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476 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/02/18(水) 18:00:26 ID:YD98MB5T0
流れを変えるため小ネタでもいかが?

今日、華琳が桂花と春蘭、秋蘭の3人に贈り物をしていた。
なんでも、『心を込めた贈り物だから、部屋に帰るまではあけてはダメ』だそうだ。
3人とも喜んでいた様だけど、何かが引っ掛かる。大事なことを忘れているような?

…贈り物…箱のような包み…?

…あ、思い出した。『空箱』か!でも3人とも華琳を怒らせた様子はないし。
桂花だって病気なわけじゃない。でも華琳は、俺の世界の曹操ではないしドSだからなぁ。
一応確認してみるか。となると、最初は桂花からだな。……頼むから部屋で憤死なんて真似はやめてくれよ。


「おーい桂花いるか?俺だ北郷だ。」

返事がない。ま…まさかな。
そーと部屋を覗いてみると…

「……ふふふ。華琳様の匂いがする。」

……………えーと、心配する必要は無かったわけだ。
ていうか、華琳からなら罰ですら喜びになるこの子には、空箱なんて一種の放置プレイになるんだろうな。

じゃあ次は秋蘭の様子でも見てくるかな。
俺は桂花に気づかれないよう扉を閉めて、さっきの光景を見なかったことにした。
478 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/02/18(水) 18:02:08 ID:YD98MB5T0
「秋蘭、俺だけど今いいか?」

ノックしながら声をかけると、中から入って来いとの返事が。よかった、秋蘭は無事みたいだ。
桂花と違って、秋蘭は真面目だから心配していたがどうやら杞憂らしい。

「なぁ秋蘭、さっき華琳から何か貰っていたようだけど、一体何だったんだ?」

「…あぁ、これだよ。」

そういって秋蘭が見せたのは、桂花と同じ空箱だった。違うのは色ぐらいなものだ。
桂花は黄色だったが、秋蘭のは青色だった。

「…秋蘭…あの…そのな。」

俺が言葉に困っていると、秋蘭が手で制しながら俺が聞きたいことに答えてくれた。

「北郷は、なぜ華琳様が空の箱を与えて下さったのかわからぬのだろう?または、空の箱を貰っても平気な顔をしている私が理解出来ぬのだろう?」

俺は頷くことしか出来なかった。俺の三国志の知識なら、曹操からの貴様は要らないとかいう意味だったはずだったと思う。
見舞いの品に空箱を贈り、どんな見舞いの品だったかを曹操に返礼しならない荀ケは、空だったと言うことも出来ず自殺したとかなんとか。

「その顔は納得していない顔だな。…あのな北郷。我らと華琳様の関係はお前の思っているほど脆くはない。
…大方、空箱をみて私が華琳様から用済みと思われていると思ったんだろう?」

言葉が出なかった。俺は華琳がそんなことするはずが無いと思いながらも、心のどこかでは、もしかしたらと考えてしまっていたのだ。
俺は、華琳がどれだけみんなを大事に思っているか知っているはずだったのに。
479 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/02/18(水) 18:02:57 ID:YD98MB5T0
「北郷、そう自分を責めるな。私だって空けた時は驚いたさ。中に何もない、入れ忘れたのかそれとも私には贈るだけの価値がないのか…とな。」

そう言うと秋蘭は、俺の肩に手を置いて真っ直ぐこちらを見据えてきた。

「だがな北郷、私たちは何の為に華琳様に仕えていると思っている?地位か?名誉か?国の為か?…いいか北郷、私たちは華琳様の力になりたいから仕えているんだ。
華琳様に喜んでもらう為、華琳様の部下であるという誇りの為に此処にいるんだ。箱の中に何もなくとも別にいいのだ。そんな見返りの為にいる訳ではないのだからな。」

そう言う秋蘭の目はとても穏やかだった。そして微笑みながら付け加えた。

「第一、華琳様は『心を込めた』と仰ったのだ。心はカタチとして見えるものではないだろう?そこにカタチを求めるのは無粋というものだ。」

正直すごいと思った。これほどまで秋蘭は華琳を思っているんだということが…そして悔しかった華琳の気持ちをそこまで理解しようとしなかった自分が。

「ふふ…どうした北郷?まぁ確かに中に何もない箱などみれば、そう考えてもおかしくはあるまい。姉者なら、中に何も入ってなければ嫌われたと思い込むかも知れんがな。」

!!そうだ!春蘭!秋蘭はともかく春蘭はマズイ、春蘭のやつあれで結構素直だから…もしかして。
(華琳様に嫌われた…欝だ…死のう)とかなってるかもしれない。

「ご…ごめん秋蘭!俺ちょっと春蘭のとこに行ってくる!」

そうして、俺は春蘭の部屋まで全速力で駆けていった。

心臓が悲鳴をあげ、息ができずにフラフラだ。足をとられそうになりながらも俺は春蘭の部屋をあける。

「春蘭!!死ぬなーー!」

大声で叫んだつもりだが、蚊の鳴くような声しか絞り出せなかった。そして俺が見たものはというと…。
481 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/02/18(水) 18:14:25 ID:YD98MB5T0




「…うん?どうした北郷そんなに急いで?それより見ろ!華琳様からこんな綺麗な箱を頂いたぞ♪」

ズザーと音が鳴るくらい派手に転んだ俺は、赤い箱を掲げる春蘭を見上げるしか出来なかった。

「ふふふ…いくら北郷でもこれは華琳様から頂いたものだからな、くれてやる訳にはいかん。…まぁどうしてもと言うなら触らせてやってもいいがな。」

そうですか、そうきますか。てか秋蘭がまったく慌ててなかった時点で気づくべきだったな。

「あ、そうだ!この箱を入れる箱を買わねば!ちょうどいい北郷、これから買い物に行くから付き合え。」

…もうどうにでもしてくれ。
485 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2009/02/18(水) 18:34:08 ID:YD98MB5T0
>>482
連投規制に引っ掛かってました。

>>483
ごめんなさい。終わりです。

前スレから引き続き春蘭ネタを書いているけど、どうしてもシリアスかギャグにしかいけない。
ネタならあるんだけどエロが書けない。

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