- 374 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 11:09:12 ID:sOxNoWm7O
-
今から再チェックして問題なきゃ桃香?
16+α?桃香予定
昼から13時までには始めたいです。
L
- 378 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 12:23:44 ID:sOxNoWm7O
-
「…………………寝てませんよ」
「起きなさい、一刀十三号さっさとあなたの駄文を載っけるのです」
「にゃー(16+α?桃香予定、半からです)」
- 380 名前:三教一致 16-1[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 12:30:14 ID:sOxNoWm7O
-
「先ずは“おめでとう”と言っておけばいいかしら」
皮肉を言う曹操の“言葉”を無視する一刀。
「曹操、そちらの負傷兵、特にもう戦えない・動けない人達をこちらで回収したい」
「それには異論は無いは、ついでに兵士全員連れて行く?」
「…曹操」
中には一刻を争う重症者も居るだろう、曹操の重なる皮肉に微かに苛立ちが混じる。
一刀の苛立ちを感じ取り、その苛立ちから純粋に負傷者を救いたいと理解した。
「謝るわ、流石に立て続けに負けて少々苛ついたみたい。任せるわよ」
ついて来る男手がいなかったから、自分で持って来た旗を振る。
すると直ぐに劉備本陣から兵が曹操の軍に近づく。
かなり近づいた所で曹操の兵が威嚇に入る、劉備の兵が声を張り上げ危害を加えないことを伝えるが受け入れない。
効率的に負傷者を運ぶ動力として象兵を向かわせたのが不味かった。
だがそれも双方の将が出てきて収まる、諸葛亮と夏侯淵だった。
もしこれが、関羽と夏侯惇だったらと思うと背筋に冷たい汗が流れた一刀。
着々と負傷兵の応急措置と輸送が始まる、暫し眺める四人。
特に劉備が自分たちの兵が如く、安堵のため息を吐く。
- 382 名前:三教一致 16-2[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 12:34:12 ID:sOxNoWm7O
-
また、曹操も負傷者を乗せた荷台を一度に5〜10台運ぶ象を見て。
「人の手では敵わないかしら?あれには」
と、洩らす。
「それに関しては同感ね、方法は有ったにしても手段の殆んどを潰されてたし。正直あれは私達でも戦いたくないわね」
溜め息をつき、腰に手をあてながらぼやく孫策。
「あら、同情?」
「いいえ本心よ」
暫し見つめ会う二人、目が嘘ではない事を物語る。
「処で曹操。話を聞いてもらえるかな?」
「ええ、約束だものね」
「じゃあ、“降伏しろ”とは言わない。ただこの三人で三国に分配するから納得して欲しい」
黙って聞いている曹操。
「曹操の性格からして一度は力で全員ねじ伏せた上に自らの手による三国分配でなきゃ納得出来ないだろうけど」
一瞬、曹操の表情が変わる。が、一瞬だ。気付いたのは一刀だけ、と思いきや孫策も気付いていた。
「つい先程、桃香が喋った通り。この三人なら私利私欲に走るのも居ない、いい意味で三国が牽制しあって適度な刺激にもなる。それに」
「「「それに?」」」
三人が同時に声を上げた。
- 383 名前:三教一致 16-3[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 12:38:15 ID:sOxNoWm7O
-
「天の世界で自分が住んでいた所は島国でね、隣に陸続きの国が無かったんだ。そりゃあ天の世界にも陸続きで隣通しの国家は有ったよ。
大抵争いごとばっかりだった。だからこの大陸だけでも、そしてせめて自分が生きてる…もしくは留まれる間だけでも争いが無く平和な時間が有ってもいいかなって」
“留まれる間”の台詞に劉備と孫策が、特に孫策が寂しい顔になる。
「解りやすく大雑把に言うと、友達感覚の蜀、家族構成的な呉、律儀な上下関係の魏。それぞれの持ち味が有ってそれぞれみんなが魅力的だ。
だったら基盤になるのは漢王朝でいいけど、三国が同時に存在して“国民が自分に合った国を選べる”時代が来てもいいんじゃない?」
直ぐには無理だろうけど、と付け加える一刀。
話が膨大過ぎるのか、何を言ってるのか理解されてないのか?とにかく黙っている三人。
「…クククッ、アハハ、アーハハハハハッ」
沈黙を破るは曹操の笑い声。
「常に国は一つに有らず、ならば民に国を選ばさせる。あー可笑しい」
笑いすぎか涙を拭う曹操。
「その考えは思い付かなかったわ。移動、先祖伝来の土地への固執、新しい土地への不安等々問題も山積みでしょうに」
- 385 名前:三教一致 16-4[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 12:42:32 ID:sOxNoWm7O
-
曹操が的確に問題を指摘するが。
「流石は城をあっさりと捨てた劉備と行動を共にしているだけの事は有るわ、でもあなた達ならやれるんじゃない?」
笑うのを止め真面目な顔で答えだす。
「そうね、あなた達の言う通りなら魏の領土は桂花と秋…(ああ駄目ね、あの子たちは多分ついて来てしまう)風に…程仲徳に相談しなさい」
「…曹操?」
「(私は覇王として…覇道を歩む者として、最早…)」
チャキ!?
