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157 名前:蒲公英曰く、[sage] 投稿日:2010/06/27(日) 18:16:15 ID:rjKSQWhE0
祭の中、三国のツンツン武将・軍師が集まり、ち○こ太守の悪口雑言を言い合うも、
他人に言われると否定したくなる心理。

そんな中でも桂花だけは蔑み続けて周囲から浮いた状態に。
屋台の片隅で一人串焼きをちびちび食べていると、かき氷を両手に桂花を探しに来た一刀の姿が。
受け取る理由が無いと反発する桂花にかき氷を強引に押し付けて一緒に食べ始める。
さっさと食べて離れようとガツガツ食べると頭がキーンとなり、一刀に頭を撫でられてしまう。
不覚にも涙が出てしまい慌てる一刀の胸にすがりつきぽかぽかと弱弱しく叩く。


まで妄想してとりあえず病院に行こうかと思うんだが。
29 名前:清涼剤 ◆q5O/xhpHR2 [sage] 投稿日:2010/09/19(日) 02:05:44 ID:C/Zt1eAI0
前々スレの>>157さんが出した良質ネタが流れてしまうのは残念だと思い
未熟ながらもSSにさせて頂きました。
5分割ほどで投下します。
30 名前:祭りの夜に…… 1/5[sage] 投稿日:2010/09/19(日) 02:06:40 ID:C/Zt1eAI0
 今日は祭り。大盛り上がり……彼も彼女も誰もその、騒いで騒いで騒ぎまくる。
 そのため、笛の音や響き渡る太鼓、それにそちらこちらを行き交う人々、ここぞとばかりに露店を開く商人たち。
 そんな様々な音色の支配する空間は賑やかな雑踏で満ちあふれている。
 祭りも姿を変える夜の部のこと。
 街の一角ではとある少年に対する話題で持ちきりとなっていた。
「あいつなんて、ち○こ人間よ。いろんな女に手を出さずにはいられないんだから……もうボクなんて月のことが心配で心配で」
「そうよ、汚らわしい本能忠実人間よ!」
 詠の言葉に桂花がすかさず賛同する。だが、それとは反対の声を上げる者がいた。
「いや、それは生物としての本能にしたがっているのだろう。そう、我が孫呉の血を絶やさぬために働こうとしているだけだ」
「ま、まぁ思春の言う通りね。我ら孫呉に天の血を入れようと頑張ってるのだろう」
 孫呉の思春だった。また、彼女の言葉に蓮華が同意する。
「とはいえ、あの男は手広くやりすぎではあるな」
「まったくね。私だけでは満足させられれないとでもいうつもりなのかしら……まあ、一刀のが立派なのは知ってはいるわけだけど」
「あいつは精力の塊だから次々と襲いかかるのよ!」
 擁護したかと思いきやすぐさま批判的意見を述べる二人に桂花はまたも同調する。
 だが、
「それでも闇雲というわけでもないからいいんじゃないか? ワタシ個人としては桃香様にべたべたするのは流石に気に入らないが……」
「ま、まぁ、街行く女の子に次々手を出してるわけではないものね」
 またもや反対意見を述べる人間がいる……焔耶と詠だ。
 その物言いが再度桂花の癪に障る。ついにはその怒りが頂点に達し、思い切り手を卓へ叩きつける。
「ちょっと! なんでそんな甘いこと言ってんのよ」
「どうした、急に?」
 誰かのその一言で我に返る桂花は気がつく、他の面々と自分の間に妙な温度差があることに。
 その違いをひしひしと感じ始めた桂花はなんだかいたたまれなくなり、やむを得ずその場を後にする。
 夜空に浮かぶ宝玉ばりの輝きを放つ星々の下、桂花はといえば足下に転がる一生輝きを放つことはない石ころを蹴り飛ばしながらむすっとした表情で歩いていた。
31 名前:祭りの夜に…… 2/5[sage] 投稿日:2010/09/19(日) 02:07:33 ID:C/Zt1eAI0
「なによ、どいつもこいつも情けない。きっと、あの変態に毒されてるんだわ!」
 苛立つままにそう吐き捨てると、桂花は一人屋台へと足を運ぶ。やけ食いでもしないと腹が納まらないというものだ。
「らっしゃい」
「串焼き!」
