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400 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [sage] 投稿日:2012/01/05(木) 00:32:11.00 ID:gZuEx/F5O
「にゃー(皆様、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします)」
m(_ _)m
「仕方がないですね〜。よろしくしてやるのです」
「にゃー(あ、風様。明けましておめでとうございます)」
「はい、バカ猫おめでとうです。皆さんも新年おめでとうです。今年もバカ猫をよろしくしてやってください。で、今日はなんでまた急になのです?」
「にゃー(リハビリ)」
「りはびり?」
「にゃー(勘を取り戻すと言いますか…今叩いているのとは別に即席でどこまでやれるかを試そうかと)」
「そうですか、ならいくつ桃香なんですか?」
「にゃー(即席ですから四つです)」
「だ、そうです。短いですがよろしく見てやってください」
「…(…なんか気持ち悪いな)にゃー(では、たった四つですがよろしくお願いします)」
401 名前:一刀十三号、曰わく[sage] 投稿日:2012/01/05(木) 00:38:32.68 ID:gZuEx/F5O
謹賀新年
その年、元旦から北郷一刀の受難が始まった。
事が一刀に発覚したのは事態をあまりに心配した一人の侍女による報告からである。
「えっ荀文若、桂花が俺の悪口を言い回ってるって?・・・いつもの事じゃん」
侍女の心配を余所に全く緊張感の無い一刀、桂花に悪口を言われるのは日常茶飯事な一刀に取ってその時点では全然深刻に考えてなかった。
「ですが、聞かされた内容が謀略の域に達してました。それこそ、再び戦を始める為の準備のように…」
「再び戦なんて、それこそ無いよ。今の状況が政務に力を注げるのに一番良い環境だって、桂花の絶対的支配者の華琳が喜んでんだよ。そんな華琳の喜びをわざわざ壊す事だけは桂花はしないよ」
侍女の新たな情報による警告も軽く流した一刀。
「そこまで信用していらっしゃるならば分かりました。ですが念の為にも本人に一度はお会いして確かめた方がよろしいかと…」
「ああ、そこまで心配してくれてありがとう。ちょうど聞かなきゃいけない事が有るから、ついでに聞いてみるよ」
「聞き入れてくださりありがとうございます。それでは私は失礼させていただきます」
丁重な言葉とお辞儀で執務室を後にした侍女。
402 名前:一刀十三号、曰わく[sage] 投稿日:2012/01/05(木) 00:46:10.96 ID:gZuEx/F5O
すると仕事に支障があるのか、直ぐに支度を整えた一刀が執務室を後にする。
そして執務室を一歩出た一刀はなにやら周囲の空気が異様な事に気付く、それは戦直前の謀略が錯綜している時の空気だった。
心なしか周囲の侍女や使用人たちの視線が冷たかったり、疑いが混ざった物であった。
「なにこの殺伐とした空気?元旦からどうしちゃたんだ?・・・ひょっとして本当に深刻な事態なの!」
今更ながらちょっと心配になった一刀はやや早歩き気味に華琳の部屋を目指して動いたのだった。
が、途中に見てしまった光景に一刀は頭を抱える。
まさに謀略・策の嵐であった、魏・呉・蜀の区別なくそのほとんどが戦の時に使用・発動させるレベルの計略であった。
幸いな事はこれが原因による事件が起きてないこと、せいぜい人と人の仲がギクシャクして一触即発な程度である。
それも充分問題だが、まだ『裏切り者の首を跳ねよ!』みたいな事態に陥っていないだけましだと思える程場の空気はどんよりしている。
そんないたたまれない空気の中を通ってどうにか白帝城に用意された華琳の部屋にたどり着けた一刀に華琳から厳しい意見が飛んでくる。
403 名前:一刀十三号、曰わく[sage] 投稿日:2012/01/05(木) 00:53:34.02 ID:gZuEx/F5O
「天の国はつくづく変わっていると思っていたけれど、よもやここまで変わってるとはね」
そんな部屋の中は現代の年末を彷彿させるような慌ただしさだ。
「…なにこれ」
思わず呟いてしまう一刀。
「な、なにって…春蘭から聞いたのよ。天の国では元旦に計略を仕掛けるって…」
・・・
・・

春蘭から華琳に伝わった言葉は『一年の計画は元旦にあり』
「華琳…それは、まず初めに計画を立てそれに沿って事を進める方がうまくいくという意味。一年の計画ならそれは元旦に立てるべきである。って意味で、なにも元旦に計略を企てるって意味じゃないだ」
間違えだと一刀から華琳に訂正が入る、それを聞いて蜀・呉にも訂正を知らせる使いの者が走らされた。
春蘭の大立ち回りも挟まれるも、結局は華琳の仲裁で事なきを得るように見えた。
だがしかし、オチはしっかり訪れた。
「…ふ〜う、酷い目に遭った…」
「すまんかったな北郷。詫びとして正月にちなんだ物を受け取って欲しいんだが」
「ん、何?」
「愛紗から聞いたぞ、天の国にはお年玉という風習が有るそうだな」
「ああ、愛紗から聞いたの?なんかwar…!?」
ドゴッ★
適当に見積もってもゆうに五メートルは吹っ飛んだ一刀。
404 名前:一刀十三号、曰わく[sage] 投稿日:2012/01/05(木) 01:00:23.28 ID:gZuEx/F5O
その惨状を見ていた華琳は。
「地面スレスレからの見事に振り上げた鉄拳だったわ…流石は春蘭」
また一刀は吹っ飛ばされ走馬灯のよう感覚に見回れながら。
「(あぁ…落とす拳骨でお年玉(落とし拳)かぁ、愛紗らしい…なんて典型的過ぎるベタなオチなんだ…)」
ドサッ!
地面に背中から受け身無しで落ちた直後、まだ意識の有った一刀は。
「(…でもアッパーは…落としてねえ)」
ガクッ…
その思考の直後、一刀は意識を手放した。
『一年の計は元旦にあり』
逆説的な考えで、元旦に起きた出来事がその年一年の運勢や出来事を占うと言われている。
かなり省かれたもののここに至るまでかなりの恋姫達と一刀の楽しいドタバタ劇が有った。
つまり今年の一年、おそらくは来年・再来年も元旦はドタバタ劇は繰り返され一刀と恋姫達は楽しい時を過ごすであろう・・・
405 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [sage] 投稿日:2012/01/05(木) 01:03:38.47 ID:gZuEx/F5O
「にゃー(終わりました。実際作業に入ると、今まで普通だったその行為すら勘を取り戻す?思い出すのに一苦労ですね。近々、本編リメイクと荊州攻略前・リメイクと後を載せたいですね)」
「だ、そうです」
「にゃー(風様?)」
「なんですか、バカ猫?」
「にゃー(いつものような毒が無いんですが)」
「あなたも猫なら解るでしょう。動かない獲物をいたぶってもツマラナいのです、早くそこそこ元気に成りなさい」
「にゃー(分かりました、ならお言葉に甘えます。それでは皆様ご静聴ありがとうございました、なるべく近くに伺いたいと思います。では失礼します)」

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