持っていた大鎌を首筋に当てる。
次の瞬間!
「華琳!!」
ポタッ、ポタッ。大鎌を流れる血が先端から大地に滴り落ちる。
「ご主人様!」
「一刀!」
血を流しているのは一刀、流している場所は右手、原因は曹操の大鎌を無謀にも素手で握った結果。
骨で止まったのか?指の切断は免れているが重傷なのは変わらない。
「ッ!」
大鎌から手を離す際、一刀に苦痛と負担を強いいる。
「北郷一刀!あなた一体!何故…」
「(何故、武器を素手で止めたの?私が死ねば戦いが再開されるかもしれないから?いや戦いが再開されても叩き潰せばいいだけ。
何故、私の真名を知っているの?それも違うそんな事は調べれば解る事、私の疑問はこんな事ではない)」
- 388 名前:三教一致 16-5[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 12:47:05 ID:sOxNoWm7O
-
大鎌を投げ捨てる。
カラーン!
本当の疑問は「(何故“私の真名を誰よりも自然に、そして綺麗に発する事が出来るの?”)」だった。
「劉備!包帯はある!」
「えっ?あっ!わ」
急な展開についていけない劉備。
「孫策!」
「悪い無いわ、取ってくる?」
「お願い!」
駆け出す孫策。
「悪い、曹操」
「えっ?」
「真名言っちまった、訂正する」
「黙ってなさい、馬鹿!」
指だけの怪我だ、死ぬ事だけはないだろうが重大な後遺症が残る可能性が有る。
自分の左腕を覆う布を右手で引き千切ると、一刀の指に応急措置に入る。
「曹操さんこれも使って」
自分の服のヒラヒラを引き千切って曹操に差し出す。
「ありがとう、劉備」
一刀に関することだと自然に礼の言葉が出てた、応急措置を済ますと。
「あくまで応急措置よ、一番近いのは……私の陣ね。丁度いいわ治療もしているし、あそこまで行くわよ。劉備、異存は無い」
「曹操さんがそう判断したなら間違いないかと」
歩きだす三人。
「そう言えば、私の判断なら間違いないの劉備?」
ふとした疑問を口に出す。
- 390 名前:三教一致 16-6[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 12:51:44 ID:sOxNoWm7O
-
「それはもう『天の知識で曹孟獲は素晴らしい人物なんだ』って、絶対に何か違う感情も入っていて正直ヤキモチだったよ」
「だった、なの?」
「はい…先程のご主人様に対する治療を見てたらなんか納得しちゃいました」
「変わっているのね、劉備」
「へへーご主人様、共々よく言われますよ♪」
「呆れるわ……それに天の知識で私は素晴らしいねえ。その天の知識に散々苦しめられたけど」
少し睨み付ける様に一刀を見上げる曹操。
「ほら、手を頭の上に上げなさい」
両手で右手を強制的に万歳をさせる、すると今だ止まらぬ血が曹操にかかった。
「あっ!ごめんカ‥曹操、自分でやるから離れて」
「構わないは別に。それより北郷、あなた私の真名を自然に読んだわよね?それは何故?知っていたにせよ、あまりに自然だった」
「そうそう、ご主人様。何時の間に曹操さんの真名調べたの?」
惚ける前に劉備が止めを刺す、これで逃げれなくなった。
「そうだね、曹操。胡蝶の夢は知っているよね」
「南華老仙の?」
「そう、それでもし実は既に一回この世界に来ていて、その時は桃香じゃなく曹操に仕えてて、一度は大陸全土を支配した。なんて話はどう?」
- 392 名前:三教一致 16-7[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 12:56:14 ID:sOxNoWm7O
-
「…………」
歩きながら考える曹操。
「北郷、その時の私はあなたに真名を許してたの」
「ああ」
「えっ?えっ?ご主人様?曹操さんに一回会ってるの?」
「まあ、別の世界で仕えてた。かな?」
「なら私は?」
「うーん、敵だった」
「えー!…………くすん」
「大丈夫、今は大事なパートナーだよ」
「ぱーとなー?」
「大事な人って意味」
左手を血で汚れてないか確認して劉備の頭を撫でる。
