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58 名前:風鈴  ◆VOACf8e.7. [sage] 投稿日:2009/04/06(月) 23:21:43 ID:ONYvBLP90
──真√──

真・恋姫†無双 外史
北郷新勢力ルート:第三章 反董卓連合之三

    ──それでも彼らは、抗う事を止めはしない。



散々時間をかけて10レス程ですが、

よろしければ、お付き合い下さいませ。
59 名前:真√:第三章 反董卓連合之三 1/10[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 23:25:40 ID:ONYvBLP90
 戦場に勝ち鬨と共に歓声が上がる。

 それは勝利の証。

 開戦から僅か四刻(約八時間)程の、城砦の攻略戦としてはありえない程の早期決着だった。

 水関陥落──。

 勝利に酔う連合軍の中で、ほんの一部……北郷一刀と、その配下達、
そして馬超等涼州勢のみは、苦々しい顔でその時を迎えていた。
 これは……彼らが想定しうるケースの中で、最悪の部類に入る結果であったからだ──。
61 名前:真√:第三章 反董卓連合之三 2/10[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 23:30:05 ID:ONYvBLP90
──約四刻半(九時間)前──


 連合軍は水関に対峙していた。
 前曲に先鋒を命じられた劉備軍。左翼を曹操軍、右翼を孫策軍と袁術軍。中軍に北郷軍と、
馬騰代理である馬超が率いる西涼軍。後曲に他の諸侯と、連合一の兵力を誇る袁紹軍。
 総勢約三十万強の軍勢である。
 対する水関の兵力は、約六万。
 城砦の攻略には、守備兵の約三倍の兵力が必要だと言われる。
無論、これは正面から正攻法で攻略を行うのであれば……であるが。
 今回は六万対三十万。連合軍にとっては、正面からぶつかっても充分勝てる兵力ではある。
……まともにやれば、の話ではあるが。

 そう、“まともにやれば”である。

 残念な事に現状においてまともに戦おうとしているのは、先鋒である劉備軍の約二万五千のみ。
水関占領の一番乗りを狙う左翼の曹操、右翼の孫策はまだしも、右翼後方の袁術、
後曲にて大勢力を誇示する袁紹は、本当に勝つ気があるのか?と問われても可笑しくない程に、
自ら戦おうとはしていない。
 ……兵力を損なう事無く、勝利の手柄を収めるのを狙っているのであろう事は、
見え見えで有るのだが。

 そして、中軍に配置された北郷一刀達にとっては……これは正に好都合であった。

 彼らにとって今必要なのは、何よりも時間。
 連合軍が水関攻略に手間取っている間に、和解工作──様は、董卓軍は悪政を行っていない。
そのため、この“反董卓連合”には正当性が無い事の話を広める──を行う手はずであったから。
 噂が広まり、連合に動揺が広まれば、あとは諸将を順次説得していくのであるが、
まずは前述の話を浸透させない事には話しにならない。

 そんな開戦まであと半刻と迫った頃、秘密裏に件の行動の準備をする一刀達の下へ、
二人の武将が訪れていた。
63 名前:真√:第三章 反董卓連合之三 3/10[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 23:34:18 ID:ONYvBLP90
「あんたが『天の御遣い』殿か?」

 そう一刀に問いかけてきたのは、キリッとした顔立ちの、長い髪をポニーテールに結った少女。
 その傍らには、彼女より頭一つ分小さい、活発そうな少女が居る。

「ああ、そうだけど君は?」
「あたしは馬超。こっちは馬岱だ。母上……馬騰の名代として連合に参加してる」
「君が錦馬超か。……俺は北郷一刀。
 君の噂は、涼州からの商人や旅人からよく聞いてる。……会えて嬉しいよ」