 祭りとあってか日頃よりも勢いのある店主の声をも上回る勢いで注文をする。
「へ、へい」
 何故か戸惑うような素振りを見せる店主を一瞥して鼻をふんとならすと桂花は頬杖をついて舌打ちをする。
「わたしは間違ってなんかいないのよ……あんな全身が白濁液で構築されてるようなやつ、庇ういわれなんかないんだから。だいたい――」
 口を突いて延々と続く愚痴、紡がれる言葉に熱が入り始めたころになって店主が皿を差し出してくる。
 不思議と顔が引き攣っており、それがまた一層桂花を苛立たせる。
「く、串焼きお待ち」
「ふん!」
 店主の言葉に碌に返事を返すこともなく桂花は串焼きを頬張る。程よく焼けた肉の感触がなんとも言えない。歯を伝わって口腔内を溶かしてほほまでもとろけさせそうだ。
 ……なのに、一人黙々と食べていても味わいはいまいちだった。
「なによ、なによ……」
 串焼きと共に注文しておいた酒をあおり始める桂花は更に体勢を崩して、頬をべったりと台へとへばりつかせながら串焼きを更に口へと運ぶ。
 どれだけ食べても満足できない。
 どれだけ呑んでも酔える気がしない。
 それどころかイライラが溜まる一方だ。冷静に考えれば暴飲暴食も助長しているとわかるはずだが、今の彼女はあいにく怒りで我を忘れている。
 そんな桂花に声をかける勇気ある無謀者がいた。
「なんだ、こんなところにいたのか」
「……なによ、あんたなの? 目障りだから、失せなさいよ。もしくはくたばりなさいよ」
 そこにいたのは、紛れもない北郷一刀その人だった。彼女を苛立たせる原因でもある彼の姿を見て桂花の機嫌はますます落ち込んでいく。
 それはいなごに襲われた田んぼの収穫量のようである。
 そのささやかな膨らみがある胸の中にある怒りを隠そうともしない桂花は眉間に皺を寄せて一層険しい表情を浮かべて一刀を睨み付ける。
「まったく……。どこ行っても桂花の姿だけないからおかしいと思ったんだよ。一人で食べてても満足できないだろ?」
32 名前:祭りの夜に…… 3/5[sage] 投稿日:2010/09/19(日) 02:08:25 ID:C/Zt1eAI0
「ふん、あんたなんかには関係ないでしょ。わたしはこれでいいのよ」
 そう言って桂花はさらに串を皿の上に投げつける。気がつけば山盛りになっている。酒も空っぽになっている。
「やれやれ。そろそろ、止めとけって」
「うっさいわねえ。あんたには……かんけないれろ」
「呂律回ってないぞ。たく、ほら」
「ひゃん」
 頬にひんやりとした程度では済まない衝撃が走る。背筋がぞくりとし、全身が一瞬で鳥肌だってしまう。
「な、なにすんのよ! 殺すわよ!」
「はは、悪い悪い。でも、少しは頭も冷えたろ」
 にやにやと厭らしい笑み――桂花から見て――を浮かべながら突き出しているのは虹の中の一色が空から落ち、それによって覆われてしまった雪山だった。
「かき氷……食うだろ?」
「なんで、わたしがあんたのもってきたものなんか……だいたい、これ何か入ってるんじゃないの?」
 じっとかき氷を見つめながら答える。一刀の顔を見ているよりはましだろうという考えによるものである。
「そう言いながらじっと見てるじゃないか。ほら」
「ちょ――ちょっと」
 桂花の抗議を聞き流しながら一刀がかき氷を強引に彼女の胸へと押しつけてくる。
「いいから、食おうぜ。溶けたらもったいない。それとも、こういうの苦手なのか? 桂花の弱点見つけたりってか?」
「……うるさいわね! ふん! こんなものさっさと食べてやるわよ」
 そう言うやいなや桂花はかき氷を一気にかき込んでいく。一刻も早くこの男の前から立ち去りたい、その一心でがむしゃらに頬張り、飲み物のごとく流し込んでいく。
 いける。これならすぐにでも立ち去れる!
 そう確信した瞬間だった。彼女の頭部を強烈な衝撃が遅う。
「うあっ、痛ぅ……くぅーっ」
 きーんという信じられないほどの痛みが頭の中を支配していて言葉が上手く出せない。
 今日はなんでこう碌なことがないだろうか。ふとそう思ってしまった。
 一度切欠を持ってしまった桂花の脳内を今日という日が素早く駆け巡る。