「ご主人様」
照れる劉備。
「で、その時の私はあなたを何処まで許したの?…あなたの噂は、特に女性関係の話は予々伺っているわ」
「言っていいの」
「構わない」
「恋人?…少なくとも男女の仲だったよ」
「そう」
それ以降喋らなくなる曹操、途中孫策が少しでも速くだろう馬にて駈けてくる。
「ごめん、一刀。平気?急ぐなら馬で行く?」
「平気だよ、曹操の判断で待っているより向かった方がいいだろうって、だから」
馬から降りると「ふ〜ん」と孫策。
暫く自分が居ない間に雰囲気が変わってる事に気付く。
「馬は辞めておいた方が良いわね、ところで孫策の記憶も有るの?」
孫策を見る一刀。
曹操の発言で大方悟った孫策が。
- 395 名前:三教一致 16-8[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:00:12 ID:sOxNoWm7O
-
「構わないなよ…いや私が喋るわ一刀。…曹操、私だけが一刀の記憶を持っているのよ、ただし別の一刀のね。
前回?の記憶の時でも、やはりあなたが攻めて来て、その時は私が毒矢で死んだのよ、だから前回の記憶はそこで終わり。
ただその後、私が一刀の天の世界に生まれ変わって一刀と出会う。細かい話は話してあげない♪その時の記憶は一刀もちゃんと有るわよ♪」
「そうなの北郷?」
確認の為に一刀に訪ねる。
「まあ、おっしゃる通りです」
否定はしなかった。
「なら孫策、何故あなたは天の知識で国の繁栄を、戦を有利に導かなかった?あなたの武力に天の知識が加われば北郷に頼らずとも大陸の制覇も夢ではなかろう」
「あーそれね。それなんだけど、一刀との記憶は有るんだけど、軍事面・政治面の記憶がすっぽり抜けているのよね、なんでだろ?」
考えこむ孫策。
「ねーねーご主人様?雪蓮さんと天の世界で一緒だったの?」
「そう」
「生まれた時から?」
「違う、曹操の時に一旦、自分の世界に戻って暫くしてから。そしてまた暫くしてからこの世界に飛ばされてたんだ」
「そっか、私だけ仲間外れなんだ」
しょげる劉備。
- 397 名前:三教一致 16-9[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:04:07 ID:sOxNoWm7O
-
「でもね桃香。この世界に来て、初めに会ったのは他ならぬ桃香だ。そして桃香の考えと共に歩んで来たこの道は事実なんだよ、それを自分は誇りだと思う桃香」
「ご主人様♪」
自分のやり方を肯定してもらって嬉しい劉備。
「なら孫策。あなたは何時から一刀の記憶を?」
「一般に出回った管輅の占いを聞いた時からよ」
「……それなら、反董卓連合の時には既に………だからあの連携を………さらにはその後の連携も全て説明がつくか、なるほど始めから2対1だったのね」
「…曹操」
「あらごめんなさい、ただ冷静に分析しただけだから。しかしこれで粗方辻褄が合ったわ」
と、ここで魏の陣に着く。
「ご主人様!どうしたんですか?そんな血まみれで」
「朱里ちゃん質問は後、お医者様を呼んできて」
「はわ…はい!」
「あぁ!指だけだから緊急を要する人、優先でいいから」
「緊急を要する人はぜーんぶ運んじゃいました、今はご主人様が一番の緊急を要するお人ですよ!」
もー目を離すとすぐ怪我をするんですから。と、付け加え怒りながら駆け出す諸葛亮、医者の名を叫びながら離れて行く。
「華陀さ〜ん、こちらに大至急見て戴きたい方が…」
「…華琳様」
- 401 名前:三教一致 16-10[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:08:09 ID:sOxNoWm7O
-
「春蘭、心配かけたわね」
「華琳様!」
無意識に不安が取り除かれ明るくなる夏侯惇。
「秋蘭、桂花、風」
「「「はっ!」」」
「先ほどの命令を取り消します」
「「「御意」」」
曹操の声に上手く言えないが、先ほどまでの不安感は解消され安心する三人。
「改めて曹魏は劉備軍に…いえ天の御遣いに降るわ、北郷一刀」
「華琳様?」
驚く魏の将たち。