 馬超と名乗ったポニーテールの少女をまじまじと見ながら、右手を差し出す一刀には、
感慨深い想いがよぎっていた。これは初めて星と会った時以来かもしれない。

 ──馬超、字は孟起。後の世に蜀に仕え、五虎大将軍の一人となる人物。

“三国志”をかじった事の有る人間ならば、まず知っているであろう人物の一人。
 そんな人に──世界が違うと言えど──会えたのだから、嬉しくないはずが無い。

「あ、ああ。こっちこそ、噂の『天の御遣い』に会えて光栄だよ」

 一刀に見つめられて、頬を赤く染めながら馬超はその差し出された手を握り返す。

「それで……もうじき戦も始まろうと言う時に、わざわざどうしたんだい?」

 思ったよりも柔らかな手のひらの感触に、若干の名残惜しさを感じつつも手を離し、
馬超へと問いかける。他軍の将へ挨拶に尋ねてくるにしては、不自然なタイミングだからだ。
 馬超は「流石に解るか」と呟くと、表情を引き締めて声音を落とす。

「あたしは細かい事は苦手だから、単刀直入に聞くけど……北郷殿達は、
董卓の事やこの戦いの事、どう思ってるんだ?」
67 名前:真√:第三章 反董卓連合之三 4/10[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 23:38:21 ID:ONYvBLP90
「うわぁ……お姉様、それは流石に直球すぎるんじゃ……」
「こういうのはズバッと聞いちまった方がいいんだよ」
 隣の少女……馬岱のそんな茶化す様な台詞にも揺るぐ事無く、一刀の眼を見据える馬超。
そんな彼女の真摯な視線を受け、どう答えたものかと考えた一刀は、小さく「うん」と一度頷き、
後ろに控えていた風達三人に「いいよな?」と問いかけた。
 三人は一刀がどう出るか、大方の予想はしていたのだろう。すぐに各々首肯する。
 それを受けた一刀は、もう一度二人──馬超と馬岱を見つめ、

「……この戦いは壮大な茶番。ゆ……董卓達の事は助けたいと思っている」

 隠す事無く、しっかりと伝えた。
 一方の馬超は、さすがにこうもハッキリと教えてもらえるとは思って居なかったのだろう。
その表情には驚きの色が浮かんでいた。

「あ〜……あたしから聞いといて何だけど、いいのか?そんなハッキリ言っちゃって?」
「……馬騰さんの治める西涼一帯もさ、俺達の所と同じで、昔から天水とは接してきただろ?」
 馬超の問いに対しその様に一刀が言うと、馬超は「ああ」と頷く。
「だったら……漢中入りしてまだ日の浅い俺達より、董家との付き合いも長いだろうし、
解ってるかなと思ってさ。……董卓が家督を継いだのは黄巾の乱の後からだけれど、
彼女が悪政を行うような娘じゃないって事。
 その上でさっきみたいな事を俺達に聞いてきたのは、君達も出来うるなら、
董卓達と戦いたくないって思ってるんじゃないかって思ってね」

 その言葉を聞いた馬超は馬岱と顔を見合わせて、互いに笑みを浮かべて頷きあった。
 それは安堵の笑みか。
「北郷殿の言う通り、母上も檄文に書き連ねられた董卓たちの悪行については、
ほとんど信用していない。
 その上であたし達に、事の真偽を確かめてくるように命じたんだ」
「なるほど。……じゃあ、俺達の所に来たのは……」
「母上の指示……ってのもあるんだけど、北郷殿があたし達に考えを話してくれた理由と同じだよ。
 董卓領と接していて、彼女等と親交があるだろう事、それゆえに、
あの檄文の内容に疑問を持った時に、それを何とかしようと思うであろう事」
68 名前:真√:第三章 反董卓連合之三 5/10[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 23:42:56 ID:ONYvBLP90
「……つまり、これから動くに当たって、俺達と協力していきたい。
……って考えてるって事でいいのかな?」
 おそらくそうであろうと、確認をするように問いかける一刀。馬超はそれに「ああ」と同意し、
「ただ、実力行使に出るには連合軍の兵力は大きすぎるし……
正直、あたしらには上手い策が無いんだ。
 ……って事で、よかったらそっちの考えてる案を聞かせてもらえないかな?
あたしらはそれに協力させてもらうよ」
 と、すまなそうに言った。
「わかった。風、頼む」
「はいはいー。では説明いたしますねー」
 一刀に促されて、風が行動の概要を伝えていく。

