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824 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 19:01:47 ID:bCl3QsEo0
>>821
何故だろう……恋に見えてしまうのは

さて、久し振りに桃香!
内容は“肉饅くれなきゃ、悪戯するぞっ!”の続き……と言うか、ねね視点となっとりまふ

6レス分、相変わらず短いんだけどオラに力を分けてくれ!(感想的な意味で
825 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 19:07:35 ID:bCl3QsEo0
前言撤回、どうやら7レス分程になりそう……

では気を取り直してっ!
826 名前:ねねの受難(1/7)[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 19:09:06 ID:bCl3QsEo0
―ねねの受難―


最近恋殿の御姿が見当たらないのです。
戦場において飛将軍呂奉先の傍に常に在りと謳われた陳公台ともあろう者が……不覚なのです。
で・す・が!
コレもアノちんくしゃが悪いのです!
アイツが……アイツが、恋殿を誑かすのがそもそもの原因なのです!
――北郷一刀。
天の御遣いとか何とか言われてますがトンだ甘チャン君主なだけなのです。
まぁ、恋殿を受け入れてくれた事に関しては感謝してやらない事もないのですが……それさえなければ唯のち●こなのです!
本当にアッチにもコッチにも手を出して――それで誰からも恨みを買わないのが凄い所なのですが――兎に角いけ好かない奴なのです!
アイツが謀ったかの様な頃合で私の恋殿を街に連れ出しやがるから、二人で一緒に居られる時間が少ないのです。
まぁ、恋殿はお優しいですからな……ですがそれを利用して恋殿を誑かそうとするち●こは油断なりません。
この前だってそうです!私を一人除け者にして……探し出してみれば二人でお昼寝!
お・ひ・る・ね!
しかも恋殿は気持良さそうにアイツの腕を枕にして眠っているのです!
羨ましいと思いませんか!?――いや、ち●この腕枕が羨ましいのではなくて、恋殿の寝顔が拝見出来るのが羨ましいだけなのです!
827 名前:ねねの受難(2/7)[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 19:11:23 ID:bCl3QsEo0
思わず“ちんきゅーさんだんきっく”をお見舞してやろうかと思いましたが……
――恋殿が寝ているのです、歯噛みしながら立ち去った私を誰か褒めまくると良いのです!特に生かされたち●こ!!
そして今日も今日とて恋殿は居ません……折角時間が出来ましたから市にでも誘おうと思ったのですが……。
聞き込みの結果、市に行った事が判明したのです……アノちんくしゃと!
何度も何度も私の計画を潰してくれやがります。さっさと独りで野垂死ねば良いモノを……。
兎にも角にも先ずは恋殿を負わねば!
アノ行動の根源がち●こから発せられてそうな奴の事です、飽きもせずに市に連れてったに違いない筈なのです!
ねねの明晰なる頭脳に掛かればアイツの行動など簡単に割り出せるのですよ。
もし卑猥で下劣な真似をしていたら……『新技』で撃退してやるだけです!

そんなこんなで城を出て市を目指すと……居らっしゃったのです、恋殿が!
――ち●こが一匹傍に居なかったらどんなに良かった事か。本当に邪魔な奴なのです。
アイツと何かしら喋っている様ですが私には関係無いのです。
今、私の視界には嬉しそうな恋殿しか入っていない――本当に嬉しそうで、幸せそうな、恋殿しか。
829 名前:ねねの受難(3/7)[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 19:17:58 ID:bCl3QsEo0


――……恋殿、あんな男の何が良いと仰るのです。

いつかした会話を、思い出す。

――あんな甘チャン君主の下に就いては後々不安が残るだけなのですよ!?
――みんな、お腹空いてた時……ご主人様、助けてくれた。
――ねねも、みんなも、恋も、首を刎ねられないで……こうして、生きてる。

それはアイツに助けて貰った後の事。

――確かに助けて貰ったのです……斬首を免れ、将にも任命されたのです。
――ですが、アイツは甘過ぎるのですよ、恋殿。
――いつか、必ず……アイツに甘さの“ツケ”が回って来る筈なのです。
――……そんな日、来ない。来させ、ない。
――……え?
――恋が、ご主人様……守る。
――だから、そんな日は来ない……大丈夫。

