- 322 名前:清涼剤[sage] 投稿日:2009/07/17(金) 01:15:37 ID:cs495NP20
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うぅむ、皆さん短時間で高クオリティなものを書きますね。
GJ&うらやましいです。
さて、僭越ながら自分も流れに乗らせていただきます。
3レスでいきます。
- 323 名前:とある酒の席での話(1/3)[sage] 投稿日:2009/07/17(金) 01:18:40 ID:cs495NP20
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それは、とある酒の席での事だった。
「北郷、大丈夫か?」
「聞く前になんとかしてくれよ」
にこやかな笑顔で尋ねてくる秋蘭にため息混じりの返答をしつつ膝の上のブツをなで上げる。
「うみゅう〜、もっとら! もっとなでるのら〜」
「……はいはい」
「ふふ、姉者は可愛いなぁ」
手を緩めるたびにせがむ春蘭。
それに対して、苦笑しつつもさらに撫でる。すると、彼女は嬉しそうに笑う。
そして、俺にじゃれている春蘭を見て口元を緩める秋蘭。
そんな姿を見るのも悪くはないと俺は思う……思うんだが、この状態では満足に楽しむことができない。
「へぇ、あなたと春蘭ってそんなに仲が良かったのね」
「頼むから、そんな目で俺を見ないでくれ」
そう、この場には華琳、そしてその周辺に属する面々がそろっている。
先程から、痛みを感じてくるほどに視線を突き刺す華琳。
その横で、華琳に頭を差し出す桂花。
さっきから指をくわえてこちらを見つめる季衣と流琉。
茶々を入れてくる霞と真桜。
ちらちらとこちらへ視線を向けては、俺が向くたびにそらしている凪。
その横で一人頷き、やっぱり種馬なの、などといっている沙和。
「って、何で種馬!?」
- 324 名前:とある酒の席での話(2/3)[sage] 投稿日:2009/07/17(金) 01:22:52 ID:cs495NP20
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「種馬……か、一刀殿が……を撫で!? ぶはっ」
「はい稟ちゃん、とんとんしましょうねー」
沙和の種馬発言で、鼻血を吹き出す稟……一体、どこまで飛躍した妄想を繰り広げた
のだろうか。絶対に聞きたくないな。
そんな稟をいつものように介抱する風。
しかし、興味深そうな視線はこちらに向けられたままだ。
こんな環境で春蘭の頭を撫でているのがもの凄く恥ずかしい。
というか、みんな注目しないで欲しいな。精神的にくる。
「な、なぁ、もういいだろう春蘭?」
「……いやなのりゃ! もっとなのにゃ!」
「いや、十分撫でただろ……」
「いやにゃのか! しょんなに、にゃで心地がわるいにょかー」
なんとか諦めさせようと試みるが、春蘭は急に頬を膨らませるとだだをこね始める。
「はぁ、ならこれで勘弁してくれ」
収まる様子のない春蘭よりも現在隣で彼女を見ているはずの人物から発せられる殺
気に当てられ、俺は春蘭の喉へと手を伸ばす。
「ほれほれ〜」
「ごろごろ〜」
「そらそら〜」
「ごろごろ〜」
のど元を撫でると可愛らしく反応する春蘭に心が奪われ、気がつけば、彼女はぐった
りとしている。
「す〜す〜」
いや、正確には寝ていたようだ。すっかり緩みきった春蘭の寝顔を見ていると、横から
ずいっと頭を俺の前に出すようにしな垂れかかってくる人物が。
- 325 名前:とある酒の席での話(3/3)[sage] 投稿日:2009/07/17(金) 01:26:22 ID:cs495NP20
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「ん? なんだこの頭は」
「ふふ……さて、なんだろうな」
「はぁ、お前もか。秋蘭」
彼女が自分から言い出さないことを知っているため、こちらも黙って頭を撫で始めるこ
とにした。
すると、彼女はゆっくりと瞼を閉じ、こちらへ一層体重をかける。
「ふむ、これはなかなか……くせに……」
「ん? 何か言ったか?」
「ふふ……いや、何でもないさ」
秋蘭がなにかを呟いていたが、聞き取ることは出来ず聞き返してみたけど、教えてはく
れなかったため、そうか、とだけ返し撫でることだけに集中していった。
それから、秋蘭が満足するまで撫でた。そして、彼女が春蘭とは逆側の空いている膝を
使って眠りにつくのを見届けたところで俺は気づいた。
こちらに向けられている複数の視線に……。
気のせいか、先程よりも全体的に強くなっている。
あぁ……この後が思いやられる。
そんなことを思いながら膝の二人を見る。
「あれ?」
二人から視線をほんの少しずらすと、俺の影と床の境界が消えている。
そして気がついた……複数の影が俺の影を飲み込んでいる。
その事実に冷や汗を垂らしつつ俺は恐る恐る顔を上げた。
「さて、次は誰にしてくれるのかしら?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
翌日、両腕をだらりと下げぶつぶつと、腕が、腕が、と呟いている一刀が、あちこちで
目撃されたのだった。
さらに、一刀を鍛える項目に、"撫でる" というものが追加されたらしいが真相は彼ら
しか知らない。
- 326 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/07/17(金) 01:29:01 ID:cs495NP20
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以上です。
やっぱり、素早く書くのって難しいです。
じっくり書いてもクオリティ低いので、早く高く書ける人が羨ましいです。
では、お粗末様でした。