日本語って難しいなぁ。
どうやったらうまく伝えられるんだろうかと凹みつつ小ネタ安玖深音

「おおおぉぉぉぉおぉぉぉおおぉおぉぉ！」
「やあぁあぁぁっぁぁぁぁぁ！」
久々の休日、俺は目の前に広がる風景に圧倒されていた。
後世にも轟く武神、関雲長と三国でもっとも層が厚く、その中でも大剣と称される夏侯元譲の仕合。
圧倒されてしまう。美しく、そしてとても荒々しい。
もう何十合も打ち合いをしている。それでも意識させるのは次の次元。一分一秒、否、刹那の間で二人の力は昇華されていく。
「凄い……」
どうして言葉とはこうも不便なのか。目の前のことを表現したい、がそれを表現する言葉を俺は持っていない。
結果、凄いの一言。
だが、しかし。これを、この美しさを誰かに伝えたい。俺はそう思い近くにあった木簡に走り書きをした。

_/_/_/_/_/_/_/

「あら、なにかしらこれ？」
仕事が一区切りし、息抜きついでに一刀でもからかおうと庭を歩いていた華琳の目の前にはひとつの木簡。
彼女の名誉のためにいっておくが、あくまで主体は息抜きである。別に一刀に会いたいわけではない。
そう、もし同じ量を桃香が処理するなら三日かかるであろう仕事を怒涛の勢いで半日で終わらしたのも、ただ息抜きがしたかっただけである。
前日に一刀の予定表を確認し、今日は何も予定が入ってないことに気がついたからではない。

閑話休題

「汚い字ね。一刀かしら」
木簡を開いてみたら汚い字で走り書きがされていた。
「えーと、――、っ！」

_/_/_/_/_/_/_/

「いやー今日はいい物を見れたなー」
休日。何をするのも自由だ。市をぶらぶらするものいいが、今日みたいに訓練を見るのもいい刺激になった。
「へぇ、そんなに凄かったの」
……あれ？なんか合の手が打たれたな？部屋の入り口に視線を送るとなんとも言えない状態の華琳の姿が。
「よぉ、華琳。こんな時間になんか用か？」
「ええ、聞きたいことがあってね。これを書いたのは一刀かしら？」
そういいながら華琳が差し出してきたのは俺があの時走り書きした木簡。
「ああ！それか！そう、そうなんだよ。愛紗も春蘭もほぼ互角でさ。二人とも全身に汗かいてるし疲れているのに体が止まらないって感じで。
お互いがお互いを刺激しあっているってああいうことをいうんだろうな。二人ともすげぇ綺麗だった。
それに終わった後二人ともほっぺたを真っ赤に染めながら、お互いを称えあって、俺が凄かったね、って言ったら照れてたなぁ。それはそれで可愛かったけど」
「一刀！」
あのときの凄さを伝えようと一緒懸命に説明していたらいきなり華琳に怒鳴られた。どうしたんだ？
「どうして私をその場に呼ばなかったの！あなただけ、いい思いをして！」
いい思い？確かにいい物を見て刺激を受けたは確かだが、華琳がうらやむようなことか？
「へぇ、しらばっくれるつもり。いいわ。今後は私が愛紗の相手になってあげる。一刀あなたもきなさい」
理解していない俺に痺れを切らしたのか俺の腕をつかんで愛紗の下へ向かおうとする華琳。捕まれた手が異様に火照っているように感じる。
「ちょ、ちょっと待て。今からか？もう夜も遅いし明日でもいいじゃないか」
「一刀はそういう趣味なのね。道理で私のときもまだ日が残っている時間だったのね」
？俺って華琳と仕合をしたっけ？
「華琳一回落ち着け。今から華琳は愛紗の部屋に行って何をするつもりなんだ？」
「もちろんあなたが書いたこれを確かめるためよ」
「だよな。だったら日があるときのほうがいいだろ、仕合なんだし」
「そうね、仕合だから夜のほうが……仕合？」

「あぁ、そうだけど。ほら書いてあるじゃん。たくさん打ち合ったけど互角だって」
「……はあ？もしかしてこれってそういう意味なの？」
「うん」
「一刀！普段から言っているけど、わかり易く書きなさいっていっているじゃない！こんな書き方されたら誰だって誤解するわよ！
せっかく愛紗も春蘭のように初心な反応するのかしらとか考えていたのに」
「なぁ、後学のために聞きたいんだが、華琳はなんて読み間違えたんだ？」
「だまりなさい」
真実は闇の中……。

おまけ　一刀君の走り書き
<本文>
関雲長、夏侯元譲と百合も互角。
<一刀訳>
愛紗、春蘭と百回も打ち合っているけど決着つかないってすごくね？
<華琳訳>
愛紗って、春蘭のように可愛く泣くのね。楽しみだわ。

以上。
……投下と桃香を打ち間違えるけど安玖深音で変換されるとは……
辞書、便利だけど
結局私のポカが一番の理由っぽいなぁ