「曹操!先ほども…話したけど投降とか…じゃない、平等に三国を…別ける……っ!」
咄嗟の怪我で麻痺していた傷口に痛みが出てくる。
「ご主人様!」
「一刀!」
「北郷!」
「華陀さんお連れしました〜って!ご主人様!」
「どれ見せてみろ………ちょっと酷いな、指五本の接合治療。………なら寝かせた方が早いか、北郷さんこの薬を酒と一緒に飲んでくれ、麻沸散と言って寝てしまうから」
差し出された薬と酒を飲み干すと割と早く眠くなる一刀。
「北郷…ん、まだ…わかり…か?」
「(あぁ…そう…った華リ…の話…をしな…ゃ)」
本人は話してつもりだが無意味に口を上下するだけ。
次第に目蓋を開けてるのも辛くなる、そして意識が途切れる。
・・・
・・
・
- 402 名前:三教一致 16-11[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:12:11 ID:sOxNoWm7O
-
・
・・
・・・
意識を取り戻し左右を見渡すと、諸葛亮が視界に入る一刀。
「目が覚めましたね、ご主人様」
「雛里ちゃん起きて」
「……ハッ!あわわ、私ったら寝ちゃった。ごめんね朱里ちゃん」
「ううん、平気だよ雛里ちゃん。そりよりご主人様の看護お願い。私は皆を呼んでくるから」
「了解だよ、朱里ちゃん」
部屋を出る諸葛亮に変わって鳳統が一刀に近寄る。
思わず右手を動かして目の前に持ってくると包帯でぐるぐる巻きで固定されていた。
「あわわ、ご主人様。今はなるべく右手を動かさないでください。とのことです」
右手を両手で取ると布団の中に戻す。
「雛里」
「はい?」
「何日寝てた」
「三日です」
「皆は?」
「私たち勿論、呉の皆さんも、魏の皆さんも今はここ汝南に落ち着いてます」
すると廊下が騒がしくなり、各々が一刀の呼び方を言いながら入室する。
皆、飛びつきたいのを我慢して先ずは華陀に診察を見てもらう。
「うぬ、術後の問題も無さそうだ。指が問題無く動くかどうかは、本人の努力次第だな、暫くは回復の為に留まるとしよう」
今日はこれまでと退室する華陀。
- 405 名前:三教一致 16-12[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:16:27 ID:sOxNoWm7O
-
「眠ってた間に変わった事は?」
「朱里ちゃん、報告お願い」
「はい、決まった事はこちらの竹簡に取り纏めました」
片手が使えない一刀の代わりに諸葛亮が竹簡を持つ、絶妙なタイミングで一刀が読みやすい様に移動させる。
素晴らしいことなのだが踏み台を使っているのが玉に瑕だった。
「朱里、これって強制させた」
「いいえ、決してそんなことは有りません。私たちからは桃香さま愛紗さん・私・雛里ちゃん・詠さん。呉から孫策さん・黄蓋さん・周瑜さん・陸遜さん・呂蒙さん。
そして魏からは曹操さん・夏侯淵さん・荀文若さん・程仲徳さん・郭嘉さんで丸二日話し合って全員納得して合意した内容です」
「本当に?」
「本当ですってば、ご主人様は私をお疑いなんですかー?」
「いや悪かった………うん解った」
そして、ここで一番前に出る劉備。
「でねご主人様、五胡とか多少問題も残るけど。ようやく、よーやく待ちに待った争いの無い時代がやって来たんですよー」
喜びの余り勢い良く飛びつくと。
「あーズルイのだ、鈴々だって我慢してたのに」
張飛を皮切りに皆が飛びつく。
「イタタタ」
「こらー!ご主人様が痛がってるではないか!」
- 407 名前:三教一致 16-13[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:21:24 ID:sOxNoWm7O
-
関羽の叱咤もどこ吹く風。
「あーもう!」
関羽が飛びつくのにさして時間はかからなかった。
・・・
・・
・
◇ ◇ ◇
三ヶ月後。
魏呉蜀のある人に取って重要な主な武将文官が、蜀領白帝城に集まっていた。
想えば三ヶ月前、諸葛亮に渡された竹簡の山を見た一刀が。
「これ俺がやるの?」
「何を言っているんですかご主人様?“ご主人様が、や・ら・な・い・と意味が無い”んですよ」
