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531 名前:稟曰く、[sage] 投稿日:2009/11/03(火) 03:09:09 ID:+KJw0TG+0
魏√個別EDの三つ目で、今回は桂花です

http://koihime.x0.com/bbs/ecobbs.cgi?dl=0439

季衣と凪はシリアス風味だったので今回は軽めの話にしてみました
まあ何となく桂花にシリアスは似合わないと言うイメージがあるので
やっぱり桂花は噛み付いてくるのを弄って涙目にしてニヤニヤ眺めたいキャラですし

次に書くとしたら秋蘭ですかね
その後は誰にしよう

あと例によって寄生虫の身なので、どなたか外史スレに転載して頂けるとありがたいです



 その日、長きに亘る戦乱が終わった。
 魏・呉・蜀の三国が手を携え、大陸の未来に向けて歩みだした記念すべき日。
 誰もがその顔に平和への喜びを浮かべているその日に、乱世終結の立役者である曹孟徳
は、憔悴しきった表情で彼女が信頼する諸将の前に姿を現しこう言った。
「北郷一刀は、天に還ったわ」
 
 華琳から事の顛末を聞いた彼女達の反応は様々だった。
「あぁぁぁの、莫迦者ぉぉぉぉっ!!我等に一言も無く居なくなるとは何事だぁっ!!」
「そうや!ウチと羅馬に行くいうん約束はどうしたっちゅうねん!?ホンマ、最悪の裏切
りやんかっ!」
「今回ばかりは私も姉者達と同意見だな。水臭いにも程がある」
 怒りを露わにする者。
「う……うぅ……隊長……、何故……自分達を、置いて……ひぐっ……うぐぅぅっ……」
「嘘やー!隊長居なくなったなんて、そんなん嘘やー!!びええぇぇぇん!!」
「うわぁぁぁん!たいちょー!戻って来てなのー!!うわああぁぁぁぁん!!」
「兄ちゃあああぁぁぁん!兄ちゃあああぁぁぁぁぁん!!」
「季衣、そんなに泣かないで。季衣に泣かれたら、私まで……ううっ、兄様ぁぁぁぁ!!」
 嘆き悲しむ者。
「確かに最近の一刀殿は急な体調不良など不可解な様子が見受けられましたが、まさかこ
のような事態になっていたとは」
「おそらくはお兄さん自身も薄々こうなると感付いていて、だからこそ華琳様以外には言
えずに居たんでしょうねー。そこが腹立たしくもありますが、お兄さんらしいとも言えま
すよねー」
 淡々と事実を受け止める者。
「そんな……一刀さん……?」
「ちょ、ちょっと、どう言う事なのよ!?ちぃ達にも分かるように説明してよ!」
「一刀どうしていないのー?お姉ちゃん、何が何だか分からないよー」
 事態を呑み込み切れずに戸惑う者。
 ただ彼女達に共通しているのは、一刀を失ったと言う哀しみだった。
 しかしそんな中で一人だけ──
「あははははは!」
 笑い声の主へ視線が集中する。
 桂花だった。
「あの莫迦が消えたですって?ああ、今日はなんて素晴らしい日なのかしら。華琳様の悲
願が達成された上に、あの変態までいなくなってくれるなんて」
 小躍りしそうなほどに喜色を浮かべる桂花に、注がれる視線が徐々に剣呑なものとなる。
「……桂花様、その言い様はあんまりだと思います」
「桂花!アンタ、言って良い事と悪い事があるんとちゃうんか!?」
「桂花ちゃん、酷いのー!」
 北郷隊の三人が真っ先に噛み付いた。
「桂花……」
「桂花さん……」
 季衣と流琉の年少組も恨めしそうに睨んでいる。
「何よ、アンタ達!そんなにあの変態が良かったって言うの!?」
「少しは華琳様のお心も察しろ」
 流石に普段冷静な秋蘭も眉を顰めて桂花を窘めた。
「フン!華琳様に付き纏う悪い虫が居なくなって結構な事じゃない!──アンタもそう思
うでしょ、春蘭?」
「わ、私か!?……い、いや、私は別に北郷など居なくても構わんが、華琳様や凪達の気
持ちを考えるとだな──」
「何や、惇ちゃん。自分も一刀の事が好きやって、はっきり言うたらええやん」
「なっ!?ば、莫迦な事を言うな!私はあんな奴の事など……。お前こそどうなのだ、霞。
北郷を好きなのはお前の方ではないのか?」
「ウチ?ウチは元々一刀の事、大好きやもーん。せやけど、そっか、春蘭は一刀の事、嫌
いやったんかぁ」
「だ、誰も嫌いとまでは言っておらん。あれで中々役に立つところはあるし、意外と優し
い面も持っているしだな……」
 後半はゴニョゴニョと小さな声で呟く様に反論する春蘭だった。
 そんな皆の様子に、桂花が不満を爆発させる。
「何なのよ、どいつもこいつも!そんなにあの種馬が良かったって言うの!?散々人の躰
を弄ぶだけ弄んで居なくなる様な生殖一代男が何だって言うのよ!大陸最強を誇る曹魏の
最高幹部達が揃いも揃って、一人の男の事でピィピィ泣き喚いている場合じゃないでしょ!
私達にはこれからやらなきゃならない事が沢山あるんだから!そんな大事な時に居なくな
る様な莫迦の事なんて、私は絶対認めてやらないんだから──っ!」
 言うだけ言うと、桂花は一目散にその場を駆け出した。
「あ、逃げよった」
「まあ、あれはあれで桂花ちゃんなりの哀しみ方なんでしょうねー」
「まったく素直ではないものです」
 軍師仲間は苦笑を浮かべていた。
「そこが可愛い所でもあるのだけれどね。けれど桂花の言う事はもっともだわ。私は魏の、
いえ大陸の覇王。メソメソしている暇など無いのだから。何時か──一刀が帰って来た時
に、この国がどれほど良くなったのか驚かせてあげましょう」
 そう言った華琳の顔は、王のそれに戻っていた。
 
