「ぶぇっくしょん!んー、ちゃうなぁ。ふぇくしょん!あかん、あかん。これじゃあかん」
春の麗らかな天気に当てられて、庭を歩いていた。目の前には何かを必死にしている霞の姿が。
「よー霞。なにしてるんだ?」
「おー、一刀やないか。ちぃーとおもろい話聞いたんよ」
「なんだ、面白い話って」
「いけずやなぁ。そや、一刀。これはどや?いくでー。えーくしょん、こんちきしょー」
随分江戸前な、くしゃみをしてこちらの顔色を伺う霞。何がしたいか分からない。
「えーと、風邪か?」
「やーぱあかんか。どやったら一刀に『ちーん』してもらえるんやろ?」
?何か変な単語が聞こえた。
「なんだ『ちーん』て?」
「あぁ、今噂になってんねん。可愛くくしゃみをしたら一刀が鼻を『ちーん』してくれるて」
もしかしてアレか。この間鼻水たらしていた季衣の鼻をかんだことか?なぜそんなに脚色されてるんだ?
「ウチかてたまには一刀に優しくしてもらいたいんよ?」
「霞様!その気持ちよく分かります!隊長はときたま、ずるいです」
いつの間にか現れた凪が霞にものすごい勢いで同意をする。俺って優しくないのかな……。
「さっすが、凪や!よーわかっとる!」
「霞様。使えそうな話を聞きました!なんでも霞様のような口調の方にしか使えないくしゃみがあると。ごにょごにょ」
「おー、いいやん、それ。それなら一刀も『ちーん』してくれるやろ。あんがとな、凪。じゃ一刀、いくでー
へーちょ」