- 89 名前:まほつか[sage] 投稿日:2009/05/28(木) 17:28:49 ID:/EozVyQV0
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流れをぶった切ってしまいすみませんが、
短編を妄想しまくりましたので、保守代わりに桃香させて頂きます。
3レス程行きますね。
- 90 名前:1/3[sage] 投稿日:2009/05/28(木) 17:29:40 ID:/EozVyQV0
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― 妄想・魏√END 〜春蘭編〜 ―
三国による戦乱は終幕を迎えた。
今ここに魏・呉・蜀の面々が一同に介し、卓を囲み、料理に舌鼓を打ち、酒に酔いしれている。
華琳が追い求め、そして勝ち取った理想の光景を目にし、俺の胸に熱い何かが込み上げてくる。
その華琳は少し離れた場所で劉備さんと孫策さんに酒を注がれていた。
困った顔をしながらも注がれた酒を一気にあおった。
かと思えば、手近な徳利を2つ持ち、2人の口元へ突きつけた。
「さあ、次はあなた達の番よ」とでも言いたげに口の端を持ち上げる。
劉備さんも孫策さんも目をパチクリとさせていたが、やがてその徳利を受け取り、華琳と同じ様に一気に飲み始めた。
突如として始まった飲み比べに、周囲の盛り上がりも最高潮を迎えていた。
もう、憂う事は何も無い。
だが、そんな思いとは裏腹に一人の女性へ一度だけ視線を向ける。
そして誰にも気付かれないように、そっと祝宴会場を後にした。
(さようなら…華琳……皆……そして、ごめんな…春蘭…)
「…ん? あれは…本郷? すまんが愛紗。 私は少し席を外す」
「ああ、分かった。 で、ですから桃香様! もういい加減になさいませ!」
〜 〜 〜 〜 〜
「本郷!」
「春蘭…」
「まったく。この様なめでたい日に祝宴会場を抜け出すなど、何を考えているのだ!」
「…そう言う春蘭だって抜け出してきてるじゃないか」
- 91 名前:2/3[sage] 投稿日:2009/05/28(木) 17:32:10 ID:/EozVyQV0
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「そ、それは…。そ、そう、お前が悪い! お前が抜け出すから悪いんだ!」
「だよな…。なんで今日、この時なんだろうな…」
「? 何を言っているんだ?」
「…………」
「そ、それよりもだな…。 じ、実はあれからあ、杏仁豆腐を沢山作ってだな、
華琳様からも秋蘭からも太鼓判を押してもらえる程に美味しく作れるようになったのだが…
それでお、お前がどうしてもと言うならば、作ってやらん事もないぞ?」
「そうなんだ…。 その杏仁豆腐…食べたいな…」
「だ、だろう! よし! ならば明日早速…………ほ、本郷!!!!」
「……春蘭……」
「な…ど、どうしたんだお前! 何故体が透けている!」
「はは…。 もう、時間が来たみたいだな…」
「時間……時間とは何だ…? 嘘だろう? それは天の国の術か何かなのだろう…?」
「ごめんな…春蘭」
「謝るな!! お前は私の前に居る! 何処にも行かない! 否! 何処にも行かせない!」
「…………」
- 474 名前:3/3[sage] 投稿日:2009/05/28(木) 17:39:08 ID:KKJjKjIs0
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「くそ! くそ! 何故掴めない! 何故お前に触れられない!」
「春蘭…」
「杏仁豆腐を食べたいと、そう言ってくれたじゃないか! 一刀ぉ!」
「俺、春蘭に出会えて良かった…」
「一刀…一刀ぉ…」
「春蘭と一緒にいれて、すごく楽しかった…」
「行くな…。行かないでくれ…」
「さようなら、春蘭…。 愛していたよ…」
「一刀…? 一刀ぉぉぉ!!!」
〜 〜 〜 〜 〜
「それで? 今度はどんな杏仁豆腐なの?」
机に並べられた杏仁豆腐の群れを見て、華琳は一つ溜息を吐いた。
「はい! 南蛮の“ばなな”なる身を加えてお作りいたしました!」
「はぁ…。 春蘭の杏仁豆腐は美味しいのだけれども、量がちょっと…」
「申し訳ありません…。あの馬鹿がいつ帰ってくるか分かりませんので…」
「ふふ。そうね。この量ならちょっとやそっとじゃ無くならないものね」
「帰ってきたならば、口の中へ思いっきり流し込んでやるつもりです!」
「しかし、杏仁豆腐以外はからきしなのは何故なのかしらね…?」
「そ、それは言わないで下さい華琳様〜」
〜 春蘭編・完 〜