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752 名前:風鈴 ◆VOACf8e.7. [sage] 投稿日:2010/06/16(水) 03:22:52 ID:J9f1uh7Y0
>>398
別にそんな気になさる必要はないと思いますよー。
清涼剤氏も完結まで、是非頑張ってくださいね。応援してます。


そしてそんなわけで次回作構想と言うわけではないのですが。
何となく思い浮かんだ長編の序章だけを落としておきますw
正直続く見込みは無いですけどねwしばらくはまったりモードです。
ま、こんな展開だったらどうよ?って感じでしょうか。
色々と粗だらけだとは思いますが、ネタ扱いで多めに見といてくださいな。
4レス程度。ではでは。


って書こうとしたら規制されてた。orz
折角なのでこっちにぽいしておきましょうかね。
753 名前:真√・再演:序章 邂逅 1/4[sage] 投稿日:2010/06/16(水) 03:24:31 ID:J9f1uh7Y0
 青年、北郷一刀が眼を覚ますと、そこは知らない部屋だった。
「ここ……どこだ?」
 現代日本とはかけ離れた雰囲気の部屋。
 真っ先に思い浮かんだのは、「誘拐」だった。だが、すぐに頭を振って否定する。
 自分の様な一般市民を誘拐して、何になるというのか?
 とりあえず、出来る限り情報を集めようと、寝かされていたベッドから起き上がり、違和感を覚えた。
 周囲を見渡し、己を見て、気付いた。
「このベッド……竹で出来てる」
 ……珍しいな……って、いや、そうじゃない。そう、それは重要じゃない。
 どうにもまだ、軽く現実逃避気味な自分の思考に呆れつつ、もう一度、しっかりと“自分の格好”を見た。
「……何で俺、制服着てるんだ……?」
 違和感の正体はこれだ、と、彼は当たりを付ける。そして冷静に、こうなる直前の自分を思い出してみると、
やはり、と言う結論に至った。この部屋で目覚める前の記憶では、自分は確かに己の部屋のベッドに入っているのだ。
無論、彼は寝る時に学園の制服で寝る趣味は無い。
 一体どうなっている?誰かが自分を着替えさせた上で、連れ出した?まったくもって訳がわからない。
 そんな思考の渦にはまりかけたその時である。
 外に通じるであろう唯一のドアの外に足音が聞こえ、次いでそれが開けられ、誰かが入ってきた。
「──っ!」
 突然の訪問者に身構える一刀だったが、入ってきた人物の姿を見て、ふっと気が抜ける。
 入ってきたのは、長い銀髪を三つ編みにした少女。その立ち居振る舞いから、かなりの使い手であろう事ぐらいは判る。
 何よりの特徴は、服から覗く素肌に、いくつもの傷跡がある事だろうか。
 だが、それよりも何よりも、一刀が気を抜いてしまった一番の原因は──、
「…………可愛い」
 思わず声が漏れた。
 そう、素肌から見える傷跡など、何等気にならない程に、少女は可愛かったのだ。
 それを聴き止めたのであろう、少女の顔が見る見る赤くなっていく。
「え……え、あ、あの、その……」
 沈黙。
 この時の一刀の心境は、一言で言えば『気まずい』だった。
 俺は一体何を口走ってるんだ、と思いつつ、このままでは話が進まないので、ゴホンっと一つ咳払いをして、仕切り直す一刀。
754 名前:真√・再演:序章 邂逅 2/4[sage] 投稿日:2010/06/16(水) 03:24:56 ID:J9f1uh7Y0
「えー……っと、その、ああ、お、俺の名前は北郷一刀。君は?
 ……あー……うん、その、よかったら、ここがどこかとか、どうして俺はここに居るのか、とか、うん、その、
教えてくれると助かるんだけど」
 何というか、色々と仕切り直せていない状態である。
 それでもその努力は通じたのだろう、少女もまた一つ咳払いをすると、おもむろに一刀に向かい跪き、頭を垂れた。
 面食らったのは一刀である。彼にとって、行き成り初対面の少女に跪かれる理由など無いのだから当然である。
 だが、狼狽する一刀をよそに、少女は静かに口を開く。
「自分の名は楽進。よくぞ、我等が元においで下さいました、天の御遣い様」
 と。



……
………


 一刀が楽進より話を訊いて解ったのは、ここは古代中国大陸……正確に言うならば、後漢末期の時代であろうと言う事。
 これに対しては、彼女──楽進の名を聞いたときに、なんとなく嫌な予感はしていた。
 だが、彼女が女性である事、タイムスリップなんてありえないと思った事から、その考えは否定していたのだが、
彼女の様子や話を聴いているうちに、逆にそれ──タイムスリップっぽい現象──しか思い浮かばなかったのである。
 そして天の御遣いとは『天下に太平をもたらすために現れる、天よりの遣い』であると言う事。
 『白き流星に乗り、天よりの遣い現れ、天下に太平をもたらすであろう』
 しばらく前に、管輅と名乗る占い師が村に立ち寄ったおり、そのような『予言』を残していったと言う。
 そして昨日、楽進が村の外を警邏している折に、昼日中にもかかわらず、まばゆいほどの星が流れた。
 その星の落ちる先へ向かってみると、一刀が倒れていた、と言う事であった。
 それに対して一刀は言う。自分は唯の一学生であり、そんな天下に太平をもたらすような力は無い、と。
 だが、楽進は譲らなかった。彼女は常日頃から、昨今増え続けている賊徒に憤慨しており、また実際、
彼女が住む村に幾度と無く押し寄せる盗賊団と、もう何度も戦っていた。
 そんな折にもたらされた、『太平をもたらす者』の『予言』。そして実際に予言どおり現れた流星と、
流星の行く先に倒れていた、日の光を受けて輝く、見たことも無い様な素材で作られた服を着た青年。
755 名前:真√・再演:序章 邂逅 3/4[sage] 投稿日:2010/06/16(水) 03:25:24 ID:J9f1uh7Y0
 それらの事実によって、彼女にとって、一刀イコール『天の御遣い』と言うのは、最早決定事項であったのだ。