「──けど、それって本当に上手くいくの?
袁紹辺りは絶対に説得されても兵を引きそうにないんだけど……」
 風の説明を受けて、そんな疑問の声を上げたのは馬岱だ。
 噂を流して説得するだけ。……北郷軍にどんな策が有るのかと思えば、説明されたのは、
要約すればそんな単純な事だったので、彼女がそう思うのも無理も無いかもしれない。
 けれど風はそんな疑問が上がるのも織り込み済みなのか、
「まあそうでしょうねー。少なくとも、袁紹さん、袁術さん、曹操さんに孫策さん。
 この辺りの首謀者や確固たる信念をもっている方々は、引かないでしょうねー」
 そう飄々と言ってのける。
「ですが他の……まぁ言い方は悪いですが、
ただ檄文に応じてのこのこ出てきただけの人達に関しては、効果は有ると思いますよー。
 まあ連合軍の半数は説得できるかと。さすがに戦力半減しては、
袁紹さん方も力押しで行くわけには行かないでしょうしねー。
何よりも、そんな連合になってしまっては、民草の支持を受けられるはずがありません」
「……そういう事なら」
 その説明で馬岱、そして馬超も納得したようだ。
 こうして、一刀達漢中勢と、馬超等涼州勢の協力体制が確立したのであった。

 そして約半刻後、水関攻略戦が始まった。
 動くは先鋒、劉備軍。水関は門を閉ざし、沈黙を守る。
71 名前:真√:第三章 反董卓連合之三 6/10[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 23:46:52 ID:ONYvBLP90
 まともにぶつかっては不利である事は重々承知しているのか、劉備軍は水関を守る大将、
華雄に対して挑発行為を行う。
 事態が動いたのは更に半刻後。続く挑発に我慢なら無くなったのだろう、
突如水関の門が開き敵部隊が姿を現したのだ。旗は『華』。華雄の部隊である。

 これに驚いたのは他でもない、北郷一刀達である。
「馬鹿な!守るべきが最上と解りきっている状況で打って出るなんて……!」
 そんな稟の悪態が一刀の耳に届く。
 だがそれも無理も無い。彼らにとって……いや、月達にとっても、
それはどう贔屓目に見ても良い行動とは言えないからだ。

 そして、華雄率いる約三万と、劉備率いる約二万五千が激突した。
 攻防は一進一退であったのだが、幾度目かの華雄の突撃に押されるように、劉備軍が後退する。
 これを好機と見て取ったか、華雄は劉備軍を縦断するように突き進み、
劉備軍はその勢いで瓦解するかのように両断されていく。

「……おやおや……まずいですかねー、これは。華雄さん、嵌められましたね〜」

 ぽつりと風が呟く。
 その言葉の意味を確かめようと戦場を見渡した一刀にも、なんとなく解った。
 確かに劉備軍は両断されている。明らかに“綺麗に”だ。
 そして華雄はそのままの勢いを殺す事無く、突撃を続けている。それはそのまま、
先鋒の劉備軍を抜ける勢いで、次に対するは、中軍である北郷軍と西涼軍だ。

「くそっ!劉備軍もやってくれる!」
「まあ寡兵である劉備軍としては、致し方ない事なのでしょう。
恐らくは、我等も華雄を受け流すと踏んでの行動ですね」
 思わず漏れた一刀の悪態を諌める様に稟が言う。
「先鋒を押し付けた袁紹さんへの意趣返し……と言ったところですかねー」
「あまり時間もありません。一刀様、ご決断を」
 凛が示す選択肢は二つ。劉備達の思惑通り、華雄隊を後ろへ受け流すか、それとも──。
73 名前:真√:第三章 反董卓連合之三 7/10[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 23:51:33 ID:ONYvBLP90

