- 691 名前:鬼畜王文台 ◆C6nfqQUYs. [sage] 投稿日:2009/09/20(日) 00:11:57 ID:M7s6lTmw0
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初投稿の新参です。
孫堅ママが登場します。
0時30分より投稿開始。
〜〜 鬼畜王文台 蘇りし虎は曹魏を食らう 〜〜
*お約束
孫堅ママの真名は当方オリジナルです。
アニメや書籍等では明記されているのかもしれませんが、
とてもじゃないがそこまでチェックできる余裕は無いのでご勘弁を。
もしご存知の方がおられましたらご指摘くだされば次回より改めます。
また。第六章よりの分岐なので、開始の表記は第六章、七章、八章…と続きます。
- 696 名前:1[sage] 投稿日:2009/09/20(日) 00:30:58 ID:M7s6lTmw0
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第六章
蓮華「姉様っ!」
小蓮「お姉ちゃんっ!」
雪蓮「はは……もう…時間が無いみたい……」
一刀「雪蓮……!」
雪蓮「一刀……楽しい……日々、だった、ね……」
一刀「ああ……楽しかったよな……! 酒飲んで起こられたり、釣りしたり……!
でもさ、雪蓮! 俺はもっともっとお前と居たかった! もっと楽しく、笑いあっていたかった!
なのに……どうしてだよ! なんで……なんで死んじゃうんだよ!」
雪蓮「人は、いつか死ぬもの……私、幸せだよ……楽しかったこと、思い浮かべて……
死んで、いけるから」
雪蓮「さよ、なら……かず、と…・・・あなたにあえて―――」
そのとき、天空の彼方より一陣の流星が煌き…
音も無く、地に降り立った。
- 697 名前:2[sage] 投稿日:2009/09/20(日) 00:32:41 ID:M7s6lTmw0
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???『まったく、しっかりおしよ。あんな矢が一本ぶっ刺さったくらいで
ポックリおっ死んでどうするのさ、この馬鹿娘』
蓮華「っ!?」
冥琳「誰だっ!?我らが王の死に際を侮辱するような不届き者は!!」
???「“誰だ”だって? 冥琳、お前さん、自分が仕えていた王の声も忘れちまったのかい?」
雪蓮「……その、声……ま……さか……?」
冥琳「北郷、後ろだ! お前の後ろに誰かいるぞっ!!」
一刀「なっ!!?」
俺は冥琳に言われ、あわてて後ろを振り返った。
そこには、小山のように馬鹿でかい白虎に跨った、蓮華や雪蓮によく似た、
孫家の者と思わしき一人の女性がいた。
そしてその女性は、その場にいる者たち全てを竦み上がらせんが如くの威圧感で
冥琳と雪蓮をにらみ付けていた。
- 698 名前:3[sage] 投稿日:2009/09/20(日) 00:34:16 ID:M7s6lTmw0
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小蓮「もしかして…お母様っ!?」
蓮華「母様!? どうしてっ…!!?」
その姿を見るや、真っ先に口を開いたのは意外にもシャオだった。
おそらく、目の前の人物が自分の母親であることを生まれ持った本能で認識しているのだろう。
しかし、シャオたち三人の母親となると……?
雪蓮「かあ……さま……なん……で?」
???「おっと、いろいろ聞きたいだろうがしゃべるのは後におし。
今はその体を治さなくちゃならんからね。
迅雷(じんらい)、いい子だからちょっとの間、おとなしくしてな…ほらよっ!!」
そう言うが否や彼女は、乗っていた虎から降りると瀕死の雪蓮をいきなり片手でつかみあげ、
背中の中央付近になんと手刀を浴びせ始めた。とたんに雪蓮の口から、
大量の血があふれ出る。
雪蓮「お…!? ぐぇっ! げはっ!! がはぁっ!!」
冥琳「文台様、何をっ!?」
一刀「よせ、やめろ!! 何をやってるんだ、あんたは……!?」
雪蓮「げほっ!! ぐほっ!! ぐぇ…!!」
蓮華「おやめください母様! 姉様はもう…!!」
小蓮「お姉ちゃん……!!」
文台「心配要らないよ。ほれ、もう立てるだろ、雪蓮?」
- 699 名前:4[sage] 投稿日:2009/09/20(日) 00:36:07 ID:M7s6lTmw0
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雪蓮「げほっげほっ……ふっ、相変わ…らず、やることがエッグイわね。
まったく、地獄の奥底からあたしを死の国にでも引きずり込むつもり? この亡霊」
文台「ふん、何を言うかと思えば。助けてやっただけありがたいと思いな、馬鹿娘。
こっちが眠ってる目の前であんなヘマぶっこいて、
このあたしの二の舞になるんじゃないよ、孫呉の恥と思いな。
ったく、おちおち自分の墓場で眠れやしないってもんだよ。
それからあたしゃ亡霊なんかじゃないよ。ちゃんともう一度、この世に生を受けた身さ」
一刀「お、おい雪蓮…本当に大丈夫なのか?
