- 542 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 22:35:05 ID:gZIZHyZR0
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ここに恋姫†無双のSSが投下されていたので
私も投下してみます。
注意点
・これにはもろネタばれを含みます。本編のEND辺りからの開始になります。
・作者はど素人であり、内容も表記も電波ばっかりです。
・前半部は本編と同じような表現が使われていますが勘弁してください。
- 543 名前:恋姫†無双外史・翠END?[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 22:39:56 ID:gZIZHyZR0
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その時、俺は……
皆の事を思い浮かべた
>翠の事を思い浮かべた
淡い光を放ち始める鏡。
その光はこの物語の突端に放たれた光。
白色の光に包まれながら、俺はこの世界との別離を悟る。
自分という存在を形作る想念。
その想念が薄れていく事を感じながら、それでも俺は心の中に愛しき人を思い描く。
- 544 名前:恋姫†無双外史・翠END?[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 22:41:58 ID:gZIZHyZR0
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翠――――。
ずっと側にいてくれた意地っ張りな少女。この戦いの物語の中でずっと俺を支え、時には励まし、そして時には導いてくれた大切な半身。
その少女との別離の刻が迫っていく。
自分という存在の境界があやふやになっていく恐怖の中で、ただ俺はその少女の事を思う。
このまま消えたくない。約束したじゃないか。
翠の前から消えるなんて、絶対したくない!
この世界から切り離されていく感覚。その運命の中で、愛しき人に手を伸ばす。
ただ、側にいたい、彼女の笑顔を見たいと願う一心に。
翠「ご主人様!」
薄れていく意識の中、耳朶を叩く愛しき人の声が俺の心を奮い立たせる。
一刀「すい……」
物語の終演を告げる運命の光。
決して逃げることの出来ないその光から、必死に手を伸ばした。
一刀「す…い……」
ただ、会いたい。ただ、声を聞きたい。そして、ただ一緒に居たい。
いつまでも、続くと思っていた2人がいる楽しい日々。
それをただこれからも続けていきたいと心の底から求める。
いつまでも、いつまでも。
共に過ごした時間
共に過ごした記憶
それらが、水滴となって地面へと落ちて、そして弾けていく。けど、それに抗うかのように俺はそれを受け止めようとする。
翠と俺が楽しいと感じた思い出は忘れたくない。
絶対に、例え運命であったとしても。
決して逃れられぬものだとしても。
俺にとって、彼女との思い出は何よりも大切なものなのだから。
一刀「す…い……」
それなら、どんな流れでさえも足掻いてみせる!
- 545 名前:恋姫†無双外史・翠END?[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 22:43:10 ID:gZIZHyZR0
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翠「ご主人様!」
白い光がご主人様の姿を消していこうとする。
翠「待ってくれよ、お願いだから!」
精一杯叫んでも、届いていると信じていても、その光が止まることはない。
言ったのに。
ずっと、あたしを楽しませてくれるって言ったのに。
翠「居なくなったら一生恨むって言っただろ!」
もう、誰か大切な人が居なくなるなんて嫌なんだよ。
翠「あたしを1人にしないでくれよ!」
あの幸せを感じられる日々が終わるなんて考えられない。
一刀「翠……」
翠「ご主人様!」
父上が死んだ時、あたしはもう楽しいって感じられないって思っていた。
でも、ご主人様はそれでも楽しいって思えるようにしてくれた。
翠「やだよ……あたしはやだよ!」
そのご主人様が消えたら、あたしはどうすれば良いんだよ。
もう、終わりなんて、絶対嫌だ。
翠「離れてたまるかよーーーーー!」
- 546 名前:恋姫†無双外史・翠END?[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 22:45:05 ID:gZIZHyZR0
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左慈「ふっ……そんなに奴が好きなら、一緒に死ねば良いんだよ!」
彼等に向かい駆けようとする左慈。
鈴々「とりゃーーーー!」
左慈「くそっ!」
しかし、それは3人の影より阻まれてしまう。
鈴々「翠の所には絶対に行かせないのだ」
巨大な蛇矛を持つ鈴々
星「2人の恋路を邪魔するのは野暮というものであろう」
槍を構える星。
紫苑「求め合う2人を邪魔するなんて、決して私たちは許しはしないわ」
