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463 名前:風鈴 ◆VOACf8e.7. [sage] 投稿日:2009/11/02(月) 03:20:06 ID:2o9lFREw0
──真√──

真・恋姫†無双 外史
北郷新勢力ルート:Interlude9


遅すぎた肌色。
外史設定みたいなのをチラッと。


・オリジナルルートの為、登場人物同士の呼び合い方が、原作とは異なるものがあります。
  例)風→一刀=原作:お兄さん・本作:ご主人様
    ※独自の呼び方は作者の勝手なイメージです。
・当作品では、『天の御遣い』と言う名の持つ影響力は、原作より強くなっています。
・本作において、拠点はすべて個別になります。
  例)張三姉妹→人和  北郷隊三羽烏→凪
・本作はご都合主義で出来ています。
・オリキャラ(管輅)あり。


いつも以上に短いですが、3レスほどとりあえず置いておきますね。
464 名前:真√:Interlude9 1/3[sage] 投稿日:2009/11/02(月) 03:21:01 ID:2o9lFREw0
 明けの空に白い白い流星が流れた。
 既に空も白み、星もその姿を隠そうとする時において尚、眼に映えるほど白いその流星は、
漢中と長安、天水を結ぶ地である五丈原に落ちた。
 ズドンッと言う激しい音と共に立ち上がる土煙。そしてそれが晴れた時、そこにあったのは──
流星ではなく、一人の大柄な人間であった。
 眼も覚める様なピンクのパンツ“だけ”に身を包み、禿頭に、丁度もみ上げの辺りだけの髪を残して編みこんだ、
筋骨隆々な偉丈夫である。

「ここに……」

 流星と共に現れた人物が呟く。

「ここにいらっしゃるのね、ご主人様!!やっと逢えるわ!!」

 その声音は、正に恋する乙女のそれであった。
 そんな彼……女が今正に動き出さんとしたその時、不意にその背後に人の気配が生まれる。
「いらっしゃい、貂蝉。お久しぶりですね。あなたにしては来るのが遅かった様ですが」
 まるで、初めからそこにあったかの様に振舞うその気配の主に、貂蝉と呼ばれた彼……女は、
親しげな笑みを浮かべて振り返った。
「ええ、本当に久しぶりね、管輅。
 私は主に『正史より生まれた外史』ばかり探していたから……『この外史』は盲点だったわぁ。
 でも考えてみれば、ご主人様がここにいらっしゃるのは必定と言えるのよね。
 この……『外史より生まれた外史』に」
「ええ。他の、存在と消滅……相反する行く末のどちらをも望む『正史より生まれた外史』と違い、
この『外史より生まれた外史』は、存在することのみを望んでいますから。
 そしてその為には、彼の存在は必要不可欠……だからこそ、この外史に私が呼ばれ、私が彼を呼んだのですけれど」
 管輅の言葉に、貂蝉は同意するように頷くと、
「ええ。それに気付いてからは、この外史を見つけるのはすぐだったけれど……間に合って良かったわ。
 ところで、あの二人……左慈と干吉は来ていないのね?」
 そう確認するように訊く貂蝉へ、管輅は静かに頷いた。
465 名前:真√:Interlude9 2/3[sage] 投稿日:2009/11/02(月) 03:21:50 ID:2o9lFREw0
「はい。彼ら『否定による管理者』にとっては、既に存在することを肯定している外史など、意味はありませんから」
 管輅の答えに、貂蝉は安堵の笑みを浮かべる。
「ところで……この外史は今どんな流れになっているのかしら?」
 貂蝉に問われた管輅は、これまでの一刀の歩みを順を追って説明していった。
 この地に降り立ってよりすぐ、風たちに会い、そのまま着いていった事。
 その道中、風と稟を配下にし、旅に出た事。
 義勇軍を募りつつ、黄巾の乱を駆け抜けた事。
 漢中太守になり、反董卓連合へと参加し、最終的には月達全員を仲間にした事。
 涼州連合に請われ、攻めてきた曹操を打ち破った後、その地を治めるに至った事。
 そして、『陽』と言う国を建てた事。
 最初の段階から顔を曇らせたものの、その後は静かに推移を聴いていた貂蝉であったが、
最後の『国を建てた』と言う所でその表情をさらに険しい物とした。
「そう……正史のみならず、『元となった外史群』からもさらに逸脱した流れになっているのね……。
 この外史が在る為には、ご主人様の存在が必要。でもそのご主人様が流れを乱す要因となっている……。
 この分だと、最終的に返って来る反動は凄い物になりそうだけど。……ご主人様、大丈夫かしら?」
「……一応、抑止として『予言』は行いましたが……今の流れに、私の力がどこまで通用するものか……」
「何にせよ、あとはご主人様が如何に『縁』を強める事ができるか……それに懸かっていると言う事ね」
 貂蝉の言葉に、管輅は厳しい顔で頷きつつも、直にその表情を緩める。
「ええ。……ですが、正直に言えば『縁』に関しては……私は然程心配していません。
 何といっても、彼は『北郷一刀』。恋姫達に愛される、百花の王。
 彼と恋姫達との絆の強さは……貴女の方が良く解っているでしょう、貂蝉?」
 そう言われた貂蝉は、北郷一刀とその周りに居るであろう人物達を思い浮かべ、管輅と同じように表情を緩めた。
「まさしくその通りね。……それじゃ、私もご主人様との『縁』を深めに行こうかしら。
 では管輅、また後にね。
 ……ご主人様、貴方の貂蝉が今行くわよん!!」
 彼女の返事を待つことなく走り去っていく貂蝉を見送りながら、管輅は一人思う。
 願わくば、彼と彼女達に幸多からんことを、と。
466 名前:真√:Interlude9 3/3[sage] 投稿日:2009/11/02(月) 03:22:18 ID:2o9lFREw0

                      ◇◆◇


 ──ゾクリとした。
 
 涼州戦後、何だかんだで伸びていた月の実家帰りを、天水の城下視察を兼ねて行っていた一刀は、
不意にそんな間隔を覚え、思わず護衛として付いて来、隣を歩いていた星の手を握った。
 ──ちなみに、現在別行動の月達には、華雄が着いている。
 一方で、いきなり手を握られた星は満更でも無い様子で、
「いきなり手を握るなど……いかがなされたのかな?」
 等と訊いたのだが、一刀の様子が若干普通では無く──どことなく青ざめ、周囲をうかがうように見回している──
訝しげな顔をした。
「いや……今何か物凄い悪寒がしてな……恐ろしいナニカに狙われている様な……」
 そんな一刀の言葉に「ふむ」と頷くと、星は注意深く周囲の様子を伺い、
「……私には異常は無いような気はしますが……安心なされよ。何が来ようとも、主の身は私が必ず守ります故」
 そう言って、安心させるように微笑みかける星。
「それにしても……悪寒がしたと言って手を握るなど……まるでか弱い女子のようですな」
「なっ!……ああ、すまんっ」
「はははっ!私は別にあのままでも一向に構いませぬのに」
 そして、からかう様に言われて慌てる様を楽しげに見やるのだった。


 ──そんな一刀の悪寒が当たって居た事を知るのは、もう少し後の話。
467 名前:風鈴 ◆VOACf8e.7. [sage] 投稿日:2009/11/02(月) 03:25:19 ID:2o9lFREw0
以上、お眼汚し失礼。

※外史スレ規制、及びUP板は半角英数不可なのでこちらへ。
転載はめんどくさーでしょうから、避難所に何かありやがったよーとでも書いてくれると嬉しいかも。

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