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24 名前:焔耶曰く、[sage] 投稿日:2009/05/05(火) 12:21:38 ID:FNStegu+0
かなりどきどきですが、初桃香させて頂きます。
規制中なのでこちらで失礼します。どなたか転載して頂きますとありがたいです。

・一刀×霞メイン
・魏ED後、帰還した設定ですが、その辺りを追求するような内容はありません
・エピソード後少しおまけアリ
・エロあり、ここが一番心配ですが
・SS自体初めてでおかしい所もあるかもしれませんが、楽しんで貰えれば幸いです
・気になる点がございましたらご指摘ください

http://koihime.x0.com/bbs/ecobbs.cgi?dl=0259

よろしくお願いします。



『羅馬逃避行』

夕日の中を疾駆ける二頭の馬。
人を乗せ、駆ける馬は、見る人が見れば名馬だと言う事が分かる。
そして、明らかに疲れている事も。
 「霞、大丈夫か?」
 「ああ。あそこに森が見える。今夜はあそこで休もか」
その森に駆け込んだ俺達は休めそうな場所を見つけ、野営の準備を始めた。

……

 「よーし、いっぱい食べやー。今日はおつかれさん。
  ゆっくり休んで、明日もよろしゅー頼むで」
 「おーい、霞ぁー!こっちも準備できたぞー!」
食事の準備が出来た俺は、馬の面倒を見ている霞を呼ぶ。
 「お、今日もうまそうやーん」
 「…ははっ、保存食を温めただけだけどな」
 「それでもや。まずいわけ無いやろー。
  なんたって、一刀がうちの為に愛情こめて温めてくれたもんやし♪
  愛のすぱいすたっぷりや〜」
 「ぶっ!」
 「うわっ!」
 「ごっ!ごほっ!ばっ!ばか!へ、変な事言うな!」
 「あれぇー。一刀ぉ、照れとんのー?」
 「う、うるさい!」
 「あはは」
そんな話をしながら俺達は夕食をすます。
 「まだここ、魏の領内なんだよな」
 「うーん、そやなぁ。出来れば明日には西涼に入りたい所やけど……」
 「ごめんな、霞。俺の手綱さばきがうまくないから」
強行軍で馬が疲れていたり、追っ手をまく為に回り道をしているせいもあるが、
遅れている大きな原因は、やはり俺にある。
 「なにゆうとんの、一刀。うちは気にしてへんで」
 「でも、俺がもう少し上手く走らせればもっと楽にいけたはずなのに……」
 「だから、気にしてないって言うたやろ。一刀も気にしなくてええねん。
  うちはな、こうして一刀と一緒に旅が出来るだけでも嬉しいんや」
 「霞……」
 「うちはな、一刀があの約束を守ろうとしてくれたのが、ほんまにうれしかってん。
  そもそも、あの約束だって、一刀の立場、というか性格を考えたら無理な話やろ?」
うっ、と言いそうになってやめる。霞が俺の事を責めようとしているのではない事が分かっているからだ。
 「うちな、今回の話を持ちかけた時も、冗談半分だったんや。
  それでも一刀は本気で答えてくれた。
  本気でうちの事を思ってくれてるって改めて分かって、それが何よりも嬉しかったんや」
 「……実を言うと、俺、あの後少し後悔したんだ。
  ちょっと軽率な発言だったな、って。
  でも、あの言葉は本気だったし、一度言った事だから、責任持たないといけない。
  だから霞が行きたいと思ったら、何としても叶えてやろうって、そう決めてたんだ」
 「一刀ぉ……ありがとうっ!!」
そう言って霞は俺に飛び付いてくる。
 「お、おい。霞」
大きめの岩にもたれかかった状態になった俺は、
少し抗議するような口調で言うが、勿論本気ではない。
そして、俺の股間に触れる柔らかな感覚。