弓で射抜かんとする紫苑。
3人は左慈の前に立ちはだかり、一歩も通すことさえ許しはしない
左慈「この傀儡風情が……」
星「傀儡であろうとなかろうと、私たちは自らの誇りにかけて仲間を守るだけだ」
紫苑「たとえ、私たちが消え去る存在だとしても、それが変わることは決してないわ」
鈴々「そうなのだ。鈴々達は翠を見捨てるなんて絶対にしないのだ」
左慈「ふん、なるほど。これが定められた役割というものか。良いだろう。最後まで相手をしてやるよ」
鈴々「いっくのだーーーーーーーー!!」
- 547 名前:恋姫†無双外史・翠END?[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 22:46:38 ID:gZIZHyZR0
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背後には、俺達を守ってくれる仲間がいる。自らの全てを投げ打っても守ってくれる仲間が。
だったら、俺は目の前の愛しい人に向かう事にためらう事はない。
翠「絶対に……絶対に離れたりしねぇからな!」
決して縮むはずのない距離を、少女は必死に無くそうと懸命に手を伸ばす。
変わらぬ日々を、楽しい日々を、あの愛し合った日々を続けるために。
翠「ご主人様―――――!」
一刀「翠――――――!」
決して離れないという二人の胸の中の熱い思いは、
その溶けるはずのないその運命という名の氷壁を溶かしていく。
ただ、相手の温もりを、そして、温かな変わらぬ日々を求めるために。
一刀「翠――――――!」
翠「ご主人様―――!」
相手の想いは自分の手を、自分の想いは相手の手を求める。
そして――――
2人の絆は結びついた。
- 548 名前:恋姫†無双外史・翠END?[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 22:48:13 ID:gZIZHyZR0
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一刀「ん……んん……」
ゆっくりと意識が覚醒していく。だが、俺の頭は未だにぼんやりとした靄に包まれている。
翠「おい……ご主人様!ご主人様!」
耳の側で聞こえる少女の声。その声に俺は聞き覚えがあった。
一刀「す……い?」
翠「良かった……無事だったんだな」
視界が正常になれば、そこにいるのは安心しきっている翠の姿がある。
一刀「ここは?」
翠「分からない。ただ、貂蝉の言ってた別の世界ってやつだと思う」
恐らく彼女も出来事を正確に理解できていないのだろう。いや、たぶん朱里でも理解できないような内容だから、翠には絶対無理だろうな。
翠「ご主人様、今、すっごい失礼な事考えなかった?」
一刀「いや、そんな事は……あれ?」
翠の言葉を耳に入れながら、周りを良く見てみると、そこには懐かしい風景が広がっている。
翠「?どうした?」
一刀「ここは……聖フランチェスカ?」
翠「何だ?その『せいふらんちぇすか』ってのは?」
一刀「ああっ、俺が以前いた学校の事だよ」
そう、ここが以前、俺が翠達と出会うまでいた世界。
翠「えっ……て、ことは、ここは天上の世界なのか?」
一刀「分からない」
その問いには、単純に頷く事が出来なかった。貂蝉の言っていた事、
『新しい外史を作る事が出来る』
つまり、ここは俺が以前いた外史でも、翠達がいた外史でもない、全く新しい外史なのだろう。
一刀「新しい外史か……」
翠「ええっと……つまり、鈴々達がいない世界って事なのか?」
一刀「多分な……」
だが、それは一つの可能性も同時に示される。
翠「……もしかして、みんな消えちまったのか?」
愛紗や鈴々、朱里や星、紫苑。一緒にあの世界で過ごしたみんなが。
だが、俺は、
- 549 名前:恋姫†無双外史・翠END?[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 22:49:43 ID:gZIZHyZR0
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一刀「いや、違うと思う。みんな、違う外史で生きてると思う。愛紗も鈴々も他のみんなも……」
俺達には感じる事のできない、また別の世界。そこで、彼女達は存在していると思う。
翠「そうだな。星なんかはひょっこりそこら辺から出てきそうだしな」
同時に、少しだけ翠の笑顔が戻った。うん、やっぱり翠には笑顔が似合ってると思う。
一刀「でも……これからどうしような」
2人だけになってしまったこの世界で、どうすれば良いのか。
翠「大丈夫だって、ご主人様がいれば……」
一刀「はっ?……ってうわっ!」
唐突に腕に重みとぬくもりを感じる。それは翠のものだとすぐに分かった。
一刀「翠?」
翠「ご主人様はさ、あんな時のあたしでも、楽しいって感じさせてくれた。だから、今度も大丈夫だと思う」
恐らく、彼女が言っているのは、初めて2人きりで話をした川での出来事。まだ、彼女が父親の死を引き摺っていた時の事。
翠「きっと、ご主人様は楽しい日々にしてくれると思う」
その、翠らしからぬゆっくりした口調。その重みに俺が気付く事になるのはいつになるのだろうか?
