「もうこっちには慣れたか?」
「ふむ。たまに驚くこともあるが、一般生活には支障はないだろう」
少しずつ葉が増えてきた桜並木を秋蘭と二人で歩いている。
皆と一緒に居たいという気持ちと共にこちらに戻ってきてから暫くが経った。
なんだかんだ言って皆適応力が高く、最初にこの世界のルールやら物の使い方を色々教えただけで慣れてしまった。
今日も華琳と桂花は読書、春蘭と季衣は鍛錬と向こうの世界と変わらない生活を送っている。そして俺と秋蘭は今本屋に向かっている。
俺はこちらに帰って来てから皆用にと本を買っているために日常の一部になっているのだが、今日は珍しく秋蘭から誘われた。
秋蘭曰く、春蘭と季衣には俺が買ってきた本が合わなかったので新しい本を探したいらしい。
秋蘭は春蘭と季衣の教育係を華琳から承っている。まぁ他に適した人が居ないから当然かもしれないが。
何処で知識を得たのだろう、華琳が「この世界では人に勉強を教えるときはこの服を着るのよ」とパンツスーツを秋蘭に渡していた。
たまたま着ている姿を見たのだが、うん、一言で言うと『最後のほうは水しか出なくなった』としか言えない。