 魏主導による三国鼎立時代が発足して暫く経ち、各地の混乱も収まってきた頃、洛陽の
城内をぶらついていた霞は、中庭の方に何やら動く物を見掛けて足を止めた。
「ん〜?」
 目を凝らすと、見慣れたネコ耳がピョコピョコ動いているのが見て取れた。
「なんや、桂花やんか。あんな場所で何しとるんや?」
 興味を惹かれて近寄っていく。
 後ろからそっと覗き込むと、桂花は一心不乱に穴を掘っていた。
「なぁなぁ、こないな穴、何に使うん?」
「うひゃあぁぁっ!?」
 後ろから声を掛けられた桂花が驚いて飛び上がり、その拍子に穴の中へ落ちてしまった。
「あり?おーい、桂花ー。大丈夫かー?」
 穴を覗き込んで声を掛けると、桂花は穴の底でお尻をさすっていた。
「あたた……。何よ、いきなり声なんか掛けないでよ!」
「ゴメンて。何しとるんか気になってもうてん」
「良いから早く助けなさいよ!」
 相変わらず偉そうな態度に苦笑しつつ、霞が手を伸ばす。
 桂花はその手に掴まってどうにか上へ這い上がった。
「ほんで桂花は何しとったんや?」
「そんなの見れば分かるでしょ?落とし穴を掘ってたに決まってるじゃない」
「……落とし穴ぁ?」
 霞が眉を顰める。
 桂花と穴を交互に見て、更に顔を顰めた。
「で?誰を落とすつもりなん?」
「そんなのアイツに決まってるでしょ」
 桂花がさも当然だと言う様な表情で答える。
「アイツ?春蘭?」
「何言ってんの?アイツって言ったら何度もこの私に屈辱を味わわせてくれたアイツよ。
北郷の莫迦に決まってるじゃない」
「一刀!?や、せやけど一刀はもう……」
「フン、いきなり居なくなったんならいきなり戻ってくる事だって考えられるでしょ?そ
の時こそこの落とし穴で恐怖のどん底に突き落として泣かせてやるんだから!」
 メラメラと音がしそうなほどに燃えている桂花だった。
 
