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762 名前:曹魏†学園四時間目side稟1/5[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 00:13:35 ID:5QVbmPLk0
「再会を祝して宴を開きましょう」
華琳様の鶴の一声で再会の夜は酒盛りということに決まった。
開催は一刀殿の部屋を借りることになり、夕方から華琳様や霞殿は一刀殿と一緒に買出しに出かけた。
私も華琳様とご同行したかったが、"全員来てもしょうがないだろ"という一刀殿の提案で、買出し組と一刀殿の部屋で準備をする組に分かれて宴会のための支度に入った。
もちろん華琳様が行くから自分も行きたいというわけではない。あくまで天の国の見聞を広めたいと、ただそう思っただけだ。

だがこれがまさかあんな惨事を生むとは予想もしていなかった。


「なぁ、沙和ぁ。これ何やろなあ」
「隊長が言ってた"テレビ"っていうのに似てるの。ほら、こことかー」
「あー、確かにそれっぽいとこあるなぁ。でもどこ押しても前みたいに映さへんでぇ」
真桜と沙和の二人は部屋の物色に忙しく、準備の任務を任されたことなど完全に忘れてしまっている。
仕方が無い。ここは風に相談するしか。
「風、テレビを見るのもいいですが我々の仕事を忘れてはいないでしょうね?」
さっきからテレビの前に座ってボーッとしている風に声をかける。
「はいー。もちろん忘れていませんよ、稟ちゃん。それにしてもテレビというのは面白いですねぇ」
「それは…確かに。なかなか興味深い道具だとは思いますが、今我々がやるべきことはこの部屋に華琳様含め全員を収容できるようにすることでしょう」
私もテレビに興味がないわけではない。一刀殿の説明によると、テレビからはこの国の政事、発生した事件、さらに娯楽などの大量の情報が手に入るということなのだ。
それを聞くと文官の性なのか、これまで日常的にそういう仕事をしてきたせいか、俄然テレビに関心が高まってしまう。
だが華琳様に言わせると、ここでは我々は賓客なのだから休暇と思って過ごしなさいとのことだ。
「まぁ、元々全員横になって寝れていたんだから無理しなくても大丈夫でしょうしねぇ。それより稟ちゃん、もっと大事なことを忘れていませんか?」
「大事なこと?」
765 名前:曹魏†学園四時間目side稟2/5+1[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 00:19:10 ID:5QVbmPLk0
はて。
酒と軽い酒のつまみになるものは華琳様たちが買ってきてくださるだろうし、料理は流琉が作ってくれるだろう。
するとこの部屋の警備体制だろうか?一応ここは男子専用の部屋ばかりあるということで、華琳様たちに害が及ばないとも考えられなくは無い。
しかし部屋の扉は鍵が掛けられるし、ここは地上からだいぶ高く外からはそう簡単には登ってこれない見取りになっている。
万が一外からの侵入を試みるとしても最精鋭の将が揃っている我々にとって問題ではないだろう。
「もぅー。稟ちゃんは相変わらず鈍いですねぇー」
「男の部屋来てやることって言ったら決まってるだろ」
「はぁ、そう言われても。そういう風には分かるのですか?」
風は私を見て、それから一刀殿の寝ていた寝台のほうを見て…まさか!?
「風っ!いくらなんでも人前でだなんて…いや、一刀殿に全員同時に抱いてもらえるなら…」
頭によぎるのは部屋に溢れるあの独特の匂い、10人もの女性を同時に相手にする一刀殿、隙を突いて華琳様の手が私の太股に走り…
「ああ…ぶふっ」
「あぁん、またウチの軍師様が鼻血吹きよったがな。どないせえっちゅうねん」
「あー!今日は鼻血吹く回数いつもより多いのー」
一刀殿の一物が私の中に入りながら、華琳様が私の陰核を指で擦ったり摘んだり…
「ああ、いけませんっ!華琳様そこは…!!」
「はーい、稟ちゃん。首とんとんしましょうねぇー」
「あ、あふ。はっ!?」
また妄想の世界に入ってしまった。ここ一年はあまり鼻血を出すこともなくなったのだが、これも一刀殿に再会した影響なのだろうか。
頭を起こしながら考える。
768 名前:曹魏†学園四時間目side稟3/5+1[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 00:29:23 ID:5QVbmPLk0
相変わらず華琳様に触れていただくことはできない身だが、再び一刀殿と訓練に励めばあるいは…
「ぶっ」
華琳様の手という手が私の体中を駆け巡り、華琳様…ああ、華琳様ぁそこはダメですぅ…
「えぇー!?そういうネタは繰り返さんでええのにー」
「稟ちゃんがこうしてまた鼻血を出すようになったのはお兄さんの影響ですかねぇ」
「そりゃまぁ、隊長が消えて皆意気消沈してもうたけど、再会して即これは勘弁してや」
「真桜ちゃーん、ボーッとしてないで何か拭くもの一緒に探してー」
「あぁ、確かに。華琳様が帰られて床が一面血の海やったらマズイなぁ」
「この布使えそうなのー。真桜ちゃんも手伝ってー」
「了解やで、沙和」
「はいはい、稟ちゃん。あまり鼻血出しすぎると本当に倒れちゃいますよ」