「ねぇねぇ朱里ちゃん、『天の御遣い』さん達、大丈夫かな?」
 劉備は不安げに、隣にいる諸葛亮へと尋ねる。
 何の打ち合わせをする暇も無く策を決行したのだから、彼女が不安なのも無理も無い。
 だが、諸葛亮は特に心配はしていないようで、
「問題はないと思われますよ。噂が真実であれば、ですが」
「『天の御遣い』に付き従う二人の知者。神算鬼謀を操るその二人の知識は正に『天啓』である。
 ……噂には尾ひれが付くものですが……
少なくとも二人の優秀な軍師が献策している事は確かでしょう」
 諸葛亮の言葉の後を継ぐように、鳳統が噂の内容を含めて、その理由を話す。

 その時──。

「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」」

 雷鳴にも似た怒号と共に、北郷軍と董卓軍が激突した。
 そしてそれを見ていた劉備軍の面々が驚愕する。
 諸葛亮、鳳統共に、北郷軍は敵を後方へ受け流し、前後両面からの挟撃に入ると踏んでいたのだが、
予想に反して北郷軍は真正面からぶつかったのだ。
「え?え?どうなってるの?」
 うろたえる劉備に、諸葛亮が「落ち着いてください」と声をかける。
「朱里ちゃん……これって」
「考えられる事は二つ。噂が真実ではなく、受け流すと言う選択を思いつかなかったか……」
「受け止めざるを得ない理由があったか……だね」
「いずれにしても、戦いが終わったら、一度話してみた方が良いかもしれません」
 諸葛亮のその提案に、劉備は「そうだね……」と頷いた。
75 名前:真√:第三章 反董卓連合之三 8/10[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 23:55:33 ID:ONYvBLP90
「おおおおおおお!!!!」
「はああああああああ!!!」

 裂帛の気合が交差する。
 袈裟懸けに振り下ろされる華雄の大斧を、星がその槍で、まともに受けぬ様に受け流す。

「せいっ!せいっ!せいっ!!」
「……ふんっ!!」

 連続で放たれる星の神速の突きを、華雄が交わし、払い、受け止める。
 その一撃一撃に、正に必殺となる威力が篭った刃の交差は、十合、二十合と交わされる。
 それは正に、激しくも華麗な銀閃の演舞。

 押しつ押されつの一進一退の攻防がさらに十合程続いた頃だろうか、華雄が星から間合いを取り、
いぶかしげな表情を浮かべた。
「流石は音に聴こえし趙子龍……と言いたい所だが。……趙雲、貴様何を考えている?」
「……はて。何、とは?」
 対する星はまるでわからぬと言った表情を浮かべ、聞き返した。
「巫山戯るな!!」
 その途端響く、華雄の怒声。
「本気でやっている振りをして、攻めるべき時に攻めず、のらりくらりと交わすだけではないか!
 貴様、私を莫迦にしているのか!?」
「ふむ。さすがは武に聴こえし華雄将軍。そこまで気づいておったか」
 さも意外、と言う風を装う星の態度に、逆に冷静になれたか、
「今現在、面と向かって刃を合わせている相手だ。気づかぬ方がどうかしているわ。
 ……何を考えている?」
「……まあ頃合であろう。私としても全力で打ち合ってみたいと言う思いもあるが……いかんせん、
お主の勢いを止めろとの我が主の命なのでな」
「か、華雄将軍!水関が!!」
 星のその言葉を切っ掛けとするように、華雄の元へ兵が駆け込んできた。
「水関がどうした!?」
「は……はっ、曹軍、孫軍の攻撃を受けている模様で、張遼将軍は既に虎牢関へと引いたようです!」
79 名前:真√:第三章 反董卓連合之三 9/10[sage] 投稿日:2009/04/06(月) 23:59:37 ID:ONYvBLP90
 その報告を聞いた華雄は、星をキッと睨みつけ、
「貴様、この時間を稼ぐのが目的だったか!」

