ほむ、紫苑かいいな
「紫苑、どこだー?」
「あら、ご主人様」
「あ、ここにいたのか」
「ええ、私、この季節の雨の日はこの庭によく居るんですのよ」
「? なにか理由があるの?」
「ええ、そうですわね…」
「ご主人さま、ここから何が見えます?」
「ん、えーっと。。 なんだろ」
「誇らしげに花が咲いているじゃないですか、もう!」
「あ、ああ そうだね。綺麗な紫色の花だね」
「見慣れているからでしょうけど… ご主人さま、あの花の名はご存知?」
「ん、いやゴメン、わからないなぁ」
「あの花はですね、シオン、なんですよ」
「紫苑の名の?」
「ええ、そうですね…母が好きだった花の名なんです」
「そうだったんだ… うん、紫苑に負けず劣らずの綺麗な花だね」
「また、ご主人さまったら、それは伽のお誘いという事かしら?」
「え、いや、そうじゃないけど」
「うふふ、でもこう雨に濡れ、色豊かに咲く花もいいものでしょう?」
「…うん、本当に」
「さ、ご主人さま、私もしっかりと濡らして下さいね、うふふ♪」