というか、墓場って??」
雪蓮「…もう平気よ。今の母様のあれはね、私の体に一時的に活を入れてくれたの。
もっとも、すぐに医者にかからないと、また危ないでしょうね
積もる話もあるから、医者に診て貰うついでに後で色々と聞いておきましょう、
こ の 鬼 畜 に ね」
文台「おや、せっかく命を拾ってやったのに随分な態度じゃないか。
それともなんだい?本当に黄泉路に旅立ちたかったのかい?」
冥琳「文台様、もうその辺りで。雪蓮ももう親子喧嘩はその辺にしておけ。
ほかの者たちが輪に入れずにこちらを窺っているぞ」
- 700 名前:5[sage] 投稿日:2009/09/20(日) 00:37:17 ID:M7s6lTmw0
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穏「………あぅ」
祭「………うむむむ…これは夢か幻か…如何に」
思春「………」
亞莎「………ぶるぶるぶる」
明命「………(オバケなのです!亡霊なのです!怖いのです!!)」
文台「おや、祭と思春…は分かるとして、ほかの子たちは何だい?」
冥琳「はっ、この者たちは皆、我らが呉の忠臣にてございます」
文台「ほう、そうかい…なら、改めて自己紹介といこうかね」
そう言うと文台と呼ばれたその女性は、居住まいを正し、皆の前に一歩進み出て、
恭しく一礼した。その気品の良さに、俺は一瞬ドキッとさせられる。
文台「わが名は孫堅。姓は孫、名は堅、字は文台。そして真名は煌蓮(ファンレン)と申す。
以後見知りおきよろしゅう。尤も、あたしの名は蓮華と同じ“ソンケン”だから
みんな文台文台って呼んでいるけれどね。
江東の虎だの、孫呉の虎だの呼ばれてたのは、このあたしのことさ。
坊主、お前さんには、我が真名を許そう。
それと見たところ、こいつらの世話をお前さんが引き受けてるように見えるけど、
そのあたりどうなんだい?」
- 701 名前:6[sage] 投稿日:2009/09/20(日) 00:38:17 ID:M7s6lTmw0
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一刀「うん、当たらずとも遠からずってところかな、煌蓮様。
尤も、世話を受けてるのは、逆に俺のほうだけどね」
煌蓮「かーっかっかっか、いやだよ坊主、様付けだなんて。“さん”で良いよ“さん”で。
ならその辺のことも後でいろいろ根掘り葉掘り聞かせてもらおうかいね。
何であたしがここにこうしているのかも皆に話してやらんといかんしね。
それに城に戻ったら、雪蓮を医務室に速攻でブチ込んどかんと、
またポックリ逝っちまったら目も当てられんわさ。
…ほれ、南海覇王をよこしな。今のお前じゃ、そんなでかいの振れっこないだろ?
それと冥琳、まだあたしの牙門旗はとっといてあるかい?ほら、虎印のあれだよ」
祭「それじゃったら、堅殿を埋葬するときに、副葬品として埋めておったはずじゃがの?」
煌蓮「そうかい。まぁ自分の墓を荒らすのも、ちっとばかし妙な気分だけどね。
虫に食われてなけりゃいいんだけど」
冥琳「それでしたらば問題はないかと。棺とは別の箱に入れて、
鍵をかけて何重にも厳重に封印しておりましたゆえ」
煌蓮「分かった。ならそれもついでだから取りに行こうかね」
冥琳「御意」
煌蓮「よっしゃ、そしたら今度は兵たちにも活を入れとかないとね」
- 702 名前:7[sage] 投稿日:2009/09/20(日) 00:39:23 ID:M7s6lTmw0
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煌蓮「聞け!孫呉の精兵たちよ!!
わが名は孫堅!孫策の親にして江東の虎、孫文台なるぞ!!
わが子、伯符は曹魏などというどこの馬の骨とも知れぬ者が放った毒矢により、
その命の灯火を失いかけた! それも、我が眠る墓場のすぐ目の前でだ!!
この仕打ち、孫呉に対する侮辱といわずして何と言おうぞ!
我はわが子にせまり来る死の足音を遠ざけるべく、
我がかつて受けた屈辱の二の舞を避けるべく、
そして、お前たちの心の奥底にたぎりし復讐の思いに応えるべく、
かつての孫呉の英霊たちとともに地獄の門番たちを打ち倒し、その親玉である閻魔大王を脅し、
今ここに、再び現世に舞い戻ってきた!!」
煌蓮「知れ!孫呉の精兵たちよ!!
我は一度死に、そして再び、この世に舞い戻ってきた身!
ゆえに我は、最早年を取ることもできぬ、妖怪変化や神仙と同じ体に成り果てもうた!!
だが、この我には一片の悔いも無し!!
我は姉である亡き聖台様より、孫呉に天下をという思いを託され、今、この地に降り立った!
志半ばで倒れていったお前たちの先祖も、いまだお前たちと同じ志を抱いておる!!
我は彼岸と現世、孫呉の王を汚された二つの怨念に応えるべく、
今ここに、復讐の鬼神、江東の猛獣とならんがためにやってきた!!」
煌蓮「そして、起て!孫呉の精兵たちよ!!
これより我は、孫呉の大号令を発す!!
我らが宿敵、曹操を討ち取り、この大陸に平和をもたらさんがべく、
曹魏に対し、これより宣戦を布告する!
総員、鬨の声を挙げよーーーーーーーーー!!!」
- 703 名前:8(終)[sage] 投稿日:2009/09/20(日) 00:40:33 ID:M7s6lTmw0
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呉軍兵士「オオオオオオオォォォォォォーーーーーー!!!!!!!!」
猛 虎 再 臨
〜蘇りし孫文台〜
雪蓮「お帰りなさい…母様。また…みんな一緒だね。
見なさい一刀。あれが、私たち三姉妹の生みの親……孫文台よ」
第六章IFここまで
今回はここまでです。皆さんありがとうございました。