桂花の仕掛けた落とし穴にまんまとハマった一刀。
穴の上から見下ろし高笑いをする桂花だったが、頭から血を流しピクリとも動かない一刀を見て青ざめる。
「ちょ、ちょっと!何死んだフリなんてしてるのよ!…ねえ!…だ、だれか!だれか来て頂戴!」
三日後…一刀は目覚めない。
「ふ、ふんっ。変態孕ませ精液男が城内をうろつかなくて安心して歩けるってものよ」
七日後…一刀は目覚めない。
「ああもうっ!こんな猥褻物の面倒を見なくちゃならないなんて!…華琳様に命じられたのでなければ誰がこんな奴っ」
半月後…一刀は目覚めない。
「いい加減に起きなさいよ…華琳様にあんな顔をさせるなんて、この馬鹿…」
一月後…一刀は目覚めない。
「ねぇ…起きてよ…(グスッ)皆、冷たいのよ…(ヒック)みんな私の所為だって…私が悪いんだって…(ポロポロ)」
三月後…一刀は目覚めた。
「ほんごおおおおおお!!!ごべんねえ!ごべんねえええ!!」
「うわ!どうしたんだ桂花!?と、とりあえずほらっ、これで顔を」
三月の間、針のむしろの上に立つような生活を送っていた桂花にとって
『涙を拭かれる』ただこれだけのことが、とてつもなく嬉しく感じられてしまったので、つい…
「北郷大好き!抱いて!」
「え、えええええええ!?」
「っていう夢を見た、ん…だが?」
風と稟に昨夜見た夢を話していたら背後に気配を感じたので、振り向けばそこに凄惨な笑みを浮かべた桂花が。
「死になさい」
「ちょ、ま、話せばわかる!」
木簡の束を振り下ろす桂花と、その腕をつかんで耐える一刀。
「お兄さーん、それって夢じゃないですよー」
「ええ、一刀殿が目覚められて、よほど嬉しかったのでしょう…三月の間溜まりに溜まった一刀殿の精を一身に…ぷふぅーっ!」
「はーい稟ちゃーん、とんとーん」
「え…それじy(ガシッ!ボカッ!)」
「記憶をうしなええええええええええええええ!!!!」
顔を真っ赤にさせて木簡を振り下ろし続ける桂花、だがそれは決して一刀の頭に当たる事は無かった。