諸葛亮の迫力に負けた一刀が素直に従う。
「ほーら、手が不自由なご主人様に変わって私が色々やりますから………色々と」
◇ ◇ ◇
「(あの間は凄かったなぁ………おっと話が反れた)」
正面を向くと見知った顔が並ぶ中、宣言を開始する。
「ではここに、三国同盟の誓いの儀を行う。
一つ、三国は漢王朝を基盤として同盟を行う。
一つ・むこう五年間、平時には境界線を境にお互い二里半の距離を非武装地帯とする。
一つ・外敵に対しては三国は協力を持ってして当たるべし。
一つ・軍事方面に対して………
誓いの書を読み上げながら前回も含め、一連の流れを思い返すと本当に永かったと思う一刀。だが今回は誰も失わず、ここまでたどり着いた事に感無量だった。
- 410 名前:三教一致 16-14[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:25:27 ID:sOxNoWm7O
-
………とする。
一つ・蜀州都成都から同じく蜀領の白帝城に呉・魏の同意の元、遷都す…エエエエェェェ!」
スケジュールは把握していたが宣言内容の全貌は知らなかった一刀、手渡された原稿を呼んで知っている内容と知らない内容を比べてたが最後の内容にビックリするのだった。
「いいのかこれ、勝手に決めて」
「勝手じゃあ有りません、良く宣言文をお読み下さい。“呉・魏の同意の元”となってますよ」
慎ましく行われていた宣言を中断され少し不機嫌で抗議する諸葛亮。
「雪蓮?」
「問題無いわよ、どっちみち祖父の土地、江東の建業から遷都なんて出来ない。でも長江を使えば白帝城ならあっという間よ、成都じゃそう簡単に行かないから♪」
ウインクして返す孫策。
「華琳?」
ちなみにこの時点で曹操から真名は許されている。
曹操曰く『もし仮に胡蝶の夢だとしても、あなた程の人物が出会った私が真名を許したなら、それは私があなたに真名を許すに値するでしょう』との事。
ただし始めは大変だった、我慢出来なくなった夏侯惇が斬りかかり呂布が止めて一触即発になったりと。
- 412 名前:三教一致 16-15[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:30:32 ID:sOxNoWm7O
-
「構わないわよ、近くなればそれだけ接触する機会が増えてあなたを知ることが出来る。立場と皇帝を奉らなきゃいけないから私も遷都が出来ないけど………!
いっそのこと、あなたを皇帝にすれば。公に洛陽に迎え入れられるわねえ…」
ニヤリと不敵に笑う曹操。
「ああもう!一つ・蜀州都成都から同じく蜀領の白帝城に呉・魏の同意の元、遷都する。
以上、劉玄徳」
「はい」
「孫伯符」
「はい」
「曹孟徳」
「はい」
「今までの誓いの内容に異議が無いか」
「「「はい」」」
「では内容を誓えるか?」
「「「はい」」」
「ではここに、三国同盟が樹立されたことを宣言する!」
「「「ワアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!」」」
その場に居た将と少数の兵が歓声を上げた。
・・・
・・
・
同盟樹立の祝いの席が設けられてて、各々が祝っている。
そんな中、三国のトップと一刀が雑談していた。
「ねえ劉備、一刀とは何処まで進んでるの?」
「な(////)…曹操さん、どうしてそんなことを」
「その様子からすると既に深い仲ね、まあ当たり前でしょうが。孫策あなたもそうなの?」
「ええ、察しの通りよ」
- 415 名前:三教一致 17-16[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:35:04 ID:sOxNoWm7O
-
「二人とも何を堂々とそんな話をしてるんですか(////)」
「しかし、二人ともまだ子宝には恵まれてないみたいね」
「ご、ごごご主人様の赤ちゃん(////)」
「そうなのよね〜、事有る毎に毎回かなり濃厚にしてるつもりなのに出来ないのよね〜。一刀ってば種無し?」
ブッ――――――――!
