はじめに
このおまけは、第一部、第二部、さらに第三部と進んでこんがらがっている「いけいけぼくらの北郷帝」をもう一度振り返ってみようという試みです。本来は二部の番外編あたりでやろうと思っていたのが、エロツンデレ軍師にもってかれたので、一週休みの今回やることになったのよね。
あ、あれはちがっ!
はいはい、あなたはまたあとで。司会進行は、我ら魏の三軍師と北郷一刀でお送りします。
最後に重大発表もありますのでお楽しみにー。
概要
まずは、物語の進行に入る前に、この世界のことをざっと見ていきましょう。 一刀
史実とゲームと作者の独自解釈が入り交じってるから、整理しないとな。ええ、そですねー。
一刀
ところで、なんで俺だけ顔ないの?いじめよ。
一刀
ひどっ。違います。実はですね、BaseSon様のサイトに書いてあるのですが、製品内の情報を引用する場合、1ホームページにつきCGだと1タイトル4枚までと決められているのです。 今回のこれは少々拡大解釈の気もしますが、せめて4枚までにしようと考えまして。
幸い、顔アイコンは1枚に複数あるパターンが多いので、数が切り出せるのですが、おにーさんの顔アイコンはないので切り出すとなると複数パターンを諦めないといけないのですよ。
そういうわけで、そもそも出られない面子も多いんだけど、主人公のあんたはしかたなく顔なしでも出してあげたのよ。それとも、ちんこの画像でも貼り付けたほうがよかった?
一刀
後生だから勘弁してくれ。さて、今回は解説なので、現代的常識でなるべくわかりやすいよう進めていきます。まあ、すでに外来語を使いまくっているので、作中人物と乖離していることは気づいていると思いますが。
まず、漢の十三州の地図をみてみましょー。三国志ドライヴ(URL:http://www.h5.dion.ne.jp/~drive/index.html)様のフリー素材を頂きましたよー。
地図上では14あるけど、通常雍州は涼州に含めて考えるから13になるのよ、わかった?
一刀
ずいぶん南が大ざっぱな気が……。その通りよ。なにしろ、この国の中心は華北、中原ですもの。
南は「化外の地」なのですよー。良い例を見せましょう。華琳様ならぬ曹操様が漢中に攻め入ったときのお話です。
三国志 魏書 劉曄伝より
太祖曰「此妖妄之國耳、何能為有無?吾軍少食、不如速還」
ここは化け物の棲む国よ。どうやってあれこれ手を打つことができるかしら? 兵糧も少ないし、さっさと帰りましょう。
華琳様はそんなこと言わないっ!
(無視して)これを劉曄が取りなして、張魯を討つことになるわけですが……。
一刀
蜀の入り口の漢中で「妖妄の国」っていうくらいだから、美以たちの南蛮なんか、もうえらいことだな。まあ、真・恋姫でもケモミミですけどねー。
なんにしろ、この時代の中心は北にありました。しかし、そうも言っていられない事態が起きます。
平均気温が下がったのよ。寒冷期に入ったと言ってもいいわ。
一刀
気温が?はい。そして、気温が下がれば、穀物の収穫量は自然、下がります。
すると、国家は税収も上がらず、増えた人口を支えることも出来なくなるわけ。
そもそも――漢も含め――この地域を治める国家は、基本的に農業による収穫で人口圧を高め、その増えた人口で周囲を圧することで存続しています。これは後に出来る諸王朝も同じ事です。
北方あるいは西方遊牧民の征服王朝が土着化するまでの期間は別ですが。
しかし、衰えゆく収穫量では広大な地域を統治する国家は維持出来ません。自然、政権はどれも小型化、つまりは地方化していくというわけですよー。
黄巾をきっかけとする群雄割拠は、ある意味当然の変遷でもあったということですね。