風が首のツボを叩き私は現実に戻ってきた。
「はぁ、すまない、風。我ながら油断していました。ここ暫くは回数も減って安心していたのですが…」
「しかし、いつもの稟ちゃんに戻ってくれて風は嬉しいのです」
「ふむ、では久しぶりにこれを使うとしましょうか」
久しぶりに取り出すのは、以前愛用していた鼻栓。最近では出番もめっきり減ってしまったが念のため常に携帯していて良かった。
「ふがふが。これで安心です」
「はい〜。それではさっそく稟ちゃん」
772 名前:曹魏†学園四時間目side稟3/5+4[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 00:34:50 ID:5QVbmPLk0
風はこの部屋で何かすることがあると言っていた。邪念を排して先ほど風が見ていた寝台を振り返る。
「この寝台に何かあるのですか、風?」
「ここにあるかどうかは分かりませんけどね。稟ちゃん、お兄さんは華琳様と別れてからずっと一人だったと思います?」
いつものことだが珍妙な質問をしてくる風。一刀殿が私たちの世界から消えて一年経つ今、魏の種馬と呼ばれた彼に女がいないはずないだろう。
「いえ、一刀殿のことだから懇意の女性は二人や三人くらい囲っているのではないでしょうか」
「せやなぁ。あの隊長がのんびり一人で悠々自適の生活を送っとるとは思えんし」
「私たちに対する裏切りなの。糞穴に槍突っ込んでヒーヒー言わせてやるべきなのー」
沙和の一言で風の言わんとすることが理解できた。
「なるほど!この部屋でその女の痕跡を見つけてそれを証拠に一刀殿に問い詰めるということですね!」
「あの種馬野郎が女に手を出してないわけがないさ」
「よっしゃ。そうと決まったらさっそく手分けして探そうや。沙和ぁ、そっち頼むで」
「わかったなの。決定的証拠見つけて隊長にきっちり責任取ってもらうのー」
「では風は書棚のほうを。稟ちゃんも一緒に探してください」
「わかりました。ふふっ…」
776 名前:曹魏†学園四時間目side稟4/5+4[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 00:38:06 ID:5QVbmPLk0
部屋を探し始めてしばらく――――

「何やコレー!?みんなちょう来てや」
寝台のほうを探していた真桜が大声を上げて4人を呼んだ。
「ここ探しとったらこんなもん出てきたんや」
真桜が手に持っているのは艶やかな色彩の本。いや"写真"が大量に並んだ本だ。表紙には過激な格好をした女性の裸体が描かれている。
鼻血が出るのを押さえつつ冷静に観察することに勤める。
「真桜ちゃん、それが決定的証拠なのー?」
「おぉーっ、ついにお兄さんもお縄につくときがきたようですね。風は残念でなりません」
「証拠かどうかはようわからんけど…中身はもっとすごいねん」
パラリと表紙を捲ると、
「うわ〜。裸の女の子ばかりなのー」
「ぶっ」
噴出しかけた鼻血が鼻栓で堰き止められる。鼻に充満した血の匂い。
だが鼻栓のある私に今や敵なし!意識を目の前の現実の分析に集中すると体の奥から吹きだしてきた血は次第に勢いを無くしていった。
778 名前:曹魏†学園四時間目side稟6/5+4[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 00:43:10 ID:5QVbmPLk0
「しかも、なかなか扇情的な絵ばかりですねぇ。お兄さんにこんな趣味まであったとは」
「せや。しかも全部違う女やで。捲るとほれ」
本は捲るたびに新しい女の裸を、それも別の格好、衣装をした女性ばかり描いている。
目移りしそうなしなやかな女体が次々と現れ、鼻のほうはかなりキツイ。
「ふが…さすがは魏の種馬といったところでしょうか。しかし、ここまで広く手を伸ばしているとは思いもしませんでした」
大抵は全裸もしくは半裸ばかりだ。それもあんなに局部や胸を露出させ、あまつさえそれを強調しているような絵だ。
まさか一刀殿が付き合った女性を"写真"に収めて一人で眺める趣味があったとは。

