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867 名前:新山 ◆oB.MaXrQTY [sage] 投稿日:2010/03/02(火) 23:35:55 ID:M9zGOrvo0
私の本能だだもれ。

注意
華琳様がチートです。年齢的な意味で。
一刀君が適当です。でたらめ的な意味で。

URL:http://koihime.x0.com/bbs/ecobbs.cgi?dl=0495


ごむぇん、お兄ちゃん。
最近脳内がよろしくないもよう。



 程立達と別れた俺の目の前に現れたもの。
俺はそれを表現する言葉を知ってはいるが、目の前に現れると考えもしなかったため、すぐには一致しない。
「……軍、隊?」
 そう、軍隊と表現するのがもっとも適当。全ての男が同じ鎧を装備し、手には槍。目は猛禽類を意識させる。
まるでハリウッド映画でも見ている様だ。しかし本能が理解している。これは張りぼてではない、本物だと。
 そして惚けていた俺に近づいてくる三つの影。

「あにゃたは一体何者かちら?」

 これが俺と華琳の出会いだった。

# # #

 俺は今、近くにあった町の飯店に居る。目の前には一組の双子。そしてその間に座る少女。
「なるほど、あなたは何故あちょこに居たのか分かりゃないのね」
 否。少女と表現してもいいのか不安になるほど幼い。舌っ足らずな口調で話しかけてくる。
 何より驚くのが、この少女、もとい幼女が先ほどの軍の最高責任者であったことだ。
そしてその左右に居座るのは、副将だと言う。


 軍に圧倒されていた俺に声を掛けてきたのは目の前の幼女。そこで身元確認をされたのだが、全くもって話が通じない。
俺が言った地名は相手に伝わらないし、相手が言っていた地名も心当たりが無いのだ。まさか東京を知らないとは思わなかったが。
 どうするかと考えていたら、ショートカットの少女が現れ、とりあえず落ち着けるところに行こうと話になった。
 因みに一緒に表れた黒髪の少女は頑なに俺の同行を拒んでいたが……。


「残念にゃがら、あにゃたの言っていた地名はわたちはちらないわ。何か手がかりがあれば手ちゅだえるのだけれど」
 それにしても目の前の幼女は、舌っ足らずの口調に反し、内容はかなり的を得ている。ギャップを感じるのだが、むしろこれが正しいと思えてしまう。
「華琳様。もしかしたらこの者が噂の御使いかもしれません」
 ショートカットの少女が口を開く。黒髪の少女は未だ納得できていないのかガルルルッと擬音が似合いそうな格好でこちらを警戒している。
何かしたか、俺?
 幼女は考える素振をし、チラッとこっちを見てまた下を向いて何かをボソボソと呟いている。
「あのさ、御使いって何?」
 ショートカットの少女に尋ねる。何故かどうにも気になる。
「あぁ、今巷で天から御使いが現れるという噂が流れていてな。丁度場所もあそこ辺りだったので、もしやと」
「まさか!俺がその御使い?なわけないよ。だってただの学生だぜ?」
 俺の言葉の何かが引っかかったのか幼女が顔を上げる。
「ただの学ちぇい?あにゃた、聞きたいのだけれど、曹孟徳、夏侯元譲、夏侯妙才のどれかに聞き覚えはにゃいかちら?」
「全員知っているよ。三国志の登場人物だろ。今歴史ブームだし、魏の中心人物で有名だから俺でも知ってるさ」
 ……何か空気が変わったな。地雷踏んだか?
「今れきちと言ったわね。そちて魏とも。……あにゃた、名前は?」
「……あぁ、俺の名前は北郷一刀だけど」
「北が姓で名が郷、字がかじゅとかちら?」
「いや、北郷が姓で一刀が名だね。字と真名、だっけ、は無い」
「字と真名がないだと!貴様一体何ものだ!?」
「春蘭、だまりなちゃい。もうひとつ聞きたいのだけれど、三国ちってなにかちら?」
「はぁ。三国志は力が弱まった漢が黄巾党とかの平民の反乱や董卓の悪政で機能しなくなって、群雄割拠になったあとの話だよ。
魏の曹操、蜀の劉備、そして呉の孫権の三国で大陸の覇権を争ってた時代の話。知らないのか?」
「ええ、ちらないわね。そういえば自己紹介がまだだったわね。わたちの名前は曹孟徳。でこの子が夏侯元譲でこっちの子が夏侯妙才。
そして今は漢王室がまちゅりごとを行っているわ」
 ……は?何言ってるんだ、この幼女。今三国志の話をしたばっかりじゃないか。しかも幼女本人は知らないって言ってたし。
「ゴメン、意味が分からない。それとも、俺のことバカにしているのか?」
「そんなちゅもりはないわよ。おそらくだけれど、あにゃたの言っていた三国ちの時代がはじまる前よ、今は。
どうちてあなたがここに居るのか分からないけど、あにゃたはあにゃたが言う過去にきてるわ」
「華琳様、一体何を申しているのか良く分からないのですが」
 ショートカット……幼女曰く夏侯妙才が口を開く。俺も同意だ。
「さっきあにゃたが言っていたとおり天のみちゅかいなのよ、この男は。でその天ではわたち達の生きている今がすでに過去になっている。
あにゃたたちに言っていなかったけど、魏ってわたちが考えていた国名にあるのよ」
「まさか!ではその華琳様が考えていた魏が、その三国志と言っていたものの魏と一致すると?」
「おそらくね。ねぇかじゅと。この子、夏侯妙才の何かいちゅわはないかちら?」
「夏侯淵の逸話か……確か弓の名手だって話を聞いたことがあったかな」
「ほら、あにゃたが弓をちゅかうと一言も言っていないち、淵という名も当てたわ」
「確かに……」
「あの、華琳様。私は未だに話が分からないのですが」
「あにゃたが項羽の下に落ちた感覚よ」
「私の主は華琳様ただお一人です!」
 違ぇよ。って本当に三国志の世界に落ちたのか俺?しかし何故皆女の子になって居るんだ?まぁいいや、可愛いし。