さらに、北方での寒冷化による収穫減と中央の混乱に伴い南下する人材が増え、呉と蜀という二つの国家が北を脅かすことになるわけですが……。
まあ、それは史実の話。真・恋姫ではそういうことはないけどね。
一刀
きっかけになる黄巾からしてアイドルとおっかけだからな……。しかし、アイドルだけでは不自然なので、この作品では土壌はそもそもあったとするのが妥当であろうと考えています。
つまりですねー。
寒冷化によって農作物の生産量が減り、これに伴っての税収減を補おうと、増税や無理な取り立てをして、民はある程度疲弊していた、と考えているわけですよー。
一刀
多少は苦しい状況であった、と。まあ、季衣とはじめて会ったときの事なんか考えると実際そうなんだろうね。そういうことです。さらに真・恋姫において華琳様や我々の尽力で早い内に三国を統一してしまった結果、史実よりはるかに多い民が生き残っています。
それ自体は歓迎することなのですが。史実では長い動乱で人が極端に減りましたから。
ただ、その多くの民を支える土台があるわけでもないものだから、各国が生き残りに必死なのよ。
もちろん、現実よりは遥かに緩い話なのですが、それでも多少剣呑な空気はありますよねー。ただ、協調してるだけではない、といった所です。
いい例が、蜀と呉による荊州領有問題ですかねー。
また、別の形でも影響が現れています。
一刀
別の所?はい。北方遊牧民の南下圧力の増大です。
一刀
ああ、北は余計に寒くなるから……。色々難しいなあ。さらに作品の開始時点では、ゲームではすっかり忘れ去られている漢王朝は、洛陽で劉協を帝に戴いてしっかり健在。これもきなくささの一因ね。
我々も含め、皆、漢と三国の二重官位を得ていたり、官位だけで言えば華琳様に匹敵する大将軍の麗羽殿が開始時点では行方不明のままだったりしますからね。
そういう、ちょっと不穏な空気を漂わせつつ、ようやく手に入れた平和を謳歌しようともしている、そんなゲーム終了後の世界が、この作品の世界なのですー。
開始時点
さて、いよいよ物語を振り返ってみましょう。はじまりは、魏ルートエンドの一年後、一刀殿がひょっこり帰って来たところから……ではなく、その三年後からはじまるのですが、ここでは時系列順に、一刀殿帰還の時点から見ていきましょう。 一刀
恥ずかしながら帰って参りました。昭和の人しかわからないネタをとばしてるおにーさんはおいときまして、話を進めますと……。
一刀
えー。そのネタ、70年代初頭じゃないですか。いくらなんでも……。
一刀
二世紀の人に言われた! いや、三世紀?ともかく、話を進めるわよ。まず、こいつはこの世界の年明け前に帰ってきたわ。当然旧暦だから、新暦で言うと一月中旬から下旬くらいね。
これはもうとんでもない大事件でしたが、作中ではあまり描写されていませんねー。
そうですね、そこは読者の方々のご想像にお任せするということなのでしょう。さて、この『北郷一刀帰還』の時点における真・恋姫登場キャラクターの様子を見ていきましょう。
まず我が魏ね。所属するのは私、華琳を頂点に、桂花、稟、風の三人が軍師。春蘭、秋蘭、霞、季衣、流琉、凪、真桜、沙和が武将で、天和、地和、人和は我々が支援しているアイドルね。
魏メインのルート後だけあってしっかり全員いるわ。霞は一刀がいなくてつまんないのか辺境に行っちゃっていたけれど。
一刀
帰って来た霞の馬に蹴られて死にかけました。ふん、勝手に消えたりするからよ。
次は呉ねー。
私、雪蓮が王様ー。で、蓮華、小蓮の王族組、冥琳、穏、亞莎の軍師組と明命、思春といるわ。
祭は赤壁で死んでる……と思ってるわね。この時点で魏の半分程度しか有力武将がいないのは差別よね。
一刀
正史にしろ、演義にしろ、呉への冷遇っぷりは凄まじいからな……。断固抗議する!