……

 「って、霞さん?ナニヲシテイルノデスカ?」
 「何って、わかってるやろぉー。それとも一刀は嫌なんか?」
今までの雰囲気はどこへやら、いたずらっ子の様な顔でたずねてくる霞。
勿論、嫌なわけは無い。霞も当然分かっている。
 「今日はうちにまかせて。ん、ちゅ、ん、れろ」
言って、霞はキスをしてくる。
俺は舌を絡ませ答える。
 「は…ん、ちゅぷ、ちゅ、れる、ちゅく、んんんん、ぷはぁ。
  …一刀」
 「ん?」
キスを止めた霞が、俺の名前を呼ぶ。
 「大好きやで」
言って再度唇を重ねる。
キスをしている間にも、霞は股間をまさぐっている。
やがて慣れた手つきで股間を露出させると、絶妙な力加減でしごいてくる。
 「んんっ……。霞……」
 「にゃははっ。相変わらず、一刀の鳴き声はかわいいなぁ」
 「かわいいって、霞……。あ!それ……!」
 「ここがええんか?一刀、すごく気持ち良さそうな顔してるで」
霞は、手を休めることなく、さらに俺の服をはだけさしていく。
 「霞…そろそろ……」
 「分かってる。一刀のちんちん、ビクビクしてきた。ええよ、出して……」
 「うっ!イクっ……!」
ドクッ!ドクッ!ドクッ!
霞によって放たれた欲望は、その霞の手を、お腹を、胸を穢していく。
 「ん……!一刀の、あっついわぁ……」
そう言った霞は、精液が着いた手を口に持ってくる。
 「んー……れろっ。んっ。相変わらず一刀のんは濃いなあ」
 「おいおい、霞……」
 「それよりも、一刀。まだこっちは元気そうやな」
 「あ、ああ……」
言って、霞は再度俺の股間に触れてくる。
 「じゃあ次はこっちや」
霞は袴を下ろすと、足を上げ、股間を手に持ち、自分の秘所に先導して行く。
 「あっ♪一刀が、入ってくる」
 「うわぁ、霞、もうトロトロじゃないか」
 「ああ、一刀の触ってる時、あ…んっ、うちのも、触ってたし…
  んっ…精液浴びて、溢れて来てん。
  はあぁ、お、奥まで、届いてるわぁ」
 「ああ、感じてる」
奥まで咥え込んだ霞は、岩に寄りかかる俺に倒れこんできたと思うと、
そのままゆっくりと上下運動を開始する。
 「うぁ、すごい、まるで、んっ、全身を、愛撫されてるみたいだ」
 「気持ちええかぁ?一刀ぉ。…あんっ…。
  今日は、あっんっ、全身で、うちを、はっ、か、感じて……」
 「ああ、感じてるよ、霞。すごく、気持ち、いい」
全身を使って奉仕する霞。いつの間にか胸のさらしもはだけ、
柔らかな感覚の中にある、硬い感覚も気持ちいい。
いや、胸だけじゃない、お腹も、手も、顔も、すり寄せてきた全ての部分が気持ちよかった。
やがて感情の昂ぶりと共に体は離れていくが、代わりに動きが激しくなっていく。
 「うっ、霞、も、もう……」
 「ああ、あっ、うちも、あっ、あっ、もうすぐ、だから……」
 「で、出るっ!」
 「あっ、あっ、あああああぁぁぁぁぁぁ!」

……

 「霞、起きてるか?」
事を終え、簡易的に作った寝床で抱き合いながら寝ていた俺が尋ねる。
 「う…ん?まだ起きとるよ」
 「絶対に羅馬まで、行こうな」
 「うん…」
返事の声は小さかったが、抱きつく力が強くなった感覚で、気持ちは伝わってきた。

……

 「くちゅん!」
 「霞、大丈夫か?」
朝、出発の支度を終え、馬にまたがり、まずは慣らす為ゆっくりと歩ませる。
 「ああ、大丈夫大丈夫。これぐらいなんともあらへんよ」
 「ならいいけど……。やっぱりこの時期の夜に外はまずかったかなぁ」
 「でも、その分うちは一刀のぬくもりを感じられて嬉しかったで♪」
 「……なっ!」
言われて思わず顔が熱くなる。霞には敵わないなぁ、と思いつつ
 「なあ、霞……」
 「ん、一刀、わかっとる」
小声で聞くと、霞も当然気づいている。追手だ。
 「取り合えずこのまま。うちにまかせて。心の準備だけしとき」
 「ああ」
と言った後、俺達はこのやり取りを気づかれないように、
最初と同じ雰囲気で会話を続ける。
そして暫くした後……。
 「はっ!」
 「うわっ!」
突然、霞が俺が乗っている馬を蹴る。
それを合図に馬は急速にスピードを上げる。
俺は驚いたものの、言われたように心の準備をしていたので、
すぐに建て直し、とにかく落ちない事と、スピードを落とさない事に意識を向ける。
その間、霞は俺達を抜き去り、先導するように駆けて行く。
良く慣れているためだろう。特にさばく必要も無く、俺の馬は霞の馬を追いかけていく。
少し余裕が出来た後、回りに気を向けると四方から慌てた追手の気配がする。
この中を抜けられるのか?と少し心配になるが、霞を信用しついていくと、
やがて、追手の気配が後ろの方に纏まっていく。
さすが霞だ。あの包囲網の穴を見つけ、抜けたようだった。

