[戻る] [←前頁] [次頁→] []

409 名前:ほ ◆toTB/4qYnw [sage] 投稿日:2009/09/13(日) 03:51:36 ID:pA5ViNYQ0
5レスほどお借りしまっす。

黄巾√序章  〜歌姫は天と共に〜

ゆるーくご都合主義で。一刀が元の世界から持ち込んだもの多目で。
ではでは。
410 名前:黄巾√序章1/5[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 03:54:13 ID:pA5ViNYQ0
…それはいつもどおりの朝だったはず。


「あ、あれ? ここ、いったい何処だ?」
 …確か寮のドアを開けたら
 …そう、なにか歌声が聞こえて
 …すごく眩しいものに飲み込まれた?

「だめだ、考えが纏まらない!」
「いったいどうして、いきなりここは何処でなんなんだよ!」

夢であればどんなに気が楽だったろうが、生憎意識はしっかりしていた。
しっかりしていればいるほど、今置かれた状況が全くつかめないわけで。

「携帯は、…圏外か。やっぱり部屋を出た格好だよな、俺?」

手にはいつもの鞄、制服を身に付けて靴も履いている。
辺りを見渡しても広がる荒野、本当に何処なんだろうか。


「…仕方が無い、寝るか」

目が覚めたら自室の天井が見えればいいな、などと嘯いて平らな石の上に寝転がる。
考えても答えが出ないのだ、果報は寝て待てってな。
411 名前:黄巾√序章2/5[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 03:55:31 ID:pA5ViNYQ0

 …〜♪
 …〜〜♪♪
「ふごっ?」
 …〜♪

「ん、本当に寝てしまうって俺、案外図太いのかな?」


「あーー  ようやく起きた!」
「うぉっ!?」
「あなた、どんだけ暢気なの?ちぃたちが盗賊だったら生きてないわよー?」
「あ、起きたんだねー こんな処でなんで寝てたのかなー?」

「え、あ、いや俺… あーーーー そうだっ!」
「ちょっと!いきなり大声出さないでよ!」
「う、あ ゴメン  ってそれどころじゃなくて!」
「なになに!? いったいなんなの?」
「ここ一体、どこなんだっ?」
「は?あなた迷子なの?…」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
412 名前:黄巾√序章3/5[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 03:56:24 ID:pA5ViNYQ0

「えーっと、ちょっと整理させてもらっていいかな?」
なんとなく現状がつかめた、が、自分の頭を疑いたくなる。

「どうぞ。私もあなたの事、全然理解できてないけど。」
「いまは漢王朝、の時代?」
「当然。」
「君達の名は偽名ってわけじゃ、ない」
「あたりまえでしょう。」
「このあたりの領土は…」
「冀州。平原付近だと思う。」
「…現実、だよなぁこれ。。」

三国志はゲームでも小説でも知っている。興味はあるほうだしね。
どうもこのコ達から聞く説明はそうとしか思えないものばかりで。


「どういう事?」
「俺、たぶんこの時代の人間じゃないみたい。」
「この時代?」
「なんて言ったらいいのかな、この時代の知識はある、…けど2千年位前のはずなんだよね。」
「あなたにとっては過去にいるって事?」
「そうなるのかな。正直俺自身なんでここにいるのか判らないんだけど。」
413 名前:黄巾√序章4/5[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 03:57:39 ID:pA5ViNYQ0

「ねぇねぇ、ちーちゃん。やっぱりあれじゃない?」
「え、あれってあれ? いま流行の占いの事?」
「そーそーこないだいた街で聞いたじゃないー おねぇちゃん、すっごくそんな予感ー」
「えーでも、天の御遣い、でしょー? あれがってどうなのそれ。」
「だって見たことない服だし、よくわかんないトコからきたみたいだしー」
「そういわれるとそうよね  ねぇあんたー」

「ん、ああ 何?」
「あんたってこの時代の人?ってのじゃない証拠ってあるの?」
「えーっと、そうだな。証拠かー」


「お、こういうのはどうかな。張角さん、この時代って音楽はどういうもの?」
「えー?楽器弾いたり歌ったり、だよねぇ。私達の歌はすごいんだから〜」
「綺麗な歌声だったよ。なんていうか心に沁みるっていうか、ね。」
「で、それと証拠ってなんか関係あるの?」

〜♪♪  〜♪ 〜〜♪♪♪

「え、え? どこから?」
「わーなんか聞いたことない感じ、けど綺麗な音〜♪」
「北郷さん、あなたの手から聞こえる。なんで?」

「ど?驚いた?  俺のいた処ってこういうものが普通にあるんだよ」
携帯を手前に見せ、音量いっぱいの音楽を鳴らしていると、3人共興味津々の様子。
効果は十分、だったかな?
414 名前:黄巾√序章5/5[sage] 投稿日:2009/09/13(日) 03:59:23 ID:pA5ViNYQ0

「やっぱり間違いないよー 北郷さん、御遣い様だよぉ!」
「認めるしかないわよねぇ、天って凄いんだー」
「ちょ、ちょっと待ってよ! その御遣いって一体!?」
「 …黒点を切り裂いて、天より飛来する一筋の流星。その流星は天の御遣いを乗せ、乱世を沈静す。」

「は?」
「街で聞いたうわさ、よ。 私達があなたにあったのも、流れ星の先を姉さんが確かめたがった所為だし。」
「そうそうー だから、ね。北郷さんとしか思えないもんー」
「俺さっきも言ったようにただの学生なんだって!ここになぜいるかも判らないのにどーすりゃいいんだよ。」
「そんなのいーじゃない!ちぃ達の目の前に天の御遣いがいる!こーんな好機ってある?」
「確かに。 …北郷さん、行く宛は?」
「あるわけない。」

「じゃあじゃあー北郷さん、一緒に行こうねー」


こうして。
なぜか三国志の世界にいる俺は、よく分からないまま張角、張宝、張梁と名乗る三姉妹と旅をする事となった。
んーしかし三人の名前、なんとなく覚えがあるような。

…序章、終幕

 [戻る] [←前頁] [次頁→] [上へ]