言い切った恋殿の瞳には決意の焔が渦巻いていて。

――……何故、アイツの為にそこまでするのです、恋殿!?
――…………好き、だから。

その言葉を紡ぎ出した時の恋殿は幸せそうに微笑んでいて。

――ご主人様の事、一刀の事、好きだから……。

まるで宝物を取り出すかの様にそう言い切った恋殿を、私は何故か羨ましく感じてしまったのです――
830 名前:ねねの受難(4/7)[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 19:21:05 ID:bCl3QsEo0


「……余計な事を思い出してしまったのです」
ブンブンと頭を左右に振って雑念排除。良し、尾行続行!
矢張りと言いますか何と言いますか……恋殿は行き付けの店で肉饅各種を買って貰った御様子。
ふんっ、あのちんくしゃの事ですから下心満載で買ったに違いないのです。
嗚呼、矢張り恋殿はこのねねが守らなければ……。
そんな事を考えていた、その時なのです。
「っ!?」
元気一杯に肉饅を頬張っていた恋殿の口元に付いていたモノをちんくしゃが食べやがったのです!
しかも最初は無自覚だったのか事も無げにしていて恋殿の視線で気付くと云う!
更には恋殿もそれから意識しだして羞恥に頬を染めながらチラチラとアノち●こを見て……。
…………可愛いですぞ、恋殿。
――じゃなくてっ!
“今直ぐアノ桃色甘々空間を止めなくては――”
その言葉を抱いた瞬間にはねねは駆け出して身を空中へと躍らせていたのです。
「ちんきゅーーーーきぃーーーーーーーーーーっく!!」
空を裂き、憎きちんくしゃへと迫る足裏。
だが敵も然る者、今までの行動から予測していたのか反射の御蔭か避けやがります。
それでもねねは勝利を確信してしてました。
何故なら、この時の為の『新技』!
着地した衝撃を余す事無く膝を折って吸収し、そのまま跳ね上がっての後ろ回し蹴り。
この『追尾型ちんきゅーきっく』からは逃れられない筈!
案の定ちんくしゃは地に伏してピクリとも動きやがりません。
「恋殿ー!卑劣なち●こは退治致しましたぞー!」
「ご主人様っ!?」
……え?
恋殿、何処へ行っているのです?
ねねは此処に居ますのに、何でそっちに行っているのです?
どうしてそんなに血相を変えて、心配そうな顔をしているのです?
ねねは、ねねは、そんな恋殿の顔を見たくはなかったのです――
831 名前:ねねの受難(5/7)[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 19:26:08 ID:bCl3QsEo0


