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901 名前:一刀十三号 ◆MdZ3m.jCpw [] 投稿日:2009/12/25(金) 19:12:54 ID:U8TCNAAUO
「にゃー(あー死ぬか!)」
ドスッ!



「にゃ!(これは秋蘭様の矢!)」
「でぃ!やー!」
ブォン!
ズバッ!
「これでいいのか?風?」
「はい、ありがとうなのです春蘭ちゃん。秋蘭ちゃんにもよろしく言っておいてください」
「うぬ、秋蘭にも風がよろしく言っていたのを言っておこう」
「ではでは、さよならなのです」




「にゃ!(ハッ!)」
キョロキョロ。
「にゃー(風様酷い!)」
「バカ猫、正座なのです」
「にゃ?」
「正座」
「にゃ(はい)」
「それではクリスマス・イブ編よろしくなのですよ」
853 名前:クリスマス・イブ1一刀十三号[] 投稿日:2009/12/24(木) 22:26:46 ID:p2lFQI+oO
「華琳様〜」
『雪蓮』
「何?桂花」
『な〜に?冥琳』
「蜀より書簡が届きました〜」
『蜀から書簡だ』
「『どれ?」』
〜拝啓〜

魏王殿・呉王殿

12月24日前から1月1日位まで蜀に来ませんか?
12月の方は他宗教の偉い人が産まれた日から祝う日らしい、まあ俺の居た天の国でも騒いだり、恋人同士が一緒にいる為の口実だったのが強かったけどね。
一月は新年。天の方は一月が正月、四月が旧正月と変更されている。
ここの時代ではまだ四月の方が正月、君主が正月に国を空けるのは問題が有ると思うので個人的に意味合いが深い、天の国方式の正月を体験してみない?
     北郷 一刀

と、云う内容の言葉が丁寧語で書かれていた。
「アハハ、おっかし〜い。呉王殿だって、何かしこまったゃてるのかしら一刀ったら」
書簡を読み終わると腹を支えて笑う雪蓮。
「それはお前のせいだろ雪蓮」
「何で?」
心底不思議な顔をする、深い溜め息を一つ吐き説明に入った。
「以前、波浪印で王を交代すると言っただろ」
「言ったわね」
「もし書簡を雪蓮と名指ししてて、王が蓮華に移行していたらどうする」
854 名前:クリスマス・イブ2一刀十三号 ◆jEybpMiAzY [] 投稿日:2009/12/24(木) 22:28:45 ID:p2lFQI+oO
「私が書簡を貰う……あれ?何にも変わらないじゃない。冥琳頭悪い〜」
頭を抱えながら。
「バカはお前だ雪蓮」
「仮にもそれは一個人的な招待状じゃないんだぞ、それを国主を無視して表向きでも位が下の者を呼ぶか?」
「でもまだ国主よ、私」
「だから!念のためにどっちが受け取っても良い様にしているのだろう!」
「ああ♪」
「『ああ♪』じゃない」
フゥー、深い深い溜め息が一つ出るのであった。

◇ ◇ ◇

「行かれるのです?華琳様」
「ええ行くわよ」
「そうですか…」
「どうしたの?寂しい顔をして」
「華琳様が天の御遣いと噂の北郷と会うとなると嬉しそうなので」
「妬いているの?」
「その分、構って貰う時間やら何やらが減れば嫉妬もします!ましてや相手が男なんて!あぁー華琳様。何か弱味を握られいるのですか?それなら私が排除しますから」
「あら?桂花は私が弱味を握ってなおかつ譲ってくる様な相手を見過ごす思っているの」
「いいえ」
「ならその事に関しては問題ないでしょう。桂花、主な武官・文官は全て連れて行くから手配なさい」
「わ・分かりました華琳様」
「今夜は可愛がってあげるから」
「ハイ!華琳様」
855 名前:クリスマス・イブ3[] 投稿日:2009/12/24(木) 22:31:06 ID:p2lFQI+oO
出発当日◆魏◆

「これより我らの主な者と親衛隊100人程が約一月半の間、蜀に出かける。その間の政務は諸君等に頼みたい、日頃の成果を見せる良い機会だと思いなさい。
 普段通りやっていればなんの問題も無いはず、一番の心配事である五胡の襲来も呉と独自の調査で可能性は著しく低いと出ているから安心しなさい。
 後、最後に?謀叛等を企んでいる者がいるのなら頑張りなさい!」
この発言に居残り組全員が口を開けて呆けている。
「自分にその器が備わっていると思うなら同士を集めてやってみなさい、ただし平定の世を乱すのだからそれなりの罰の覚悟も必要よ。
 まあ、せいぜい首と胴体が永遠に別れるぐらいよ、魏国だけで不安ならおそらく呉も同等に主な者が居なくなるから連絡して呼応してみなさい」
「あのー華琳様。流石に他国の情報漏洩はマズイかと…」
「そおぅ?雪蓮なら『良くやったわ、暇だったのよね〜』とか言って褒めてくれそうだけど」
桂花の助言を一蹴して。
「だから、もしやるのなら気張りなさい!私も手を抜かないで本気で殺らせてもらうから!!死ぬ気で始める事ね!」
結果はその場にいた将・兵、全員の忠誠度が上がるのだった。
856 名前:クリスマス・イブ4[] 投稿日:2009/12/24(木) 22:34:17 ID:p2lFQI+oO
出発当日◇呉◇