「それは少々違うな。
 連中の攻撃は、貴公が水関より打って出た直後から始まっていたよ。
 私が主より命じられたのは、お主を此処より先……死地へと進ませぬ事。
 そして頃合を見て、さっさと引き上げさせる事よ」

「……何?」
 星の言葉が余りにも意外な物だったのだろう、華雄の手は最早完全に止まっており、
戦場の中心にて激しい斬り合いを結んでいた将の手が止まった事によるのか、周囲の剣戟もまた止んでいた。
「……もう一度聞こう、貴様等は一体何を考えている?」
 華雄の再びの問いに、星は「まあよかろう」と一人ごちると、
「……本来であれば、貴公等董卓軍と連合軍を裏から取り持とうとしていた……と言った所か。
まぁ、此度の水関戦の早期決着で、最早連合の勢いは止められまい。次が幾ら虎牢関と言えどもな。
 ならば我等の取る道は一つ。大っぴらに出来ないのならば、秘密裏にでも、月達を助けるのみよ」
 誤魔化す事無く、自分達の目的を告げた。

「“月”……だと?貴様が何故董卓様の真名を呼ぶか。……いや、そもそも貴様の主は何者だ?」

「我が主の名は『天の御遣い』北郷一刀。
 ……月か詠辺りから色々聞かされては居られぬかな?」
「……そうか、貴様等があの……」

 そう呟き、一瞬、だが深く思案した華雄は、しかと星の眼を見つめ、

「趙子龍に問う。……貴様等は、董卓様の助けとなる者か?」

「然り。……立場的に敵味方と言う縛りはあろうが、出来うる限り、力になると誓おう。
 ……我が槍に賭けて」
81 名前:真√:第三章 反董卓連合之三 10/10[sage] 投稿日:2009/04/07(火) 00:01:33 ID:ONYvBLP90
 その星の言葉に一応の納得はしたのか、華雄は一度頷くと、

「よかろう。今は貴様の言を信じて置こう。
 ……全軍に告ぐ!これより敵の包囲を抜けて撤退する!往くぞ!!」

 自軍の兵をまとめ、この場より去っていった。



 この後、水関へは孫策軍が一番乗りを果たし、洛陽攻略戦の一、水関の戦いは幕を閉じた。
 連合軍の次の目的地は、更なる要害、難攻不落と唄われる虎牢関。
 そして先鋒に命じられたのは、水関に引き続き劉備軍と──

「次は俺達も先鋒……か。
 出来るだけ犠牲者を出さず、かつ、月達が逃げる時間を稼ぐ……厳しいな」
「はい。……確かに厳しいですが、やるしかないですからねー」
 ぽつりと呟く一刀の傍らに寄り添うように立ち、風が言う。

「水関が余りにも早く落ちてしまった以上、今まで何も考えていなかった人達にも欲が出てくるでしょうし、
最早当初考えていた説得は不可能でしょうからねー。
 まぁ、それならそれで、出立前にご主人様がおっしゃっていたように……どのような手段を用いてでも、
月ちゃん達の事は救ってみせるのですよー。むざむざ討たせるようなことは風達が許さないのです」

 そう噛み締めるように言う風の頭を、一刀は労わる様に優しく撫で、

「ああ。……必ず、助ける」

 もう一度、強く決意する様に言うのだった。
83 名前:風鈴  ◆VOACf8e.7. [sage] 投稿日:2009/04/07(火) 00:05:46 ID:ONYvBLP90
以上、お眼汚し失礼致しました。


外史はその流れを変える事を否とするか──、

それとも、人の想いの力は、その天命すら曲げる事を可とするのか──。



結局水関どまりになってしまいました。
次は虎牢関。北郷一刀達は如何に月達へ救いの手を差し伸べるのか。


それでは、またいずれ。


多数の支援に感謝を。

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