それから恋殿は一人背負って城の方へ。
ねねも一緒に御供していたのですが、一度もこちらを見ようとはせず。
ずっと黙したまま、城の庭へ着いて膝枕でちんくしゃを寝かせてからも、ずっと。
そのまま何も言わないままかと、もしかしてずっと喋って下さらないのかと思い始めたその時です。
「――……ねね」
感情の起伏を一切無くした声で、ねねの真名を呼ばれたのは。
「…………はい、恋殿」
身体から溢れ出すのは冷たくも激しい殺気の奔流。
木々に留まっていた鳥達が一斉に飛び立つ程の、殺意に限り無く近い殺気。
ねねの行為が、恋殿の逆鱗に触れたのは明白でした。
「……恋、前にも言った。不意打ちするのは卑怯者のする事」
「…………はい」
「ねねは頭が良い……だから、分かってくれてると思ってた」
口調が平淡ながら饒舌になっている。恋殿が本気になられた証。
普段なら優しい光を湛えてくれている筈の瞳には、何の感情も見出せなくて。
それでも付き合いが長いだけに本気で怒っているのだと理解してしまったのです。
「それでも、ねね……続けてたから、恋、挨拶の代わりかと思ってた」
「…………」
「ご主人様も怒りながらでも、楽しそうだったから……ずっと、見てたのに……」
「……恋殿……」
嗚呼、ねねは越えてはならない一線を越えてしまったのですね。
戯れだからと何も言わずにいてくれた恋殿の心を、ねねは踏み躙ったのですね。
「……ねね、言う事…ある、はず」
「――申し、わ、け……」
ポロポロ、ポロポロと涙が頬を伝って行きます。
何故か涙が止まらない、止まらないのです。
「――……泣くなよ、ねね……」
「ッ!?」
「……ご主人、様?」
「そんな顔より……笑ってた方が、良い……ぞ……――」
833 名前:ねねの受難(6/7)[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 19:29:25 ID:bCl3QsEo0
――どうやら寝言だったみたいなのです。
まったく驚かすなのですよ……でも。
何寝ているのにねねの心配してるのですか……。
ち●この癖に。ちんくしゃの癖に。
そんな言葉を掛けられてしまったら、ねねは……――
「…………ねね、もう良い」
「恋、殿……?」
「ご主人様、心配してる……だから」
“もう怒る必要はない”、そう仰りたいのですね、恋殿。
寝言とは云えたった一言で怒りを納めてしまう程に慕っておられるのですね。
……少しは認めてやるのです、ちんくしゃ。
「でも、後でねねが自分の言葉で謝る……良い?」
「……はい、恋殿」
ようやく恋殿の表情が和らぎ、ねねもほっと一息吐けました。
取り敢えず目下意識を刈り取る様な攻撃は控える様にしないといけないと心に刻み込むのです。
恋殿を怒らせるのはねねも不本意ですし、何より身が持ちそうに――
「さて、話は終わった様ですな」
「!?」
いきなり背後から声が聞こえて心の臓が口から飛び出そうになったのです。
慌てて振り向くと青髪に白い衣、装飾過多な直刀槍『龍牙』を携えた星と……
「まったく、凄まじい殺気を感じ取ったから敵襲かと駆け付けてみれば……お前たちか」
呆れ果てた様な表情に黒髪を微風に靡かせながら青龍偃月刀を同じく手に携えた愛紗だったのです。
「あ、あれだけの殺気ねねが出せる訳ないのです!恋殿御一人の殺気なのですよ!」
「ふむ、恋が……コレはまた珍しい」
「滅多な事ではああも殺気は出さぬものだが……恋、何があった?」
「……ねねがご主人様昏倒させたから、怒ってた」
「「ほほぅ?」」
「ひぃっ!?」
瞬間飛んで来た眼光四つに思わず身が竦んで変な声が出たのです。
しかも同時に首根っこを掴まれて、ズルズル、ズルズルと……。
837 名前:ねねの受難(7/7)[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 20:00:03 ID:bCl3QsEo0
「ま、待つのです、星、愛紗!一体何処で何をしようと言うのです!」
「ふふふ……それは勿論、なぁ愛紗……?」
「そうだな星……“少しばかり”話を聞かせて貰うだけ……ふふふ……」
「れ、恋殿ぉ!助けて下されええぇぇぇぇ!!」
星と愛紗に引き摺られて行く最中に確認出来たのは、優しくちんくしゃの髪を撫でる恋殿の愛しそうな表情と、
「……頑張って、ねね」
何故か励ましの言葉を贈って下さった恋殿の声だけなのでした。



後日、ちゃんとアノち●こには謝りましたですよ!
何故か頭を撫でられてしまいましたが……ムカついたので“ちんきゅーさんだんきっく”を喰らわせてやりましたです。
べ、別に照れ隠しとかそんなのじゃないですよっ!?

――えっ、星と愛紗に引き摺られた後に何があったのか?
そ、そそそそそそれはねねはなにもしらないのですほんとうですおぼえてないのですぅっ!
838 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/12/23(水) 20:01:58 ID:bCl3QsEo0
以上となりまふっ!
すっかりバイさるの事忘れてましてorz
支援、どうもアリガトウゴザイマシター!

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