さらに暫く馬を走らせた後、そろそろ大丈夫か?と思った俺は声をかけようと霞を見る。
しかし、その霞を見た俺は驚く。
その顔は、緊張を解いた顔じゃなかったからだ。
 (えっ?)
と思った瞬間。
 「そこまでよ!!霞!一刀!」
 「くっ!」
 「うわっ!」
霞の馬が急激に速度を落とす。
それにつられて、俺の馬も止まる。
流石に今回は心の準備が出来ていなかった為、俺は馬に抱きつくように前のめりになってしまう。
 「あの包囲網の穴を見つけるとはさすがね、霞。
  でもそれも予想済みよ」
起き上がった俺は声のする方を見る。そこにいたのは……華琳!?
 「かーっ!やっぱりかぁ!一刀でも気配が読み取れるぐらいだったから、おかしいとは思ってたんや。
  しかしあの時と同じ罠にひっかかるとはなぁ。うちも進歩ないなぁ」
 「いいえ、霞。確かに包囲を薄めた場所は作ったけれど、
  あなた達を捕獲できるような配置にはしていたつもりよ。
  あれを、しかも一刀を連れたまま突破できたのはさすがと言っていいわ」
……何か二人に馬鹿にされてる言葉が含まれているような気がするのですけど?
と思っていた少しの余裕もすぐ消える。
 「それにあなた達を捕まえる為にここまでしなければいけなかったのよ?
  むしろ誇っていい位よ」
言われて回りをみるといつの間にか立ち並ぶ魏の武将、軍師達。
春蘭、秋蘭は勿論の事、桂花や季衣、流琉、凪、真桜、沙和、稟、風。
天和、地和、人和までいる。
 「おおきに。しかし結局捕まったのは事実や。
  降参や。煮るなり焼くなりし」
 「その潔さは好きよ。では、そうね……」

 「待ってくれ!華琳っ!」
このままでは、霞が処分されてしまう。そう思った俺は叫んでいた。
 「元々は俺が誘ったんだ。二人で羅馬まで行こうって」
ピシッ!
 「だから処分は俺が受ける!霞は許してやってくれ」
 「か、一刀。ちゃう……」
 「黙りなさい、霞。一刀、その話、詳しく話してもらおうかしら?」
霞の言葉を塞ぎ、続きを促す華琳。
この時少し違和感を感じたのだが、興奮していた俺は気にせず、話を続ける。
既に泥沼に足を踏み入れていた事にも気が付かず……。

 「……と言う事なんだ。今回の事は霞が誘ってくれた事だけど、
  元はと言えば俺の責任なんだ。だから霞の事は勘弁して欲しい」
二人で話した時の事、その後の心情、霞が誘ってくれた時の事、全てを話す。
そして全てを話し、落ち着いた頃、俺は雰囲気が思っていた感じと違う事を知る。
 「あ、あれ……?」
朝、これから気温が上がっていくはずの時間なのに、寒さすら感じる。
良く見ると華琳には、いや、華琳だけじゃない。
回りにも、何とも言えないオーラが渦巻いていた……。
あれは……怒り?
霞を見ると、あちゃー、と言う感じで、片手で顔を覆っている。
 「えっ?えっ?」
そして、その理由が分からない俺はただ混乱していた。
 「そう、良く分かったわ……」
華琳が静かに、しかしはっきりと言う。
その顔は笑顔にも見えたが、目は完全に据わっていた。
 「凪!真桜!沙和!あなた達は一刀を牢に入れなさい。
  その後の監視も任せるわ」
 「はっ!」
 「了解や!」
 「わかったの〜」
 「一刀への処分は戻ってから行うわ。皆にも参加してもらうからそのつもりで」
その他、てきぱきと帰りの指示を出す華琳。
その間、まだ混乱する俺は、三人に痛いくらいの力で連れて行かれ、移動式の牢に入れられるのだった。

