[戻る] [←前頁] [次頁→] []

825 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/03/17(木) 17:50:55 ID:RMFf2P1cO
『私の名前は冥琳…日本においてはかなり変わった名前だと自分でも思う、最近では当て字の名前が増えた為に少々は目立たなくなった。が、所詮は雀の涙程度だが…
 名前の理由は私が産まれた時、晴天だと云うのに突如として病院に雷が落ちたらしく、なにかを感じ取った父が調べ出して…
 そして行き着いた先が知る人ぞ知ると噂の中国の占い師…ここで個人的には何故、中国なのか?と思った時期も有ったものだが…だった』
◆ ◆ ◆
通訳「這個孩子的未來好?」
「・・・・・」
占い師は下を見たまま動かない。
通訳「這個孩子的未來好?」
通訳にもう一度訪ねられ、ようやく顔を上げた占い師が子供を見ると、ただ一言。
占い師「…該名兒童的冥琳」
「何だって?」
通訳「その子の名前は冥琳だと、言ってます」
「この子の将来は安心なのか?と再度聞いてくれ」
通訳「分かりマした、…這是未來的孩子的安全?」
だがそれ以降、占い師は質問に答えることは無くやや不気味に薄ら笑いをするだけだった。
「あなた…胡散臭くない?なにより不気味で怖い」
826 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/03/17(木) 17:54:18 ID:RMFf2P1cO
「いや…日本の時には、インチキならまずお金をせびって来た。本物か偽物か、それは判らないが今までの占い師とは明らかに違う…よし!今からこの子の名は冥琳だ!」
「あなた正気なの!」
・・・
・・

◆ ◆ ◆
この様な経緯で私の名前は冥琳になったらしい。
「コホッ」
その時、不自然に乾いた咳が一つ。
瞬間、静電気の数万倍?全身を強烈な電気が走ったとしか言えない衝撃を受けた。
彼女はフラッシュバックに次ぐフラッシュバック!に、襲われる。
強引に書き込まれる知らない記憶!知らないのに知っている体験の数々。
一瞬、彼女は自分の気が触れたのかと思った程だ。
ようやく落ち着きを取り戻したころにつぶやいた。
「私の名・・・なるほど…ただの変わった飾りでは…なかったのか…真名、だったのね。…それで全てにおいて決定済みだったのか…フフ、アハハ…アハハハハ…」
狂ったのか?と疑いたくなる程に彼女の笑い声が響いていた。
◇ ◇ ◇
次の日・それなりの病院
「常盤…冥琳さん。えっと自己申告で結核を調べて欲しい?と」
カルテに書いてある名前で比較的すんなり名前を呼べた医者。
「はい」
827 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/03/17(木) 17:56:50 ID:RMFf2P1cO
「内科の私が見た限りでは…レントゲン写真にそれらしき影は写ってませんね」
医者の態度は横暴でも怠けてる様子も無く、純粋な意見のようだ。
「分かりました、それではそのレントゲン写真は戴けますか?」
「有料になりますよ?」
「構いません、お願いします」
こうしてその病院を後にした彼女。
◇ ◇ ◇
専門機関が有る別の大病院
「常盤……えっと…」
「めいりんです」
「すいませんでした。で常盤さん、調べて欲しかった病気は結核」
「はい」
はっきりと答えた返事に。
「自信お有りですね、その根拠は何でしょうか?」
『根拠』
その言葉にふと有一無二の、いや無三の内の古い方の仲間の言葉を思い出し。
「根拠ですか?勘ですかね」
その言葉を口にする。
「勘ねえ・・・希望は医学ですか?」
「いいえ」
否定の言葉に医者は安堵の表情を浮かべた。
「もしあなたが医者になってしまったら評判で世界の診察医、全員が廃業していたでしょうな」
「ご安心ください、おそらく今回だけですから」
「そう願いたいですな。で、結論から言えば…はい、結核でした。しかし、専門医が始めから結核だと目星をつけてたから解ったレベルですね」
828 名前:一刀十三号曰わく、[] 投稿日:2011/03/17(木) 18:00:10 ID:RMFf2P1cO
レントゲン写真をもう一度覗き込みながら。
「なので今から入院してもらいます。本来なら見つからないような初期の初期です。今は抗生物質が有りますから、あっという間に治りますよ。一昔前なら死んでいたでしょうがね」
最後の台詞になぜか胸が締め付けられるように痛んだ。
◆ ◆ ◆
少々長い入院生活も、無事に結核を治療し退院した。
家に帰ると家族の退院祝いもそこそこに切り上げ、早速自室のパソコンの前に座り電源を入れた。
『聖フランチェスカ学園』
この文字を検索にかけて現れた検索結果のトップに学園の案内が出る。
まずはホームページに行き、そこから彼女のハッキングが始まった。
たかが一学園、それもさしたる重要度の無い、たかが生徒達の名前リフトは瞬く間に捜し出せた。
「やはり・・・居た」
真の目的を探し当て、ほくそ笑んだ彼女。
○…… ……
○北郷 一刀
○…… ……
次の瞬間には迷う事無く従来のホームページに戻り、
『学園への転入手続きの説明』
の文字をクリックしていた。
829 名前:一刀十三号 ◆keNb29aoZQ [] 投稿日:2011/03/17(木) 18:05:54 ID:RMFf2P1cO
「にゃー(まとめサイトの神様はじめ多数様が心配していただきありがとうございました)」
m(_ _)m
「にゃー(まとめサイトの神様、休ませませんよ(笑))」
ノシ

 [戻る] [←前頁] [次頁→] [上へ]