「桂花ー、これかー?」
 春蘭が数冊の本を掲げて桂花に見せた。
 書架の陰から顔を覗かせた桂花の眦がみるみる吊り上がっていく。
「それじゃないわよ!アンタ、私の話を聞いてたの!?」
 プリプリと肩を怒らせながら詰め寄ると、桂花は春蘭の手から本を取り上げた。
 それを棚に戻しながら、その隣の棚を指差して怒鳴る。
「何よ、目の前にあるじゃない!アンタの目は節穴!?悪いのは頭だけじゃなくて、目も
悪かったの!?」
「な、何だとぅ!?貴様、人に手伝わせておいてその言い草はなんだ!」
「華琳様の命令だって言ったらアンタが勝手に付いて来たんでしょうが!」
「貴様があざとく華琳様のご機嫌を取ろうとしていたからだろうが!一人だけ華琳様に褒
めてもらおうだなんて、相変わらず姑息な真似をする奴め!」
「あ、アンタねぇ……!」
「二人ともその辺にしておけ。華琳様がお待ちなのだろう?」
 そこへ秋蘭が割って入った。
 桂花と春蘭が連れ立って書庫へ行くと知り、こうなる事を見越して自分も加わったのだ。
「秋蘭、しかし桂花が──」
「何よ、アンタが──」
「姉者!桂花!」
「お、おう……」
「わ、分かったわよ……」
 秋蘭に一喝されて、不承不承二人が引き下がる。
 その後はどうにか作業も進み、三人は目的の書物を持って華琳の下へと向かっていた。
「それにしてもお前、これはあまりに不公平ではないのか?」
 春蘭が前を歩く桂花に向かって口を尖らせて言った。
 春蘭の手には前が見えないくらいに大量の書簡が積み込まれている。
 一方の桂花は殆ど手ぶらに近い状態だった。
「フン、アンタは本探しで全然役に立たなかったんだから、荷物持ちくらいしなさいよ。
どうせ馬鹿力くらいしか使い道がないんだし」
「な、何だとぅ!?」
「良いから黙って歩きなさいよ!。私の言う事をちゃんと聞くなら、奴隷二号として一生
こき使ってあげても良いんだから」
「だ、誰が貴様の奴隷になぞなるか!私は常に華琳様の愛の奴隷だ!」
「な、何恥ずかしい事を言ってんの!?」
「当然の事を口にしたまでだ!この夏侯元譲、華琳様の御為とあらば○○○だろうが××
××だろうが幾らでも──」
「あ、アンタこんな場所で何を言い出すのよ!?本当に莫迦じゃないの!?いえ、莫迦な
のは分かりきっていたけど、もっとマシな莫迦だと思っていたわ」
「き、貴様ぁっ!私の華琳様への愛を愚弄するか!」
「アンタのは肉欲でしょうが!」
「なあ、桂花。姉者が二号と言う事は、一号は既に居るのか?」
 再びヒートアップしてきた二人の間に、秋蘭が唐突に口を挟んだ。
「秋蘭〜、今問題なのはそんな所では──」
「一号は今の所欠番よ」
 春蘭の言葉を遮り、桂花が苛立たしそうに答えた。
「ほう?」
「ま、戻って来たら死ぬまでこき使って、私に対して行った数々の無礼を心の底から後悔
させてあげるんだから」
「桂花、お前は何を言っておるのだ?」
「アンタは良いから大人しく荷物を持って付いてくれば良いのよ!」
 そう言うと桂花は不機嫌そうにスタスタと歩き出した。
「お、おい、待て、桂花!」
 その後を春蘭が慌てて追いかける。
「なるほど。素直ではない、か」
 その様子を見ながら、秋蘭は一人苦笑を浮かべるのだった。
 
 その日、桂花は華琳の部屋の整理をしていた。
 当然華琳付きの侍女と言う者も居るのだが、桂花は時々彼女に部屋の片付けを代わって
貰っていたのだ。
 華琳もその事には気付いていたが、桂花が片付けた後の部屋は使い易く、政務も捗る為
に黙認していた。
 ごく稀に下着の並びが代わっていたり椅子に匂いが付いていたりするのは、片付け賃の
代わりとして見過ごしてやっている。
「あら、これは……?」
 桂花は寝台の下に一冊の本が落ちているのを見つけた。
 まるでそこへ隠すかの様に置いてある本に、桂花の好奇心が擽られた。
「これは確かあるばむ≠ニ言う奴ね。真桜のかめら≠ナ撮った写真≠ェ貼られてい
る本だわ」
 以前、一刀が説明していた事を思い出す。
 おもむろに表紙を捲ると、そこには数枚の写真が貼られていた。
 それらの全てに華琳が写っている。
「ああ、華琳様ぁ……写真になってもお美しい……」
 うっとりしながら頁を捲り続ける桂花だったが、ある写真を目に止めてその手を止めた。
「こ、これは……!」
 それは二人で写る一刀と華琳の写真だった。
「あ、あの男ぉ……!この私だって華琳様と一緒に写ってないのに!」
 更には桂花以外の全員で写る集合写真もあった。
「何よ、これ!私を除け者にして華琳様に取り入るなんて、何処まで卑劣な男なの!?」
 誘われたのに『アンタの世界にあった得体の知れない物の前に姿を晒すなんて真っ平ご
めんだわ!』等と言って断ったのはすっかり忘れ去っている。
 写真の中で微笑む一刀の姿を見ていると、無性に腹立たしくなるのを桂花は感じていた。
「北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!」
 写真を抜き取って床に置くと、アルバムで一刀の顔の辺りにバンバンと叩きつける。
「北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の
莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北
郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!
北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫
迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷
の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!
北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦!北郷の莫迦ぁっ!…………グスン」