一刀
史実の孫権の晩年が……(ごにょごにょはいはーい、次は蜀だよー。 私は桃香。義姉妹の愛紗ちゃんと鈴々ちゃんがいて、朱里ちゃん、雛里ちゃんの軍師組、紫苑さん、桔梗さん、白蓮ちゃん、星ちゃん、翠ちゃん、蒲公英ちゃん、焔耶ちゃんの武将組がいるよ。あと、紫苑さんの娘の璃々ちゃん。南蛮の美以ちゃん、ミケちゃん、トラちゃん、シャムちゃんも開始時点ではここにいるよ。
一刀
蜀はさすが、演義での有名人が目白押し。演義の影響を強く受けてる真・恋姫でも武将の個人の戦闘力だけみると、突出してるね。その割には、我らなど一年経ってようやく出演する有様だがな。
一刀
俺ともほとんど接触ないもんなあ。次はボクが代表して説明するわ。 その他勢は、色々別れてるわね。
- 月、詠、恋、ねね
- 成都陥落前に城を逃がされ、長安に。
- 麗羽、斗詩、猪々子
- 流浪中。張三姉妹にくっついて設営アルバイトをしている。
- 美羽、七乃、華雄
- 流浪の果てに、ならず者を集めて国を興そうとしている。
- 祭
- 記憶を失い、流浪中。
祭生存はこの作品の独自設定ね。
恥ずかしながら帰って参った……。
あんたもそれかいっ。
まあ、この時点では記憶がないのでもっとしおらしい庶人状態なんだけど。
そして、流浪している面々以外の皆がこの年の三国会談に集められ始めた頃から、お話は始まるのよね。
その通りです。では、そろそろ物語へと入っていくことにしましょう。
初年度一月から三月
新暦の四半期ごとにみていくわね。この時期に起きた大きな出来事は以下の通りよ。政治的な事柄、特に重要な事柄は色を変更してあるわ。
- 北郷一刀の帰還
- 美羽、七乃が一刀の下に
- 祭の生存確認
- 華雄、祭が一刀の下に
- 三国会談
- 大使制度が開始される
- 冥琳と一刀が恋仲に
一刀
いや、最後なんか違うよね?明らかに他国に所属中の女に手を出したのはこれが初めてのはずだけど、違った?
一刀
いえ、違いませんが……。さて、この物語は、おにーさんが、魏軍以外の女の子を次々とものにしていくという……。
一刀
いや、ちょっと待った。それはちょっと待った。たしかにまるでそういう側面がないとは言わないけれども!
まあ、冗談は止めときなさいよ。こいつが稀代の女たらしなのはもう知れたことだし。
一刀
そこは揺るがないのな。まあ、そういうわけで、三国会談があったこともあり、最初の三ヶ月で、おにーさんは一気に魏軍以外の人物たちとのつながりを得ていきます。
記憶を失っていた祭さんを見事に見つけてしまうあたりは、もういい女センサーでもあるのかと思うくらいですね。
祭殿を得たことで、呉とのつながりは確実に強まったわけですからね。後の呉への大使派遣を可能としたのは、このことも大きかったでしょう。
こいつ自身が華琳様の食客という立場なのだけれど、それを利用して多数の食客を抱えさせ、正式に魏に所属させずに影響下に置くということを成し遂げているわ。他国をそれほど刺激せずに影響力を強める策ね。
まあ、利用価値はあると言っていいわね。
またこの時期、華雄さんのリミッターが解除されて、天下無双になりつつありますね。
最初はうちに負けて捕まるくらいやったからな。まあ、そんでも骨折られたけど。
ただ、強いいうても限度があったんが、漢ルートのべらぼうな強さに近うなってくわけや。
政治的に大きいのは大使制度ですかね、これは今後も物語に大きく関わってきます。
この時点でも、蜀の南蛮への影響力が極端に低下していますからね。
では、最初の三ヶ月はこんなところで、次の四半期に行きましょうか。
初年度四月から六月
- 悪銭追放運動の締めくくり
- 麗羽、百叩きで辱められる
- 麗羽、猪々子、斗詩が一刀の下に
- 桔梗、一刀に喧嘩を売る
- 一刀一行、長安へ
- 長安に鎮西府が開かれる
- 美羽、華琳に真名を許される
- 軍制改革の開始
- 郵便武官制度が試験運用開始
麗羽殿の引き入れ方がすさまじかったですけれどね。いえ、あれは、しつけですか?