「御遣い様、どうか我等に御力をお貸し下さい。自分は、虐げられている力の無い者達の為に、立ち上がりたいのです」

 だから、貴方を主に頂き、義勇軍を作り、戦いたいのだ。
 そう言って、じっと一刀を見つめる楽進。
 見詰め合うことしばし、一刀は小さくため息を吐くと、
「はぁ……楽進さん、俺ははっきり言って、この世界の事を何もしらない。この世界がおかれている状況も、
この世界に住む人々がどんな暮らしをしているかも、ね。
 そして、そんな見ず知らずの人たちの為に、自分の命をかけて戦う、なんてことは、軽々しく言えない」
「っ!ですがっ!」
 一刀の言葉に勢い反論しようとした楽進を、手で制する。
「……考えてみてくれないかな?例えば、君が有る日目が覚めたら見知らぬ世界で、なぜそこに居るのか、
何がどうなっているのかも解らない状況で、行き成り『貴方は天からの遣いだ、我々の為に戦え』って言われたら……どうする?」
「…………それは…………」
 改めて言われ、一刀が置かれている現状に思い至ったのだろう。楽進は困ったような、哀しいような顔で、口ごもった。
 一刀はそんな彼女の様子に、何というか、心根の優しい娘だな、とふっと頬を緩めた。
「だからね、楽進さん。俺はこの世界を見てみたい。この世界の様子を、人々を、全てをね。
 勿論、俺にとっての一番の目的は、元の世界に返る方法を探す事だ。
 ……さっきも言ったけど、俺は正直、多少剣術を習った事があるぐらいの、何の力もない人間だ。君の話を聴くに、
俺一人旅に出たところで野垂れ死ぬのが落ちだろう。だから、力を貸してくれないかな?
 その代わり、その間俺は『天の御遣い』を引き受ける。
 つまりはギブアンドテイク……あー、持ちつ持たれつってやつだな」
 一刀の言葉を聴いて、楽進は俯いていた顔をバッと上げ、彼の顔を見る。
 一刀は微笑んで一度頷き、
「これから、よろしく」
 そう言いながら、右手を差し出した。
 楽進は戸惑いつつも、その手をしっかりと、両手で包み込むように握り、
「はい!よろしくお願いします!」
 花の咲いた様な笑顔で、答えたのだった。
756 名前:真√・再演:序章 邂逅 4/4[sage] 投稿日:2010/06/16(水) 03:25:42 ID:J9f1uh7Y0
「それでは御遣い様、是非会っていただきたい者達が居るのですが。自分の仲間で……」
「そうそう楽進さん、俺の事は一刀って呼んでよ。これからは『仲間』なんだしさ」
「ですが…………いえ、わかりました、一刀様!自分のことも、凪、とお呼び下さい!」
「いや、だから……」
「真桜ちゃん真桜ちゃん!早くなのー!」
「ちょ、沙和まちーな!」
「……ふふ、どうやら丁度来たようです。彼女達は──」



                  ◇◆◇



「風、本当にこちらで良いのよね?」
 眼鏡をかけた少女が、自身の前を行く金髪の少女へと声を掛ける。
「はい、間違いないですよ。確かに昨日、流星はこちらの方に流れていきましたー」
 風、と呼ばれた少女は、のんびりと、それでいて楽しそうに答えると、「あ」っと何かを思い出したかの様に声を上げた。
「そうそう稟ちゃん。実は昨日面白い夢を見たのですよ」
「夢?」
「はい。私が天に輝く日輪を支える夢でして。……と、言うわけで、風は今日より、『程立』ではなく『程c』と名乗りますので、
間違えないようによろしくー」
 そんな風の突然な科白に、稟ははぁっと小さくため息を吐いた。
「……まったく。まぁいいですが。……それよりその夢、気になるわね?」
「そうですねー。……風としてはー、“流星の主”に関していると踏んでいるのですけど」
「……『天の御遣い』ですか。……一体どのような人物なのか」
 そんな稟の疑問に、風は「ふふっ」と楽しそうに笑みを浮かべ、空を見上げる。
「……そうですね、楽しみ、と言えばいいのでしょうか。……楽しくなりそうですね」



 ──そして、運命は邂逅する。
757 名前:風鈴 ◆VOACf8e.7. [sage] 投稿日:2010/06/16(水) 03:30:50 ID:J9f1uh7Y0
……うん、魏の戦力低下すぎて却下な気がしてならない。

それにしても新勢力好きですね、私。
まあ、某社の三國志シリーズやるときも大抵新君主ですので、解っていたことですが。

とりあえず、お目汚し失礼しました。

転載できる方がいたら、してくださると嬉しいかなーと思っています。
……いや違う違う。久しぶりでノリを忘れてしまっている。

……というわけで、


誰か転載できる者はいるかーーーー!!


やっぱりこれですねw

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