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977 名前:きらきらかがやくごまだんご(1/2)[sage] 投稿日:2010/03/20(土) 23:02:10 ID:yWrivoo20
呉√で妊娠中の祭と亞莎の話です
セリフのみ、下ネタ注意

「返す返すも、酒が飲めぬというのは寂しいものでな。お主が馳走してくれる
ごまだんごがせめてもの慰めよ」
「恐れ入りますっ。祭様にご指導いただければ、不調法な私でも、いつかは
ごまだんごの極致にたどり着けると信じています」
「極致とは大きく出たの。わしの舌などを当てにしても、その望みは叶うまいよ。
特に、今はのう」
「はい、お腹の子のために味の好みが変わると聞きました。ですが、むしろ
工夫のしがいがあると思います」
「おう、頑張るのう。わしも利き酒なら自信があるんじゃがの。菓子もよいが、
酒の味見もやらせてくれんか? はっはっはっ」
「ごっ、ご冗談を。それ以外のことでしたら、何でもお申し付けください」
「そうかしこまるな。わしとて、せっかく授かった赤子を酒漬けにしとうはない。
しかし、どうしてお主はごまだんごにこだわるのじゃ? わしも皆も美味いと
言っておるのに、それで満足せぬとは、おかしなことじゃ」
「いえ、違うのです。真のごまだんごとは、このようなものでは……」
「ふむ。どういうことかの?」
「夢で見たのです、玉(ぎょく)のように輝くごまだんごを。あれを口に含んだとき
私は、それを追い求めることを定められたのです。もしも、あのまま飲み込んで
しまっていたら、私は夢にとらわれ、目を覚まさなかったかもしれません」
978 名前:きらきらかがやくごまだんご(2/2)[sage] 投稿日:2010/03/20(土) 23:05:19 ID:yWrivoo20
「ほう。夢の中とはいえ、さぞ美味だったのであろうな。しかし、噛り付いたなら
そのまま食べてしまえばよかろう。それで目を覚まさぬなら、わしがたたき起こして
やったわ」
「それは……声が聞こえて、夢から覚めてしまったのです」
「何の声に邪魔されたのじゃ。もしや、共に寝ておった一刀か?」
「……(赤面)」
「図星か。一刀も無粋なやつじゃのう」
「いえ、その、悲鳴だったので……」
「なんじゃと? 何があったのじゃ」
「私はその時まで眠っていて、すぐに一刀様にお尋ねしても分かりませんでした。
青い顔をされて、大丈夫だからと言われるばかりで……」
「……もしや。子明よ、その夢のごまだんごは、二つ並んではおらなかったか?」
「はい、その通りです! なぜ、祭様がご存知なのですか? まさか、祭様も
その夢をご覧になられたのですか?」
「いや、夢と言うか、それは時に夢見ごこちではあるがのう。何と申すか、だんごも
大事じゃが、春巻きのようなモノも捨てがたく……」
「……春巻きですか? それは真のごまだんごと、どのような関わりが?」
「むう、その両者はどちらが欠けても……ええい、そうではない! わしはお主の言う
夢など知らぬっ」
「そんな、どうかお教えください。祭様!」
「案ずるな。お主は既に、それを手に入れておる。このわしもな……。赤子こそ、
輝いて見えるものではないか。遠からず、お主の腹にも収まるわ。はっはっはっ」


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