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87 名前:rollyテラ東[sage] 投稿日:2009/07/09(木) 02:32:20 ID:f/uEXooc0
懲りずに たんぽぽ珈琲 その3 !

今回も誤字脱字が多数、乱筆乱文、日本語でOKと残念な文章ですが、よかったら読んで下さい。
http://koihime.x0.com/bbs/ecobbs.cgi?dl=0340



〜たんぽぽ珈琲〜 その3 

いい加減、翠の眼差しが怖い。

いや、不機嫌とかじゃないんですよ?。

その、機嫌はいいといいますか笑顔が…。

会うたびにニコニコしながら「期待してるからな!」とか「大丈夫ゆっくり待つからさ!」と
ナチュラルにプレッシャーを掛けていってくれるので胃が大変なことになりそうだ。

翠の事だ、純粋にそう思ってるんだろう。
「コレが星や朱里・雛里なら・・・怖いから考えるのやめよう。」

まあ、アレでいいよな・・・。
最初にコーヒーを飲みたくなったときに思い浮かんだもう一種類。
材料の調達は此方の方が多分簡単だが・・・。

朱里に目当ての作物がある畑を聞き、分けて貰いにいく。

護衛には ”ぽんでらいおんの戦士 馬岱”を連れて行くことになった。
曰く、「錦馬超」「常山の趙子龍」「幽州の青龍刀関雲長」「普通の公孫サン」のような二つ名にする気らしい。

珈琲の一件以来舞い上がって使い物にならんのですが、護衛任務ならば身もはいりましょう。とは愛紗の言。

運良く時期だったのだろう、作物は目当ての状態で手に入った。

ついでに綺麗な藁束も確保した。

市にいって次なる材料を買い求め軍馬が荷馬にみえるくらい買い物をして帰る。

警邏の帰りか、調練の帰りか、はたまた待っていたのか翠とばったり?宮城の門で出会ってしまった。

荷物の量をみて思うところがあったのだろう、いつもの蒲公英に負けないくらい良い笑顔で

「ごっ ご主人様それってアレだよなっ なっ?!」

「待たせたな。出来たら直ぐにもっていくから。」
出来れば突然部屋を訪ねて驚かせたかったんだが。

「お姉様、よかったねー!。」

「早ければ今晩、遅くても明日の晩にはいくよ。」

二人と別れ仮工房、旧自分用政務室にこもる。

特産物係に配置換えされた翌日に急遽取り付けられたカマドでお湯を沸かし、
分けてもらった若いやつを茹でる。

塩加減がわからんが一寸しょっぱい位でいいよな。

あれ?お湯からあげて塩ふるんだっけ? まあ大丈夫だろう。

ザルに上げて冷やしておく。

一寸食ってみるか・・・。 うん!コレはイケル。

もう一つのなべでガラガラと焦げないように火加減を調節しながら市場で買った方を炒る。

合間にもう一種類の為の仕込みで水につけておく。コッチは星が気にいってくれればいいんだが・・・。

たんぽぽ珈琲もそうだが、翠珈琲になる予定のこれも作るのは初めてなんだけど上手くいくんだろうか?
---そこはそれ、主人公補正というやつ、ですよ。と飴を咥えた女の子のヴィジョンが・・・---
天の御使いの面目躍如といったところか、上手くいった気がする。さっきの幻影?は気にしない事にしよう。

後はコレを砕いてっと。

さらしでくるんで。

ポケットに隠してっと。

やっぱ、翠だしな。ちょっと悪戯しないと・・・。

お盆の上にザルに盛った鮮やかな緑色をしたそれをのせてっと。

二人の部屋の前に到着。ノックもできないしっと。

「す

ガラガラッと戸が開く。

「ご主人様 ささっ さあどうぞ。」

声を掛ける暇もなく迎え入れられる。

「あっ・・ありがとう。待ったかい?。」

「んーん。 ぜんぜん! 全然待ってなんかないよ。なー蒲公英。」

「お姉様、檻の中の虎みたいに右往左往してたじゃない。」

「★иЩЭФ あはっ あははは。」
 笑ってごまかすことにしたらしい。

「じゃあ食べようか。」テーブルの真ん中に持ってきた物をドンとおいて。

「これはなんなのご主人さま。」

「枝豆っていってね。若い大豆の塩ゆでなんだ。
 こう鞘をもって中身を口のなかに飛ばしてたべるんだよ。 うん。旨い。」

「あはっ コレ楽しい食べ方だね、うん。癖になりそうなくらい美味しいよ、ご主人様。」

「ははっ。それはよかった。で中身の豆をみたらわかるとおもうけど。綺麗な緑色しているだろう?」

「翠っていうくらいだから、こういうのがいいとおもったんだけど・・・。」

「そっか・・・お茶とか珈琲とかじゃないのか・・・。」
俯いて豆を未だに一口もたべずにドンヨリとしたオーラをただよわせている。

「翠はコレ食べたことあったのか? 料理としてもうコッチにはあるのかな?・・・。
 蒲公英どうなのかしらないかい?」

「うーん私は始めて食べたし、豆を若いうちに食べたりする事って無いとはおもうんだけどな。」

姉の事をおもっているのだろう。少し沈んでいる。

「翠・・・コレじゃ駄目だったか? お前の名前にちなんで一生懸命悩んだけどな・・・。
 そっか、駄目か。 うーん。 これはじゃあ誰か別な人の名を付けて、翠には待ってもらおうかな…。」