食い入るように次々と本を捲る面々。
780 名前:曹魏†学園四時間目side稟7/5+4[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 00:47:36 ID:5QVbmPLk0
一刀殿の女性遍歴の赤裸々な記録を鑑賞しながら風が呟くように疑問を口にした。
「ふーむ、稟ちゃん気づきましたか?」
「何がです?」
「この本に出てくる女性、ほとんど巨乳ですよ」
「あーっ!そういえばさっきから胸の大きい女の子ばかりなのー」
「やっぱりお兄さんはおっぱいが大好きなんですねぇ」
「これは少し…一刀殿に問い詰める必要がありますね」
「ウチは別にどっちでもええけど…」
真桜は自分の大きな胸と見比べながら口を濁す。だが我々にあれほどの甘言を言っておきながら自身の嗜好はやはり巨乳とは。
胸の大きさは関係ないというあなたの言葉は偽りだったのですか、一刀殿。
そう思うとふつふつと憎しみが沸いてくる。
「この子たちの服すっごくかわいいのー。沙和にもこの服買って欲しいのー」
「真桜、他にこういう本はなかったのですか?」
さすがにこれ一つと思いたいが、真桜から返ってきた返事は予想通りだった。
「実はな…あと二つあんねん」
784 名前:曹魏†学園四時間目side稟8/9[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 00:53:07 ID:5QVbmPLk0
ニヤニヤしながら寝台の下から真桜が取り出してきたのは小さな箱のようなもの。
「ほら、見てや。これもそうちゃうんかなぁと思うとるんやけど」
箱の表紙にはこちらも扇情的な裸の女性の絵がある。
「でもこの本、変なんや。中開けてもそっちの本みたいに絵があるわけやないし」
中にはキラキラ光る円状の金属版が貼り付いている。一応裏面には小さな絵で細々と女性の裸体が描かれているが、文字が邪魔で見えにくい。
「何でしょうね。風、心当たりはありますか?」
「さぁ。さっぱり見当がつきませんが、お兄さんに直接問いただせばいいのではないでしょうか。少なくともこちらの本だけでも十分証拠能力はありますし」
外を見ると陽がずいぶんと傾き、建物の影に隠れようしとした。
「そろそろ華琳様も帰ってこられるでしょうし、その本は置いておいて少し物を片付けておきましょうか」
部屋を見回すと家捜しの痕跡がありありと残っていた。
「了解なの。こっちの本は隊長にじっくり聞くことにするの」
「まぁ隊長には身から出た錆っちゅーことで覚悟してもらわんとな」
「中央には机があればいいでしょう。ではあとの家具は端っこに寄せちゃってください〜」
「了解。ほな沙和ぁ、こっち持つの手伝うて」
風の指示を仰ぎながら我々は我々の役目を果たし、一刀殿が帰られるのを待っていたのであった
786 名前:曹魏†学園四時間目side稟9/9[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 00:58:02 ID:5QVbmPLk0
「おまたせー。いやぁ、結構大荷物になってな。遅くなってしまったよ」
扉を開けまず一番に入ってきたのが一刀殿。その両手には白い大きな袋を抱えている。
「会場の準備ご苦労様。あら、だいぶ綺麗に片付いたわね」
続いて華琳様が入室され、続々と他の面々が入ってきた。
「悪いな、凪。荷物持たせちゃって。そっちは冷蔵庫に入れるからそこに置いといてくれ」
忙しそうに買出しの荷物を片付け流琉たちと共に宴の準備をしている一刀殿を見て、この後彼に降りかかるであろう災いに少し同情をしたのであった。
「まぁ、これも自業自得ですね」
790 名前:曹魏†学園四時間目[sage] 投稿日:2009/02/22(日) 01:03:50 ID:5QVbmPLk0
分割に計算違いが生じて申し訳ない
1900byte 21行くらいで投稿しようとすると長文エラーで弾かれたので急遽半分くらいに分割しました
sideXXXは主観の都合上、同じ話数の中で一緒に混ぜると混乱する恐れがあるためまとめサイトに上げる際は別々にすることをお勧めします
なお、構成の見た目は画像ロダへ上げてあります
http://koihime.x0.com/bbs/imgf/0213-5.jpg

Side華琳はこの一週間推敲してどうしても納得できなかったのでお蔵入りです
また後日補完するかもしれません

長時間の支援ありがとうございました

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