「それでは我らが王、孫伯符様のお言葉がある、皆の者その耳でしかと受け止めよ!」
壇上に上がった雪蓮が口を開く。
「じゃあ一月半休暇貰うから、後はよろしく〜♪」
そう言うと本気で壇上から降りようとする雪蓮。
集まった武官・文官は呆然とする、それに対し壇上に上がり降りて来る雪蓮に拳骨を喰らわす冥琳。
「痛った〜い、何すんのよ!冥琳のバカ」
「バカはお前だろ、いくらなんでもは略し過ぎだ。見ろ、事態を把握出来ない者達が呆然としているぞ」
「じゃあ、後はよろしく!軍師様」
「…分かった、でもお前は付いて来い」
首根っこを掴むと壇上の最上部に連れ戻し、補足に入る。
「先程の孫策の話を補足するとだな。今、皆の前に居る主だった武官・文官が皆一月半程居なくなる。“必ずしも絶対に起きない”と言えなくもない状況だ。
 平時の訓練だと思って日頃の成果を見せて欲しい。また一番の懸念である五胡の襲来の可能性も周泰の調査で生活が安定しているので極めて低いとの事なので安心して欲しい。
 ただし油断はするな、何か有ったら即連絡すること、よいな!」
「「「ハッ!!」」」
居残り組が一斉に返事をする。
857 名前:クリスマス・イブ5[] 投稿日:2009/12/24(木) 22:36:30 ID:p2lFQI+oO
「あっ!そうそう」
ここで雪蓮の再度の発言に皆が注目。
「居るとは思わないけど、謀叛とか企んでるならやってもよいわよ〜」
再度、皆が唖然。
「最近暇なのよね〜、あっ!でも、民に人死に出したら覚悟し…」
ゴチン☆
再び冥琳の拳骨が落ちる。
「痛っ〜た〜い〜、もうなにするの!冥琳!流石に怒るわよ」
「私は既に怒っているんだがな、冗談でもそんな事を言うな!良いな皆の者!ずっと気を張り詰めろとは言わん、しかし孫策みたいに緩みすぎるな!分かったか!」
「「「ハッ!!!」」」
冥琳の掛け声に皆が気合いの入った返事が返ってくる、結果的には良かった形にはなった。
◇ ◇ ◇
数日後☆白帝城☆
城下は至って平穏静か。
最早、魏王・呉王がお忍びだろうが、公式だろうが“来たぐらいでは騒がなくなった”からだ。
今回もせいぜい『何時もよりは人数多いね、仕込みの量増やす?』と、屋台と飲食店ぐらいしか悩まない。
打って変わって城はおおわらわ、特に侍女さんなんかは大変だったりする、運ぶ料理と酒の量が半端ない。
仕舞いには自分で料理を作り出す人まで出てくるから恐れおののく。
858 名前:クリスマス・イブ6[] 投稿日:2009/12/24(木) 22:39:13 ID:p2lFQI+oO
『私達がやりますから』と言っても『このままだと、華り…曹操様が自分で作るとか言い出し兼ねないので、予防みたいなものですから気にしないでください』とか、
 『気になる殿方へは自分の手料理を食べさせたいじゃろ』とかで侍女さん達の言うことを聞かない人続出。
しまいには、朱里や月まで料理を作ろうとして、流石に自分達の直接の上の人間は止めに入った。
「流石に可哀想だ、後で皆に臨時給金を出そう」
心に強く誓う一刀がいた。
「はい!ちょっと注目」
そこそこ騒がしかった場が静まり返る。
「一応催し物の説明ね、今日がクリスマス・イブで明日がクリスマスで」
「何が違うのだ」
「え?」
こういうことには口を開かない春蘭が珍しく発言する。
「射武と付いた方が長いし強そうだ。むしろ射武を主して後ろに持って来てもいいんじゃないか?」
「春蘭、それは文化と考え方の違いよ」
雪蓮が割って入る。
「本来イブは前夜って意味なのよ。で、この宗教だと日没と同時に日付が変わるって考える流派と考えない流派が有る。
 そこら辺の辻褄合わせだと思えばいいの、とりあえず私達は“一刀のおかげで騒げる日が増える”でいいじゃない」
859 名前:クリスマス・イブ7[] 投稿日:2009/12/24(木) 22:41:50 ID:p2lFQI+oO
「うぬ〜、まあそれもそうだな」
どうでもよいのか?納得した春蘭。
「(えっ、納得しちゃうの?……まあいいかな、楽だし)で、明日がクリスマス。イエス・キリスト、そこの宗教の偉い人が生まれた日」
「なんだ?生まれた日を祝うのなら、桃香様や華琳、雪蓮が生まれた日を祝うのか?」
「無理だよ、歴史の規模が違………あれ?」
確かに一刀の居た世界なら、歴史も宗教の規模も違うのだが。
「(仮に今を三国志時代として西暦なら…約200年前後?まだそんなに凄く無いのかな?)」
「なら状況次第じゃあ、この歴史は一刀の誕生日が祝いの対象?」
ドキッ!!
突然、雪蓮に話し掛けられビックリする一刀。
「驚かさないでよ、雪蓮。それに俺はそんな大それた人物じゃあないよ」
「あら、それを決めるのは国民や後の歴史家とかでしょ。宗教じゃあ無くても歴史的人物になれば可能性は捨てきれないわよ」
「……やっぱ興味無いね、今が楽しくて皆が無事ならそれで良いよ」
「勿体無……くもないか。そんなんだから一刀が好きな訳だし、その行いが結果的に歴史的人物に繋がるかも知れないし」
「買いかぶり過ぎだよ雪蓮」
「駄目よ、私の秘かな楽しみなんだから」
860 名前:クリスマス・イブ8[] 投稿日:2009/12/24(木) 22:45:43 ID:p2lFQI+oO
「程々にね。後、回りに迷惑かけないように」
「了解♪言質はしっかり取ったわよ」
「やばいな〜、でも本当に遊び程度だぞ」
万が一暴走しない様に釘を差す一刀。
「まあ、とにかく俺が居た世界では有名になった人の誕生日で祝う日なんだ。俺の国ではそれに託つけて商売をする方が大きいかったけど」
「まあとにかく飲んで食えって事だろう」
鈴々・翠・恋・猪々子・季衣辺りが本気モードになりかけた時。
「ええ、好きなだけ食べなさいあなた達。ただし食べた分、皆の給金から引かせてもらうわよ」
「なんですとー!」
「当たり前じゃあない、私達が食べてる食事は生えてくる物じゃないのよ。民が精根込めて育てたり作ったりしたものよ」
「なら余計に元を取らなきゃな」
と、本気モードの人がちらほらと。
「華琳様ー。申し訳有りませんが私達軍師や一部の方々に大変不平等なのですがー」
「その様ね」
「大食らいはちゃんと班別にしているわよ。ちゃんと各国王が公平に他国の方を査定しての班分けだから安心しなさい」
「私、それ知らなーい」
雪蓮の台詞に冥琳が。
「ああそれと星や雪蓮。大酒飲みの班分けもしているからな」
「なんですって!」
861 名前:クリスマス・イブ9[] 投稿日:2009/12/24(木) 22:48:52 ID:p2lFQI+oO
「だから雪蓮、お前が知らないのは当たり前だ。お前は絶対自分の酒の評価を人よりちょっと飲む程度と頼むだろう、人の善すぎる桃香に。
 ので、蓮華様に近い将来の君主としての立ち振舞いの経験の一環として代わりに評価の査定をしてもらった」
恋を除いた大食らい部隊と大酒飲み部隊が一斉に動きが鈍くなる。
「あらあなた達、もっと飲み食いしていいのよ。恋を見習いなさい、こうして経済は動くのだから」
どうやらあまり効果が薄いらしい、まあ料理は旨いので必然的に箸は止まらないのだがいつもの凄い怒濤さが無い。
「あーもう暗いで皆、仕切り直しや。で、今回は特別の催し物は有るんかいな?」
「有るよ凄いのが、皆にプレゼント」
「「「ぷれぜんと?」」」
「“あげる”って意味だよ」
「今回、予算があまり無くて大したもんじゃないんだけど」
でかい包みを持って来て広げると中から長い物が束で出てくる。
「なんなのだ、それはお兄ちゃん」
「マフラーだよ」
「まふらー?」