一刀
……あー、まー、そのー、一応善意からのことで……。一方でおにーさん自身が恋ちゃんと戦うという、おそらく物語中トップクラスに無謀な行為をしていますね。
仕合とはいえ、あばら折られてるしね。莫迦じゃないの。
一刀
いや、まあ、ほんと申し訳ない。政治的には、台風の目となりかねない董卓、呂布を弱いながらも影響下に置き、洛陽に連れてくることで安定化を目指しています。
また、鎮西府を開くことで、涼州支配も布石を打っていますね。
実は地味に見える悪銭追放が経済効果が高かったりするのですが……。
でも、一番大きいのは、なんといっても軍制改革ですねー。
郷士軍として軍の大半を切り離し、軍そのものは常備軍を目指す方向にいってますからね。
郷士軍は軍と言いつつ平時は屯田開発者ですものね。そこから上がる税収で常備軍を支える仕組みは悪くないわ。
まあ、その改革で混乱しているさなかに内烏桓が蜂起するのですが、その辺りは次ですか。
一刀
じゃあ、七月以降にいこうか。初年度七月から九月
- 内烏桓蜂起/討伐戦
- 宦官追放
- 司馬懿処刑
- 稟の懐妊発覚
- 華琳、世界地図を手に入れる
- 一刀、暗殺未遂
- 月、詠、恋、ねねが一刀の下に
- 雪蓮、国譲りについて華琳に了解を得る
- 桔梗、懐妊
- 一刀、呉へ大使として派遣される
- 一刀、蓮華に宮中で罵倒される
- 真桜、お尻の初体験
- 一刀一行、呉の視察旅行に
- 白蓮、麗羽一行、遼東公孫氏討伐へ
まあ、この時期の途中で第一部が終わるから、展開が激しいのも当たり前ではあるのだけれども。
順に見ていきますと、烏桓討伐戦と同時に宮中から宦官が追放されました。
はっきり言ってこの国の宮廷ではありえない展開です。
そうじゃろ、そうじゃろ。妾がやったのじゃ!
お嬢様すごーい。呼ばれてもいないのに出てくるあたりーっ。
まあ、なにか起こったら、最悪美羽ちゃんたちに罪をひっかぶせればなんとかなるか、という政治判断があったとかなかったとか。
なにーっ。
万が一そうなっても、恋姫的には一刀さんのメイドになるだけですから大丈夫ですよ、お嬢様。
なんじゃ。ならばよかろ。帰るぞ、七乃。
はーい。
そして、非常にメタ的な事象として、司馬懿が死にます。
この時代の感覚だと、いっぱしの名士ではあったけど、翌年の孔融死亡に比べたら、だからどうした? くらいの出来事なんだけど、後の歴史を知っているとすごい反応せざるをえないわよね。
一刀
これをきっかけに、秘蔵していた世界地図を華琳に手渡した俺とかな。まあ、その地図については色々影響を及ぼすわけだけど……。第三部で行われている北伐は、直接的にはここが契機だったと言っていいわね。
収拾はつきましたが、司馬一族の叛乱とかこのあたりが根っこになっているのは多いですねー。
呉の国譲りもそうですね。また、この時期、一刀殿や華琳様が朝廷に暗殺者を差し向けられたり、漢朝と魏の対立が表面化してきます。
一刀
子供が出来たと喜んでいたら、殺されかけました。明命を引っ張り込んでいなかったら、あんた即死ね。女たらしの技が生きたわね。
一刀
喜んでいいのか、それ。いずれにせよ、俺は朝廷にとっては敵らしい。それをすぐ断言できるのは、やはり時代感覚が違うからでしょうね。ここで私の妊娠を告げた時から計画されていたとはいえ、朝廷から遠ざけるという意味でもちょうどよいので、一刀殿は呉へ旅立ちます。
そこで第一部が終わるわけですねー。しばらく魏の面々は出てこなくなるのですよー。
実は色々していたのですがねー。にゅふふ。
一刀
ぶ、不気味だ。いい女には秘密がつきものなのですよー。さて、第二部最初は、罵倒されて、お尻を開発します。
一刀
いや、なんかそれ……。詠ちゃんや月ちゃんも食べられちゃってますが、まあ、このあたりはいつものことですので……。
ううう……。
では、第二部江東編本番の時期にいきましょうか。
初年度十月から十二月
- 白蓮、蜀を追放される(内示)
- 一刀、南海覇王を託される
- 一刀一行、孫堅の墓参に/蓮華、髪を切る
- 亞莎襲撃事件
- 思春出奔/メイド化
- 一刀、大経済圏構想の着想を得る
- 蓮華と一刀、会談を繰り返す
呉の面々を次々と陥落させていって、蓮華さんにはなんの恨みがあるのかと詰め寄られるくらいですねー。
一刀
いや、それは大げさ……。あれー? 全員と恋仲になっておいてそう言うのー? 蓮華もあの娘なりにがんばったのにさー。
一刀
……はい、ごめんなさい。ただ、そうやって恋人を作っていく上で、さらに覚悟を強めていく時期でもありますねー。孫堅さんの墓参や、またも無謀な雪蓮さんとの決闘など、色々経験して自分の事を考えるようになりつつあります。
まだまだですけどー。
政治的には、朝廷による遼東公孫討伐が行われています。遼東で自立しようとしている公孫氏を討つのに白蓮殿たちを引っ張り出したのですが……。