と思いっきり項垂れた振りをする。

「そっ そんなことないよ! モグモグ うん、旨い! コレだけ旨いんだ。私も満足だよ!。」

黙々と枝豆をくいつづける翠、もはやヤケ食いだ。

嘘付け。ちょっと涙ぐんでるじゃないか。お前の可愛さは反則なんだよ。
 いじめたくなってしまう言い訳としてこれは適当なんだろうか・・・。まあいいや。

「そっ! そうか! 気に入ってくれたか。 よかった。 どんどん食べてくれ。
 じゃ、おれはお茶をいれるから。二人でたべててね。」
ちょっと大げさに喜んでみせる。細工は隆々仕上げを・・・ってね。

お湯を沸かし用意していたものをいれてしばし待つ。

うん、いい香りだ。色はこれは問題ないっていうか、もはや珈琲だな。

珈琲つくってるから当たり前なんだけど。

湯呑みに大豆珈琲を注ぎ二人の前にそっと置く。

「ご主人さま。これたんぽぽ珈琲じゃないよね?」

俺の意図に気づいてくれた蒲公英にニッコリ微笑んでうなずく。

「まあ、飲んでくれ。」

ズズズズ

「どうかな二人とも?。」

「うん、たんぽぽ珈琲とはちがってコッチのほうが苦い?かなでもおいしい。」

「こっちのほうが香ばしいかんじかな・・・。コレはなんていう飲物なんだ?ご主人様。」

「やーねー!お姉様!、これ多分”翠珈琲”とか”馬超茶”っていうんだとおもうよ?」

「・・・え?」

「名前は蒲公英のいったとおりにしようとおもうんだけど、翠どうかな?
 蒲公英と翠は姉妹同然だし、どうせなら珈琲がいいとおもって。
 気にいってくれた? ソレの原料は大豆でさ、さっきの枝豆は鮮やかな緑だっただろ?
 翠って名前をつけても名前負けしないと思うんだけど・・・。」

「ごっ・・・ごじゅじんじゃまぁあ゛ああぁ ありがどーーー。」

嬉し涙か鼻水なんだか良く判らないグジャグジャな顔の翠に抱きつかれ・・・


その後は馬家二人からの感謝の印として何時もはやらせて貰えない様なことを、
特に翠にやってもらったり、やらせてもらったりした。

「今日のことは忘れろよ!エロエロ魔神!」

「えーじゃあ、翠珈琲の事も忘れちゃわないといけないけど?」

「うるさい、あの事だけだ!このエロエロ魔神!」

「あの事って?。」

「あーもう! このエロエロ魔王!エロエロ魔神!エロエロ魔神皇帝!」



この日おれはエロエロ魔神カイザーにランクアップした。


-end-


北郷一刀はつくづく学習をしないらしい。

美味しいから皆に飲んで欲しい。

ものすごく純粋な動機で地雷原に突入するのだ。

翌朝の朝議で翠珈琲(馬超茶)と枝豆を披露し

「また、馬家ですか・・・。」
「アンタ、西涼のつぎは涼州ってことで月なんでしょうね?」
「わしは旨い酒がのめれば何でもいいんじゃが・・・。
 まあ困るお館様も中々の肴よのぅ。というかこの豆はいけますな。」
「うむ、酒に合うといえば・・・合うのか?桔梗殿一杯貰えまいか?」
「あら本当、あとで璃々にも持って行ってあげてもよろしいですか?ご主人様。」
「にゃははははー。この豆はうまいのだ、食べ方も面白いし気に入ったのだ!」
「ング ング ング ズズズー」
「蒲公英!貴様ー私に豆を飛ばすんじゃない!」
「蒲公英ちゃん!食べ物を粗末にしたらだめだよ!」
「ごめんなさい 桃香様」
「恋殿ー 豆を飛ばすので食べてくだされ。」
「ほんごー 私のも考えてくれよー。」
「んー このこうひぃも美味しいです。ご主人様。」
「はわわ。(お好きな文章を想像して代入してください)」
「あわわ。(同上)」


今日も騒がしく、しかして平和に朝議は進んでいくのでありました。

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