「こうやって首に巻くんだよ」
「おお!あっかたかいのだ」
「おい鈴々、それは外に出るときに使うもんだぞ」
862 名前:クリスマス・イブ10[] 投稿日:2009/12/24(木) 22:51:06 ID:p2lFQI+oO
「ねー、一刀。予算無い割には良い生地?を使ってない?」
「それは技術提供と一時的な販売権利を譲渡する代わりに無償で譲ってもらったんだよ」
「これだけの質の物をこれだけの量用意させるって!しかも一時的な販売権利で?、脅したんじゃないでしょうね一刀」
「いや、いつもの仕立屋のオヤジサンに相談したら『なら、系列店が有りますか先ずは話を伺いましょう』と。で、話してくうちに『これは行ける!行けるでー!』って商談成立。
 しかも店の店主が“これだけの物を独占したらいかん!後に他店にも教えないと!”と、太っ腹ぷり
 後日、実験兼見本品を渡されて問題無しと判断してそこから俺は皆のプレゼント作りに入ったんだけど、変?」
「変じゃないけど…何か釈然としないものは有るわね…」
「本当はネックレスって首からさげる貴金属品の選択も有ったんだけど、さっき言った通り資金が全然無いのとまた職人に大部分頼っちゃうがなんか嫌だったから」
「また職人に頼る?」
「ああ、華琳含め魏の皆はまた後程ね」
「「「「・・・・」」」」
“言いたい事は有るけど今は黙ってましょう”と、皆の目。
863 名前:クリスマス・イブ11[] 投稿日:2009/12/24(木) 22:53:00 ID:p2lFQI+oO
「(ありがとう)」
目で感謝の意を送る。
「…で、こうして(俺が知っている人物が誰一人欠けることなく)皆が無事で仲良くなったからなんか記念も兼ねて自分で極力作った物贈りたくなって…こうなった」
「で、極端にお金が無い理由は何?」
「よく聞いてくれた華琳殿。当初、ご主人様は今回の企画でその“ぷれぜんと”対象を子供全員にしたいと言い出しのだ!只でさえこの前の“はろううぃん”で浪費していると言うのに」
「そんなにお金使ったの?」
「国庫は使って無いにひとしい、せいぜい華琳殿達のお菓子の材料費ぐらいだ」
「なら、問題は無くて?」
「その考えが浪費を増長し、国に敷いては国民に負担をだな…ちなみに“はろううぃん”で朱里や雛里は自費での参加ですよ」
「それに関しては二人に本当に感謝してる」
「いえいえ、ご主人様。こっちも好きでやったことですし、第一知らない天のお菓子を教わったんですからあれでは安いくらいです。ねえ雛里ちゃん」
「…その通りです…ご主人様。ご安心ください」
「二人はすぐご主人様を甘やかす」
フゥ、と溜め息をはく愛紗。
864 名前:クリスマス・イブ12[] 投稿日:2009/12/24(木) 22:56:44 ID:p2lFQI+oO
「で、話を戻すと。せめて戦災孤児と働き手を失った家族の子供達には“ぷれぜんと”を実施したいと。それだけの子供達におもちゃをあたえるのは最早国家単位規模の企画だ」
皮肉を混ぜ、声は怒っているが、やはり目が優しい愛紗。
「白帝城下はもちろん、近隣の街・村の玩具屋も総動員して用意した、予定通りに今晩にも配られるだろう。まあ、ご主人様には当分の間、
 おこずかいは全て私の管理下に置かせてもらいますし!サボり無しで政務にまっとうしてもらいます!」
「ははは、努力するよ」
「“するよ”ではありません!してもらいます!」
バンッ!
机を叩いて怒る愛紗の迫力に、即時降参する一刀。
「……了解」
「お金が無い理由は無茶な散財と……呆れてものも言えないわね、まあ嫌いじゃないわよ一刀」
「それで皆のプレゼントがこれになりました」
気を取り直しプレゼントを配る支度をすると、一刀の回りに皆が集まりだす。
しかし、ここまでこぎ着けるには裏話もある、一介の学生で男子だった一刀が毛糸の作り方や編み方を知るはずが無い。
経緯はこうであった。
865 名前:一刀十三号 ◆jEybpMiAzY [] 投稿日:2009/12/24(木) 23:00:36 ID:p2lFQI+oO
ごめん、思ってたより寝不足深刻みたい。
明日も5時起きなので、すいません今日はここまで許してくださいm(_ _)m
903 名前:一刀十三号 ◆MdZ3m.jCpw [] 投稿日:2009/12/25(金) 19:15:33 ID:U8TCNAAUO
◆ ◆ ◆
雪蓮が訪ねて来てハロウィン開催までのある日。
「なあ、雪蓮。クリスマスどうしよう?」
「あれ、それを私に相談する?」
「どうせ貼らすんだろ」
「う〜ん、貼れてるか」
「当たり前だろ、バレンタイン・ホワイトデー・ハロウィン、全部貼らしといて。へたすりゃバレンタインなんかまだ無いよ」
「良いじゃない楽しけりゃ」
「限度によるだろ。やりすぎて万が一にも前回の華琳の時に俺が体験した事を、今度は雪蓮が消える形で再経験なんて嫌だからな俺」
「心配してくれるんだ、一刀は」
「心配するさ、雪蓮はもう大事な俺の彼女なんだから」
「嬉しいこと言ってくれちゃって……心配しないの、身内だけのお祭りにしとくから、せいぜい広まってもこの国全体よ」
「十分、歴史改ざんだと思うけど…」
「冗談よ、冗談。第一に歴史の話したら違うとか改ざんのレベル遥かに越えてると思うんだけどな〜、むしろ逆でハチャメチャにしないといけない気がするんだけど」
「何故?」
「例えるなら、飽きた玩具が捨てられる感じ?常に誰かを楽しませないといけない様な」
「それって、もちろん勘?」
「ええ、勘よ♪」
「誰かって誰?」
904 名前:クリスマス・イブ14[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:20:11 ID:U8TCNAAUO
「そこまでは解らないわよ」
「つまり、俺達は誰かのオモチャと……あまり笑えないな……しかし、解らない事で悩んでも仕方ないか。異変が起きない様に注意しつつ今日と言う日を楽しむしかないか。
 で、クリスマスプレゼントなんだけど」
「そうね、編み物なんてどう?」
「編み物?編み物なんて女の子のやるもんじゃないの?」
さすがにちょっと抵抗感を示す一刀。
「あら?ある意味一番ヒロインしてるくせに」
「しぇ〜れ〜ん〜」
「アハハハ、ごめんごめん」
「でもどうせ、ぜんぜん予算無いんでしょう?」
ギクッ☆
「…なぜそれを」
ニコッと微笑み。
「勘♪」
「(ええい、化け物め!)」
「予算が無くて、一刀でも作れそうな手作りなら…毛糸で…そうね、無難にマフラーって所かしら」
「マフラーねえ、出来るの俺に?」
「コツさえ分かれば簡単よ。作り方は書いたのを残してあげる、それまでは私が直に代用品でみっちり特訓してあげるわよ」
と、毛糸ぽくっなる物の作り方の書簡と毛糸の編み方をみっちり俺の頭脳に刻み込まれた。
「そうそう一刀。私のへの報酬は」
「無茶なのは駄目だぞ」
905 名前:クリスマス・イブ15[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:22:14 ID:U8TCNAAUO
「一刀が初めて作ったマフラーで良いわ」
「え?多分初めてのは無茶苦茶出来悪いぞ。せめて一回は練習してから」
「ダ〜メ、私は一番初めのが欲しいって言ってるの。聞き入れてくれなきゃ教えてあげな〜い」
「そんな〜雪蓮〜」
情けない声を出してお願いする格好をする、ポーズを解いてお互い目が合うと。
「「アハハハハハハ」」
一斉に笑う二人だった。
「(このぐらいしないと華琳と桃香との差は埋まらないから……)」
・・・
・・