……

 「うっ……、うぅ〜、ひ、酷い目にあった……」
洛陽に戻り、処分、と言うか一人一人からお仕置きを受けた俺は、ようやく開放され、自分の部屋に何とか戻ってきた。
お仕置きの内容は……思い出したくも無い……。
 「ただ、最後は途中で終わったような感じもしたなぁ……?
  というか、そもそもあの時の雰囲気はなんだったんだ?」
と少し疑問もあったが、ヒントも無い上に、もう考えるだけの気力が無く、思考はすぐ止まってしまう。
 (それに……約束も結局……)
コンコン
そんな感じだったので、とにかく休もうと考えてた時に窓からノックが聞こえた。
 「開いてるよ」
と顔を出してきたのは霞。
 「あ、し、霞か、ごめんな、ちょっと体が言う事聞かないから、寝たままだけど」
 「……一刀……」
 「ん?どうした?」
少し気まずい気持ちをごまかしながら、話すと、それ以上に雰囲気がおかしい霞が入ってくる。
疑問に思っていると突然、
 「すまん!一刀!うちのせいで酷い目にあわせてもうて」
と頭を下げてくる。
 「い、いや、訳が分からないんだけど……」
 「あ、ああ、すまん。あれ、実は演習やったんや」
 「あれって……、もしかして今回の事か?って、イテテ」
痛めた体を忘れ、つい置きあがろうとしてしまう。
 「あ、一刀、大丈夫か?」
 「ああ、大丈夫、大丈夫。で、どういう事なんだ?詳しく話してくれ」
 「いや、な、華琳の提案で、軍の演習や、警備の問題点の洗い出しを実戦形式で行う為に、計画しててん。
  で、折角だから一刀も連れて行くことにしてもらったんや。
  すぐに話すつもりやったんよ?でも、一刀が本気になってくれて、嬉しくなって、それで……」
 「言いそびれてしまった、と言うわけか」
 「うん……」
さすがにばつが悪いのか、普段言わないような返事で返す霞。
 「うちがちゃんと言っていれば、軽い罰ですんでたのに……」
そう言う事か。
演習と思っていた所に、思いもよらない俺の告白。
つまりあの時感じた違和感は嫉妬だった訳だ。
霞は軽い罰と言っていたが、演習としてはあそこまでやったんだ。
恐らく華琳は褒美を与えるつもりだったのだろう。
それを俺が余計な事を言ったばかりに、反動も含め、あんな事になった、と。
 「ほんま、ごめんなぁ……」
 「いいよ、気にしてないから。元はと言えば、自分が蒔いた種だし」
 「でも……」
 「それに、大きな事を言って、結局約束叶えられなかったしな。
  謝るのは俺のほうだよ……」
約束を破ってしまった。そう実感してしまい、俺は落ち込んでしまう。
しかし、そんな思いに気付いたのだろうか、霞は静かに、優しく、口を開く。
 「一刀……、そんなにあせらんでもええよ。
  道はまだ続いてる。うちはそう思うねん。
  その道さえ続いていれば、うちはまだまだやっていける。
  例え、何年かかろうと、おばあちゃんになろうとも、
  その時、一刀さえ居てくれれば、うちは先に進めんねん」
 (そう、うちの道は……)
 「霞……」
 「なんだかんだ言うて、今も色々やる事与えられてもうてるしな。
  今はあの時の言葉だけで充分や」
そうか、霞は夢を諦めたわけじゃない。
そう気付いた俺は、ホッとすると同時に、その夢を壊さないようにしよう、と決意する。
 「あ、でもそう思ってくれてるなら、いつか2人で2〜3日遠乗りにいかへん?
  うちもお詫びしたいし」
 「ああ、それなら大丈夫だ」
 「じゃあ約束やで」
 「その時はちゃんと申告しないとな」
トントン
そんな事を話していると、今度は扉からノック音が聞こえる。
すると霞の話が小声になる。
 「ヤバ。一刀、すまん、うちはこれで。暫く会えへんけど……」
 「ん?霞?」
 「あ、いや、それはええねん。
  あと、すまんけど、うちがここに来ていた事は黙っといてな」
 「ああ、それはいいけど」
 「ほなな」
 「あ…、ああ……」
俺が言い終わる前に、霞は入ってきた窓から出て行った。