一刀「……そうだな。楽しい毎日にしていこう」
そして、俺は彼女両肩にそっと手を添える。
翠「なっ!」
途端に翠の顔が赤に染まる。そう、ここにいるのは、ずっと側にいてくれた翠なんだ。
一刀「だから、一緒に行こうか」
少し顔を俯ける翠。だが、その後に、確かにその返事は聞こえていた。
翠「うん……」
頬を真っ赤に染めた顔に、俺はゆっくりと唇を……
- 550 名前:恋姫†無双外史・翠END?[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 22:50:58 ID:gZIZHyZR0
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??「ほぉ……主も意外に大胆なお方だな」
一刀&翠「●×△★※……!」
唐突に茂みから聞こえた聞き覚えのある声。同時に、ガサリという音が茂みから漏れてくる。
??「いや……翠も大胆になったものだ」
そう。この独特の雰囲気の声。確かに聞き覚えがある。そして、その声の主はゆっくりと姿を現す。
一刀「星!」
星「ふむ……そう驚かれても心外だな。私が居てはいけないのか?」
そこから出てきたのは普段と変わらない、昇り竜こと趙子竜その人だ。
翠「ななななな……何で星がここにいるんだよ!」
おお、久しぶりにこの翠の慌て様。やっぱりこういうところが可愛い……じゃなくて!
一刀「星……お前もこの世界に来てたのか?」
星「私だけではないぞ。ほれ……」
すると、星が指し示した方向から次々と声が上がると同時に次々と姿を現していく。
愛紗「ご主人様!」
何故か慌てている愛紗
鈴々「む〜、翠だけずるいのだ〜」
拗ねた様に頬っぺたを膨らましている鈴々。
朱里「はわわ〜〜〜」
いつもの口調で慌てる朱里。
紫苑「あらあら……」
そして、何故か微笑んでいる紫苑。良く見れば彼女の背中には瑠々ちゃんまで……。
翠「……な……何で……」
北郷軍全員集合!とタイトルが付けられそうな集合ぶり……翠は何故か口を開けたまま立ってるし。
星「私たちにも良く分からん。たまたま、気が付いたらここにいたのだ」
一刀「何で……」
- 551 名前:恋姫†無双外史・翠END?[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 22:52:14 ID:gZIZHyZR0
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しかし、俺はそこで一つの可能性が浮かび上がった。
変わらぬ日々。俺が望んだ、そして翠のために望んだ事……なら。
一刀「もしかして、これからも続けられるのか?」
翠「へっ?」
一刀「いや、翠が望んでた変わらない日々ってやつを、この世界でも……」
翠「あっ……」
みんなと一緒にいられる、翠の笑顔が見られるこの日々を続けたいと願うなら。
鈴々「あー!翠とお兄ちゃんだけ何か知ってるのだ!」
星「ほぅ……それは興味深いな」
どうやら、2人は何か気付いたらしい。このままだとくどくどと文句を言われるのは目に見えてる。
一刀「んじゃ、行きますか!もしかしたら、他のみんなもいるかもしれないからな!」
そうされる前に、俺は翠の手を握って走り出していた。
翠「お…おい、待てよ!」
少しだけ、焦りながらも、彼女は笑いながら答えてくれる。そう思えば、これからの不安なんてないだろう。
だって、翠の笑顔がいつでも見られるのだから。
- 552 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2007/02/02(金) 22:59:21 ID:gZIZHyZR0
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>>543-551
とりあえず、馬鹿でごめんなさい……orz
やりたかっただけなんです。感覚的に言えば、
『カッとなってやった。反省はしているが、後悔はもっとしている』です。
ちなみに、前半543−547までは、本編どおり曲の流れる部分という事を意識したので……本当にごめんなさい。
とりあえず、こんなSSにもならない駄文でも楽しんでいただけたら幸いです。