◆ ◆ ◆
「仕立屋ん所の系列店、良い腕してるよな。仕組みが分かったからってこの時代の技術でほぼ再現しやがったよ」
大量のマフラーが出現し、一つ手に取った翠が。
「ご主人様、これ好きなの取っていいのか?」
「じゃあ、じゃあ鈴々これ!」
「駄目だよ!勝手に取っちゃ。これでもちゃんと一人一人イメージして編んだんだから」
「いめーじ?」
「あぁ、分かりやすく言うと、その娘の似合う色、一番近い色。華琳なら濃い紫・雪蓮なら赤・桃香ならピ…桃色ってね」
「一人一人を想像って…一刀、あなた自己陶酔の気が有るの?」
906 名前:クリスマス・イブ16[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:24:32 ID:U8TCNAAUO
ガ―――ン!?
これにはさすがの一刀もあまりのショックに前屈みで手を着く。
「…ぎゃく、逆だよ華琳。普段の皆の事を思いだし想像の中で皆の色を決めたんだよ!」
最後はガバッと立ち上がった一刀に華琳が。
「なら、妄想癖が有るのね。この変態さん」
バタッ★
立ち上がった姿勢そのままに後ろへ仰向けに倒れた一刀であった。
◇ ◇ ◇
シク・シク・シク・シク。
「あーもう、さっきから謝ってるでしょう一刀。機嫌を直して」
あまりのショックか起き上がった後、マフラーの入った包みをコアラの様に抱っこして不動になる一刀がいた。
「もう、いいもん。プレゼント無し」
拗ね方が尋常じゃないうえに、爆弾発言に大多数が。
「「「エッ――――――!!!」」」
こうなると相手が魏王だろうが関係無い、蜀呉連合の視線攻撃。
“どうするんだよ!動かないぞ、ご主人様”
“責任取って、なんとかしてよ”
「なんだ貴様等、まるで華琳様が悪い様なこの雰囲気わ!」
「姉者、実際は華琳様に責任が有るのは事実だ」
「そうなのか秋蘭?」
「ああ、だがこの雰囲気は正直、良いとは言い難い」
「第一、あんな精液男の贈り物何か要ら…な……い…で………」
907 名前:クリスマス・イブ17[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:27:38 ID:U8TCNAAUO
あまりの恐怖に春蘭の陰に隠れる桂花、その恐怖の正体は。
「・・・要る」
おそらく史上初かもしれない。
恋が一刀やねね・セキトや仲間の危機、食べ物以外で本気の殺気を出したのわ。
残りの魏の武官・文官も戸惑っていた者も居た。
華琳様に言い寄るなど言語道断、だが一刀の贈り物も無視は出来ない……いやむしろ興味絶大なのだから困りものなのである。
その様な空気も感じ取り、意を決した華琳が一刀に近づく。
チュ☆
「今はこれで我慢して、本当に悪かったわ一刀」
「本当に?」
「本当よ」
「……分かった」
コアラ抱っこを解除して立ち上がると、先程の華琳の行為に殺気が一刀に向けられるが今は無視。
包みに手を突っ込み一つのマフラーを取り出し名札を見る、色はオレンジ。
「鈴々。はいこれ」
「わ〜いなのだ。で、これどうやって使うのだ?」
「こうするの」
首へ適度に巻いてあげると。
「おぉ!」
喜んで走り出し皆に見せて回る。
「鈴々。本当は外で身に着ける物だぞ、あんまりハシャがないの。次が…月か、はいこれ」
「は、はい。」
呼ばれて出てくる月、色が薄紫色のマフラーを渡されると。
908 名前:クリスマス・イブ18[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:30:23 ID:U8TCNAAUO
「へぅ……ありがとうございます、ご主人様。大事にしますね」
次々にマフラーを取り出して渡していく。
愛紗には漆黒・凪は鋼色?・朱里は緑系の色・雛里は紺・恋には炎の様な朱・麗羽はオレンジに金色の刺繍・思春は鈴の様な黄色・紫苑には薄め桔梗には濃いめの異なる紫系の色を・
 人和は青・亞莎は小豆色・星には願いも込めて純白・秋蘭は青紫・翠は草原の色を・小蓮は薄いピンク・風には水色・稟は赤だと殺されるだろうからエメラルドグリーン、和名青竹色を・
 蓮華は赤とピンクの中間色・等々。
おおよそ普段着ている服のイメージが若干強めだが、著しく似合わなくない筈だ。
909 名前:クリスマス・イブ19[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:34:31 ID:U8TCNAAUO
「全員、行き渡った?」
「「「はい!」」」
「では、改めて挨拶の掛け声を、真似してね『メリー・クリスマス!』」
「「「めリー・クリスまス」」」
盛り上がる宴会も中盤、突如立ち上がり会場中央に向かう雪蓮。
“嫌な予感がする”一刀の本能がそう告げ、皆は逆に期待する。
「それでは特別企画の発表といきま〜す」
「(そら来た)え?あの〜聞いてないんですが、雪蓮さん」
「だって、言ってないもの⌒☆」
「ウインクなんかじゃ誤魔化れない」
「大丈夫、問題無いから」
「雪蓮にとってだろ」
「あれ?張れてる?…でもやっぱ大丈夫のはず、むしろ嬉しいはずよ。誰か一刀を押さえて!」
「はいよ〜」
一刀を押さえる霞。
「ついでに口も」
「ほな、失礼」
「ンン〜モガフガ」
「では説明を。天の世界のクリスマスには、この宿り木の下に居る人になら誰がキスをして良い習慣が有りま〜す」
オォー!!っと、歓声がわき起こる。
「誰が!」
「そう」
「誰にでも」
「“宿り木の真下に居る人限定”よ」
「キスして良いのか!」
「そう」
オォー!再度歓声が上がった。
「ただし!」
ピタッ!
雪蓮の台詞に雑談が止まる。
910 名前:クリスマス・イブ20[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:36:09 ID:U8TCNAAUO
「無制限じゃあ面白くないから、正しいやり方を採用して一回キスをする毎に宿り木の木の実を一つ取ってもらいます。つまり木の実が無くなったら、その宿り木でのキスは終了。
 更に、飾ってる場所も数も内緒です!雰囲気が良い所、ちょっと悪い所等、多数有りますから気張って探して意中の相手を誘い込んでくださ〜い!」
エェー!!
イタズラぽくっ話す雪蓮に抗議の声が上がる。