トントン
 「あ、開いてるよ」
再度のノックに答えると、入ってきたのは凪だった。
 「失礼します。あ、そのままで。それで、あの、霞様は……?」
 「えっ?あ、ああ、で……いや、来てないよ」
 「ふふっ。良いですよ。分かりますから」
 「うっ……」
嘘だと言う事が顔に出ていたらしい。
 「まあ、今回は見なかった事にしておきます」
 「すまない……。って、今の事、問題があったのか?」
 「ええ、実は霞様は、隊長の処分を軽くするように上申されたのです。
  それで、それは聞き入れられたのですが……」
お仕置きが途中で終わった感じがしたのはその為か。
 「その代わり、霞様は一ヶ月間、私用で隊長と会う事が禁止されたのです」
 「そうか、それで凪は見回りに来た、と」
言って、霞の去り際の一言の意味を理解する。
 「そう言う事です」
 「ふ、む。しかし、その処分は……まあ軽減されておいて言う事でも無いけど、
  結構甘いんじゃないか?」
 「やはり気づかれましたか。恐らく、演習の褒美も兼ねているのでしょう。
  気づいた方や、隊長へのお仕置きが足りないと思っていた方は反対されたようですが。
  あと、霞様はまだ気づいて無い様ですね」
 「みたいだな」
と二人で苦笑する。
 「筋は通す方なので、今回だけという事で、今後同じ様な事はしないと思いますが」
 「ところで、『反対されたようですが』、と言う事は凪はどうだったんだ?って、俺が聞くのは変か」
言葉の違和感に気づき、つい聞いてしまったが、すぐに訂正する。
 「いえ、構いませんよ。私は霞様から話は聞いていましたから。
  確かに、あの時は少し……その、ヤキモチも焼いてしまいましたが、
  隊長ならいつかやるとは思ってましたから」
そういえば、これも自分で言うのも何だけど、あれだけの事をして、凪はもう怒ってない様に見える。
思い出して見ると、凪と稟のお仕置きは他の皆に比べて軽かったような。
稟の場合は、お仕置きで妄想してしまい、実践どころじゃなかっただけだが。
 「そうか。でもそう言う事なら、今度皆に何か、お詫びをしないといけないな」
 「あ……、それなら私は……」
 「ん?何?」
見ると、凪は顔を真っ赤にしている。
 「そ、その……私も、ふ、二人きりで遠乗りを……」
 「えっ?もしかして、外で聞いてた……?」
 「はっ!すみません」
なるほど、顔に出てたのも間違いではないと思うが、入ってきた時は既に知っていたのか。
そう言えば、入ってきた時の質問も、今考えれば変だったな。
 「まあ、いいよ。遠乗りの事も。すぐには無理かもしれないけど」
 「はっ!ありがとうございます」
言って、凪は笑顔になる。それを見た俺もついつい笑顔になってしまう。
 「あっ、すみません。長居しすぎました。
  それでは私も失礼致します。ごゆっくりお休みください」
 「ありがとう。じゃあお休み」
 「はい、では」
と、凪は出て行った。

 「ふぅ〜……」
一人になり落ち着いた俺は、眠気に襲われながら霞への処分の事を思い出していた。
 「今度、仕事中に霞に差し入れでも持っていくかな」
そうつぶやいた後、俺は深い眠りに落ちるのだった。

おまけ

 「一刀、これを何とかしなさい」
 「えっ?何だこれ?皆の休日申告書?」
 「その通りよ」
 「でも俺が何を……?あれ?皆目的が一緒?しかも、この備考欄、全てに俺の名前が……。
  もしかして、これ……」
 「その通りよ一刀」
魏の遠乗りブームの始まりだった。

さらにおまけ

申告書の中にとある物を見つけた一刀。
 (こっそり華琳の申告書も入っているのは……突っ込まない方が良いんだろうなぁ)

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