あえて無視していた一刀だが孫策の言葉に思わず飲んでいた物を吹き出した。
「「種無し?」」
聞き慣れない言葉に疑問符付きで見事ハモった劉備と曹操。
「ああ種無しって言うのは天の言葉で―」
「しぇーれーんー」
被ったお酒をそのままに孫策に恨みの声を上げる、気付いた鳳統がお手拭きを持ってやって来ている。
「良いじゃない一刀、教えるぐらい減るもんじゃあるまいし」
鳳統からお手拭きを受け取るとお礼を言って顔を拭く。
既に三人寄り添い小声になっていた、最早猥談のレベルである。
「…でね、種無しってのは男性の彼処から出る精液が医学的に種の集合体なの。で、本来有るはずの種が無いのを種無しと言うの…」
「あら」
「えー!そうなんですか?ご主人様」
「違うわい!…………たぶん」
「でもそれなら好機はまだ有るわね」
- 417 名前:三教一致 17-17[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:39:53 ID:sOxNoWm7O
-
「何が好機なの?曹操」
「例えば、北郷との子供を作ることによって将来への色々な備えとか?」
「それなら私達の方が断然有利よ、孫呉の王家だけで三人も居るのよ。しかもその三人が既に関係済み♪」
「あら?重要なのは産んだ順ではなくて?」
冗談か本気か不敵な笑みを崩さない曹操と孫策。
「ご主人様の子供は!私と愛紗ちゃんと鈴々ちゃんとで一番乗りなんです!!」
会場いっぱいに響く声で叫んだ劉備。
「と、桃香様(////)」
「何なのだ?お姉ちゃん」
「ぷっ、桃香」
「劉備。貴女、三人同時に妊娠する気なの?」
孫策と曹操が声を上げて笑うと、改めて発言の内容に照れる劉備。
そんな光景を眺めながら、
「(さて、誰だか知らないけど自分にこんな軌跡の機会を与えてくれた相手に多少の感謝はしないとな。で、その相手は今のこの状況を満足してくれてるだろうか?少なくとも俺は満足だよ、ありがとう)」
「ご主人様!」
「一刀!」
「北郷!」
改めて呼ばれて一刀から三人に近づいた、これから始まる未来に心踊らせながら。
『True End』
- 418 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:45:05 ID:sOxNoWm7O
-
ピッ!
スキップ機能を使った二周目を行いますか?
⇒はい
いいえ
- 422 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 13:55:47 ID:sOxNoWm7O
-
((スキップ中))
((スキップ中))
- 427 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 14:01:11 ID:sOxNoWm7O
-
ピッ!
強引でも華琳様の記憶、何とかしたいですか?
⇒はい
いいえ
- 433 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 14:28:21 ID:sOxNoWm7O
-
※注意※
「にゃー(この後の話は完全に蛇足です。『True End』に満足、これ以上は必要と考えの方は著しく読まない方がよろしいかと思います)」
- 434 名前:三教一致? 7-1[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 14:33:07 ID:sOxNoWm7O
-
再度、国のトップたちによる話し合いが開始されようとした瞬間。
「ふんぬ――――――!」
謎の音と共に何か飛来して来てそれが森に落ちた?
衝撃波が森の火を掻き消し余波が一刀達の所まで来る、それに対しやや前屈みに構える四人。
「北郷、あれも天の知識による兵器?戦の決着は着いているのよ、いたずらに混乱を招かないで頂戴」
「一刀?」
「ご主人様?」
「知らない…あれは知らない」
一刀の台詞に緊張が走る、同時にまだ燃えてる所の正に炎の中から姿を現す謎の物体。
髭とおさげが若干焦げてるもののその他は全くの無傷、前を見据えたまま後ろの炎に腕を祓うと風圧で火災を掻き消す。
近づく謎の物体に身構える四人、流石に異変だと思った各陣営の将が駆け寄る。
「華琳様!」
「ご主人様に桃香様!」
「策殿!」
各々が各々の主人の名を呼びながら駆け寄り歩いて来る謎の訪問者より先に到着して間に割って入った。
「貴様何者だ!名を名乗れ!」
始めに怒鳴ったのは関羽。
「私の名は貂蝉、洛陽のしがない踊り子よ」
緊張は全く解けず関羽が更に質問する。
- 435 名前:三教一致? 7-2[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 14:37:06 ID:sOxNoWm7O
-
「では貂蝉よ、その踊り子が何の用が有って今、この時、この場に現れた?返答次第では斬らねばならぬかも知れぬぞ」
そう言ってみたものの、今この場にいる全員がそれが容易ではない事を悟っている。
だが、主人を守る為・部下を守る為・民を守る為、各々が必死にこの貂蝉と名乗る男と見えない戦いを繰り広げている。
絶対的な恐怖と戦慄に呼吸もままならなず相手の顔を見る余裕など無かった、しかしふと気付くと相手の着ている服が焼け焦げボロボロだが間違いなく懐かしいあっちの世界の警備員の制服だった。
緊張を少し解し顔を見る、あの時の警備員ではないか!貂蝉の名前に一刀の持つイメージは欠片も無いがどんな形であれ知っている顔に更に落ち着きを取り戻す。
「…雪蓮?…」
「…何?一応、服なら気付いているわよ。中身は、…そうね見た目は分からない、気配が一緒かな?
