であなたは……私の危機に、危険もかえりみずに私の下に駆けつけてくれた」
「あの時は夢中だったし…」
「そしてあの時、悟ったの……もう誤魔化せないって!自分の心を誤魔化せない!って。お願い一刀!私をこの恐怖から守って!!もう、あなたに対する気持ちを偽り恐怖に脅えながら過ごすのは耐えられないの!!」
声は既に涙声に代わっていて、もたれるように一刀に抱きついてる孫権。
「大変だったんだね、孫権」
「一刀……私の真名は蓮華だ。私のことを真名で呼んで」
「あぁ、しっかりと授かった。そして守ってやるよ蓮華、蓮華も皆も」
と、優しく頭を撫でながら答えると。
「・・・ウワアアアアアァァァ」
一番聞きたかった台詞を一番聞きたかった相手から聞けた為に、今まで溜まりに溜まっていた蟠りが一気に流失して感情が爆発したらしく歳相応の女の子になって泣き出した蓮華、
 泣き疲れて眠るまでいつまでも優しく抱き抱えていた一刀であった。
・・・
・・

◇ ◇ ◇
798 名前:一刀十三号鳴く、[] 投稿日:2010/11/05(金) 22:27:25 ID:a/wMlARIO
して近くの茂みにて。
「ふうっ、とりあえず当座において最大の問題は片付いた。かな?」
「そうじゃのう」
「全くなにがあろうと素直じゃないんだから蓮華は」
「それはどっかの姉に似たんだろ。ですよね祭殿」
「じゃな」
「どうゆう意味よ二人とも!」
「おっと、それ以上は二人に気付かれるぞ雪蓮」
「そうね、じゃあ私達も解散しますか。・・・思春、あなたもよ。心配なのは分かるけど流石にこれ以上は野暮ってもんよ」
「………・・・  」
すると三人が感じていた思春の気配が消える。
「じゃあ寝ますか……で、冥琳。今晩なんだけど」
「おやおや策殿、如何した?」
「二人を見てたら。ねえ、冥琳♪」
「・・・いや待て、今宵はまだ戦後の処理が…」
「問答無用♪それっ!」
「ちょっ!雪蓮、アアァァァ…‥・ 」
「今宵は寝かして貰えぬな、公謹殿は……」
などと言い残し、カラカラと笑いながら自分の天幕に帰っていった。
こうして一刀は蓮華から無事に真名を預かるのだった、一刀が孫呉に来てから約二十日が過ぎての出来事である。
799 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [] 投稿日:2010/11/05(金) 22:29:11 ID:a/wMlARIO
ビシッ☆ビシッ★ビシッ☆ビシッ★ビシッ☆ビシッ★ピタッ!
「おや?終わってましたね、ほらバカ猫起きるのです」
「・・・・・」
「バカ猫」
「・・・・・」
「仕方ないですね〜世話が焼けるのです。毎回、毎回ご静聴ありがとうなのですよ〜。次回は表(予定)でお会いしましょう…でわでわ〜」

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