実際はちんこ大魔王を襲わせるための計略だったのよね。でも、それはさすがにまずいので、白蓮は当初の命令通り遼東で討伐をおこなった、と。
それが朝廷には気にくわなくて、蜀に圧力をかけ、白蓮を蜀から追放したわ。
本人はこの時点では知らないんですけどねー。
ただ、ちょっと蜀の対応も性急すぎたので、華琳様は南蛮に大使を派遣したりしています。
うわーん。大変だよう。
蜀は南蛮への影響力が低下し、さらに白蓮殿がいなくなり、董卓軍、袁家は物語開始時点でいないので、かなりの戦力低下に繋がっていますね。
それでも、うちよりはずいぶん多いけど。
それはそうね。呉は国譲りで雪蓮、冥琳と二人減ることも決まっているしね。
魏の肥大化、なによりおにーさんの影響力の増加が大陸の安定に微妙に翳を落としていますねー。
さて、そんなこんなで年明けですよー。
二年度一月から三月
- 華琳が丞相に/一刀が大鴻臚に
- 白蓮が蜀から追放される(確定)
- 一刀一行、成都へ向かう
- 成都で一悶着
- 五斗米道、魏に帰属する
- 稟、出産
- 白蓮、一刀の下へ
- 西涼王国の献策/北伐の宣言
- 翠、蒲公英、蜀を抜ける/霞、魏を抜ける
- 桔梗、出産
一刀
再び政治的な激動の時期だな。俺が洛陽に戻ってくる時期だ。阿喜と千年が生まれた時期でもある。
なんと言っても華琳様の丞相就任、おにーさんの大鴻臚就任は大きいですね。
これで朝廷との対立が解消されます。いつまで続くかはわかりませんが。
白蓮殿が就職活動をしてまわる番外編の時期ですね。
ああ、あのツンデレエロの……
だああああっ!
一刀
俺たちはその後成都でさんざんだったけどな。それでも紫苑さんや翠さんの信頼は勝ち取ってるんだから、まあ、ありじゃないですかねー。
五斗米道の完全な魏への帰属も大きいです。漢中の豊かな実りも大きいですが、なにより、宗教というものを手に入れられるのは……。
ただ、扱い方も難しい。
そのあたりは、人和ちゃんたちになんとかがんばってもらいましょー。
さて、ここで、北伐の正体がこいつにも知れるわけだけど。
これは重要ですね。なにしろ、ここからずっと続く話ですから。北伐は期間としては一年半を予定しています。
一刀殿が直接に携わるのはどれほどになるかはわかりませんが、物語の底を流れる事象となります。
一刀
俺も左軍率いるからなあ。大丈夫なのかな……。北伐の本格始動に伴って、翠や蒲公英が蜀を抜けたわね。元々涼州の人間だからしかたないのだけど。
うわーん、また減ったー!
でもでも、翠ちゃんたちのことを考えると……。うー。
霞も魏を抜けて、一刀殿の下に行っていますが、これは、まあ、他国にはパフォーマンスと受け取られたでしょうかね。
それでもやっておかないとね。
まあ、董卓軍再結成ってことのほうがネタ的には大きいのでしょうけど。
一刀
ところで、なぜか薪割りキャラが定着してしまいました、北郷一刀です。莫迦ばっかりやってるからじゃない? 次行くわよ。
二年度四月から八月
一刀
あれ、四半期じゃないな。現在連載中のところまで、ということで考えると、最後が中途半端になるのでこうしました。ご了承下さい。
- 美羽、七乃、数え役萬☆姉妹涼州へ
- 北伐記念武術大会が開かれる
- 桂花、出産
- 冥琳、双子出産
- 北伐の模擬戦/蓮華と仲直り
- 南蛮勢の懐妊発覚
- 魏の首脳陣、呪術により眠りに落ちる(番外編)
- 孫策、周瑜死亡/メイドが増える
- 呉に向かう華琳、一刀らが叛乱軍に囲まれる
- 叛乱軍討伐
- 秋蘭の懐妊発覚
- 孫策の葬儀がおこなわれる
- 一刀、黄龍を得る
一刀
ここで、客胡というのがいきなり出てくるよな。実際に存在した勢力ですよー。ただ、時代的に、どれくらいいたかはわかりませんけどね。もう少し後なら、確実に漢土の内側まで影響を及ぼしてますよ。
史実では、ね。作者は西と北に攻め入るにあたって、その史実を設定に引っ張ってきたということになるわ。
いずれにせよ、五胡の設定はゲーム中ではあまり触れられなかったので、史実などから類推せざるを得なくなります。
北伐ではそのようなことが多少増えるでしょう。
一刀
個人的な事で言うと、木犀と大小が生まれて、美以達と秋蘭が子供を宿してくれた時期になる。えらく大家族になりそうよね。うちの木犀はいきなりすごい数の兄弟姉妹を持つんじゃないかしら。
まあ、五十皇家列伝を見ると、華琳様が二十数人産むことが決定済みですので……。
無駄に史実にあわせようとするから……。
えらく先の話は置いといて、この時期は主に北伐の訓練期間ですね。おかげで作中の時間が一月くらいすっとんでいたりします。そこに稟ちゃん大活躍の「北郷一刀の消失」が入るのですが。
ようやく鼻血じゃなく、喀血したわよね。郭嘉らしく。
活躍場所はそこではありません! ああ、ほら、一刀殿がおろおろし出したじゃないですか。
心配せずともそうそう死にはしませんから!