「でも、ちゃんと救済処置も有るわよ」
オォー!!
そして歓喜の声。
「ここ宴会場になっている大広間に設置する宿り木は黄金の実に代えとくから無制限にするわ。ただし、皆に見られる可能性大だけど」
エェー!!
再度抗議の嵐。
雪蓮の顔がとても嬉しそうだ。
「じゃあ、一先ずクリスマスパーティーは締めね。宴会は続くから、各々の用事有る人は済ませちゃいなさい。あっ、霞もう一刀放していいわよ」
「ほな」
やっと解放され抗議に出た一刀。
「雪蓮!流石にやりすぎじゃあない?俺そんなにあっちこっちでキスされるのは…」
「それは自惚れね一刀。なにもキスされるのはあなただけとは限らないわよ、キスしたい側が誰にキスしたいかなんて当人の自由だし」
911 名前:クリスマス・イブ21[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:42:08 ID:U8TCNAAUO
この言葉にさりげなく目が不自然にさ迷い出したり、挙動不審な者が複数。
「はい。じゃあ各自、自由行動ねぇ」
その言葉に詠が立ち上がり一人の少女に近づいた。
「ゆ・月。本当はこんな茶番付き合う必要無いんだけど、大切な人に贈り物をする日だと聞いたから……これ、あげるわ」
差し出される木箱。
「ありがとう、詠ちゃん大事にするね」
プシュー!!
月の微笑みに思考回路が轟沈される詠。
「詠ちゃんにも贈り物有るよ」
飛んでた思考を無理矢理呼び戻す。
「私に!」
「うん♪」
「う〜、生きてて良かった(泣)」
「はい」
差し出される木箱を受け取って呆ける詠。
その脇を立ち上がった月がすり抜けて行く。
「月?」
たどり着いた先は言わずと知れた一刀の前。
「はい、ご主人様。贈り物です」
「おっ!悪いね月。何が入って入るのかな?」
「駄目です、ご主人様。恥ずかしいから後で部屋で一人で見てください」
それを見ていた詠が。
「月〜、なんでそんな奴に贈り物なんか渡すの〜。いや、あれを奪えば月の贈り物を独り占めに……」
「詠ちゃん」
「嘘よ、そんなことするわけ無いじゃない……シクシク」
912 名前:クリスマス・イブ22[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:44:00 ID:U8TCNAAUO
詠の行動を皮切りに先ずは三つの集団に、つまり蜀・魏・呉に別れる。
「ご主人様、桃香様」
「華琳様」
「雪蓮様、蓮華様、小蓮様」
各々が各々の主に贈り物を送る中、一人異なる言葉を叫ぶ。
「なんなのこれは!」
「おやおや?魏の軍師とは思えない発言だな」
「私だって万能じゃあないのよ、知らない事だって有るわよ」
「仕方がない…教えてやるか」
勝ち誇った春蘭の顔に本気で悔しがる桂花。
「これは、天の世界の風習の一つ“くるしみますぷれぜんと”だ」
「姉者、“クリスマスぷれぜんと”だ」
夏侯姉妹をやりとりを見ながら一刀が思う。
「(苦しんでどうするんだろ…まあ、春蘭らしいったら春蘭らしいけど)」
「おお!それだ、“くりすますぷれぜんと”だ。これは、大人が子供に贈り物をする事らしいがもう一つ意味が有るらしい、それは愛しい人に贈り物をする事だ」
「何ですって!聞いてないわよ!そんなこと」
「いや〜魏の軍師たる桂花にはとっくに耳に入ってると思って言わなかったんだが」
「私はね、忙しいの。魏の軍師たる私は戦乱時でも、平穏時でも仕事がそれこそ山の様に有って。いつも剣を振ってればいい誰かとは違うのよ!」
913 名前:クリスマス・イブ23[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:47:56 ID:U8TCNAAUO
「なにお〜……まあ良い」
怒らずに結構余裕の春蘭。
「ならばなぜ、同じ軍師の風と稟は華琳様の贈り物を用意出来てるのだ?」
「ぐっ!!」
そうである、風と稟はちゃんとプレゼントを用意出来ている。
二人と桂花の違いはせいぜいある人物との接触が頻繁か消極的かで有る。
「知っているか、桂花?出所は知らんがそう言うのを最近では、“情報弱者”と言うらしいぞ」
出所は雪蓮である。
「情・報・弱・者……ですって……どうせ大方、秋蘭にでも教えてもらったくせに」
ちなみに正解である。
「でなきゃ知らなかったくせに。言うに事欠いて情報弱者ですって、魏の筆頭軍師たる私を天然馬鹿で脳筋春蘭に情報弱者呼ばわり!!キィー!覚えてなさい後で吠え面かかせてやるから!!」
余程余裕が無かったのか、半ベソをかきながらお約束な捨て台詞を吐いて大広間を出ていく桂花。
「桂花……」
「フハハハ。策士、策に溺れるとはこの事だ」
「それは、違うぞ姉者」
「さあ、華琳様。あんな情報弱者は、ほって置いて私の贈り物を♪」
へたをすると人生初の桂花を口で言い負かせた事が、余程嬉しかったのか妹の台詞すら聞こえてないらしい、凄く上機嫌の春蘭だった。
914 名前:クリスマス・イブ24[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:50:35 ID:U8TCNAAUO
ちょっとした騒動は有ったものの、ほぼ無事にクリスマス・イブのパーティーも締めに近づき始めたころ。
「誰か、あの宿り木試そうって猛者は居ないの?」
と、先程設置された大広間の金の実の宿り木を指差す雪蓮。
内心で呉以外の皆が。
「(居るかボケェ!)」
と思ってると。
「ここにいるゅりよ〜」
「え?タンポ!?桃香様!」
「ここにいるゅりよ〜。ごしゅしんさまとちゅ〜する。あ!アハハハ、ごしゅしんさまが二人いりゅ〜」
「ふぅ」
と、溜め息の愛紗。
「桃香様は完全に“酔っぱらっていらっしゃる”な、誰か適任は…翠?」
「なんら〜あいしゃ〜」
「こいつも酔っぱらいか!星頼めるか?」
「う〜ぬ、しかし愛紗よ」
「なんだ星」
「なぜ桃香様の接吻を阻止するのだ。本人がしたいと言っているのだ、させてやればよいではないか」
「なっ!この様な皆の前でしかも酔っぱらった状態で、我が主の恥ずかしい姿を晒せと言うか!」
「なぜ、そう捉える?“我が主達の美しい愛を見せる”と考えれぬのか」
「出来るか!よもや星よ、お主も酔っているのか?」

