月｢危ないところを助けていただいてありがとうございました。
ところで貴方達はどこの部隊ですか？｣

桃花｢いえ、あたし達はどこの部隊にも属していません。
近隣の村々から有志を募って出来た義勇軍です。｣

月｢…すると雑軍ですか、わざわざ会うこともなかったですね、
まぁいいです、お百姓さん達の集まりなら貧乏なのでしょう。
兵糧が欲しいならめぐんであげますよ…
も〜詠ちゃん、ちゃんと聞いておいてよ、
官軍の大将が雑軍なんかといちいち相手してられないよ〜。｣

詠｢う、うん…ごめんね月…｣

鈴々｢うがーッ！！｣
愛紗｢よせ鈴々！何をする？！｣
鈴々｢話すのだ愛紗！董卓をぶった切ってやるのだ！｣

鈴々｢ケチで褒美や恩賞をくれないのは我慢できるのだ、
でもあの人を見下した態度は我慢できないのだ！
官位を持ってないから何だって言うのだ！？
官軍でなきゃ口もきけないって言うのか！？
雑軍がどうしていけないのだ！
官軍でなきゃなぜダメなのだ！
国の為に平和の為に頑張ろうという気持ちは
鈴々たちのほうがずーっと上なのだ！！｣

桃香｢鈴々ちゃん、お願い、ここは堪えて。
もしここで董卓さんを斬っちゃったら、
董卓さんの軍勢がみんな襲いかかってきちゃう。
そしたらあたし達は黄巾党と同じ賊軍として扱われちゃうの。
それじゃなんのために義勇軍を作ったかわからなくなるんだよ…｣

鈴々｢………ねぇお姉ちゃん、鈴々たちは一生懸命頑張ってるのだ。官軍なんかよりずっと…
なのにいつまでこんな思いをしなきゃならないのだ！？｣

桃香｢…｣

愛紗｢鈴々…｣
鈴々｢鈴々は…鈴々はくやしいのだーーっ！！｣


桃香｢…今のあたし達は哀れな渡り鳥部隊か…｣