いずれにせよ、おにーさんは覚悟をさらに深め、その他の面々も夢からなにかを感じ取り、色々と動いていますよね。もちろん、夢に巻き込まれなかった人々も影響を受けていきます。
でも、実際にそれらの影響が出てくるのはまた後のことでしょうね。この時期に起きた孔融―司馬氏の乱が元をたどれば一年以上前の出来事に起因するように。
それよりも即効性が強いのは雪蓮殿たちの死の偽装ですね。メイドになったのや鬼面は枝葉末節で、ずっと準備してきた国譲りがついに成されたわけで。
蓮華さんの覚悟が試される状況ですね。ただ、ゲームの時点から、呉は拡張志向は他国に比べると強くはなく、その中でも蓮華さんは現状をいかに維持し、呉の民を守るかを考えているようなので、これをきっかけに荒れるということはないかもしれませんけどねー。
う、うむ。しばらくは地歩固めだ。
一刀
荊州問題を相談されたけど、呉はいま見えてるのはそれくらいかな。そうですね。一方、その偽装の死の葬儀に向かった華琳様と一刀殿たちは謀反に巻き込まれます。まあ、詠と桂花の策だったようなので、無事収拾するのですが……。
まあまあうまく行ったわね。頭のかたい孔融も排除できたし、これで洛陽に近い河内も安定させられたことだし。
おー、こわいこわい。なにを企んでいるかわかりませんねー。
なにを考えているかわからないあんたに言われたくはないわ。
一刀
史実でも孔融は曹操に処刑されているんだが、一族の子供達も絶やしているので、聖人の子孫を途絶えさせた、と非難囂々なんだよな。まあ、二十一世紀現在、孔子の子孫自体は二百万人とかいるらしいんだけど。
この物語では、それを知っているおにーさんが強硬手段に出そうになって、それを詠ちゃんが察して、さらに霞ちゃんが手を回して孔融をさっさと殺してしまったので、それ以上広がりませんでした。
なんにしろ、それで北伐前の悶着は一段落というところですかね。物語は北方と南方へと焦点を移します。北は北伐、そして南は新しき王を迎えた呉と、戦力を引き抜かれ、弱体化を危惧する蜀……。
一刀
そのあたりは次のまとめでやろうか。まずはこの時期には、様々な人々の覚悟が深まり、そして、着々と大きな動きの準備が成されている、ということだな。そうね。では、流れを見るのはこれで終わって、まとめへ行くわ。
まとめ
ということで、再び三国の王の方々に、現状を語ってもらうわ。
まずは魏ね。
はっきり言ってたいした変わりはないわ。霞が形式上抜けただけ。あとは麗羽のかつての臣下を吸収したので名前だけなら沮授や田豊、淳于瓊などがいるわね。
北伐に多くの将を参加させるので、洛陽にはあまり人が残らない状況が続くわね。
具体的には、私、風、春蘭、季衣、流琉、凪、真桜、沙和が参加。
懐妊した秋蘭が守将で、桂花と稟がその補佐。アイドル達には民心の安定を頼んでいるし、北伐への傾倒が強いわね。
それと、五斗米道を吸収したので漢中にまで影響力を持っているわ。
次は呉か。
呉は、私、蓮華に代替わりした。小蓮を大使として洛陽に置き、その他の穏、亞莎、思春、明命で呉をまとめるべく動いている。姉様と冥琳が抜けた穴は大きいからな。
代替わりをしたため、そうそう大きな動きはできないだろうが、荊州の領有問題を解決できればと願っている。
また、北伐には主に糧食の供給で参加している。
蜀の番だね。