「──と言う事があったのよ」
 華琳が桂花の首筋に舌を這わせながら妖艶に微笑んで言った。
「へぇ、桂花も寂しがってくれてたなんて意外だな」
「だ、誰が、あぁっ、アンタの事、んく、なん、かっ!あぁん!……ハァハァ……だ、大
体、還った、んじゃ、なか、ぁっ、たの!?な、にぃ、んんっ、脈絡もなく、ぅん、戻っ
て、来てる、んのよぉっ!」
 桂花が快楽に喘ぎながらも必死に罵倒する。
 罵られながらも彼女を攻めているのは、この世界から消えた筈の一刀だった。
 ある時ひょっこり戻って来た一刀だったが、その理由は本人にも不明だと言う。
 ただ再会してからはそれまでの時間を取り戻すかのように、彼の愛する少女達と睦み合
う日々だったが、桂花だけは頑なにそれを拒んでいた。
 しかし今日、彼女は些細な失態を犯してしまい、そのお仕置きとして二人に弄ばれる事
となってしまったのだった。
「ほら、素直になりなさい、桂花。口では何と言っても、躰が何時も以上に喜んでいるの
は隠しようが無いのだから。──ほら、こんなに」
 華琳が二人の結合部に指を這わせると、桂花が溢れさせた淫蜜がべっとりと纏わりつい
ていた。
「さ、あなたのもので汚れてしまったのだから、あなたが舐めて綺麗にするのよ」
 言いながら華琳は濡れた指を、桂花の口の中に突っ込んだ。
「か、華琳ふぁまぁ……。ん、ちゅ……ぺろ……ちゅぱ、じゅる……」
 まるでフェラチオをするかの様に、ねっとりした舌使いで自らの愛液を舐め取る。
 その淫靡な光景に、一刀の剛直が大きさを増した。
「ん!?ん、ちゅる、んぐ、ぴちゃ……ぷはっ!な、何勝手に大きくしてんのよ!?」
「だって、お前がそんないやらしい顔するから」
「誰がアンタに私の顔を見る事を許可したのよ!?」
「あら、私が許したのではいけなかったかしら?」
「そ、そんな、華琳様ぁ……ぁあん!?こ、こら、動く、なぁっ!あ、や、やめ、あぁん、
ダメ、ってぇ、んん、あぁぁっ!」
 一刀の腰の速度が上がるにつれて、桂花の喘ぎも高くなっていく。
「あ、あ、や、らめ、らめぇ、なのぉ、あん、そこはぁ、んくぅん、あ、あ、あ、はぁん、
や、激し、あ、待ち、なさいって、あぁん!」
「うっ……く、桂花、そろそろ……。このまま、良いよな……?」
「なっ!?ちょ、ちょっと、そんなぁ、ん、良い訳、無いっ、でしょ!?嫌、よ、んんっ、
中、なんて、あん、許さ、ない、ん、だか、らぁん!」
「良いわ、一刀。思い切り桂花の中に出してあげなさい」
「華琳様っ!?お、お許し、あ、あ、やめ、抜いて、や、や、あぁ、くふぅん、あぁん」
 桂花は必死に頸を振って華琳を見つめるが、それは彼女の嗜虐心を煽るだけだった。
 やがて桂花にも絶頂が近付いてくる。
「や、嫌、あ、は、あぁん、あ、んく、くふぅん、ん、ん、ん、ん──」
「け、桂花……っ!」
「やめ、やめて!ん、ん、あ、アンタ、アンタなんかぁ、あ、あ、あ、あ──」
「桂花、桂花ぁっ!!」
 遂に限界を迎えた一刀が、腰を桂花の奥深くまで突き入れ、全てを開放する。
「あぁっ!?」
 胎内で熱い物が弾けるのを感じ、同時に桂花も全身を突っ張らせた。
「アンタなんか死んじゃえば良いのよぉぉぉぉ────っ!!」
 桂花の絶頂を示す罵声が、城内に響き渡ったのだった。

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