「酒を飲めば酔うのが道理。しかし、この趙子竜、酒に飲まれる事はないぞ」
915 名前:クリスマス・イブ25[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:53:21 ID:U8TCNAAUO
「こやつもか」
「飲まれてはおらぬから安心せい。だが愛紗よ、そこまで言うならなぜお主自身が桃香様を運ばぬ?」
「私が居なくなったら本当の無礼講になるだろう!他国の重鎮達の前で何処まで恥を晒すつもりだ」
「ほほう、華琳殿や近々次期王になると噂の蓮華殿は静寂の方を好まれるとの話だ、あの貫禄有る二人の醸し出す雰囲気を無視してまで皆が騒ぐと?」
「ぬぬぬ」
「他に理由があるのでわ?もしや愛紗よ!お主がご主人様との接吻を!?」
「もうよい!!私が連れて行く!星よ、先程の台詞に責任を取ってもらうぞ。私がいない間に何か有ったら……分かってるだろうな」
「肝に銘じておこう」
「行きますよ桃香様」
「やだ〜、ごしゅしんさまとまだ、ちゅ〜してない〜」
「行・き・ま・す・よ!桃香様!」
桃香を肩に担ぐと大広間から姿を消した。
「何を躍起になってるのだ愛紗わ?」
「あらあら、星ちゃんが煽るからでしょう」
「別にあの程度、煽った内に入りませんぞ。紫苑よ」
「また、星ちゃんも素直じゃあないんだから」
その内に本当にクリスマス・イブパーティーが終了した。
そして多くの者が狩人に変貌する。
“さあ、狩りの時間だ”だと。
916 名前:クリスマス・イブ26※注微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:57:07 ID:U8TCNAAUO
先ずは物を探す、次に捕獲の方法を算段をする者が続出。
然り気無く誘うか無理矢理か?考えていたがイブの日は徘徊していた者のほとんどが空振りに終わった。
それは相手が一刀だった者ばかりだったが。
◇ ◇ ◇
◆詠の場合◆
「あ〜もう今日は疲れた」
お風呂をいただいて部屋に帰ってくるなり文句を垂れる詠。
「お疲れ様、詠ちゃん。今、お茶入れるね」
「う〜ありがとう、月〜」
ついつい二人きりだと、月に甘えてしまう詠。
しかし、今日は粗方満足だった。
月に贈り物を送れたし、贈り物もされた。
ただ一つ不満が有れば、あのち●こ野郎に月の贈り物が渡った事だろう。
だが、それに文句を言ってはバチが当たるというもの、大人の態様をしようと決めた詠は黙っていた。
「はい、詠ちゃん」
「ありがとう、月」
二人きりの平和なお茶の時間がゆっくり過ぎて、早寝早起きの二人に就寝の時間が迫った。
「じゃあ、片付けてくるね」
「ごめん〜、お願いね。月〜」
いつもなら詠が所定の位置に運び。朝、月が食器を洗うのだが、この日は本当に疲れてたのか月に任せてしまう。
ボスン☆
寝台に仰向けに倒れる詠、視線が上を向くと。
917 名前:クリスマス・イブ27※注微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 19:59:17 ID:U8TCNAAUO
???
そこに知っている物がぶら下がっていたが理解できていなかった。動かない頭をなんとか動かして考える。
「(…………☆!)」
それが宿り木だと理解した瞬間、叫びながら飛び起きそうになったのを必死に堪え、詠はただ飛び起きた!
「どうしたの詠ちゃん?」
「何でもない、虫にちょっと驚いただけ」
「害虫で無きゃ、逃がしてあげようね」
その台詞に月は優しいな〜と呆けたのも一瞬。
「(ハッ!呆けてる場合じゃない!あれをなんとかしないと、絶対あのち●こ野郎が私の月にキスをする…そしたら絶対にキスだけじゃあ済まなくなる〜)」
寝ぼけてた頭は既に覚醒して、目は軍師・賈文和に変貌していた。
「(落ち着くのよ詠、冷静に、やれば出来る子なんだから」
自分に自分で言い聞かせている。
…………!
「そうよあんなの燃やしちゃえば良いのよ!けれど今は月に気取られるから、明日朝一番に引っ剥がして燃やしちゃえば良いのよ!
 あれを設置したのは恐らく雪蓮、絶対明日朝一…二番に文句言ってやるんだから!)」
「お待たせ詠ちゃん、じゃあ寝よっか」
「そうね月。寝ましょう、寝ましょう」