 敬愛する華琳は最近なじみになっている桃香や雪蓮と回ると行って桂花をおいていってしまった。
 この良き日に最愛の人と離ればなれになってしまったのだ。
 その腹いせをしようと一刀に不満を持つ者同士の集まりに参加したのに自分だけのけ者扱い。
33 名前:祭りの夜に…… 4/5[sage] 投稿日:2010/09/19(日) 02:08:57 ID:C/Zt1eAI0
 気がつけば、彼女は一人だった。
 酒の影響もあったからだろう。無性に……さみしくなってしまう。
「まったく、無茶な食べ方するからだぞ。ほら、大丈夫か」
 ぽんと頭に乗せられた掌はおおきくてごつごつして、それでいて暖かかった。
「ふ、ふん……これくらい……っ、大丈夫……よ。ぐす……っ」
 不覚にも一刀の温もりが彼女の中心部まで届いてしまった。そのせいで、いや……きっと酒のせいでだろう本来なら嫌悪感を露わにして払いのける手を素直に受け入れてしまう。
「お、おい……なんで急に泣くんだよ。そんなに俺と一緒が嫌だったのかよ」
「……なんで、すん……あんたは、そう鈍感にゃのよ……ビャカ!」
 嫌だけど止まらない。溢れ出す熱い液は止めどなく湧き出てくる。目の前の男に見せたくない。なのに留めることが出来ない。
 桂花の意思と反して、彼女の躰は暴走している。恥ずかしい姿をさらけ出してしまっている。
「ど、どうしたんだよ……」
 オロオロと困ったような声で桂花を見下ろす一刀の瞳、本当に桂花を心配している……それが余計に腹が立つ。
「黙りにゃさいよ……この下半身思考男!」
 未だ滝のように流れ出る涙をぬぐいもせずに一刀の胸板を叩く。
 きっと、彼女程度のちからでは痛みなど与えられないだろう……だが、この悔しさをぶつけることはできる。
 そう信じて……叩き続ける。
「え、えぇと……俺は、どうしたら?」
「うるしゃいわね。その存在事態無駄な口を閉じなしゃいよ……ンん――っ!?」
 文句をいう桂花の唇に柔らかい感触。ちょっとかさつきがある男らしい……唇。
「んん――っ、んっ……うぅん――ちゅる――ん」
「ちゅっ、んぅ……っ、じゅる……んっ」
 濃厚なキスを交わす二人。すっかり今いるところが何処なのかを忘れていた……忘れてしまっていた。
 そうして、長いような短いような時間を駆けて互いの口腔内を嬲り嬲られていき、祭りの音がようやく耳に戻ってきた頃、二人の口付けは終わりを迎えた。
34 名前:祭りの夜に…… 5/5[sage] 投稿日:2010/09/19(日) 02:09:27 ID:C/Zt1eAI0
「ぷはっ、にゃ、なにすんのよ。あんた――」
「いや、口を閉じろって言うから」
「ばっかじゃないにょ! 誰が、あんたの汚らわしい口でわたひの清い唇を犯せって言ったのよ!」
 顔を紅くして頬を掻きながら厭らしい目で桂花を見つめる一刀を彼女は気丈にもにらみ返す。
「悪かったよ……代わりに、今日はとことん突き出そう……いや、付き合おう」
「調子にのんにゃ、このバカ!」
 こうして、一人ぼっちの祭りは終わり、二人の祭りが始まった。それはとても長くて深い夜を演出していく。
 真っ赤な林檎のような顔をした彼女が酔ったのは酒だったのだろうか、それとも……。


 翌日、冷静になった桂花が「酔わせて襲うなんて名実ともにケダモノだわ! 万死に値するから首を差し出しなさい!」
 と憤慨して一刀を追い回すのだが、これはもう普段の彼女の姿ゆえ割愛とする。

35 名前:清涼剤 ◆q5O/xhpHR2 [sage] 投稿日:2010/09/19(日) 02:12:17 ID:C/Zt1eAI0
以上となります。
こんな感じになりましたがどうだったでしょうか?
本来ツンがほぼ百な人でデレを入れるというのは難しいですね。
まだまだ様々な部分で力量不足なのでしょうね。
本当にもっと修練を積まねばならないと実感させられましたw

スレ汚し失礼しました。

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