でもあの時の私は今と比べると大分腑抜けてるから正直自信が無いかしら?ああ別の意味ではまるっきり別物だけど…」
そりゃあそうだ、こんな化け物がこの状態であの場に居たら、それは警備ではなく率直に只の敵か障害だろう。と、内心呟く。
- 437 名前:三教一致? 7-3[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 14:42:09 ID:sOxNoWm7O
-
「何の用って?ちょっとそこのごし…(この外史でいきなりこの呼び方は流石に皆には酷かしらん?私とご主人様の素晴らしい関係にきっと激しい嫉妬に狂ってしまうわ)
…そこの天の御遣いとお話したい事が有るのよん♪フンッ♂」
ビリッ!ビリッ!ビリッ!
既に焼け焦げてボロボロだったとはいえ上半身はおろか、下半身のズボンをも肉圧で破く。
「ご主人様!桃香様!やはりこの者怪し過ぎます。どうかお下がりください!」
「華琳様も!」
「雪蓮様お下がりください。明命、蓮華様を頼む」
やはり各々が自分の主人を守る為に牽制・威圧する中、一刀が。
「いや、大丈夫……かどうかは分からないけど、殺るならとっくに殺られている。貂蝉、皆に危害を加えないなら話を聞くよ」
「あ〜ん、身をていして皆を守るその姿、やっぱり我慢出来ない!ご主人様って呼んじゃう」
「ご主人様?」
「一刀?」
「知らない!あっちの世界の時、見覚え程度は有るけどこっちでは会ったことすらない」
寒い空気を必死に祓おうと努力する。
「(まあご主人様ったら二人の関係の秘密を守るのに一生懸命、ポッ)これは私が勝手に呼んでるだけ、嫉妬しなくていいわよん」
- 439 名前:三教一致? 7-4[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 14:46:15 ID:sOxNoWm7O
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「だれがするか!」
複数の突っ込みが入る。
「用が有るのはご主人様と曹操ちゃんよ」
「―!…私も?」
思いもよらなく自分の名前が出た事に驚く当人。
「危険です、華琳様」
ますます警戒を強める魏の武将達。
「そう、ご主人様が曹操ちゃんに対する不可解な行動、理解してみたいとわ思わない?」
「貂蝉!」
「あら?ご主人様だってそれを望んで無いとは言わせないわよ」
「それは…そうだが」
「そうね、殺るつもりなら北郷の言う通り、とっくに殺されているのよね。貂蝉とやら教えなさい」
威風堂々と答える。
「人にものを教わる態度では無いけど…まあいいわご主人様に免じて教えてあげる。誰にも邪魔されない場所がないかしら?」
「それでしたら、緊急処置用の簡易天幕が有りますが」
「それで構わないわよん、じゃあご主人様と曹操ちゃん。二人だけ付いて来て」
「華琳様!」
「何度も言わせないの、殺るならとっくに殺られているし。第一に私自身、貂蝉の言う事に興味が有るのよ」
自分の武将達を宥める曹操の傍らで、一刀も説得に努力していた。
- 440 名前:三教一致? 7-5[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 14:50:03 ID:sOxNoWm7O
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ようやく説得が完了し、簡易天幕に向かう三人と付いてくる大勢。
突然振り向く貂蝉が。
「はい、そこまで!残りは全員そこで待っててね。特に曹操ちゃんの部下はしっかり皆を見張る事、これは曹操ちゃんの為でもあるんだから」
相変わらず、納得はしてないが言葉に従う。そして三人は天幕に入っていった。
「じゃあ、説明も時間の無駄でしょうし、早速実践に取りかかるわよ」
「実践?」
「何、大した事じゃあ無いわ。両手の立てた一本づつの指が三つ数えると、なんと左手に移るのを見ていればいいだけ」
「(またベタなことを)」
「いいかしら?じゃあいくわよ。い〜ち」
数字と共に指を立てた両手が二人の目の前で衝突する。
「に〜」
同じ事が繰り返される。
「サンッ!」
パンッ!三つ目の掛け声と共に破裂音、正体は貂蝉が手を叩いただけ。だが不意を突かれた二人はビックリ顔で止まっていた。
やがて我にかえると曹操が。
「一刀」
「曹操?」
「一刀、今の私にはあなたとのあの世界の記憶が有る。もちろんこの世界の記憶もだけど」
「じゃあ、華琳!」
「一刀!」