「ところでかじゅと。あにゃたは字も真名もないと言っていたけど本当かちら?」
「あぁそうだね。俺の世界には字や真名の文化が無かったからね。しいて言うならかじゅ……一刀が真名に相当するのかな?」
 左右の少女、夏侯姉妹が目を見開いて驚く。しかし目の前の幼女はふふっと一笑い。
「そう。だったらあにゃたもわたちのことは華琳と呼びなちゃい」
「いいのか?それって真名ってヤツだろ?確か大切な名前で親しい人にしか使わせないって言う」
「そうね。けどあにゃたもかじゅとと呼ばれても怒らなかったじゃない。ならわたちも真名を呼んでもらうわ」
「うーん。重さが違うと思うんだけどなぁ」
「いいのよ、わたちが認めたのだから。あ、あとこの二人も真名で呼びなちゃい。
夏侯元譲が春蘭で夏侯妙才が秋蘭。これからいっちょに生活することになるから早く仲良くなりなしゃいね」
「一緒にって?」
「あにゃたは頼るものがないのでしょう?だったらわたちが保護をちてあげる。そのかわりあにゃたもわたちの役に立ちなしゃい」
 なるほど利害関係を結ぶというわけか。俺の利が圧倒的に高い気がしなくもないが。
「分かった。これからお世話になります。俺も君達の役に立てるように頑張るよ。そっちの二人も宜しく。えぇっと……」
「秋蘭で構わんよ。華琳様が真名を許した人間だ。私達もそれに反対する必要も理由も無い。なぁ、姉者?これから宜しくな、北郷」
「うぐぐぐっ。ちぃ。いいか!華琳様がお許しになったから良いがむやみに使うなよ!本当はお前如きに使わせるような名前ではないんだ!」
 なにか俺はこの子、春蘭、に嫌われるようなことをしたか?

# # #

「なぁ、お前」
「……なんだ?」
「それ、おかしくないか?」
「俺にどうしろと」
「今すぐ降りろ!秋蘭の腰に腕を回していることも許せんが、何より何故お前が華琳様を抱えているんだ!」
 うん、俺もおかしいと思う。
 今俺は、秋蘭が手綱を捌いている馬の後ろに乗っている。所謂二ケツ。安定のために左腕で秋蘭の腰を抱いている。
そして右腕はというと……華琳がすっぽりと収まっている。
「黙りなさい、春蘭。意外と居心地がいいにょよ」


 春蘭が軍に命令を出すために席を外していたときの話。
 華琳の本拠地に戻ろうとしたのだが、残念ながら俺は馬に乗れない。
その事実を話したら秋蘭が「なら、私の後ろに乗るがいいさ」と言ってくれたので、そそくさと乗ろうとした。のだが
「ん」
 なにか小さな声が聞こえたので下を見ると華琳が両手を俺に伸ばしていた。可愛いなぁと頭を一撫でし、秋蘭の方に向きなおそうとしたのだが……
クイックイッ。
 今度は袖を引っ張られた。もう一度華琳を見ると同じ格好のままだ、少し頬が朱に染まっているが。
「抱っこ」
ガガーン
 脳裏に稲妻が走った。か、可愛すぎるっ!溢れる気持ちを抑え華琳に尋ねる。
「抱っこすればいいの?」
 尋ねた途端そっぽを向く華琳。言ってから恥ずかしくなったのかな?手がそのままなのは素直な証か。
くすっと一笑いし華琳の脇に手を伸ばして抱っこしてあげる。
「これで良いかな、お姫様?」
「わ、わりゅくないわ」
 顔を合わせてくれないが口調にご満悦さが窺い知れる。
「北郷、すまんがそろそろ乗ってくれないか。あまり、皆を待たせるのもな」
「あぁ、済まない。華琳、ゴメンな。馬に乗らないと」
 そう言って華琳を降ろそうとする、が。
「このまま乗りなちゃい」
 ……は?無理じゃね?てか、それなら普通に馬乗ったほうが楽なんじゃね?
「そうだな、それがいい」
 へ?秋蘭までそっち側?
「なに、上手く馬を捌くさ、ほら早く乗れ。これ以上姉者を待たせると何が起きるか分からん」
 未だ納得できないが、近くにいた兵隊さんの力を借りて秋蘭の後ろに乗る。
「華琳、大丈夫か?」
「ええ、大丈夫よ。け、けど不安定でちょ?もっと強く抱きちめていいわよ」
「そうだな、もう少し強くしてくれないと、こちらが不安定になる。ふむ、それぐらいだ、では行くぞ」
 はっと一声を出して馬を走らせる秋蘭。気を遣ってくれているらしく、走り始め以外は予想以上に安定していた。
まぁ時折右側から感じる熱視線には困ったが。


「か、華琳様!ならば華琳様は私の前に!」
「や。あにゃたの馬の捌きは荒いもの」
「しょんにゃーーーーーーーーーーーーーーーーっ」


こうして俺達の物語は始まった。


続?


編集後記
……すいませんでした。私の本能のまま書き綴りましたw
因みに華琳は一刀に一目惚れ。秋蘭は分かってて協力的な感じ。春蘭はこいつは恋敵だと本能で察知。
……さてさて第二話はありえるのか。それが問題だ。
あたち華琳、●歳。(●はお好きな数字を……十の位?はて?)



舌っ足らず書きづれーーーーーーーーーーーーーーーー!しゅきだけど。
皆さんも心の目で読んでくだしゃいw

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