様子が変だなと思いながらも床に近づく月。
918 名前:クリスマス・イブ28※注微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 20:01:08 ID:U8TCNAAUO
明日の朝、宿り木を処分して雪蓮に文句を言う。
冷静な自分が考えた、完璧なはずの作戦は全然完璧でもなく、本人が全く冷静では無かった。
「はふぅ」
詠に続いて寝台に仰向けになった月。
息の音しらしない、暫しの静寂後。
「詠ちゃん、あれって?」
もちろん月が指差すのは宿り木。
「(…………しまった〜!ここには月も寝るんだから見つけるのは当たり前じゃない!バカバカバカバカ私のバカ〜)」
後悔先に立たず、自己嫌悪に陥っていると。
「詠ちゃん」
ドキンッ☆
この時ばかりは心臓に悪い呼び掛けが来る。
「な・何、月」
本人は知らないが轢き吊った凄い顔で返事する、幸いにお互いに天井の宿り木を見ている為に美人台無しな顔は見られてない。
「あの……その…ね…キス、したい?」
「な・な・な・何?」
言葉は分かるが理解が出来ず、思わず聞き返す。
「詠ちゃん、私とキスしたい?」
したい!と即答したいが出来るはずもなく質問を質問で返す。
「どうしたの月?」
「あのね、ご主人様とは、よくキスするけど…詠ちゃんとキスを…二人きりでキスした事なんてないから……その」
「月?」
919 名前:クリスマス・イブ29※注微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 20:03:32 ID:U8TCNAAUO
「詠ちゃん。私はご主人様と詠ちゃん、どっちも同じ位大事だよ。どっちかなんて選べない位にどっちも大事。詠ちゃんの気持ちも薄々気付いてた。
 だからもし詠ちゃんがキスしたいなら私は拒まないよ、だって詠ちゃんがしたいなら私もしたいから」
「月、本当にいいの?」
その言葉に立ち上がる月、否定された!と考えた詠を裏切るように宿り木の木の実を取った。
「詠ちゃん、これが私の答え」
「月」
再び寝台に寝そべる月、だが今度はお互いに向き合っている。
「チュ…」
先ずはお互いの唇が軽く触れる程度、暫くそれが続くが。
ペロッ☆
「月!」
突然、詠が驚いた声を上げる。月が詠の下唇を舐めたからだ。
「詠ちゃん。こんな機会、へたをすればもう一生無いかもよ」
ペロッ☆
今度は上唇を舐める、すると詠も下を出してきてお互いの舌の先っちょをチロチロと舐める。
ピチャ・ピチャッ・ピチャ。
「ン、チュ…ペロッ…」
軽く、本当に軽い。
普段、一刀とするディープキスと比べれば児戯にも等しいものだが、今の二人にとっては今まで一刀としたどのキスよりも深く甘いものだった。
920 名前:クリスマス・イブ30※注微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 20:05:50 ID:U8TCNAAUO
ペロッ☆
「詠ちゃん大好きだよ…」
「月…今だけは私だけの月」
ピチャ、ピチャ。
長く長いキスが続く、永遠に続くのではないかと思ったこの出来事も終焉を迎える。
「詠ちゃん、なんだか私変なの。ご主人様に抱かれてる時と同じなの」
「月、私も同じよ。あのバカに抱かれてる時と同じ。月…月!」
「詠ちゃん!」
「「んっ!!」」
二人は同時に軽く果てた。
「ハァハァ……月、平気?」
「……平気だよ、詠ちゃんは?」
「私も平気………処で、月………私、イッちったみたい」
「詠ちゃん………実は私も」
お互い顔を赤らめ無言の二人。
「どうする月、着替えようか?」
「ううん、そこまで汚れてないし……今は詠ちゃんとこうしていたい」
詠の胸に抱きつく月、詠も直ぐ様月のを頭を抱え込む。
この事態に再び思考回路が落ちかけたが、“こんな素晴らしい状態を一時でも一瞬でも意識を手放す事など出来るか!”と、気合いで踏み止まり状態・感触を脳裏に焼き付けながら堪能する詠。
さっきとは裏腹に雪蓮に感謝しつつ眠り着く詠と普通に幸せな月だった。
◇ ◇ ◇
921 名前:クリスマス・イブ31※注微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 20:08:59 ID:U8TCNAAUO
◆音々音の場合◆
「恋殿〜、お茶菓子を持って参りました。お茶に致しましょう」
知らない人が見たら、何時から大皿いっぱいの肉マンがお茶菓子に成ったんだと言う兼ねない光景だ。
モグモグモグモグモグモグ、モグモグモグモグモグモグ…
時折、ねねが話し掛け恋がうなずく。
後は、ねねがひたすら恋の食事を眺める状態が続く。
ふと、気付くと。動く手首にキラリと光る貴金属。
「恋殿〜!早速着けてくれたのですか〜」
嬉しさのあまり、号泣するねね。
それはねねから恋にへのクリスマスプレゼントだった。
燃える様な髪、深紅の牙門旗から連想して紅蓮の炎を連想したブレスレット。
プレゼントに困ってたねねに知恵を与えたのがアイツなのが幾分気に食わないらしい。
が、ブレスレットが似合っているので不問とした。
「ワフゥ〜」
ねね的にそろそろお眠の時間らしく、大きなアクビ。
少し眠気を飛ばそうと伸びをすると自然と視線が天井に。
次の瞬間。
「なんですと〜」
「……ねね?」
「な・なんでも無いのです」
しかし、視線がチラホラ天井に。
「……ああ、あれ。部屋に帰って来たら始めから有った」
922 名前:クリスマス・イブ32※注微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 20:14:26 ID:U8TCNAAUO
「マズイ、マズイですぞ。早くあれをなんとかしないと……恋殿がアイツの餌食に〜。考えるのです、考えるのです陳公台」
考える事を全部喋ってるので恋に筒抜けの状態。
「……ねね?」
「恋殿、暫しお待ちを。今、ねねが上策を練っておりまする」
「……ねね、ちゅうする」
「なんと、どうしてもあ奴と口づけをしたいと。おいたわしや〜(泣)」
「……違う、恋とねね。ちゅうする」
「やはりあ奴と…………なんですと〜!!」
「……この腕飾りのお礼、……ねねの気持ち知ってるから…お礼」
「恋殿〜」
恋に飛び付くねね、まるで母親に甘える子供である。
そして、いざキスをしようとするが自分からはどの様にすれば分からなく戸惑う。
すると、
「……ねね、じっとしてる」
「はい?」
チュ。
今、自分が恋からキスをされたと理解した瞬間、顔が真っ赤になる。
「れ・れ・れ・恋ど」
「ん……は、んん、ぴちゃ……んふぅっ」
ねねの動揺の台詞を遮ってキスを続ける。
長い長いキスの後、昇天してるねねと、
「……ご主人様とちょっと違う……でも悪くない」
一刀が聞いたらある意味複雑な気持ちになっただろう台詞を吐いた恋であった。
923 名前:クリスマス・イブ33※注微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 20:16:23 ID:U8TCNAAUO
◆流琉の場合◆
「秋蘭様、今日の料理凄かったですね」
やや興奮気味に話す流琉。
「うむ、流琉から聞いていた、“ケイキ”と言う物も聞いていた以上に美味しかったな」
「そうなんですよ、あれから更に腕を上げたのか私が覚えてる味より向上してるんですよ」
戦後復興に追われていた秋蘭と流琉に取って久しぶりの武将ではなく、女性として息抜きの様な会話に花を咲かす。
「あれ?」
「どうした、流琉」
「あそこにぶら下がっているのわ」
「ああ、あれか宿り木だ。どうやら雪蓮のイタズラらしい」
「あれが宿り木…」
「どうした、流琉。華琳様とでもしてみたいか?」
「あっ、やっ…」
顔を真っ赤にする流琉。
「図星か」
「……違います」
「なんだ季衣か?だがあまり勧めぬぞ、あれは幼なじみらしいが。正直、色気より食い気だからな」
「季衣なんかじゃあありません。大事な親友ですが、そういう対象じゃあありません」
「なら………ほほう、私か?」
その台詞に普通に戻りかけた顔がさっきより紅くなる。
「そうか、そうなのか。なら一つしてみるか、流琉?」
「ええ?」
924 名前:クリスマス・イブ34※注微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 20:19:13 ID:U8TCNAAUO
「んふ、ちゅ…んぅ…」
華琳直伝のキスを流琉に披露する秋蘭。
「どうした流琉」
「だって秋蘭様と…その口づけ出来たかと思うと……」
再びキスに入る二人。
「ん、ちゅぅ…ぺろ…ちゅぷ…」
流琉の胸に二つの突起物が現れ出す、見もせずに頃合いだけでそれに対し秋蘭の右手の人差し指が優しく摩ると。
「んんっ!…ふゅんはんはま…んっ!ん!」
突起がますます高くなっていく。
左手が流琉の下半身に伸びる。
スパッツらしき物には既に縦線のシミが出来ていた、シミの上部に左手の人差し指を添える。
まさぐりながら、敏感な位置を探りだす。
「んん!ん!ふゅんは!んはま!んん!」
明らかに普通と違う反応に目的の場所を探り当てた。
そこを衣服の上から丹念に・執拗に流琉の女性の象徴をなぶる。
ここでキスを一旦中止して流琉の顔を覗く秋蘭。
流琉の顔はトロケきっている。
「フフ、流琉は可愛いな」
「秋蘭さま……もう少しで…もう少しで…」
「わかった、最後までしてやろう」
指の動きを再開させる秋蘭。
「あぁ!秋蘭様、私、私!」
「よいぞ、イッテ」
言葉と同時に指の責める力を込めると。
プシュー!
925 名前:クリスマス・イブ35※微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 20:22:04 ID:U8TCNAAUO
スパッツらしき物を汚してしまって、力も抜けて椅子に座っていた秋蘭に向かい合って太ももに座る形になる。
「秋蘭さま〜」
「どうした流琉、止めるか?」
「………もっとしてください」
「なら、続きは寝台でだな」
「…………はい」
夜は更け行く。
◇ ◇ ◇
★例外?桂花の場合★
一刀と華琳が二人並び、雑談しながら廊下を歩く。
雑談とは言え内容は天の知識を応用した政策である、自然と真面目な雰囲気になる。
もう少し話を詰めたいと華琳の部屋に寄る事になり、扉を開けて部屋に入ると…………
人の身長ほどの高さのある白く塗られた木箱が置かれていた。
「これは何?」
素直な疑問を呟く華琳とは対照的な一刀。
「一刀はこれが何だか分かるの?」
「…多分、ほぼ間違いなく、桂花が入って居る…。さあ、判らないなあ!」
「…桂花が?…。あら一刀でも判らない事があるのね」
「…で、華琳が箱を開けると『華琳様、桂花丸ごと全てが華琳様へのくりすますプレゼントです〜☆』って、オチかな?マニアックだと裸にリボン?って処か…」
一刀の桂花の物真似が似ていて思わず笑いそうなのを堪える。
926 名前:クリスマス・イブ36※微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 20:23:46 ID:U8TCNAAUO
「…まにあっく?リボン?で、もし一刀、仮にあなたが開けたら?…」
「…その場で確実に刺し殺されるか、後日確実に呪い殺されるだろうよ。ちなみにリボンは箱の上の布の形があの状態の事。で、どうする華琳?…」
「…そうね、今は真面目に話がしたい気分だわ。桂花はほっときましょう…」
「怪しいな華琳、もしや刺客の罠か!」
「そうね、可能性が高いわね。“よ・も・や、桂花が入っているなんてある筈無いでしょうから”一刀、あなたの部屋に行きましょう。後は二人で……」
台詞が丸聞こえの桂花は。
「(華琳様!駄目です!そんな全身精液みたいな男の部屋になんて!しかし、今声を出したら私がここに居る事がバレてしまう。いや既にバレている!
 もしかしてこれがさっき雪蓮から仕入れた情報の一つ!放置ぷれいというやつでわ?…ハァハァ、華琳様があの精液と一緒に精液の部屋に行ってしまう
 しかし、声を出したら今の放置ぷれいが終わってしまう、ハァハァ……嗚呼、あぁ…)」
高揚とした顔をして、初放置プレイの方を取った桂花。
実際に裸にリボン待機で華琳が一刀の部屋から帰って来るまで箱の中で過ごす。
927 名前:クリスマス・イブ37※微エロ[] 投稿日:2009/12/25(金) 20:25:47 ID:U8TCNAAUO
部屋に帰って来た華琳が箱を開けると顔面蒼白、唇真紫の桂花が出てきた。
その後、直ぐに華琳による介抱が施される。
もちろん華琳のやり方である……結果、桂花にとって二重にご褒美になるのだった。
ちなみに華琳の部屋には宿り木は無かった事だけは明記しとこう、二人には関係の無かった事だが。