- 442 名前:三教一致? 7-6[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 14:54:32 ID:sOxNoWm7O
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「感動の再開の最中悪いんだけどご主人様。こんな特別な処置は曹操ちゃんだけ、残りの魏の皆は以前のまんまだからそのぐらいは努力でなんとかして頂戴、これですら大分反則なんだから」
「ああ、貂蝉。ありがとう、とりあえずありがとう。残りは自分でなんとかする」
「まあ、でもやっぱりそれが男ってもんよね。じゃあ邪魔者は消えるわ、あんまり人を待たせるのはいけないわよ」
「分かった、最後なのかな?貂蝉、本当にありがとう」
「ご主人様の為なら別にいいわよ、じゃあほどほどにごゆっくりね」
貂蝉が出て行くまで一刀の腕にしがみつき、目で『さっさと出てけ!』と訴える曹操。
出た後には何やら曹操の一方的な声が聞こえる、盗み聞きするきがなくとも聞こえてしまうのは仕方がない事だ。
天幕を出て歩く貂蝉にしばらくして孫策が一人近づく、すると話かけたのは貂蝉の方だった。
「孫策ちゃん。曹操にご主人様と一緒だった時の記憶、移したわよ」
「やっぱりね」
「あら、なんで分かるの?」
「勘よ。しかしこれで学園の記憶が有るにしても、一方通行な記憶の持ち主は私一人かぁ」
と、言い終え。フゥ、とため息を吐く。
- 443 名前:三教一致? 7-7[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 15:00:17 ID:sOxNoWm7O
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「じゃあ、その勘も鈍い時が有るのね」
「…何…」
優劣感からか、静かに少し殺意が混った返事を物ともせず続ける。
「ご主人様にはあなたとの記憶を移しといたわよ」
「何!」
今度は驚きの返事だった。
「お礼はいいわよ。劉備ちゃんは立場上ご主人様と一緒に居る機会が多いからいいとして、曹操だけに記憶があるのは孫策ちゃんにとって不利でしょうし、なによりつまらないでしょう」
「貂蝉、あなた」
「あら、乙女の気持ちは解るわよ。私だって立派な乙女なんだから♪」
「なら言葉だけでも贈らせて、ありがとう貂蝉」
そう言うと我慢しきれずに駆け出す孫策。
「一刀…」
一筋の雫が孫策の顔から零れるのだった。
「Happy End?」
- 445 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 15:04:12 ID:sOxNoWm7O
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「ふう、やっと終わりましたね、一刀十三号」
「………」
「正直、終らせる事が出来るとは思ってませんでしたからねー」
「………」
「おや?どうしたのですか一刀十三号?」
「にゃー」
「???何時もみたいの間抜け声が聞こえませんよ一刀十三号?」
「にゃー」
「一刀十三号、悪ふざけも大概にしないと」
火のついた松明を取り出すと。
「に゛ゃー」
突然の火に逃げ出した猫に向かって。
「一刀……」
「呼んだ?」
「あっ、お兄さん」
「どうしたの?」
「…いえいえ大した事では有りませんよー、事実上大陸を制覇した方のお話をちょっと」
「それって劉邦の話?」
「いえいえもっと偉大な方ですよ」
「誰だろう?」
頭を抱える一刀をよそに。
「はーい、お兄さんあまり考えていると午後の三国会議に送れますよー」
「そうだった、所で風。お昼まだ?」
「まだですよー」
「なら一緒にどう?」
「ご馳走さまなのですー」
「……まあ、たまにはいいか」
「では一緒に行くのですよー…じゃあ元気でやるのですよバカ猫…」
fin
- 448 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/05/06(水) 15:15:17 ID:sOxNoWm7O
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ご支援、ご声援ありがとうございました。
これにて三教一致本編は完結しました。
後、拠点イベントが幾つかあるかな?………
「貴女!あの謎の歌い手!」
………
「文字通り首を斬られそうになったのよ」
………
「勝負よ!」
………
「ほほう主、これはどういう事ですかな?」
………
「ここに居るぞー!」
数え役満姉妹
VS
2×2姉妹S"
近日公開!後悔?