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990 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [sage] 投稿日:2011/04/14(木) 16:31:27.56 ID:a1NkpWrTO
「にゃー(どんどんやりますよ)」
「(やや暴走気味ですかね〜)」
991 名前:駈風護風1-3[sage] 投稿日:2011/04/14(木) 16:39:32.25 ID:a1NkpWrTO
翠が蒲公英と共に一刀と桃香たちの仲間になってから数ヶ月たったある日、一つの知らせがもたらされた。
使者は形式上、魏から桃香の蜀に対してだったが、実のところ涼州の者による翠個人への使者であった。
当初、翠は使者の心配をした『勝手な行動で曹操から難癖をつけられ罰せられないのか?』と。
だが使者からもたらされた事実は翠に取って驚く内容であった。
それは、この報告の指示を出したのが曹操本人だということだった。
だがそんなことも本来の知らせを聞いた翠の頭からすっ飛んで消えた。
『涼州太守馬騰殿、病死』
元々、身体が弱っていたのでそう長くないだろう、と思われていた。
更に曹操の涼州進行の為、心労も重なるのだから、まさにいつ亡くなってもおかしくない、長くとも二ヶ月だろうと医者は判断していた。
だが馬騰は医者の予想の倍以上を生きた。
ただ生きていただけではなく、動けない為に曹操が派遣した文官をまさに手足のごとく使い涼州の為に尽力する。
活発になったことが結果的に良い方に働いたのか、馬騰の姿はだんだんと健康になっていくように周りの者たちには見えた。
だが実際には病魔は馬騰の身体を確実に蝕んでいた。
992 名前:駈風護風2-3[sage] 投稿日:2011/04/14(木) 16:46:47.58 ID:a1NkpWrTO
それは燃え尽きる直前のろうそくのように。
後々、娘の翠の為にとまさに命を燃やしての活動が周りの者には『健康になっていく』ように見えたのだろう。
こうして、馬騰に取ってやっておかなければならない事をあらかた終わらし、残りは他人に引き継がせても良い政務ばかりになった数週間後…
朝、馬騰を起こしに来た侍女が亡くなっている馬騰を見つけ大騒ぎになる、真っ先に曹操の元に報告が行き残された二通の遺書も届けられる。
一つは曹操宛で自分の死後の人事の推薦と五胡への対応や今後の涼州の政務の仕方が主であった。
もう一つは娘翠への遺言であった、それを曹操は涼州の者に委ねて好きにするように命じた。
次いで、
「馬騰の死を益州、劉備の元に使者として訪れて知らせなさい」
と命じた。
曹操の命に従い、涼州の使者は馬騰の遺言も携え益州におもむいた。
使者は桃香と謁見しそれを終えると翠に会い、遺言書を渡した。
受け取った翠は使者に深くお礼を言うも、逆に馬騰様には皆がお世話になったと逆にお礼を言われる。
更に『願わくば馬超様には涼州に帰って来てもらい、馬騰様の後を受け継いでもらいたい』と言われるが明確な答えは出さなかった翠。
993 名前:駈風護風3-3[sage] 投稿日:2011/04/14(木) 16:53:47.66 ID:a1NkpWrTO
受け取った遺言書を持ち、一人馬を走らせて丘までにやってきた。
馬から下り逸る気持ちを抑え遺言書を開き読む。
大まかな内容は次の通りだった。
『愛する我が娘、翠へ

 あの日以来、とうとう会えることは無かったけれど一日とてあなたのことを忘れた日はなかったわよ。色々な事もあったけれど曹操殿を特別に恨む必要はありません。
 敵として立ちはだかるなら普通に一敵として相手をし、後に同盟などを交わすならば禍根など残さずに轡を並べなさい。それと生まれ故郷・涼州に固執する必要もありませんがまた帰るのもあなたの自由、
 あなたはあなたの進みたい道を行きなさい。草原を駆け抜ける風、それがあなたなのだから』
「うぅ…うぅ…」
ポタポタと静かながらに止まることなく涙が流す翠、母様の自分に対する溢れる思いに涙が止まらない。
次第にはしゃがみ込んで泣き続けた…
「母様、ごめんなさい。死に目にも会えず、死後会いにも行かない親不孝で。ですか命を掛けて守りたい方を見つけました。時には優しく、またある時は荒れ狂う嵐に成りその方を護りたいのです。
 風が止む時がきたら必ず母様が眠る大地に戻り、共に眠りますから。それまでは寂しいでしょうが、しばらくは一人で待っていてください…」
そうして、翠は一晩泣き明かすのだった。
・・・
・・
994 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [sage] 投稿日:2011/04/14(木) 16:56:52.83 ID:a1NkpWrTO
「にゃー(ご静聴ありがとうございました、ではまた〜。次だ次!)」
「でわ〜でわ〜・・・」

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