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320 名前:三月十四日 1/3[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 18:27:06 ID:HzvnY0Gs0
 本格的にホワイトデーネタが来る前に、ちょっと毛色の変わった小ネタを一つ。三レスです。
              ――――――――


「うーん、明日ホワイトデーか。余計な風習教えちゃったかなあ。でも、先月はいっぱい貰った
し、お礼はしないといけないよな。ただ物にしちゃうのは安直な……」
 建業の城の中、ぶつぶつ呟きつつ歩く人影一つ。
「あれ、そういえば、三月十四日って……あの人の命日?」
 彼はぽんと一つ手を打つと、仲間たちのもとへと走っていった。


              〜〜〜


 時に元禄十五年十二月十四日
 江戸の夜風を振るわせて
 響くは山賀流儀の陣太鼓
 一打ち、二打ち、三流れ
 打つは大石内蔵助。
 入山模様に身を包み
 降る雪すらもものともせず
 ただ、仇の報せ待つ
321 名前:三月十四日 2/3[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 18:28:21 ID:HzvnY0Gs0

「この間の遺恨おぼえたるか!!」
 殿中、松の廊下に、白刃きらめかせるは赤穂藩の若き藩主、浅野内匠頭長矩──雪蓮

「ひぃい、助けてたも、助けてたも!」
 刃をくぐり、生き残った高家筆頭、吉良上野介――美羽

「風さそふ 花よりもなほ 我はまた
 春の名残を いかにとやせん」
 主君の最後に立ち会い、その無念を国元に伝える役目を負うのは、片岡源五右衛門――祭

「母上は、いや、姉様はどうなった!」
 内匠頭の妹にして養子、浅野大学長広──蓮華

「あら楽し 思ひは晴るる 身は捨つる
 浮世の月に かかる雲なし」
「雪蓮、ついに私も……」
 赤穂潘筆頭家老、大石内蔵助良雄――冥琳

              〜〜〜





一刀「どう? 忠臣蔵ならぬ忠臣冥琳のお話。いやー、大変だったんだぜ。みんなに似せて
人形つくってさー。突貫にしては良くできてると……」
322 名前:三月十四日 3/3[sage] 投稿日:2010/03/13(土) 18:29:45 ID:HzvnY0Gs0

雪蓮「んー、まあ、台本は悪くないと思うんだけど……ねえ」
蓮華「一刀は、私が姉様を殺されて、冥琳に仇討ちを任せ、蟄居だけしているような人物だ
と言うのか!」
祭「武人たるものが至近距離で刀を抜いておきながら、相手を仕留められず、臣下に代わり
に討ち取ってもらうとは、いやはや……」
思春「しかも、相手は無手で、四太刀浴びせかけたといいます。この浅野とやらいうのは、
なにをするつもりだったのでしょう。殺すなら一撃でやるべきです。臣下も相手ではなく、
己の主を責めるべきでしょう」
明命「そもそも、本当に殺したいなら城の外で闇討ちにかけるほうが確実だと思います! 
この人は、こらえ性がなかったんでしょうか?」
美羽「名家の役と聞いてきたら、これはなんじゃーっ。伯符に四回も切りつけられたら、
間違いのう死ぬにきまっとろーーー!」
七乃「あのー、私の役が美羽様の警護ってのはいいんですけど、剣客なのはどうかと……。
甘寧さんと打ち合うとか絶対無理」
小蓮「シャオが冥琳の娘役ってのは、まあ、いいけど、最後死んじゃうのはどうかなあ。お腹
割くっていたそーっ」
穏「……あれ、私、最初に逃げ出して終わりですか? そんな〜」
亞莎「あ、あの、ほわいとでぇというのは、甘い物をもらえると……その……いえ、でも……
ごま団子……」





冥琳「まあ、なんだ……。元気を出せ、北郷」
とっぴんぱらりのぷう


明日は三月十四日。浅野内匠頭の命日です。陰暦なのでずれてるとか言わないようにw

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