蜀はだいぶ仲間が減っちゃった……。いまいるのは、私と愛紗ちゃん、鈴々ちゃんの三義姉妹と、朱里ちゃん、雛里ちゃん、紫苑さん、桔梗さん、星ちゃん、焔耶ちゃん。もちろん、璃々ちゃんもね。
でも、大使として紫苑さんと桔梗さんが洛陽にいて、北伐に星ちゃんと焔耶ちゃんが参加してるから、本国はちょっと手が足りないかな。
南蛮の子たちはずっと大使で出て行ったままで、しかも北郷さんの子供を産むなんてことになってるみたいだから、ちょっと南蛮への影響力は厳しいかなー。いまのところ、安定はしてるからいいんだけど。
あとは、北伐がどう動くかかなー。翠ちゃんたちが北に友好的な国を建ててくれれば、きっと楽になるって朱里ちゃんたちが言ってたよ。
最後に北郷勢力はボクが。
その他勢は全て北郷に吸収されたわ。現状、月にボクこと詠、恋、ねね、霞、華雄の元董卓軍と、麗羽、美羽、七乃、斗詩、猪々子の両袁家、祭、雪蓮、冥琳の元江東軍、あとは白蓮。
って、多いわね。
大鴻臚としての管轄で言うと、西涼の翠と蒲公英も入るわね。ちなみに、大半が北伐の左軍に参加するわ。
残るのは、月と雪蓮、冥琳のメイド組だけよ。
色々出来るはずだけど、いまは北伐の成功に心を砕いているようだから、それに注力かしら。
あいつがもう少し……。と、これはまだ早いわね。
はい、ありがとうございました。
かように状況は移り変わり、そして、さらに変化していこうとしています。
北伐、民を支える経済問題、南方の領土問題と、問題は山積しています。
なにより、一番はじめに提示されているおにーさんへの皇帝登極の要請。これは一年半ほど後のことではありますが……。
華琳様やその意を受けた面々による様々な策が入り乱れる中、果たして大陸はどうなっていくのか。
風は日輪を支えることだけを考え、ただ進むのみですが。
一刀
それでは、この作品を振り返るのはここまでとなる。もし、ここから先に興味があるのなら、作者にこれからもつきあってやってほしい。では、最後にお知らせがある。
最後に
漢朝末期。総計数十万とも言われる神符が全土に舞った。
どこから流れてくるのかわからないその札は、いつしか天から降ってくると噂され、神が下した札と言われるそれを、民衆は我先に求めた。
そこには、北斗七星に乗る天帝と共に、以下の十六文字が大きく記されていたという。
蒼天已死
玄天當立
歳在癸巳
天下大吉
五行の思想をもってすれば、火徳の漢朝を引き継ぐべきは、土徳の黄であるはず。逆に、玄を象徴とする水徳こそは、火を消し去り打ち消すものである。陰の水を表す癸によって陰の火を剋す水剋火の癸巳の干支をここにあわせて考えれば、それは一つの強力な宣言となる。
これは、それまでの五行相生による王朝の継承を打ち壊し、五行相剋による新たなる秩序を作り上げよとする、壮烈な檄であった。
玄――その象徴は北方。そして、天帝の乗る北斗。
民衆は我知らず、そして、知識人達は強烈な衝撃と共に、それにあてはまる人物の名を思い起こす。
すなわち――。
天の御遣い、北郷一刀を。
皆の者、よっく聞けぃ。
ご愛顧いただいております「いけいけぼくらの北郷帝」ですが、今回をもちましてタイトルを変更し、次からは新しいタイトルにて続けさせていただくこととなりました。
次回からタイトルは 玄朝秘史 となる!
では、皆の者、今宵はこれにておさらばじゃ。
次回、玄朝秘史 第三部第四回を楽しみにするのじゃ!
って、あれ、私の出番これだけか?
まあ、そう言うな姉者。私など最後のこれだけだ。
終!