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688 名前:風鈴 ◆VOACf8e.7. [sage] 投稿日:2010/02/01(月) 00:51:10 ID:PkIZTIb60
突然の、小ネタにもならない小ネタしりーず。

ありきたりすぎてもう使うに使えないセリフたち。
690 名前:知らない。[sage] 投稿日:2010/02/01(月) 00:51:52 ID:PkIZTIb60
天の御遣いは呉の地に降り立ったようです。



 その日は確かに、寮の自室のベッドで床についたはずだった。
 けれどもなぜだろう。今現在、背中から感じる感触は、自分が慣れ親しんだベッドの感触ではない。
 ぼんやりとした感覚の中、意識を取り戻した青年──北郷一刀は、己の現状を確かめるべく眼を開けた。
 そこは──

 薄暗い部屋。
 現代日本とは思えぬ内装。
 自室の柔らかなスプリングのベッドとは違う寝台。
 ようするに、見知らぬ部屋。

「…………」

 こんな時に発する言葉など、一つしかあるまい。
 そう、たとえありきたりと言われようと、使われすぎて飽きたと言われようと、言わねばならぬ時がある。
 そう、それがお約束と言うものよ。

 いざ──。

「…………知らない天じ」
「気がついたか、青年」

 残念ながら、そのセリフは部屋に入ってきた眼鏡の女性に遮られましたとさ。
 ……途中で遮られるのもまたお約束。
691 名前:女の子に言うには失礼よね。[sage] 投稿日:2010/02/01(月) 00:52:48 ID:PkIZTIb60
 北郷一刀一刀は走る。

 走る。走る。走る。走る。

 逃げる様に。怯える様に。……生きるために。

 走って走って走って走って。息の続く限り走り続けて。

 息が切れ、鼓動が激しさを増した所で、ようやく見つけた物陰へと隠れんと、飛び込んだ。

 だが──

 相手は、一枚も二枚も上手であった。

「…………ご主人様。どちらへ行かれるのですか?」

 静かな声が、響いた。

 恐る恐る顔を上げた一刀の眼に飛び込んできた人物の姿に、思わず叫ぶ──


「げぇっ!関羽!?」


「よりにもよって『げぇっ!』とは何ですか!『げぇっ』とは!!!」

「ご、ごめんなさーーーーーーい!!!」

 そして再び始まる逃走劇。とな。
692 名前:風鈴 ◆VOACf8e.7. [sage] 投稿日:2010/02/01(月) 00:54:12 ID:PkIZTIb60
脈絡もなければオチもない。

ではおやすみみなさん。

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