◇ ◇ ◇

「っと、いった具合が報告です。雪蓮様」
雪蓮に下げてた頭を上げて。今、口で説明した内容の報告書を手渡す明命。
「ご苦労様、良くやったわ明命。お疲れ」
「ですが雪蓮様、よろしいのですか?この様に覗き見る等は……」
「いいのよ、いいのよ。どうせ酒のツマミ程度にしかならないんだから…それに明命、あなたも勉強になったんじゃない?」
………………ボッ!
見てきた内容を思い出したのか、顔が一瞬で赤くなる。
「あら、図星?なら帰る前に一回は実戦しなきゃね」
!スッ…
「失礼します、雪蓮様…」
赤面した顔の赤だけを残すかの勢いで、しかし静粛に姿と気配を消した。
「もうウブなんだから、可愛いからいいけど。さてと報告書見ながらもう一杯♪」
夜は更けるがいずれ朝は来る。。
137 名前:一刀十三号曰く ◆MdZ3m.jCpw [] 投稿日:2009/12/28(月) 10:28:42 ID:qFWMuBK6O
「にゃー(風様?そろそろ足が痺れて来たのですが)」
「そうですね、では質問に答えてもらいましょう」
「にゃー(質問?)」
「はい、次に叩く予定の物語は?」
「にゃー(クリスマスですが)」
「……まあ、それはしょうが無いですね。その次は?」
「にゃー(新年)」
「それはまとめて言いなさいなのです。火力をアッ〜プ!」
「にゃー(火力?…あ!なんだがぽかぽかして来た♪)」
「その次は?」
「にゃー(バレンタイン&ホワイトデー<魏?バージョン>)」
「まあそれは認めましょう、その次は?」
「にゃー(双頭龍(後))」
「火力アップなのですよ!で、次は?」
「にゃー(リメイク?)」
「アップなのです!次!」
「にゃー(なんか熱くなって来た様な?ちょっと真・三教一致かな?なんて)」
「大幅に火力アップなのです!」
「にゃー(風様?なんか足元が大変な事に成ってる様な?)」
「成ってる様なではなく、成っているのです!バカ猫、三国アイドルはどうなっているのです」
「・・・」
「バカ猫?」
「・・・」
「また喋れない状態に成って仕舞いましたか?仕方ありません、しばらく待つとしますか。それでは皆さん〜またなのですよ〜」

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