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665 名前:翠曰く、[sage] 投稿日:2009/11/07(土) 01:16:20 ID:IzEQApnE0
悪夢に起こされた俺を優しく抱きしめてくれる嫁
674 名前:翠曰く、[sage] 投稿日:2009/11/07(土) 02:12:11 ID:IzEQApnE0
先刻悪夢に魘されて跳ね起きてから、翠が慰めてくれたので突発的に2レス桃香
何分遅い時間帯に書いたのでダラダラでグダグダな可能性大なのはあしからず!
675 名前:悪夢の夜に(1/2)[sage] 投稿日:2009/11/07(土) 02:13:42 ID:IzEQApnE0
「――はッ!?……夢か……」
月も星空に昇り切り草木も眠りに就いた刻、俺は一気に覚醒した。
額に流れるのは冷たい汗。身体も濡れてしまった様になってしまっている。
“何が恐かったのか、おぞましかった”のか分からない。
記憶のない悪夢。
だが、脳髄は嫌なモノを視たのだと身を以て証明していた。

――取り敢えずこの嫌な汗を拭こう。
そう思って寝台から立ち上がろうとした瞬間、
「ご主人様、どうしたんだッ!?」
翠が勢い良く扉を開け放ち、銀閃片手に大音声に叫んだ。
時間も時間、誰か来ると思ってなかった俺は身体を硬直させるも、翠はズンズンコッチに近付いて来る。
「何か叫び声が聞こえたんだぞ!?『うわあぁぁっ!』ってさ。だから駆け付けて来たんだけど……」
成る程、俺は叫んでいたのか。
そりゃ吃驚してすっ飛んで来るに決まってる……俺だってそうしただろうから。
俺が一人そうやって状況を理解している間に翠の方も分かったらしい。
物騒な雰囲気をしまって頬を掻きながら苦笑を浮かべていた。
「……ゴメン、俺叫んでたんだな」
「良いさ、ご主人様が無事だったならそれで……」
「夢見が悪かったみたいでさ、冷や汗もビッショリ」
大した事はないと肩を竦め、服を脱ぎ捨てて布を取って身体を拭き始める。
すると翠が躊躇いがちに手を伸ばし、背中を拭こうとしていた俺の手から布を取り上げた。
「……じ、自分じゃ、ちゃんと拭けない……だろっ?だから……っ」
そう言ってぎこちないながらも背中の汗を拭いてくれる翠に思わず笑みが零れる。
本当に不器用な娘だなぁ……と思うも、俺は何も言わずに背中を拭かれるに任せていた。

「――良し、終わり!」
軽く背中を叩いて終わった事を告げる翠はどうにかいつも通りに戻っていた。
最後の方は中々に手慣れた感じになってたからなぁ……。
「ウン、ありがとう……御蔭でスッキリしたよ、翠」
「い、良いって良いって。お礼なんて……あたしは背中拭いただけなんだから……」
そう言って両手を前に出してブンブン振りながら否定する顔は一気に真っ赤。
676 名前:悪夢の夜に(2/2)[sage] 投稿日:2009/11/07(土) 02:15:02 ID:IzEQApnE0
――本当、翠は可愛いなぁ。
「んじゃ、俺は寝直すとするかな……ゴメンな、翠。起しちゃってさ」
そう言って布団へ潜り込もうと翠に背を向ける。
正直眠れるか否かは分からないが、翠を心配させるだけだから口にする事はない。
翠も気にせず帰って行く筈――そう思っていた。
「……い、一緒に寝るよ、ご主人様っ」
服の裾を掴まれ、その言葉を聞くまでは。
「……え?」
「だから!一緒に寝るって……その、ご主人様が良かったら、だけど……」
顔を先刻よりも真っ赤にして俯き加減ではあるもののハッキリとそう言い切った。
「……良いけど。俺、もしかして顔に出てた?」
「何かいつもよりかご主人様の顔色悪い感じがしたから、さ」
「――ありがとう、翠」
「〜〜〜〜〜ッ、ほらっ、さっさと寝るぞ!」
言葉だけはぶっきらぼうに、だけど寝台に寝かせる手は優しい。
そして俺の頭を抱き、胸へとおずめさせて温もりを伝えてくれた。
「……あたしの心の臓が鳴る音を聞きながら、寝ると良いさ……ご主人様」
――トクンッ、トクンッ、トクンッ……。
少しだけ早い心臓の音が、耳に心地良く響く。
翠の心音が鳴る度に温もりが伝えられる気がして、早くも瞼が重くなって行く。
最後に感じたには髪を柔らかく梳く翠の指の感触と、落ち着いて行く心臓の音だけだった。



「…………」
「諦めよ、愛紗。今回は翠が一歩早かったのだからな」
「……分かっている!だがな星――!」
「大きな声を出すな、主が起きる……ほら、帰るぞ。やけ酒なら付き合ってやろうではないか」
「うぅっ……」
677 名前:翠曰く、[sage] 投稿日:2009/11/07(土) 02:16:20 ID:IzEQApnE0
以上!
さてさて、異常に目が覚めちまってもう寝れないなぁ……多分

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